先週の土曜日は、廿日市のもみのき森林公園・体育館で「春選抜 第9回吉和神楽競演大会」が行われまた。それでは報告です。
まず始めは高井神楽団「神降ろし」
この演目は神楽が始まるにあたってはとても大切な演目ですね。まずは神様をお招きしなければ神楽は始まりません。シンプルな演目ではありますが、お囃子が鳴り響くといよいよ神楽が始まったぞ!!という気持ちでわくわくしてしまいます。また、舞いの中でそれぞれの方角を拝む場面があり、拝むときは一旦お囃子が鳴り止み神楽歌だけが会場に響き渡ります。その光景はとても神妙でした。
次に特別出演の吉和子ども神楽団「弓八幡」
まず始めに楽を担当する子ども達が登場してくるのですが、なんと登場してきたのは通常の人数を超えるたくさんの子ども達。客席からは「んまぁ~、可愛らしい♪」という声が聞こえてきました。人数は全部で9人!大太鼓一人に小太鼓一人、手打鉦6人に笛一人、一生懸命お囃子を奏でていました。そして、舞では若々しくもしっかりした足取りに、セリフもキマっており大人顔負けのすばらしい演出。まさに大人の神楽を見ているかのようでした。将来がさらに楽しみですね。
次に本郷神楽団「大江山」
こちらの演目で目に留まったのは、頼光たちが岩屋へと向かう道中の場面。皆さん頭に浮かんでくるのは、捕らわれた紅葉姫と出会い酒呑童子の岩屋へと案内する光景が浮かんでくるでしょうか。しかし、こちらでは紅葉姫も登場するのですが、紅葉姫が案内するのではなく、道案内を担当する人物が登場します。そして、もう一つ。酒呑童子たちの問答の末、酒宴が開かれる場面のところ。頼光たちが持って来た酒を頼光自身が毒見をするのですが、飲む時なんとゴクゴクっと飲む音が聞こえ本当に酒を飲んでいるようでした。
そして次に宮乃木神楽団「滝夜叉姫」
五月姫が父の恨みを晴らそうと貴船明神へと祈願をする場面から始まります。二一日目の満願の日、どこからともなく貴船の神の声が聞こえ出し五月姫に妖術を授けます。そのとき、五月姫は苦しそうな様子を見せるのですが、次第に肩でゆっくりと笑いだし、こちらに振り返ると恐ろしい顔に変身。先ほどとは違う異様な姿形にゾクゾクッと震えがきてしまいます。また、立ち合いの場面でも恐ろしかった顔がついには鬼の姿へと変わり恐ろしさがどんどん増していきました。
そして次は坂原神楽団「天神」
こちらの舞いは、趣きがあり、どこか懐かしさを感じさせる舞いだったように思います。立ち合いはゆっくりとした立ち回りで、初めは長刀との戦い。そして、次に長刀から刀に持ち替え、再び立ち合いが始まります。刀同士での立ち合いは、地面に刀を打ち付ける場面やしゃがんだままジャンプをするようなかたちで回り、刀と刀を打ち合わせる様子が伺えました。また、その時に刀と刀がぶつかり合う瞬間、パチッパチッと火花が飛び散り戦いの激しさを表しているかのようでした。
そして次に高井神楽団「紅葉狩」
鬼女三人が登場し、ゆっくりと舞う様子は、美しくも怪しさが滲みでるようでとても妖艶な舞いでした。また、鬼女が平維茂をだまし襲い掛かる場面は、先ほどとは違い勢いのある舞い。鬼女大王の熱がこもったセリフにどんどん気持ちが高まっていき、ハッと気づいたときはもとの鬼の姿。また、もとに戻るときの高いダイナミックなジャンプは会場をどっと湧き上がらせていらっしゃいました。そして、立ち合いでもその勢いをさらに巻き上げるかのようなスピード感あふれる激しい戦いで会場を熱気に包み込んでおられました。
さぁそして次は石見神代神楽上府社中「八岐の大蛇」
唯一島根県から出場された団体さんでした。やはり大蛇が次々に披露される技がとてもすばらしかったですね。間が空くことなく次から次へと披露される技の数々は客席からは拍手が起こっていました。また、技の中でお囃子にあわせて頭を振る様子もあり、恐ろしくも可愛らしさがありました。そして場面は変わり立ち合いでは、須佐之男命が一気に切り掛るとそれに驚いた大蛇たちは、一瞬にして須佐之男命に襲い掛かります。大蛇の中に閉じ込められ須佐之男命苦が四苦八苦している様子は、冷や冷やしてしまいました。
そしてつぎは特別出演の三谷神楽団「鐘馗」
