紅葉も真っ盛りとなり、日々寒さが体に堪えてくる季節となってきました。がしかし!26日は広島サンプラザホールで第38回広島神楽競演大会が開催され、その寒さも吹き飛ぶような熱い舞が繰り広げられました。それではどうぞ。
昨年度優勝された塩瀬神楽団「葛城山」
深手を負って葛城山へ逃げ帰る場面では、舞台袖から舞台中央辺りまでの長い道のりを片足ひとつでバランスを崩さず移動。その姿勢はきれいでしたね!客席からはたくさんの拍手がおこっていました。そして立ち合いでは迫り来る激しい一戦。お囃子にかき立てられ、また舞いにかき立てられこちらまで血が騒ぐような感覚にとらわれてしまいそうでした。
今回準優勝を受賞されました琴庄神楽団「大江山」
問答では激しい言い合い、そして張り詰めた雰囲気がヒシヒシと漂う一場面でした。触れるか触れぬかといったとこまで攻め立てる酒呑童子。しかし頼光も負けず劣らずググッと迫りにらみ合い!見ているこちらは冷や汗と油汗が一緒に出てきそうです。また、それとは打って変わっての宴会の席では「呑もぉ~呑もぉ~」という言葉を合図に頭をブンブン振りに振っての豪快な呑みっぷり!終いには、ひょうたんのままラッパ飲みし、ガブガブガブと呑みほしてしまいます。なんとも贅沢な呑み方ですねぇ~♪
雄鹿原上組神楽団「羽白熊鷲」
この演目は身に翼を持ち自由自在に飛び交い庶民を苦しめる悪鬼を澳長足姫(おきながたらしひめ)命が退治するという物語。なんだか塵倫と話がよく似ている?とう感じですが、ぐるぐると円をかき、こきざみに足を動かしながら飛ぶ姿。また、口上も少し違った言いまわしで塵倫とはまた少し違うように思います。また羽白熊鷲が太鼓の裏に隠れたりもするお茶目な場面もありました。そもそも澳長足姫命というお方はあの塵倫を退治した仲哀天皇のお后様だそうです。夫婦そろって空を自由に飛びまわる悪鬼を退治するとはなんだか運命を感じてしまいますね。
4位の敢闘賞を取られました八重西神楽団「滝夜叉姫」
なんと昨夜も神楽を舞われそれから一睡もされず今回の大会に臨まれたそうですが、そんなことは微塵も感じさせない熱い舞でした。夜叉丸・蜘蛛丸の息の合った舞そしてとっても高いハイジャンプ!観客を大いに沸かせていらっしゃいました。そして興奮冷めやらぬ余韻を残して滝夜叉姫の登場。怒り心頭し怖い鬼の姿へ。しかし、はっ!!と気づいたときにはさらに大きな鬼に!!!けれどもそれだけに終わらずさらに!青のような緑のような恐ろしい鬼へ。口もパクパクと動き恐ろしさ倍増のお顔です。
比婆荒神神楽社「猿田彦の舞」
この舞は諸神を神殿にお迎えするにあたり先払い、または清めの舞として行われるそうです。またこの神楽は8畳ぐらいの間で舞うそうで、今回舞台にはそれに見立てた間を作って舞われました。始めに案人(あど)と呼ばれる方が猿田彦の由来を述べ、その後に二人の猿田彦が登場。お囃子に合わせて両手に持った扇を翻したり、ピッピッと止めたりと機敏な動き、二人の息がとてもぴったりと合っていました。また袖を捲くり上げ扇から刀に、そして長刀にと持ち替え片腕だけで回したり、手の平の上で回したりさまざまな技を繰り広げ、客席からたくさんの拍手を貰っておられました。
上殿神楽団「英彦山の巻」
この物語は浦部六郎季の妻、姫松が夫の病気を治そうとこの山の神に祈願をしている最中、竜虎滝夜叉姫の家臣等に見つかり捕らわれてしまいます。それを知った浦部は昆比羅大権現より虎の巻物と雲切丸の名刀を授かり、一戦の後見事滝夜叉姫を打ちとり姫松を無事助け出すというお話です。こちらの龍虎滝夜叉姫も多くの神楽ファンを湧かせてくれました。いざ、決戦という時。上に羽織っていた衣装を脱ぎ捨てればそこには鬼の顔!?目にも留まらぬ早業にどよめきが起こっていました。また、薙刀を取られ小刀へと武器を変え、そして火花を散らし足掻きに足掻く激しい舞にこちらまで燃え上がってしまうようでした。
優勝に輝かれました大塚神楽団「羅生門」
