5月24日に広島市内のアステールプラザ中ホールで「神楽鑑賞会」が行われました。アステールプラザといえば、1993年に北広島町(旧千代田町)の中川戸神楽団が、自主公演で初のホール神楽を行われた場所です。今回のイベントはその中川戸神楽団をはじめ、宮乃木神楽団、大塚神楽団の三団体の上演がありました。残念ながら都合により途中から行くことになってしまったので、楽しみにされてるみなさんには申し訳ないのですが、後半に組まれた「大江山三段返し」のみの報告です。
まずは宮乃木神楽団「一条戻り橋」で物語が始まります。夜な夜な都に出ては災いをなす大江山の鬼人、茨木童子。最初から最後まで変化自在の大暴れを繰り広げます。やはりこの演目の中心となる役柄と言えるでしょうね!落ち着いた老婆の舞、若々しい姫の舞、そして荒々しい鬼の舞。大まかに分けてこの3パターンかと思いますが、これらを一人の舞手さんが見事に舞い分けられていました。手足や腰、頭の使い方などでしっかりを役を表現されているからこそ、面が変わった時の驚きや感動が大きく感じられるはずです。きっとみなさんもその一挙一動に釘付けになったことと思います。そんな茨木童子の餌食になってしまった、傘売りの善兵衛さん。いろんな面白い話はもちろん、何気ないアドリブの利いた一言でも会場を沸かせておられました。最も盛り上がったのはやはりクライマックスの合戦。都の守りと大江山の鬼人が激しい舞を展開します。そしてそれ以上に激しい?大太鼓の方の叩きっぷりで、会場は興奮状態でした。最後は舞台左側から勢いよくクモの糸が飛び出し、茨木童子はまんまと逃げ去ります。
スムーズな進行ですぐさま始まった大塚神楽団「羅生門」。先ほどの興奮がそのままに、いきなり大江山の鬼たちの登場。綱の乳母を手にかけた酒呑童子は都へと向かいます。この乳母に化けた化身のゆっくりとした舞で、いったん気持ちが落ち着きました。先ほどは茨木童子が中心でしたが、この演目もやはり悪役の酒呑童子が見せ場を作ります。照明やドライアイスの効果もあり、面を変えてゆ~~っくり振り向いた時の不気味さはたまりません。奏楽の方も舞手と一つになって場を盛り上げます。そしてもはやお馴染み?くっつけたはずの左腕がまたもげてしまう演出。なんと今回はもげた腕がステージの下に落ちてしまい、それをお客さんが拾って返すという一幕もありました。なんだか鬼たちばかりが目立つようですが、対する源頼光たちも負けてはいません。テンポの早い合戦においても、鬼たちに押されることなく、あくまでも神の舞を丁寧に舞われていたと思います。これまた激しい合戦の末、石清水八幡の御神徳に敗れた童子たちは大江山へと逃げ去ります。最後の舞では「大江山 生野の道は遠けれど まだ踏みも見ず天橋立」と歌われ、次こそは!と期待が高まっていよいよ物語は「大江山」へと舞台を移します。
先に上演された二演目の熱演によって会場の期待が高まった中、ついに中川戸神楽団「大江山」が始まりました。最初は、見る側のはやる気持ちを静めるかのような、頼光たちの舞。長いセリフによって今までのおさらいもできましたね!三段返しの演目を続けて見ることによって生まれる思いを、随所に感じることができたと思います。特に中盤の岩屋の場面、「自分の左腕を切ったやつだ!」とばかりに、茨木童子が渡辺綱だと見破るところは、見ている方はハラハラドキドキ。その後、頼光の弁舌な言葉によって難を切り抜けるのですが、今度は「疑って悪かったの~」と言ってるかのように、綱の背中を茨木童子がポンポンと叩く一面もあったりして、すごくリアルさを感じましたね!そしてこの演目だけでなく、三段返しのクライマックスとなる壮絶な合戦。今までは逃げられてばかりだった鬼たちを、今度は逃さん!とばかりに退治していく四天王たち。酒呑童子も最期を悟って飛び去ろうとしますが、三社の御神徳によって引き戻されます。そしてあっと驚く演出でついに酒呑童子の首が切り落とされました。約2時間半もの壮大な「大江山三段返し」、みなさんもしっかり堪能されたことと思います。
この週末は各地で神楽イベントがありましたね!特派員Nさんによる報告もあると思いますので、どうぞお楽しみに!