無病息災を祈願する舞としても知られている演目ですね。広島の鐘馗では黒い面をした疫神をイメージしがちですが、三谷さんの疫神は顔が白く、赤いしわが施されているユニークな面が使われていました。また、舞いも独特で底を這う様な舞いとは少し違い、体勢を低くし地を貪るような感じの舞い方でした。そして、最後の立ち合いでもお囃子のリズムに合わせて疫神と鐘馗がケンケンしながら舞う場面もあり、こちらも変わった舞い方でとても味わい深く見ることができました。
さぁ次は旭神楽団「大江山」
こちらの大江山ではなんといっても酒呑童子の様子に驚かされましたね。都からさらわれた紅葉姫が頼光たちを岩屋へと案内し一夜の宿を訪ねる際、幕から登場して来たのはとても大きい顔の酒呑童子たち。唐熊童子や茨木童子も大きい顔なのですが、それよりも酒呑童子は一回り大きい顔。さらにしわは深く、目は眩いばかり輝き、こちらに顔を向けられると後ずさりをしてしまいそうになってしまいます。また、頼光たちを怪しみ顔をグッと近づける様子は、見ているこちらまで酒呑童子の迫力に呑まれてしまいそうでした。
そして次は旧舞の部で準優勝されました栗栖神楽団「頼政」
頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎といった奇怪なる姿の鵺。序盤は上半身獣の姿で登場し頼政たちと戦います。また、終盤からは完全な鵺の姿に戻りさらに激しい戦いが繰り広げられます。そして、最後は頼政からの攻撃によってその場に倒れ込んでしまいますが、客席から「まだまだ~!!」という声が聞こえてきます。すると鵺は渾身の力で起き上がり再び襲い掛かります。そこからまた熱い戦いが繰り広げられ、客席からは歓声が沸き起こっていました。
そして新舞の部で準優勝されました大森神楽団「戻橋」
この演目で印象強く残っているのは、渡辺綱と女に化けた茨木童子との場面と、立ち合いで式神が登場する場面でしょうか。まず最初は戻り橋で女に化けた茨木童子を渡辺綱が道案内する場面。案内をしている綱の背後では女が袖で顔を覆うと鬼の姿に変わり、そして綱が振り向くと何事もなかったかの様に女の姿へ戻る様子に、会場はどよめいていていました。そして、次に式神が登場する場面は、清明から授かった札を橋の方へと投げ込むと、煙と共に強そうな式神が登場します。ムクムクっと登場してくる姿に、これまた会場がどよめいていました。
次に旧舞の部で優勝されました津浪神楽団「塵倫」
塵倫が幕間からそぉっと顔を出し姿を現した様子はいつ見てもドキドキさせられますね。また、塵倫が着ている衣装は大きな羽が刺繍されており威圧感と強い存在感を感じさせます。そして、舞いではゆっくりと舞う中に俊敏な動きも感じられ、躍動感溢れる舞いでした。また、塵倫が空を飛ぶ場面は、ぶわっと雲が立ち込めその上をすぅっと気持ちよく飛んでいました。客席からは大きな拍手が沸き起こっていました。
そして次は新舞の部で優勝されました琴庄神楽団「義経平氏追討」
始まった当初から激しい立ち合いが始まり物語の中へとすぐさま誘います。また、平家一門が海へと身を投じ平知盛が海底の中苦しむ様子は見ているこちらまで息苦しさを感じます。そして、ついには亡霊となった平知盛が義経へと復習する場面は、まさに白熱したバトル。弁慶や義経の一撃で平知盛の霊は一度倒れ込みますが、何のこれしき!と再び立ち上がり、「義経~!!」と叫び、再び襲い掛かろうとします。しかし、それを弁慶がなんとか押さえ込みあえなく天昇させられますが、最初から最後まで力のこもる演出に目が釘付けになってしまいました。
そして最後は特別出演、横田神楽団「羅生門」
この演目は三部構成の真ん中のお話ですね。今回横田さんの羅生門は、初めの物語にある、茨木童子の左の腕を切り落とす場面から始まります。前半にあたる戻り橋の内容も織り込まれており物語の中へとスムーズに入っていけますね。また、酒呑童子や茨木童子の顔にも注目。インパクトの強い特徴ある顔立ちで、怒りが滲みでているかのような恐ろしい顔です。そこに舞いが加わり、迫力満点の童子さんたちでした。
さて、今年初の競演大会、吉和神楽競演大会はいかがだったでしょうか?今回は天候に恵まれず、あいにくの雨で風も強い日となりました。また、夜になるととても冷え込みましたが、会場に足を運ばれた方々は暖かくして来られたでしょうか?くれぐれも風邪を引かれませんよう気をつけてくださいね。(´`;)そして、来年こそはいい天気に恵まれることを祈りたいと思います。
まず始めは高井神楽団「神降ろし」