やはり一番目を惹かれてしまうのは酒呑童子が化けた白妙でしょうか?徐々に本性を現し、ゆぅ~っくりとこちらに振り返れば鬼の顔!はたまた、もう一度振り返れば白妙の顔!さらに左の腕を取り返したときには元の酒呑童子の顔に戻っているではありませんか!?幾度なく変わる姿を見ていると背筋がゾクゾクっとしてしまいます。しかし不気味な一面だけでなく、また笑える一面も。一度戻った茨木童子の腕を再び引っこ抜いてしまう場面。身振り手振りを見ていると、茨「んんっ、またなくなったぞ!?」酒「ほんとじゃぁ!!どこいった?」茨「ってその手に持っとるじゃん!!!」酒「ありゃぁ!?」という会話が聞こえてきそうですね。
高下神楽団「源頼政」
立ち合いのはじめ、鵺が黄金に輝く鬼棒を振り回し源頼政と激戦!一度矢を打たれるも、最後の力を振り絞り鵺自身に打たれた弓を口に咥え勢いよく頼政等に襲いかかります。そして幕の方へ消えたかと思うと再び火花を撒き散らしながら勢いよく飛び出し、フサフサとしたし本来の鵺の姿に!また、鵺を見たときに始めに目に飛び込んでくるのは衣装の色!いつも見る黒い袴と違い緑色の袴でとても新鮮です。そしてパラリと一枚捲れると上下の色が揃っておりまた一味違った感覚で、舞い共々楽しむことができました。
高井神楽団「紅葉狩」
平維茂と従者お二方の扇さばきはとても綺麗に揃い、くるりくるりと翻す様子は美しかったですね!また、鬼女大王の口上は丁寧にゆったりはっきりと聞き取りやすい言い方だったように感じました。そして鬼女三人での舞いも息がぴったりと揃っており、鬼へと変わる瞬間も素早い面変わりに拍手喝采!!そして高いジャンプのあとにペタッと綺麗な着地もお見事!ひとつひとつしっかりとした舞いでした。
3位熱演賞を受賞されました梶原神楽団「天ノ岩戸」
始まってすぐの天児屋根命の口上では、なんとも悲しく、残念という感情がとてもこもった言い方をされておられました。そのためか最初からすぅーっと物語へと入っていけたような気がします。また中盤での神楽をかなで舞う場面、天鈿女命はとてもやわらかく優しい感じの舞でした。時にたおやかに後ろに撓る姿はとても美しかったですね。そして、それとは反対的の天手力男尊の舞は大きく足をあげドスンッという音が聞こえてくるほどの力強い足踏み。漲る力がとても伝わってくるようでした。またこの天手力男尊を舞われた方は個人賞を受賞されました!おめでとうございます☆
特別出演の羽佐竹神楽団「鈴鹿山」
一度は悪人へと手を染めていた夜叉丸が、田村麻呂の家臣となる裏切りは犬神丸にとって、なんともいえない腹立たしさだっただろうと思います。またその思いが舞に表れているようで、犬神丸はバサリと切られガクッと倒れこむもプルプルと渾身の力を絞りに絞り、まだまだぁ~!!と抵抗し続け田村麻呂を苦しめます。また終盤に差し掛かると照明も赤い色に変わりさらに白熱した立ち合いに!最後の最後まで観客を大いに盛り上げてくださいました。
数々の熱い神楽を見た後は結果発表、そしてお楽しみ抽選会☆この報告を読んでおられる方でどなたか景品が当たられた方はいらっしゃいましたでしょうか♪また、会場ではお餅や神楽の顔をしたお饅頭などなど、地域ごとの特産などがたくさん販売されておられました。
さて、神楽シーズンも今回の大会で昨日から並ばれている方や早朝5時から並ばれた方がいらっしゃると聞きました、寒い場所での待ち時間はくれぐれもお風邪を引かれぬよう暖かくして、残りの神楽シーズンを楽しみましょう♪
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昨年度優勝された塩瀬神楽団「葛城山」
深手を負って葛城山へ逃げ帰る場面では、舞台袖から舞台中央辺りまでの長い道のりを片足ひとつでバランスを崩さず移動。その姿勢はきれいでしたね!客席からはたくさんの拍手がおこっていました。そして立ち合いでは迫り来る激しい一戦。お囃子にかき立てられ、また舞いにかき立てられこちらまで血が騒ぐような感覚にとらわれてしまいそうでした。
今回準優勝を受賞されました琴庄神楽団「大江山」
