皆さんおはようございます!会えない時のためにこんにちはこんばんはおやすみなさい!(何の映画のセリフでしょうか)
さて、
2月10日(日)に千代田開発センターで『月一の舞い』がありました!今回のテーマは『神楽伝説ー平家一族ー』です。
なんだかこのようなテーマを見ると日本史を改めて勉強し直したくなりますね。
まず、始めは富士神楽団「天慶新皇記」。
富士神楽団さんは今回初めて月一で舞われました。
父の所領の多くが伯父の平国香により強奪された平将門が二人の弟、将頼と将平と共に国香を討つところから始まります。
国香を取り囲む威圧感、登場の迫力から将門の怒りが伝わります。
強力な関東の支配者となる将門。
ですが
悲しいかな、あくまで一族との私闘であったものが、不本意ながらもいつからか朝廷に対して反旗を翻すかたちになります。いや、若しくは、司会の斉藤さんの説明にもあったように、本当に地方が貧しさにあえぐ時代を背景に、財力と権力を持ち始めた将門は万民和平の新しいくにづくりを目指し、反旗を翻したのかもしれない・・・
一方父である国香を将門に討たれた平貞盛(つまり将門といとこ)は藤原秀郷を味方に『天慶の乱』で将門を破ります。闘いが闘いを呼んだのですね。
将門が、「逃げてこの怨みはらせ」と二人の弟に伝える場面では何とも言えない気持ちになりました。
貞盛と秀郷の喜びの舞は、まさにその後の子孫達による平家繁栄を物語るようでした。
今回、(40代なのに30代に見える若々しい)山田団長にインタビューをさせていただきましたが、その際、「どんな思いで将門が死んだか」「将門の思いが伝われば」と話して下さいました。
神楽では悪い人として将門を描くことの悩みを抱えられていることも始まる前にお話して下さいましたよね。それゆえ未だ未完成であると。
この演目はあくまで貞盛の視点から描かれた演目ですが、皆さんはどうとらえられたでしょうか?
続いて、
東山神楽団、「滝夜叉姫」。
五月姫(滝夜叉姫)の父は、言わずと知れた将門です。
このようにテーマがあることによって独立した演目に繋がりを感じることが出来るのは月一の舞いの面白い部分であります。
天慶の乱で平将門が討たれ、一族郎党滅ぼされるもたった1人生き残った三女五月姫の物語。この物語は江戸時代の終わり、歌舞伎として発表されたそうです。
さてさて「滝夜叉姫」。団の色がとても出る演目です。怨念の塊となった滝夜叉姫も死の間際改心したと言われたりもします。 そこのところをどのように解釈し表現されているのか、毎回楽しみにしておられる方も多いのではないでしょうか?
最後、「将門のもとへ昇天」した滝夜叉姫。五月姫の顏に戻って舞っているとき、そこにまだ「鬼」を感じました。なんだか物思いに耽りそうになりました吉井です。
今回私には東山神楽団さんの滝夜叉姫、最後にまだ父の無念を思いながら悔しい思いの中死んでいった、そんな印象を受けました。
次は旭神楽団「紅葉狩」。
こちらは、「平維茂」の武勇伝で、『天慶の乱』から、およそ30年後のことです。30年という長さは、当時はどんなものだったんでしょうね~・・なんて、またまたボケッとしちゃって(笑)
はじめ、鬼女が二人登場。
鬼女が三人というのを良く見ますが今回は二人です!鬼女鬼女と言ってますが、とても落ち着いた着物、お化粧
華やかさを出すことの多い紅葉狩なのでとても珍しく思いました!
そしてまたまた変わっていると思ったのは『宴』!
