1月17日に千代田開発センターで「月一の舞 チャリの技ー神楽の中の笑いー」が行われました。おかしな言動などで人を楽しませる、言わば道化のような役がチャリです。今回の月一はそのチャリ役にスポットを当てた特集ということで、伝統芸能の枠を超えた名人芸が繰り広げられました。それではご紹介します。
まずは川北神楽団「安達ヶ原」。陸奥国の安達ヶ原を訪れた山伏と剛力が恐ろしい目に遭う…というもので「黒塚」と同様の物語です。もちろんチャリ役は剛力さんですが、こちらではお二人の剛力さんが登場されました。一人はまだ中学生、そしてもう一人は大ベテランというコンビ。話術も巧みなベテラン剛力さん、何十年ぶりかにバスに乗ったおばあさんの話などで会場を盛り上げます。ベテランの技に押されるばかりかと思いきや…子分の剛力さんも意外なアドリブで笑わせてくださいました。そして途中からなんと狐さんも親子の二匹で登場。赤いリボンをつけて本当に可愛らしい子狐さんの活躍ぶり、物語を忘れてつい応援したくなりますね。客席に降りる場面もありましたが、たくさんの方が写真を撮られたり声をかけたりされて大人気でした。
続いて大塚神楽団「戻り橋」。こちらのチャリ役はもちろん、傘売り善兵衛さん。ところが善兵衛さん、つい最近「悪狐伝」の珍斉和尚を舞われたということで、セリフがごっちゃごちゃ。なかなか物語が前に進みません(笑)。挙句の果てにはお客さんからツッコミを入れられる始末。「舞なし、しゃべりだけで」というご本人のお言葉通り、こちらを飽きさせないテンポのよいトークで楽しませてくださいました。そしてなんとか物語が進んで、茨木童子の化身とのやり取りの場面。日が暮れて家に帰ろうとした善兵衛さんと、現れた化身が出会うはず…が、なんと二人ともスルー。おまけに化身さんはそのまま進んで幕の中に消えてしまわれました。再び現れるも、今度は気付いた善兵衛さんに対して、またもやスルーして通り過ぎようとする化身さん。本来はチャリ役ではありませんが、なかなかツボを押さえた演出で笑わせてくださいました。
そして琴庄神楽団「悪狐伝」。ここまで爆笑の連続で、会場は笑い疲れた感が漂っているような感じでしたが、ここでもチャリの技は炸裂。十念寺の和尚、珍斉さんと八念寺?のはっちゃんのお二人が息のあったコンビで笑わせてくださいました。お二人とも面を外す一幕もあったので、普段はどういった役を舞われているかおわかりになった方もおられたと思います。いつもは真剣な姿しか見ていないので、「こんな役もされるんだ~」と意外に思われたことでしょう。中でも一夜の宿を借りに来た狐の化身さんも加えたやり取りが面白かったですね。おもむろに姫の衣装に足を突っ込んだ和尚さん、コタツに見立てて「あたりんさい。」とはっちゃんを呼びます。うずくまっている姫の上にミカンを乗せてすっかりくつろぎモード。先月の月一では「奥州平泉」で感動的な物語を見せてくださいましたが、思わずその時の役を思い浮かべて余計におかしくなってしまいました。
最後は大塚神楽団「頼政」。石見神楽の「頼政」や広島の「ぬえ退治」の演目とは少し異なる内容が見受けられる、興味深い物語でした。こちらでのチャリ役は料理人の平野庄内(ひらのしょうない)という人物。先ほどの「戻り橋」「悪狐伝」でお餅がまかれたのを受けて「はぁ餅はないけぇね。」とアドリブの効いた一言はありましたが、あとはこれまでのように一人舞台ということはなく、物語を進めていかれました。これまでの三演目が爆笑続きだったので、少し物足りないと思われた方もおられたかもしれませんが、他の役にはない舞い方を見て「面白い話だけがチャリの技ではない」ということを感じていただけたのではないでしょうか。もちろん今日のチャリの舞手さんみなさんがそうですが、こっけいな舞い方や大きな動作、しゃべる時でもその話し方や間の取り方など、実はかなり高度な技術が要求される役ではないかと思います。さてこの庄内さん、料理の具材を運ぶ途中でたくさんのお猿さんに襲われてしまいます。言葉のやり取りはありませんが、チャリの技をたっぷり味わうことができる場面でした。
さて今回はそれぞれの演目のチャリに注目してご紹介しました。本当に面白い内容ばかりで、たまにはこんな企画もいいなと思われた方も多くいらっしゃったのではないでしょうか。面白い話だけでなく、笑いの影に隠されたチャリの技、その本当の技を見つけることができたなら、今まで以上に面白く感じることができるかもしれませんね。
