皆さま、ご無沙汰しておりました。特派員Nです!日々、寒さが厳しくなってきましたが、皆さまお風邪は引かれてないでしょうか?さて、先週の日曜日に千代田開発センターでそんな厳しい寒さも吹き飛ばしてしまいそうな広島・島根交流神楽「月一の舞い」が行われました。今月のテーマは「美女の共演-紅葉狩-」 広島・島根両県の4団体がそれぞれの紅葉狩を披露してくださいました。今回はそれぞれの特徴、個性がお伝えできるよう報告したいと思います。それでは報告です。
八重西神楽団「紅葉狩」
最初の舞台挨拶で団長さんがおっしゃっていましたが八重西さんの紅葉狩は今年から新たな試みをされたそうです。それはいったいなんでしょう…。見に来られた方はお分かりになったと思いますが、なんと鬼女が五人登場します。酒宴の場面でより華やかに、賑やかにしたいという神楽団の想いで挑戦されたそうです。最初は鬼女三人で登場しますが、あとから二人が加わります。そのときの会場は感動にも近いどよめきが沸き起こっていました。そして、酒宴では四人の鬼女たちが交差しながら優雅に舞います。鬼女が多くいることでいつにも増して華やかさが際立つ、酒宴だったように思います。しかし、華やかさだけが増しただけではありません。鬼が増えた分、恐ろしさもかなり増していました。維茂の背後で鬼と化す場面はぞわっと鳥肌が…。それ以外に決戦の場面も5人の鬼が大暴れする様子は恐ろしさと威圧感がありました。
有田神楽団「紅葉狩」
能や歌舞伎・謡曲で古くから親しまれてきた演目の一つ紅葉狩。それがここ広島に伝わり、今やひろしま神楽の代表的な演目となっていますね。そしてどこの神楽よりも能を色濃く残しているのが有田さんの紅葉狩。まず登場するのは鬼女二人。先ほどの鬼女五人登場した八重西さんとはまたガラッと雰囲気が変わってきます。舞いでもゆっくりかと思えば、素早い動きもあり個性的。また、セリフも「是はこの辺りに住む女にて候。げにやながらえて…」とあまり聞きなれないセリフでした。そして能という印象を強く感じさせたのは立ち合いで鬼が持つTの字の棒!能では打杖(うちづえ)と言い鬼、怨霊などが持つ杖だそうです。その打杖を振り回し、舞台を斜めに使ってのこれまた変わった立ち合いを見せていただきました。こちらも最後まで目が離せませんでした。
今福神楽社中「紅葉狩」
やはり石見神楽での紅葉狩ということで、皆さん気になっていたのではないでしょうか。私自身も拝見するのは初めてで、とてもわくわくしていました。約五十年前、先代が広島を訪れた際にそこで舞われていた紅葉狩に感動。そして自分たちの所でも取り入れたいとして台本を手に入れ、一から舞いを作り上げたそうです。そんな深いエピソードがある今福さんの紅葉狩はなんと木こりの木の又権兵衛(きのまたごんべえ)が登場します。時間の都合により省かれることが多い権兵衛さんですが、ここでは大活躍でした。お客さんを巻き込んで一緒に藁で縄を綯うお茶目な場面もありましたが、特に印象に強く残ったのは立ち合いの場面。チャリといえば途中で鬼などに食べられてしまうというイメージが強いですが、なんとこちらでは最後の最後まで権兵衛さんも維茂さんと一緒に戦い抜きました。また、維茂の一撃に加えて権兵衛さんも鎌で一撃を食らわす場面もあり本当にユニークでした。
中川戸神楽団「紅葉狩」
中川戸さんと言えばスーパー神楽。そしてその代表的演目の一つに紅葉狩があげられます。いつもブラックライトや火花と、たくさんの仕掛けでお客さんを楽しませてくれますよね。しかし、今回はその演出が抑え目な感じの印象を受けました。しかしその分、呉葉の表情に注目しながら神楽を楽しむことができたのではないでしょうか?中川戸さんのこだわりは「女の情念」だそうです。源経基(みなもとのつねもと)に抱いた愛憎、怒りなど、それを神楽ではどう表現するか。怒ったときは、「角を生やす」「顔色をかえる」など言いますよね。それを中川戸さんは演出に取り入れたそうです。あの角がにょきっと出る場面、顔の表情が変わる瞬間、いろいろ出てきますよね。今度また拝見するときは、鬼をじぃ~っと見てしまいそうですね(笑) あとちょっとだけ。個人的に気になったのが、維茂が降魔の剣を授かる場面でのこと。剣が入っている社に貼ってあるお札の文字がなんと「紅葉狩」皆さんは気づかれましたかね~?