ここでは楽は笛のみ。別世界に誘うような不思議な時間が流れていくようでした・・一方維茂達の酔う過程というのがなんだかとてもリアルに感じましたよ。
しっとりとした穏やかで優雅な舞。まさか、このおしとやかな人たちが鬼女なの???という印象です。
だけどその分、、姿を現すときは・・・恐ろしいかったですよね・・・
最後は
上本地神楽団「壇の浦」。
斉藤さんの「神楽・壇の浦は、清盛が築き上げた平家王国が眩しく輝くほどに、悲しい平家の最後を語り伝えるのです。」
の、言葉からすでに涙腺がムズムズする筆者(笑)
この壇之浦、やはり見所は二位尼 平時子と平知盛の親子の別れの場面です。
(釣り太郎さんも捨てがたいけど(笑))
これにて今生の別れなり
波の下にも都あり
全てを悟る母の姿。
(二位尼をされた沖本さん、本当に『母』を感じる迫真の演技でした)
知盛の叫び、
いかに義経ー!
全てを悟ったとき、母を失ったとき、それを共に見届けてきたからその叫びが痛いほど心に響きます。
本当に辛い、最期の、そして燃え尽きる為の、全てを悟った闘い。
「見るべき程の事をば見つ。今はただ自害せん。」
知盛の最期は碇を担いだとも、鎧を二枚着て錘にし入水したとも言われます。
遺体、生きたまま、いずれにせよ浮かび上がって晒し物になり辱しめを受けることを避けるためだといいます。
ここら辺で、
筆者も燃え尽きそうなのでそろそろやめておきます(笑)
今回テーマが「平氏一族」ということで先祖や歴史に思いを馳せる、そんな時間が過ごせたような気がします。
最後に、富士神楽団団長山田さんにインタビューさせてもらったときに少子高齢化の話をされていたことに触れておきます。「今はまだ後継者はいる、しかし10年後とかを考えたときに・・・」。
ファンを抱えながらも消滅していく神楽団があること。伝統とか文化とかそういうものは脆く、本当に大切にしていかないと簡単に壊れてしまうこと、色々と頭をめぐりますね。
次回「月一の舞い」は千代田開発センターにて3月10日(日)にあります。是非足をお運び下さいませ。
(吉井利佳)
さて、
2月10日(日)に千代田開発センターで『月一の舞い』がありました!今回のテーマは『神楽伝説ー平家一族ー』です。
なんだかこのようなテーマを見ると日本史を改めて勉強し直したくなりますね。
まず、始めは富士神楽団「天慶新皇記」。
富士神楽団さんは今回初めて月一で舞われました。
父の所領の多くが伯父の平国香により強奪された平将門が二人の弟、将頼と将平と共に国香を討つところから始まります。
国香を取り囲む威圧感、登場の迫力から将門の怒りが伝わります。
強力な関東の支配者となる将門。
ですが
悲しいかな、あくまで一族との私闘であったものが、不本意ながらもいつからか朝廷に対して反旗を翻すかたちになります。いや、若しくは、司会の斉藤さんの説明にもあったように、本当に地方が貧しさにあえぐ時代を背景に、財力と権力を持ち始めた将門は万民和平の新しいくにづくりを目指し、反旗を翻したのかもしれない・・・
一方父である国香を将門に討たれた平貞盛(つまり将門といとこ)は藤原秀郷を味方に『天慶の乱』で将門を破ります。闘いが闘いを呼んだのですね。
将門が、「逃げてこの怨みはらせ」と二人の弟に伝える場面では何とも言えない気持ちになりました。
貞盛と秀郷の喜びの舞は、まさにその後の子孫達による平家繁栄を物語るようでした。
今回、(40代なのに30代に見える若々しい)山田団長にインタビューをさせていただきましたが、その際、「どんな思いで将門が死んだか」「将門の思いが伝われば」と話して下さいました。
神楽では悪い人として将門を描くことの悩みを抱えられていることも始まる前にお話して下さいましたよね。それゆえ未だ未完成であると。
この演目はあくまで貞盛の視点から描かれた演目ですが、皆さんはどうとらえられたでしょうか?