問答では激しい言い合い、そして張り詰めた雰囲気がヒシヒシと漂う一場面でした。触れるか触れぬかといったとこまで攻め立てる酒呑童子。しかし頼光も負けず劣らずググッと迫りにらみ合い!見ているこちらは冷や汗と油汗が一緒に出てきそうです。また、それとは打って変わっての宴会の席では「呑もぉ~呑もぉ~」という言葉を合図に頭をブンブン振りに振っての豪快な呑みっぷり!終いには、ひょうたんのままラッパ飲みし、ガブガブガブと呑みほしてしまいます。なんとも贅沢な呑み方ですねぇ~♪
雄鹿原上組神楽団「羽白熊鷲」
この演目は身に翼を持ち自由自在に飛び交い庶民を苦しめる悪鬼を澳長足姫(おきながたらしひめ)命が退治するという物語。なんだか塵倫と話がよく似ている?とう感じですが、ぐるぐると円をかき、こきざみに足を動かしながら飛ぶ姿。また、口上も少し違った言いまわしで塵倫とはまた少し違うように思います。また羽白熊鷲が太鼓の裏に隠れたりもするお茶目な場面もありました。そもそも澳長足姫命というお方はあの塵倫を退治した仲哀天皇のお后様だそうです。夫婦そろって空を自由に飛びまわる悪鬼を退治するとはなんだか運命を感じてしまいますね。
4位の敢闘賞を取られました八重西神楽団「滝夜叉姫」
なんと昨夜も神楽を舞われそれから一睡もされず今回の大会に臨まれたそうですが、そんなことは微塵も感じさせない熱い舞でした。夜叉丸・蜘蛛丸の息の合った舞そしてとっても高いハイジャンプ!観客を大いに沸かせていらっしゃいました。そして興奮冷めやらぬ余韻を残して滝夜叉姫の登場。怒り心頭し怖い鬼の姿へ。しかし、はっ!!と気づいたときにはさらに大きな鬼に!!!けれどもそれだけに終わらずさらに!青のような緑のような恐ろしい鬼へ。口もパクパクと動き恐ろしさ倍増のお顔です。
比婆荒神神楽社「猿田彦の舞」
この舞は諸神を神殿にお迎えするにあたり先払い、または清めの舞として行われるそうです。またこの神楽は8畳ぐらいの間で舞うそうで、今回舞台にはそれに見立てた間を作って舞われました。始めに案人(あど)と呼ばれる方が猿田彦の由来を述べ、その後に二人の猿田彦が登場。お囃子に合わせて両手に持った扇を翻したり、ピッピッと止めたりと機敏な動き、二人の息がとてもぴったりと合っていました。また袖を捲くり上げ扇から刀に、そして長刀にと持ち替え片腕だけで回したり、手の平の上で回したりさまざまな技を繰り広げ、客席からたくさんの拍手を貰っておられました。
上殿神楽団「英彦山の巻」
この物語は浦部六郎季の妻、姫松が夫の病気を治そうとこの山の神に祈願をしている最中、竜虎滝夜叉姫の家臣等に見つかり捕らわれてしまいます。それを知った浦部は昆比羅大権現より虎の巻物と雲切丸の名刀を授かり、一戦の後見事滝夜叉姫を打ちとり姫松を無事助け出すというお話です。こちらの龍虎滝夜叉姫も多くの神楽ファンを湧かせてくれました。いざ、決戦という時。上に羽織っていた衣装を脱ぎ捨てればそこには鬼の顔!?目にも留まらぬ早業にどよめきが起こっていました。また、薙刀を取られ小刀へと武器を変え、そして火花を散らし足掻きに足掻く激しい舞にこちらまで燃え上がってしまうようでした。
優勝に輝かれました大塚神楽団「羅生門」
やはり一番目を惹かれてしまうのは酒呑童子が化けた白妙でしょうか?徐々に本性を現し、ゆぅ~っくりとこちらに振り返れば鬼の顔!はたまた、もう一度振り返れば白妙の顔!さらに左の腕を取り返したときには元の酒呑童子の顔に戻っているではありませんか!?幾度なく変わる姿を見ていると背筋がゾクゾクっとしてしまいます。しかし不気味な一面だけでなく、また笑える一面も。一度戻った茨木童子の腕を再び引っこ抜いてしまう場面。身振り手振りを見ていると、茨「んんっ、またなくなったぞ!?」酒「ほんとじゃぁ!!どこいった?」茨「ってその手に持っとるじゃん!!!」酒「ありゃぁ!?」という会話が聞こえてきそうですね。
高下神楽団「源頼政」
立ち合いのはじめ、鵺が黄金に輝く鬼棒を振り回し源頼政と激戦!一度矢を打たれるも、最後の力を振り絞り鵺自身に打たれた弓を口に咥え勢いよく頼政等に襲いかかります。そして幕の方へ消えたかと思うと再び火花を撒き散らしながら勢いよく飛び出し、フサフサとしたし本来の鵺の姿に!また、鵺を見たときに始めに目に飛び込んでくるのは衣装の色!いつも見る黒い袴と違い緑色の袴でとても新鮮です。そしてパラリと一枚捲れると上下の色が揃っておりまた一味違った感覚で、舞い共々楽しむことができました。
