2月27日に広島市の文化交流会館(旧厚生年金会館)でRCC早春神楽共演大会が行われました。神楽と舞台演出を組み合わせたステージが魅力のこのイベント、楽しみにされていたファンの方も多かったことと思います。たまたま、私の知人で大阪から来られた方がいらっしゃいました。もっと遠くから来られた方もおられたことでしょう!昨年よりもお客さんの数が多かったようで、神楽人気の高さを改めて感じました。それではご紹介したいと思います。
第一部「原点を見つめる」
石見神楽亀山社中「岩戸」からステージが幕を開けました。「まずは岩戸のその始め…」という歌もありますが、神楽の始まりが語られる「岩戸」は、第一部に相応しい演目ですね。舞、楽のそれぞれの面白さ、そしてその一体感。さらに舞台演出にも注目。最初に天照大神が岩戸を閉じてしまいますが、その場面。幕が閉じるとすべての照明が落とされ、会場は真っ暗に。いつも奏楽を照らすほのかな明かりすらも消えてしまい、まさに会場は常闇の世界。その後、青く薄暗い照明で舞台が照らされました。一瞬、完全に暗闇を体験されたことによって、必死で目を凝らしたり、あるいは耳を傾けて音に集中したりという行動をされたお客さんもいらしたと思いますが、そんな表現が神楽の中でも見ることができます。登場する神様が、よく音が響き渡る鈴を持っていたり、身体が触れて初めてお互いの存在に気づいたり。そういった小さなことにも神楽の面白さが隠れていると思います。
第二部「伝統を受け継ぐ」
三谷神楽団「鍾馗」。神楽には鬼が出る演目がたくさんありますが、その中でも最も古いものの一つとされるこの「鍾馗」。これも第二部に相応しい演目だと思います。鍾馗大神、大疫神、そして立ち合いの舞の中で、他ではないような特徴的な舞が見られるのも興味深い点ですね。その舞の意味は、見る人がすべて理解できるものではないですが、それでもつい引き込まれて見てしまうところに、神楽の魅力、特に古典曲目ならではの魅力があると言えるでしょう。登場人物を見てみると、鍾馗大神は実に迫力のある舞。対する大疫神は怖さを感じさせ、目に見えない病の恐ろしさを表します。言葉の言い方も対照的で、「我こそは鍾馗なり!」と雷が轟くかのような凄みのある鍾馗。そして大疫神は薄気味悪いような感じのしゃべり方。これには思わず会場もどよめいていました。
後野神楽社中「八岐大蛇」は2009年にも上演されましたが、その時に印象的だったのが最初の姫を呑み取る場面でした。暗いステージで姫がポツンといるところに、何やら赤い点が浮かび上がって…それが大蛇の目だと気づいた時の衝撃を今でもよく覚えています。今回はその前回と少し違った演出でしたが、やはり背後から姫に忍び寄ってくる大蛇の恐怖をしっかり表現されていたと思います。もちろん8頭の大蛇が登場、序盤から出し惜しみすることなく、迫力の場面となりました。後半の須佐之男命との立ち合いでもそうですが、大蛇が襲い掛かる様子は、まるで大きな波が小さな舟を一気に飲み込んでしまうような感じ。もちろん須佐之男命はやられるわけにはいきません。剣を振り回し、一頭、また一頭と大蛇の頭を切り落としていきます。最後の大蛇を退治した瞬間に、「わぁっ」という大きな歓声が客席から上がりました。「ここぞ!」の見せ場ではなく、本当に応援しながら見ているからこその素直な反応は、舞手の方にしっかり伝わったことと思います。
そしてみなさんお待ちかね?川北神楽団「安達ヶ原」がついに始まりました。主役はやはり、「笑いの魔術師」こと団長扮する剛力さんです。ここ最近はずっと「安達ヶ原」の上演が続いているそうで、「はぁネタがない」と言いながらもお客さんを爆笑の渦に巻き込む芸は、さすが「笑いの魔術師」といったところ。今回はファン待望の?バスに乗ったお婆さんの話の続編が語られました。伝統を受け継ぎ、そして発展させていくのは、なにも舞だけに限ったことではないんですね!(笑) 本当にたくさん笑わせていただきました。その剛力さんに負けじと、九尾の狐も大中小の3匹が登場し、舞台だけでなく客席にも進出して大暴れ。広いホールでは、前の席以外ではなかなか舞手さんを近くで見ることができないと思いますが、こうやって手を伸ばせば触れるほどのところまで来てもらえるのは、ファンのみなさんにとってはかなり嬉しいですよね。
以上、前半のご紹介でした。この後は「その2」で第三部を、そして「その3」で番外編をお送りする予定です。そして今年も挑戦、パンフレット購入でチャレンジできる、ガラガラの抽選。これまで毎年高級醤油でしたが、今年はついに…!?「その3」でご報告したいと思います!!
