9月5日に広島市のALSOKホールで「ひろしま夏の芸術祭 メインコンサート」が行われました。昨年は神楽とオーケストラのコラボ「オロチ」が上演されましたが、今年のメインは創作神楽「厳島」でした。この演目は企画・構成を石井誠治さん、台本・脚本を石丸賢太郎さん、演出を崎内俊宏さんがそれぞれ担当され、北広島町の琴庄神楽団による上演でした。「ひろしま夏の芸術祭」のテーマは「出会う。生まれる。響きあう。」ということですが、この「厳島」もいろんな方々との出会いから生まれ、そしてこの日に団員さんとスタッフと多くのお客さんによって響きあったよう感じました。今回の特派員報告は二部構成で、注目の「厳島」は後半でたっぷりご紹介したいと思います。
まずは川北神楽団「安達ヶ原」から舞台はスタート。阿闍梨祐慶(あじゃりゆうけい)という山伏がお供を連れて安達ヶ原を訪れますが、そこで恐ろしい目に遭ってしまいます。しかし前半に大活躍したのはやっぱり剛力さん。上機嫌で歌いながら登場し、あとは面白い小話やアドリブ、そして体を張ってお客さんを笑わせます。中でも後で上演される「厳島」のあらすじを紹介した話が逸品でした。まずは船に乗って島に渡り、そこに鹿が三匹現れ、水族館に行ってみれば今は閉館中でやってない…という、宮島観光のようなストーリーを紹介してくださいました(笑)。 そんな剛力さんも、恐ろしい悪狐の餌食となってしまいます。最初は姫の姿で現れますが、あっという間に恐ろしい面へと変化し、最後には…なんとリボンをつけた可愛らしい子狐となって登場。もちろん大狐も現れ、舞台いっぱいに暴れまわってくれました。そして後半は弓の名人の三浦介と上総介が登場。息がピッタリと合った舞を披露し、威勢よく狐との戦いへと突入。パワフルに動き回る狐に、機敏な動作で立ち向かい、ついに矢を命中させます。「伝統を受け継ぐ」というテーマでの上演でしたが、山伏、チャリ、姫、神、狐…と、いろんな種類の舞が詰まっており、そういった深いところでも楽しめる演目だったと思います。
続いては原田神楽団「大江山」。丹波国大江山に住む酒呑童子を、勅命を受けた源頼光が退治するという、もはや説明不要といっていいくらいの人気演目ですね。まずはいきなり大江山の鬼たちが登場し、紅葉姫に襲い掛かります。いかにも恐ろしげな鬼たちの動き、そしてかよわい姫のやられ方、そこに奏楽さんが舞台の雰囲気を作り上げ、一つの場面が見事に完成しました。いつの間にか見る側を物語に引き込むという技、これも神楽の持つ魅力の一つだと思います。そして源頼光をはじめとする神三人が登場すると、ここで早くも大きな拍手が。頼光といえば神楽の中でも代表的なヒーローですが、この拍手は会場のみなさんがしっかり応援されているように感じました。豪華な衣装に身を包み、颯爽と舞っていく三人の姿はとてもカッコよかったですね!続いて姫の舞、こちらは打って変わって寂しげな雰囲気。「とと様恋しや、母ぞ懐かしや」と歌い、赤い布を洗うような動きでなめらかに舞う姫の姿に、思わず見入ってしまいます。そしてついに頼光たちと酒呑童子らが対峙。まずは問答での勝負です。派手な見せ場ではありませんが、言葉の言い方、緩急の流れ、感情の表現など、伝統芸能に加えた個人芸の見せ所でもあります。童子らを酒に酔わせたところでついに岩屋へと切り込む頼光たち。これまでの流れがいよいよ頂点へと近づき、舞の激しさと勇壮なお囃子にグイグイと引き込まれます。「深化する神楽」、何度見てもその面白さは尽きるところがありませんね。
以上、前半2演目のご紹介でした。「その2」もお楽しみに!
まずは川北神楽団「安達ヶ原」から舞台はスタート。阿闍梨祐慶(あじゃりゆうけい)という山伏がお供を連れて安達ヶ原を訪れますが、そこで恐ろしい目に遭ってしまいます。しかし前半に大活躍したのはやっぱり剛力さん。上機嫌で歌いながら登場し、あとは面白い小話やアドリブ、そして体を張ってお客さんを笑わせます。中でも後で上演される「厳島」のあらすじを紹介した話が逸品でした。まずは船に乗って島に渡り、そこに鹿が三匹現れ、水族館に行ってみれば今は閉館中でやってない…という、宮島観光のようなストーリーを紹介してくださいました(笑)。 そんな剛力さんも、恐ろしい悪狐の餌食となってしまいます。最初は姫の姿で現れますが、あっという間に恐ろしい面へと変化し、最後には…なんとリボンをつけた可愛らしい子狐となって登場。もちろん大狐も現れ、舞台いっぱいに暴れまわってくれました。そして後半は弓の名人の三浦介と上総介が登場。息がピッタリと合った舞を披露し、威勢よく狐との戦いへと突入。パワフルに動き回る狐に、機敏な動作で立ち向かい、ついに矢を命中させます。「伝統を受け継ぐ」というテーマでの上演でしたが、山伏、チャリ、姫、神、狐…と、いろんな種類の舞が詰まっており、そういった深いところでも楽しめる演目だったと思います。
続いては原田神楽団「大江山」。丹波国大江山に住む酒呑童子を、勅命を受けた源頼光が退治するという、もはや説明不要といっていいくらいの人気演目ですね。まずはいきなり大江山の鬼たちが登場し、紅葉姫に襲い掛かります。いかにも恐ろしげな鬼たちの動き、そしてかよわい姫のやられ方、そこに奏楽さんが舞台の雰囲気を作り上げ、一つの場面が見事に完成しました。いつの間にか見る側を物語に引き込むという技、これも神楽の持つ魅力の一つだと思います。そして源頼光をはじめとする神三人が登場すると、ここで早くも大きな拍手が。頼光といえば神楽の中でも代表的なヒーローですが、この拍手は会場のみなさんがしっかり応援されているように感じました。豪華な衣装に身を包み、颯爽と舞っていく三人の姿はとてもカッコよかったですね!続いて姫の舞、こちらは打って変わって寂しげな雰囲気。「とと様恋しや、母ぞ懐かしや」と歌い、赤い布を洗うような動きでなめらかに舞う姫の姿に、思わず見入ってしまいます。そしてついに頼光たちと酒呑童子らが対峙。まずは問答での勝負です。派手な見せ場ではありませんが、言葉の言い方、緩急の流れ、感情の表現など、伝統芸能に加えた個人芸の見せ所でもあります。童子らを酒に酔わせたところでついに岩屋へと切り込む頼光たち。これまでの流れがいよいよ頂点へと近づき、舞の激しさと勇壮なお囃子にグイグイと引き込まれます。「深化する神楽」、何度見てもその面白さは尽きるところがありませんね。
以上、前半2演目のご紹介でした。「その2」もお楽しみに!
2010,09,06 Mon 20:16
新着コメント
広島県の主催事業ですので、DVDの販売予定はありません。
よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
| 管理者 | EMAIL | URL | 10/09/07 14:34 | /39ePPLY |
今回のDVDは発売されますか?
| 安芸人 | EMAIL | URL | 10/09/06 20:35 | nsczOl92 |