高井神楽団「紅葉狩」
平維茂と従者お二方の扇さばきはとても綺麗に揃い、くるりくるりと翻す様子は美しかったですね!また、鬼女大王の口上は丁寧にゆったりはっきりと聞き取りやすい言い方だったように感じました。そして鬼女三人での舞いも息がぴったりと揃っており、鬼へと変わる瞬間も素早い面変わりに拍手喝采!!そして高いジャンプのあとにペタッと綺麗な着地もお見事!ひとつひとつしっかりとした舞いでした。
3位熱演賞を受賞されました梶原神楽団「天ノ岩戸」
始まってすぐの天児屋根命の口上では、なんとも悲しく、残念という感情がとてもこもった言い方をされておられました。そのためか最初からすぅーっと物語へと入っていけたような気がします。また中盤での神楽をかなで舞う場面、天鈿女命はとてもやわらかく優しい感じの舞でした。時にたおやかに後ろに撓る姿はとても美しかったですね。そして、それとは反対的の天手力男尊の舞は大きく足をあげドスンッという音が聞こえてくるほどの力強い足踏み。漲る力がとても伝わってくるようでした。またこの天手力男尊を舞われた方は個人賞を受賞されました!おめでとうございます☆
特別出演の羽佐竹神楽団「鈴鹿山」
一度は悪人へと手を染めていた夜叉丸が、田村麻呂の家臣となる裏切りは犬神丸にとって、なんともいえない腹立たしさだっただろうと思います。またその思いが舞に表れているようで、犬神丸はバサリと切られガクッと倒れこむもプルプルと渾身の力を絞りに絞り、まだまだぁ~!!と抵抗し続け田村麻呂を苦しめます。また終盤に差し掛かると照明も赤い色に変わりさらに白熱した立ち合いに!最後の最後まで観客を大いに盛り上げてくださいました。
数々の熱い神楽を見た後は結果発表、そしてお楽しみ抽選会☆この報告を読んでおられる方でどなたか景品が当たられた方はいらっしゃいましたでしょうか♪また、会場ではお餅や神楽の顔をしたお饅頭などなど、地域ごとの特産などがたくさん販売されておられました。
さて、神楽シーズンも今回の大会で昨日から並ばれている方や早朝5時から並ばれた方がいらっしゃると聞きました、寒い場所での待ち時間はくれぐれもお風邪を引かれぬよう暖かくして、残りの神楽シーズンを楽しみましょう♪
この記事が面白い・勉強になったと思われたら迷わずクリック
2008,10,30 Thu 18:44
新着コメント
申し訳ございませんが、英彦山の巻もう少し詳しくご説明ください。
| 匿名神楽 | EMAIL | URL | 18/08/03 12:48 | 4wDkpHkI |
神楽大好きさんコメントありがとうございます!
すみません、返事が遅くなってしまいました。
競演に行かれたんですね!
確かに料金が上がってしまったため、前の年に比べてお客様が少なかったですね^ ^;
しかし、「神楽」を満喫されたようでよかったです♪
これからも「神楽」を楽しんでいきましょう☆
すみません、返事が遅くなってしまいました。
競演に行かれたんですね!
確かに料金が上がってしまったため、前の年に比べてお客様が少なかったですね^ ^;
しかし、「神楽」を満喫されたようでよかったです♪
これからも「神楽」を楽しんでいきましょう☆
| (新人)特派員 | EMAIL | URL | 08/11/04 00:15 | LUTFvPrs |
行きましたよ!
昨年と駐車場が違っていて少し遠かったですね!
でも普段あまり観ることのできない「神楽」が楽しめるので、毎年欠かさず通っています。
料金が上がったせいか少しお客様が少なかったのかな?
今までが安すぎでしたよね!
昨年と駐車場が違っていて少し遠かったですね!
でも普段あまり観ることのできない「神楽」が楽しめるので、毎年欠かさず通っています。
料金が上がったせいか少しお客様が少なかったのかな?
今までが安すぎでしたよね!
| 神楽大好き | EMAIL | URL | 08/11/01 16:54 | tTBCbx1A |