この演目は神楽が始まるにあたってはとても大切な演目ですね。まずは神様をお招きしなければ神楽は始まりません。シンプルな演目ではありますが、お囃子が鳴り響くといよいよ神楽が始まったぞ!!という気持ちでわくわくしてしまいます。また、舞いの中でそれぞれの方角を拝む場面があり、拝むときは一旦お囃子が鳴り止み神楽歌だけが会場に響き渡ります。その光景はとても神妙でした。
次に特別出演の吉和子ども神楽団「弓八幡」
まず始めに楽を担当する子ども達が登場してくるのですが、なんと登場してきたのは通常の人数を超えるたくさんの子ども達。客席からは「んまぁ~、可愛らしい♪」という声が聞こえてきました。人数は全部で9人!大太鼓一人に小太鼓一人、手打鉦6人に笛一人、一生懸命お囃子を奏でていました。そして、舞では若々しくもしっかりした足取りに、セリフもキマっており大人顔負けのすばらしい演出。まさに大人の神楽を見ているかのようでした。将来がさらに楽しみですね。
次に本郷神楽団「大江山」
こちらの演目で目に留まったのは、頼光たちが岩屋へと向かう道中の場面。皆さん頭に浮かんでくるのは、捕らわれた紅葉姫と出会い酒呑童子の岩屋へと案内する光景が浮かんでくるでしょうか。しかし、こちらでは紅葉姫も登場するのですが、紅葉姫が案内するのではなく、道案内を担当する人物が登場します。そして、もう一つ。酒呑童子たちの問答の末、酒宴が開かれる場面のところ。頼光たちが持って来た酒を頼光自身が毒見をするのですが、飲む時なんとゴクゴクっと飲む音が聞こえ本当に酒を飲んでいるようでした。
そして次に宮乃木神楽団「滝夜叉姫」
五月姫が父の恨みを晴らそうと貴船明神へと祈願をする場面から始まります。二一日目の満願の日、どこからともなく貴船の神の声が聞こえ出し五月姫に妖術を授けます。そのとき、五月姫は苦しそうな様子を見せるのですが、次第に肩でゆっくりと笑いだし、こちらに振り返ると恐ろしい顔に変身。先ほどとは違う異様な姿形にゾクゾクッと震えがきてしまいます。また、立ち合いの場面でも恐ろしかった顔がついには鬼の姿へと変わり恐ろしさがどんどん増していきました。
そして次は坂原神楽団「天神」
こちらの舞いは、趣きがあり、どこか懐かしさを感じさせる舞いだったように思います。立ち合いはゆっくりとした立ち回りで、初めは長刀との戦い。そして、次に長刀から刀に持ち替え、再び立ち合いが始まります。刀同士での立ち合いは、地面に刀を打ち付ける場面やしゃがんだままジャンプをするようなかたちで回り、刀と刀を打ち合わせる様子が伺えました。また、その時に刀と刀がぶつかり合う瞬間、パチッパチッと火花が飛び散り戦いの激しさを表しているかのようでした。
そして次に高井神楽団「紅葉狩」
鬼女三人が登場し、ゆっくりと舞う様子は、美しくも怪しさが滲みでるようでとても妖艶な舞いでした。また、鬼女が平維茂をだまし襲い掛かる場面は、先ほどとは違い勢いのある舞い。鬼女大王の熱がこもったセリフにどんどん気持ちが高まっていき、ハッと気づいたときはもとの鬼の姿。また、もとに戻るときの高いダイナミックなジャンプは会場をどっと湧き上がらせていらっしゃいました。そして、立ち合いでもその勢いをさらに巻き上げるかのようなスピード感あふれる激しい戦いで会場を熱気に包み込んでおられました。
さぁそして次は石見神代神楽上府社中「八岐の大蛇」
唯一島根県から出場された団体さんでした。やはり大蛇が次々に披露される技がとてもすばらしかったですね。間が空くことなく次から次へと披露される技の数々は客席からは拍手が起こっていました。また、技の中でお囃子にあわせて頭を振る様子もあり、恐ろしくも可愛らしさがありました。そして場面は変わり立ち合いでは、須佐之男命が一気に切り掛るとそれに驚いた大蛇たちは、一瞬にして須佐之男命に襲い掛かります。大蛇の中に閉じ込められ須佐之男命苦が四苦八苦している様子は、冷や冷やしてしまいました。
そしてつぎは特別出演の三谷神楽団「鐘馗」
無病息災を祈願する舞としても知られている演目ですね。広島の鐘馗では黒い面をした疫神をイメージしがちですが、三谷さんの疫神は顔が白く、赤いしわが施されているユニークな面が使われていました。また、舞いも独特で底を這う様な舞いとは少し違い、体勢を低くし地を貪るような感じの舞い方でした。そして、最後の立ち合いでもお囃子のリズムに合わせて疫神と鐘馗がケンケンしながら舞う場面もあり、こちらも変わった舞い方でとても味わい深く見ることができました。