まずは川北神楽団「安達ヶ原」。陸奥国の安達ヶ原を訪れた山伏と剛力が恐ろしい目に遭う…というもので「黒塚」と同様の物語です。もちろんチャリ役は剛力さんですが、こちらではお二人の剛力さんが登場されました。一人はまだ中学生、そしてもう一人は大ベテランというコンビ。話術も巧みなベテラン剛力さん、何十年ぶりかにバスに乗ったおばあさんの話などで会場を盛り上げます。ベテランの技に押されるばかりかと思いきや…子分の剛力さんも意外なアドリブで笑わせてくださいました。そして途中からなんと狐さんも親子の二匹で登場。赤いリボンをつけて本当に可愛らしい子狐さんの活躍ぶり、物語を忘れてつい応援したくなりますね。客席に降りる場面もありましたが、たくさんの方が写真を撮られたり声をかけたりされて大人気でした。
続いて大塚神楽団「戻り橋」。こちらのチャリ役はもちろん、傘売り善兵衛さん。ところが善兵衛さん、つい最近「悪狐伝」の珍斉和尚を舞われたということで、セリフがごっちゃごちゃ。なかなか物語が前に進みません(笑)。挙句の果てにはお客さんからツッコミを入れられる始末。「舞なし、しゃべりだけで」というご本人のお言葉通り、こちらを飽きさせないテンポのよいトークで楽しませてくださいました。そしてなんとか物語が進んで、茨木童子の化身とのやり取りの場面。日が暮れて家に帰ろうとした善兵衛さんと、現れた化身が出会うはず…が、なんと二人ともスルー。おまけに化身さんはそのまま進んで幕の中に消えてしまわれました。再び現れるも、今度は気付いた善兵衛さんに対して、またもやスルーして通り過ぎようとする化身さん。本来はチャリ役ではありませんが、なかなかツボを押さえた演出で笑わせてくださいました。
そして琴庄神楽団「悪狐伝」。ここまで爆笑の連続で、会場は笑い疲れた感が漂っているような感じでしたが、ここでもチャリの技は炸裂。十念寺の和尚、珍斉さんと八念寺?のはっちゃんのお二人が息のあったコンビで笑わせてくださいました。お二人とも面を外す一幕もあったので、普段はどういった役を舞われているかおわかりになった方もおられたと思います。いつもは真剣な姿しか見ていないので、「こんな役もされるんだ~」と意外に思われたことでしょう。中でも一夜の宿を借りに来た狐の化身さんも加えたやり取りが面白かったですね。おもむろに姫の衣装に足を突っ込んだ和尚さん、コタツに見立てて「あたりんさい。」とはっちゃんを呼びます。うずくまっている姫の上にミカンを乗せてすっかりくつろぎモード。先月の月一では「奥州平泉」で感動的な物語を見せてくださいましたが、思わずその時の役を思い浮かべて余計におかしくなってしまいました。
最後は大塚神楽団「頼政」。石見神楽の「頼政」や広島の「ぬえ退治」の演目とは少し異なる内容が見受けられる、興味深い物語でした。こちらでのチャリ役は料理人の平野庄内(ひらのしょうない)という人物。先ほどの「戻り橋」「悪狐伝」でお餅がまかれたのを受けて「はぁ餅はないけぇね。」とアドリブの効いた一言はありましたが、あとはこれまでのように一人舞台ということはなく、物語を進めていかれました。これまでの三演目が爆笑続きだったので、少し物足りないと思われた方もおられたかもしれませんが、他の役にはない舞い方を見て「面白い話だけがチャリの技ではない」ということを感じていただけたのではないでしょうか。もちろん今日のチャリの舞手さんみなさんがそうですが、こっけいな舞い方や大きな動作、しゃべる時でもその話し方や間の取り方など、実はかなり高度な技術が要求される役ではないかと思います。さてこの庄内さん、料理の具材を運ぶ途中でたくさんのお猿さんに襲われてしまいます。言葉のやり取りはありませんが、チャリの技をたっぷり味わうことができる場面でした。
さて今回はそれぞれの演目のチャリに注目してご紹介しました。本当に面白い内容ばかりで、たまにはこんな企画もいいなと思われた方も多くいらっしゃったのではないでしょうか。面白い話だけでなく、笑いの影に隠されたチャリの技、その本当の技を見つけることができたなら、今まで以上に面白く感じることができるかもしれませんね。
2010,01,19 Tue 20:54
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神楽ファンさん、コメントありがとうございます。
月一の舞はキャビネットさんが撮影されていますので、おそらく販売もあると思います。
詳しくはキャビネットさんに問い合わせてみてください。
月一の舞はキャビネットさんが撮影されていますので、おそらく販売もあると思います。
詳しくはキャビネットさんに問い合わせてみてください。
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