7月12日は広島市のALSOKホールで「RCC神楽スペシャル 魔境の鬼伝説」が行われました。昨年12月に5周年を迎えた「RCC神楽スペシャル」ですが、今年からこの7月に移行して再スタートという形になったようです。今回は魔境の鬼伝説、その伝説の山々が舞台となって熱演が繰り広げられました。それでは報告です。
まず初めは清めの舞ということで中川戸神楽団「神迎へ」。神楽を上演するにあたり、必要不可欠な神様のご降臨を賜る重要な演目です。四人の舞手による儀式舞、落ち着きがあり軽やかな印象を受けました。舞手が縦横へと飛び跳ねる時に袖がフワっと浮いてみたり、あるいは御幣の祓いや返しといった所作、神を意識したものや四季を感じられる神楽歌もあり、儀式舞ならではの良さをじっくり見せていただきました。
いよいよ魔境の鬼伝説の始まり。トップは筏津神楽団「鈴鹿山」。三重県(伊勢国)の鈴鹿山が舞台となり、登場する英雄は坂上田村麻呂です。鈴鹿山の鬼神征伐のため鈴鹿山へと向かった田村麻呂は、途中で翁から宝剣を授かります。そのおかげで、鬼に次々に武器を取られても最後に退治することができるわけです。やはりその鬼神を舞われた方の豊かな表現力に注目してしまいましたね。幕から出てくるところ、神の姿を探すところ、武器を奪って喜ぶところ。最後は宝剣が欲しくて仕方がない!というような感情がしっかり伝わってきました。わかりやすい身振り手振りだけでなく、ちょっとした動きや間の取り方など、とにかく鬼神になりきっての舞だったように思います。
続いて中川戸神楽団「青葉の笛」。「紅葉狩」で有名な戸隠山のすぐ近く、信州信濃国の荒倉山が舞台です。青葉の笛をめぐる、人と鬼の物語。この世にまつろわぬ者を鬼として仕立て上げた都人の汚れた心。勧善懲悪ではない、この中川戸神楽団の創作演目は、見ているみなさんにいろんな思いを抱かせてくれたことと思います。舞だけでなく、実際にその青葉の笛を吹く場面も見応えありで、悲しい物語を少しだけ忘れるようでした。それでもやはり、鬼にされてしまった官那羅(かんなら)の最期はやはり胸に迫るものがありました。また諏訪明神の舞が印象的でしたね。在原業平の加勢をする時と、諏訪明神の姿の時の舞い方や言葉のトーンが実にはっきり分かれていたように思います。
そして琴庄神楽団「大江山」。みなさんもよくご存知の丹波国大江山が舞台となっています。見どころたっぷりのこの演目、もちろん悪役は酒呑童子ですが、今回は合計五匹の鬼が登場しました。その鬼たちが豪華な衣装をまとい、大いに盛り立てる奏楽に合わせて、豪快に酒を飲む場面は実に見応えあり。しかし迫力では源頼光も負けてはいません。童子との問答では、問いに対して間髪入れず自信あふれる表情でハッキリと答えていきます。テンポのよい問答は聞いてて心地よいものですね!そしてついに合戦の場面、怒り狂った鬼たちを前に一歩も下がることなく堂々とした姿。酒呑童子も最後までしぶとさを見せ、鬼退治の神楽の醍醐味をしっかり堪能させていただきました。
以上前半4演目をお届けしました。「その2」で残りの3演目をご紹介します!
まず初めは清めの舞ということで中川戸神楽団「神迎へ」。神楽を上演するにあたり、必要不可欠な神様のご降臨を賜る重要な演目です。四人の舞手による儀式舞、落ち着きがあり軽やかな印象を受けました。舞手が縦横へと飛び跳ねる時に袖がフワっと浮いてみたり、あるいは御幣の祓いや返しといった所作、神を意識したものや四季を感じられる神楽歌もあり、儀式舞ならではの良さをじっくり見せていただきました。
いよいよ魔境の鬼伝説の始まり。トップは筏津神楽団「鈴鹿山」。三重県(伊勢国)の鈴鹿山が舞台となり、登場する英雄は坂上田村麻呂です。鈴鹿山の鬼神征伐のため鈴鹿山へと向かった田村麻呂は、途中で翁から宝剣を授かります。そのおかげで、鬼に次々に武器を取られても最後に退治することができるわけです。やはりその鬼神を舞われた方の豊かな表現力に注目してしまいましたね。幕から出てくるところ、神の姿を探すところ、武器を奪って喜ぶところ。最後は宝剣が欲しくて仕方がない!というような感情がしっかり伝わってきました。わかりやすい身振り手振りだけでなく、ちょっとした動きや間の取り方など、とにかく鬼神になりきっての舞だったように思います。
続いて中川戸神楽団「青葉の笛」。「紅葉狩」で有名な戸隠山のすぐ近く、信州信濃国の荒倉山が舞台です。青葉の笛をめぐる、人と鬼の物語。この世にまつろわぬ者を鬼として仕立て上げた都人の汚れた心。勧善懲悪ではない、この中川戸神楽団の創作演目は、見ているみなさんにいろんな思いを抱かせてくれたことと思います。舞だけでなく、実際にその青葉の笛を吹く場面も見応えありで、悲しい物語を少しだけ忘れるようでした。それでもやはり、鬼にされてしまった官那羅(かんなら)の最期はやはり胸に迫るものがありました。また諏訪明神の舞が印象的でしたね。在原業平の加勢をする時と、諏訪明神の姿の時の舞い方や言葉のトーンが実にはっきり分かれていたように思います。
そして琴庄神楽団「大江山」。みなさんもよくご存知の丹波国大江山が舞台となっています。見どころたっぷりのこの演目、もちろん悪役は酒呑童子ですが、今回は合計五匹の鬼が登場しました。その鬼たちが豪華な衣装をまとい、大いに盛り立てる奏楽に合わせて、豪快に酒を飲む場面は実に見応えあり。しかし迫力では源頼光も負けてはいません。童子との問答では、問いに対して間髪入れず自信あふれる表情でハッキリと答えていきます。テンポのよい問答は聞いてて心地よいものですね!そしてついに合戦の場面、怒り狂った鬼たちを前に一歩も下がることなく堂々とした姿。酒呑童子も最後までしぶとさを見せ、鬼退治の神楽の醍醐味をしっかり堪能させていただきました。
以上前半4演目をお届けしました。「その2」で残りの3演目をご紹介します!
2009,07,13 Mon 19:21
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