続いて、
東山神楽団、「滝夜叉姫」。
五月姫(滝夜叉姫)の父は、言わずと知れた将門です。
このようにテーマがあることによって独立した演目に繋がりを感じることが出来るのは月一の舞いの面白い部分であります。
天慶の乱で平将門が討たれ、一族郎党滅ぼされるもたった1人生き残った三女五月姫の物語。この物語は江戸時代の終わり、歌舞伎として発表されたそうです。
さてさて「滝夜叉姫」。団の色がとても出る演目です。怨念の塊となった滝夜叉姫も死の間際改心したと言われたりもします。 そこのところをどのように解釈し表現されているのか、毎回楽しみにしておられる方も多いのではないでしょうか?
最後、「将門のもとへ昇天」した滝夜叉姫。五月姫の顏に戻って舞っているとき、そこにまだ「鬼」を感じました。なんだか物思いに耽りそうになりました吉井です。
今回私には東山神楽団さんの滝夜叉姫、最後にまだ父の無念を思いながら悔しい思いの中死んでいった、そんな印象を受けました。
次は旭神楽団「紅葉狩」。
こちらは、「平維茂」の武勇伝で、『天慶の乱』から、およそ30年後のことです。30年という長さは、当時はどんなものだったんでしょうね~・・なんて、またまたボケッとしちゃって(笑)
はじめ、鬼女が二人登場。
鬼女が三人というのを良く見ますが今回は二人です!鬼女鬼女と言ってますが、とても落ち着いた着物、お化粧
華やかさを出すことの多い紅葉狩なのでとても珍しく思いました!
そしてまたまた変わっていると思ったのは『宴』!
ここでは楽は笛のみ。別世界に誘うような不思議な時間が流れていくようでした・・一方維茂達の酔う過程というのがなんだかとてもリアルに感じましたよ。
しっとりとした穏やかで優雅な舞。まさか、このおしとやかな人たちが鬼女なの???という印象です。
だけどその分、、姿を現すときは・・・恐ろしいかったですよね・・・
最後は
上本地神楽団「壇の浦」。
斉藤さんの「神楽・壇の浦は、清盛が築き上げた平家王国が眩しく輝くほどに、悲しい平家の最後を語り伝えるのです。」
の、言葉からすでに涙腺がムズムズする筆者(笑)
この壇之浦、やはり見所は二位尼 平時子と平知盛の親子の別れの場面です。
(釣り太郎さんも捨てがたいけど(笑))
これにて今生の別れなり
波の下にも都あり
全てを悟る母の姿。
(二位尼をされた沖本さん、本当に『母』を感じる迫真の演技でした)
知盛の叫び、
いかに義経ー!
全てを悟ったとき、母を失ったとき、それを共に見届けてきたからその叫びが痛いほど心に響きます。
本当に辛い、最期の、そして燃え尽きる為の、全てを悟った闘い。
「見るべき程の事をば見つ。今はただ自害せん。」
知盛の最期は碇を担いだとも、鎧を二枚着て錘にし入水したとも言われます。
遺体、生きたまま、いずれにせよ浮かび上がって晒し物になり辱しめを受けることを避けるためだといいます。
ここら辺で、
筆者も燃え尽きそうなのでそろそろやめておきます(笑)
今回テーマが「平氏一族」ということで先祖や歴史に思いを馳せる、そんな時間が過ごせたような気がします。
最後に、富士神楽団団長山田さんにインタビューさせてもらったときに少子高齢化の話をされていたことに触れておきます。「今はまだ後継者はいる、しかし10年後とかを考えたときに・・・」。
ファンを抱えながらも消滅していく神楽団があること。伝統とか文化とかそういうものは脆く、本当に大切にしていかないと簡単に壊れてしまうこと、色々と頭をめぐりますね。
次回「月一の舞い」は千代田開発センターにて3月10日(日)にあります。是非足をお運び下さいませ。
(吉井利佳)
2013,02,17 Sun 11:11