第一部「原点を見つめる」
石見神楽亀山社中「岩戸」からステージが幕を開けました。「まずは岩戸のその始め…」という歌もありますが、神楽の始まりが語られる「岩戸」は、第一部に相応しい演目ですね。舞、楽のそれぞれの面白さ、そしてその一体感。さらに舞台演出にも注目。最初に天照大神が岩戸を閉じてしまいますが、その場面。幕が閉じるとすべての照明が落とされ、会場は真っ暗に。いつも奏楽を照らすほのかな明かりすらも消えてしまい、まさに会場は常闇の世界。その後、青く薄暗い照明で舞台が照らされました。一瞬、完全に暗闇を体験されたことによって、必死で目を凝らしたり、あるいは耳を傾けて音に集中したりという行動をされたお客さんもいらしたと思いますが、そんな表現が神楽の中でも見ることができます。登場する神様が、よく音が響き渡る鈴を持っていたり、身体が触れて初めてお互いの存在に気づいたり。そういった小さなことにも神楽の面白さが隠れていると思います。
第二部「伝統を受け継ぐ」
三谷神楽団「鍾馗」。神楽には鬼が出る演目がたくさんありますが、その中でも最も古いものの一つとされるこの「鍾馗」。これも第二部に相応しい演目だと思います。鍾馗大神、大疫神、そして立ち合いの舞の中で、他ではないような特徴的な舞が見られるのも興味深い点ですね。その舞の意味は、見る人がすべて理解できるものではないですが、それでもつい引き込まれて見てしまうところに、神楽の魅力、特に古典曲目ならではの魅力があると言えるでしょう。登場人物を見てみると、鍾馗大神は実に迫力のある舞。対する大疫神は怖さを感じさせ、目に見えない病の恐ろしさを表します。言葉の言い方も対照的で、「我こそは鍾馗なり!」と雷が轟くかのような凄みのある鍾馗。そして大疫神は薄気味悪いような感じのしゃべり方。これには思わず会場もどよめいていました。
後野神楽社中「八岐大蛇」は2009年にも上演されましたが、その時に印象的だったのが最初の姫を呑み取る場面でした。暗いステージで姫がポツンといるところに、何やら赤い点が浮かび上がって…それが大蛇の目だと気づいた時の衝撃を今でもよく覚えています。今回はその前回と少し違った演出でしたが、やはり背後から姫に忍び寄ってくる大蛇の恐怖をしっかり表現されていたと思います。もちろん8頭の大蛇が登場、序盤から出し惜しみすることなく、迫力の場面となりました。後半の須佐之男命との立ち合いでもそうですが、大蛇が襲い掛かる様子は、まるで大きな波が小さな舟を一気に飲み込んでしまうような感じ。もちろん須佐之男命はやられるわけにはいきません。剣を振り回し、一頭、また一頭と大蛇の頭を切り落としていきます。最後の大蛇を退治した瞬間に、「わぁっ」という大きな歓声が客席から上がりました。「ここぞ!」の見せ場ではなく、本当に応援しながら見ているからこその素直な反応は、舞手の方にしっかり伝わったことと思います。
そしてみなさんお待ちかね?川北神楽団「安達ヶ原」がついに始まりました。主役はやはり、「笑いの魔術師」こと団長扮する剛力さんです。ここ最近はずっと「安達ヶ原」の上演が続いているそうで、「はぁネタがない」と言いながらもお客さんを爆笑の渦に巻き込む芸は、さすが「笑いの魔術師」といったところ。今回はファン待望の?バスに乗ったお婆さんの話の続編が語られました。伝統を受け継ぎ、そして発展させていくのは、なにも舞だけに限ったことではないんですね!(笑) 本当にたくさん笑わせていただきました。その剛力さんに負けじと、九尾の狐も大中小の3匹が登場し、舞台だけでなく客席にも進出して大暴れ。広いホールでは、前の席以外ではなかなか舞手さんを近くで見ることができないと思いますが、こうやって手を伸ばせば触れるほどのところまで来てもらえるのは、ファンのみなさんにとってはかなり嬉しいですよね。
以上、前半のご紹介でした。この後は「その2」で第三部を、そして「その3」で番外編をお送りする予定です。そして今年も挑戦、パンフレット購入でチャレンジできる、ガラガラの抽選。これまで毎年高級醤油でしたが、今年はついに…!?「その3」でご報告したいと思います!!
2011,03,01 Tue 23:59
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