筏津神楽団「潮払い」
笛の音が鳴り始めるとその音色が木々に反響し、また神楽歌とお囃子がその場一帯に響き渡りとても心地よく聞こえましたね。また舞いは、始め幣のみでのずっしりした舞い。そして、途中扇も加わり今度は体勢を低くしての舞い。とてもシンプルですが、よく見てみると神楽の基本がギッシリと詰まった舞いですね。
宮乃木神楽団「岩見重太郎」
この演目には2つの大きな見せ場がありますね、一つは狒々との一戦。狒々は榊を食いちぎったり、胸を叩いたりと大暴れ。また、立ち合いでも重太郎の攻撃をひょいひょいっとかわしたり、噛み付いたりと暴れっぷりが炸裂!重太郎も苦戦していましたね。そして二つ目は敵討ち、津田新右衛門との一戦。両者一歩も引かない熱い戦い!一度斬られてもなお戦い続け、激しい熱戦を繰り広げていました。
川北神楽団「神武」
鬼が出て大暴れするといった派手な演目ではありませんが、その分、舞い一つ一つの動きや息の合った舞など注目して見ることができたと思います。落ち着いてゆったりとした舞の中にもリズム感のある舞い、また刀と刀がぶつかり合うと火花が飛び散る立合い、途中照明が落とされバチッ、バチッとオレンジに光る火花がとても輝かしかったですね。派手な演目とはまた違った風格がありました。
曙神楽団「戻り橋後編」
この物語は酒呑童子が切り落とされた茨木童子の腕を取り返しにいくという話。戻り橋後編は羅生門とよく似た物語になります。
腕を取り戻すため白妙を襲う場面。白妙を襲った!と思った時にはもう酒呑童子の顔は白妙へと変わっており、とても驚かされました。また、渡辺綱に何度も腕を見せてほしいと頼む白妙に対して、見せることはできないと拒み続ける綱にプルプルと怒りに堪える姿がなんとも悔しそうでいつ綱に襲い掛かるか!?と固唾を呑んで見てしまいました。
大塚神楽団「土蜘蛛」
胡蝶が土蜘蛛の精魂により妖美たる容姿に変わる場面、土蜘蛛本来の荒々しさと胡蝶の女性らしいしなやかさが混ざり合ったような舞。うまく表現しているように思いました。また、バッ!!と一瞬にして鬼へと変わる様子や見ているこっちまで息が上がってしまいそうな白熱した立ち合いに観客は声援と拍手でとても盛り上がっていました。
筏津神楽団「塵倫」
やはり、みなさんが楽しみにしていたのは塵倫が宙を舞う姿だったでしょうか?今回も優雅に宙を舞ってくれましたね!!波一つ打たずスゥーっと雲を翔る様は、見ているこちら側とはまったく違う時が流れているような感覚にとらわれてしまいます。また、舞い上がるとき、舞い降りるとき、そのときの雲がブッワっと吹きあおりより一層神秘的な空間をかもし出します。今回も観客からは黄色い声が飛んでいましたね。
原田神楽団「大江山」
頼光たちに毒味をさせ安全を確認し、気兼ねなくとてもおいしそうにグビグビお酒を食らう姿に、こちらもついつい一緒に飲んで酔っぱらってしまいたい気になってしまいそうです。また、立ち合いすぐの場面では、酒呑童子たち、頼光たち全部で6人。大勢だとなかなか舞がそろうのは難しいところですが、ピッタリとそろっており、とても綺麗で見事でした。
今回の共演大会はいかがだったでしょうか?山の風や匂いを楽しみながら神楽を満喫することができましたね!始まる前は激しい雨や落雷などがあり、もしかしたら延期になってしまうのでは?と不安に思った方もいたと思います。しかし、始まる直前には雨が止み、時たまパラリと降るときがありましたが順調に最後まで進行していくことができたので本当に良かったですね。来年こそはカラッと晴れた共演大会になれたらいいですね。
この記事が面白い・勉強になったと思われたら迷わずクリック
2008,09,08 Mon 19:03
コメント
コメントする
この記事のトラックバックURL
http://www.npo-hiroshima.jp/blogn/tb.php/230
トラックバック
松本市とその近郊では、そばの花が見ごろになっています。
グリーンの畑に白い花は見た目もさわやかで大好きな風景です。
グリーンの畑に白い花は見た目もさわやかで大好きな風景です。
| http://naganoken.blog86.fc2.com/ | 08/09/09 06:33 |