さて今回すべてが紅葉狩の演目となっていましたが、それぞれ個性があり大変面白かったですね。今年も残すところわずかとなりました。皆さま、今年の神楽はたくさん観に行かれましたでしょうか。また、来年も月一や違う会場でお会いできたらいいなと思っています。来年もどうぞ、月一の舞いをよろしくお願いします。
八重西神楽団「紅葉狩」
最初の舞台挨拶で団長さんがおっしゃっていましたが八重西さんの紅葉狩は今年から新たな試みをされたそうです。それはいったいなんでしょう…。見に来られた方はお分かりになったと思いますが、なんと鬼女が五人登場します。酒宴の場面でより華やかに、賑やかにしたいという神楽団の想いで挑戦されたそうです。最初は鬼女三人で登場しますが、あとから二人が加わります。そのときの会場は感動にも近いどよめきが沸き起こっていました。そして、酒宴では四人の鬼女たちが交差しながら優雅に舞います。鬼女が多くいることでいつにも増して華やかさが際立つ、酒宴だったように思います。しかし、華やかさだけが増しただけではありません。鬼が増えた分、恐ろしさもかなり増していました。維茂の背後で鬼と化す場面はぞわっと鳥肌が…。それ以外に決戦の場面も5人の鬼が大暴れする様子は恐ろしさと威圧感がありました。
有田神楽団「紅葉狩」
能や歌舞伎・謡曲で古くから親しまれてきた演目の一つ紅葉狩。それがここ広島に伝わり、今やひろしま神楽の代表的な演目となっていますね。そしてどこの神楽よりも能を色濃く残しているのが有田さんの紅葉狩。まず登場するのは鬼女二人。先ほどの鬼女五人登場した八重西さんとはまたガラッと雰囲気が変わってきます。舞いでもゆっくりかと思えば、素早い動きもあり個性的。また、セリフも「是はこの辺りに住む女にて候。げにやながらえて…」とあまり聞きなれないセリフでした。そして能という印象を強く感じさせたのは立ち合いで鬼が持つTの字の棒!能では打杖(うちづえ)と言い鬼、怨霊などが持つ杖だそうです。その打杖を振り回し、舞台を斜めに使ってのこれまた変わった立ち合いを見せていただきました。こちらも最後まで目が離せませんでした。
今福神楽社中「紅葉狩」
やはり石見神楽での紅葉狩ということで、皆さん気になっていたのではないでしょうか。私自身も拝見するのは初めてで、とてもわくわくしていました。約五十年前、先代が広島を訪れた際にそこで舞われていた紅葉狩に感動。そして自分たちの所でも取り入れたいとして台本を手に入れ、一から舞いを作り上げたそうです。そんな深いエピソードがある今福さんの紅葉狩はなんと木こりの木の又権兵衛(きのまたごんべえ)が登場します。時間の都合により省かれることが多い権兵衛さんですが、ここでは大活躍でした。お客さんを巻き込んで一緒に藁で縄を綯うお茶目な場面もありましたが、特に印象に強く残ったのは立ち合いの場面。チャリといえば途中で鬼などに食べられてしまうというイメージが強いですが、なんとこちらでは最後の最後まで権兵衛さんも維茂さんと一緒に戦い抜きました。また、維茂の一撃に加えて権兵衛さんも鎌で一撃を食らわす場面もあり本当にユニークでした。
中川戸神楽団「紅葉狩」
中川戸さんと言えばスーパー神楽。そしてその代表的演目の一つに紅葉狩があげられます。いつもブラックライトや火花と、たくさんの仕掛けでお客さんを楽しませてくれますよね。しかし、今回はその演出が抑え目な感じの印象を受けました。しかしその分、呉葉の表情に注目しながら神楽を楽しむことができたのではないでしょうか?中川戸さんのこだわりは「女の情念」だそうです。源経基(みなもとのつねもと)に抱いた愛憎、怒りなど、それを神楽ではどう表現するか。怒ったときは、「角を生やす」「顔色をかえる」など言いますよね。それを中川戸さんは演出に取り入れたそうです。あの角がにょきっと出る場面、顔の表情が変わる瞬間、いろいろ出てきますよね。今度また拝見するときは、鬼をじぃ~っと見てしまいそうですね(笑) あとちょっとだけ。個人的に気になったのが、維茂が降魔の剣を授かる場面でのこと。剣が入っている社に貼ってあるお札の文字がなんと「紅葉狩」皆さんは気づかれましたかね~?
さて今回すべてが紅葉狩の演目となっていましたが、それぞれ個性があり大変面白かったですね。今年も残すところわずかとなりました。皆さま、今年の神楽はたくさん観に行かれましたでしょうか。また、来年も月一や違う会場でお会いできたらいいなと思っています。来年もどうぞ、月一の舞いをよろしくお願いします。
2010,12,13 Mon 23:45
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