まずは宮乃木神楽団「一条戻り橋」で物語が始まります。夜な夜な都に出ては災いをなす大江山の鬼人、茨木童子。最初から最後まで変化自在の大暴れを繰り広げます。やはりこの演目の中心となる役柄と言えるでしょうね!落ち着いた老婆の舞、若々しい姫の舞、そして荒々しい鬼の舞。大まかに分けてこの3パターンかと思いますが、これらを一人の舞手さんが見事に舞い分けられていました。手足や腰、頭の使い方などでしっかりを役を表現されているからこそ、面が変わった時の驚きや感動が大きく感じられるはずです。きっとみなさんもその一挙一動に釘付けになったことと思います。そんな茨木童子の餌食になってしまった、傘売りの善兵衛さん。いろんな面白い話はもちろん、何気ないアドリブの利いた一言でも会場を沸かせておられました。最も盛り上がったのはやはりクライマックスの合戦。都の守りと大江山の鬼人が激しい舞を展開します。そしてそれ以上に激しい?大太鼓の方の叩きっぷりで、会場は興奮状態でした。最後は舞台左側から勢いよくクモの糸が飛び出し、茨木童子はまんまと逃げ去ります。
スムーズな進行ですぐさま始まった大塚神楽団「羅生門」。先ほどの興奮がそのままに、いきなり大江山の鬼たちの登場。綱の乳母を手にかけた酒呑童子は都へと向かいます。この乳母に化けた化身のゆっくりとした舞で、いったん気持ちが落ち着きました。先ほどは茨木童子が中心でしたが、この演目もやはり悪役の酒呑童子が見せ場を作ります。照明やドライアイスの効果もあり、面を変えてゆ~~っくり振り向いた時の不気味さはたまりません。奏楽の方も舞手と一つになって場を盛り上げます。そしてもはやお馴染み?くっつけたはずの左腕がまたもげてしまう演出。なんと今回はもげた腕がステージの下に落ちてしまい、それをお客さんが拾って返すという一幕もありました。なんだか鬼たちばかりが目立つようですが、対する源頼光たちも負けてはいません。テンポの早い合戦においても、鬼たちに押されることなく、あくまでも神の舞を丁寧に舞われていたと思います。これまた激しい合戦の末、石清水八幡の御神徳に敗れた童子たちは大江山へと逃げ去ります。最後の舞では「大江山 生野の道は遠けれど まだ踏みも見ず天橋立」と歌われ、次こそは!と期待が高まっていよいよ物語は「大江山」へと舞台を移します。
先に上演された二演目の熱演によって会場の期待が高まった中、ついに中川戸神楽団「大江山」が始まりました。最初は、見る側のはやる気持ちを静めるかのような、頼光たちの舞。長いセリフによって今までのおさらいもできましたね!三段返しの演目を続けて見ることによって生まれる思いを、随所に感じることができたと思います。特に中盤の岩屋の場面、「自分の左腕を切ったやつだ!」とばかりに、茨木童子が渡辺綱だと見破るところは、見ている方はハラハラドキドキ。その後、頼光の弁舌な言葉によって難を切り抜けるのですが、今度は「疑って悪かったの~」と言ってるかのように、綱の背中を茨木童子がポンポンと叩く一面もあったりして、すごくリアルさを感じましたね!そしてこの演目だけでなく、三段返しのクライマックスとなる壮絶な合戦。今までは逃げられてばかりだった鬼たちを、今度は逃さん!とばかりに退治していく四天王たち。酒呑童子も最期を悟って飛び去ろうとしますが、三社の御神徳によって引き戻されます。そしてあっと驚く演出でついに酒呑童子の首が切り落とされました。約2時間半もの壮大な「大江山三段返し」、みなさんもしっかり堪能されたことと思います。
この週末は各地で神楽イベントがありましたね!特派員Nさんによる報告もあると思いますので、どうぞお楽しみに!
2009,05,24 Sun 21:56
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