さぁ次は旭神楽団「大江山」
こちらの大江山ではなんといっても酒呑童子の様子に驚かされましたね。都からさらわれた紅葉姫が頼光たちを岩屋へと案内し一夜の宿を訪ねる際、幕から登場して来たのはとても大きい顔の酒呑童子たち。唐熊童子や茨木童子も大きい顔なのですが、それよりも酒呑童子は一回り大きい顔。さらにしわは深く、目は眩いばかり輝き、こちらに顔を向けられると後ずさりをしてしまいそうになってしまいます。また、頼光たちを怪しみ顔をグッと近づける様子は、見ているこちらまで酒呑童子の迫力に呑まれてしまいそうでした。
そして次は旧舞の部で準優勝されました栗栖神楽団「頼政」
頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎といった奇怪なる姿の鵺。序盤は上半身獣の姿で登場し頼政たちと戦います。また、終盤からは完全な鵺の姿に戻りさらに激しい戦いが繰り広げられます。そして、最後は頼政からの攻撃によってその場に倒れ込んでしまいますが、客席から「まだまだ~!!」という声が聞こえてきます。すると鵺は渾身の力で起き上がり再び襲い掛かります。そこからまた熱い戦いが繰り広げられ、客席からは歓声が沸き起こっていました。
そして新舞の部で準優勝されました大森神楽団「戻橋」
この演目で印象強く残っているのは、渡辺綱と女に化けた茨木童子との場面と、立ち合いで式神が登場する場面でしょうか。まず最初は戻り橋で女に化けた茨木童子を渡辺綱が道案内する場面。案内をしている綱の背後では女が袖で顔を覆うと鬼の姿に変わり、そして綱が振り向くと何事もなかったかの様に女の姿へ戻る様子に、会場はどよめいていていました。そして、次に式神が登場する場面は、清明から授かった札を橋の方へと投げ込むと、煙と共に強そうな式神が登場します。ムクムクっと登場してくる姿に、これまた会場がどよめいていました。
次に旧舞の部で優勝されました津浪神楽団「塵倫」
塵倫が幕間からそぉっと顔を出し姿を現した様子はいつ見てもドキドキさせられますね。また、塵倫が着ている衣装は大きな羽が刺繍されており威圧感と強い存在感を感じさせます。そして、舞いではゆっくりと舞う中に俊敏な動きも感じられ、躍動感溢れる舞いでした。また、塵倫が空を飛ぶ場面は、ぶわっと雲が立ち込めその上をすぅっと気持ちよく飛んでいました。客席からは大きな拍手が沸き起こっていました。
そして次は新舞の部で優勝されました琴庄神楽団「義経平氏追討」
始まった当初から激しい立ち合いが始まり物語の中へとすぐさま誘います。また、平家一門が海へと身を投じ平知盛が海底の中苦しむ様子は見ているこちらまで息苦しさを感じます。そして、ついには亡霊となった平知盛が義経へと復習する場面は、まさに白熱したバトル。弁慶や義経の一撃で平知盛の霊は一度倒れ込みますが、何のこれしき!と再び立ち上がり、「義経~!!」と叫び、再び襲い掛かろうとします。しかし、それを弁慶がなんとか押さえ込みあえなく天昇させられますが、最初から最後まで力のこもる演出に目が釘付けになってしまいました。
そして最後は特別出演、横田神楽団「羅生門」
この演目は三部構成の真ん中のお話ですね。今回横田さんの羅生門は、初めの物語にある、茨木童子の左の腕を切り落とす場面から始まります。前半にあたる戻り橋の内容も織り込まれており物語の中へとスムーズに入っていけますね。また、酒呑童子や茨木童子の顔にも注目。インパクトの強い特徴ある顔立ちで、怒りが滲みでているかのような恐ろしい顔です。そこに舞いが加わり、迫力満点の童子さんたちでした。
さて、今年初の競演大会、吉和神楽競演大会はいかがだったでしょうか?今回は天候に恵まれず、あいにくの雨で風も強い日となりました。また、夜になるととても冷え込みましたが、会場に足を運ばれた方々は暖かくして来られたでしょうか?くれぐれも風邪を引かれませんよう気をつけてくださいね。(´`;)そして、来年こそはいい天気に恵まれることを祈りたいと思います。
2009,04,28 Tue 23:33
新着コメント
神楽だいすき
| ユッチー | EMAIL | URL | 09/06/30 23:49 | U4EPaMDU |
がんばろう
| ユッチー | EMAIL | URL | 09/06/30 00:12 | U4EPaMDU |