12月23日は広島市のALSOKホールで「RCC神楽スペシャル 頼光武勇伝」が行われました。以前お伝えしたように今回が五周年記念となるこの「神楽スペシャル」。最後は合同演目の「大江山」が上演され、見に行かれたファンのみなさんにとって、本当に「スペシャルな」イベントになったのではないでしょうか。それでは報告です。
まずは神楽の始まり、原田神楽団の「天の岩戸」。この後に組まれた、五演目からなる頼光武勇伝に負けない、壮大な物語がこの演目で語られます。天照大神をはじめ、六人の神様が舞うのですから、これほど豪華な演目もありません。それぞれの個性ある舞、そしてそれを盛り上げるお囃子もこの演目ならではの面白さ。そして岩屋の前での鈿女命の舞。ゆっくりと静かに始まりますが、舞が繰り返されるとだんだんとテンポが上がっていき、お囃子も激しくなっていきます。太鼓の「ドン!」が打ち鳴らされるたびに、身体を動かしてしまいたくなりますね。そんな見る側の気持ちを代弁するかのように、ついに手力男命が立ち上がり、岩戸を開きます。こういう流れによって、見る方もいつの間にか神楽の世界に入り込んだような感覚にとらわれます。そして最後の喜びの舞。「神楽」の別名は「神遊び」だそうですが、五人の神様が入り乱れての舞はまさに「神遊び」に相応しいものだったと思います。
いよいよ頼光武勇伝の始まり。琴庄神楽団の「山姥」です。四天王の一人、坂田金時誕生の物語です。都を追われ、世を呪い人を憎み、山賊と成り果てた山姥と、その子、怪童丸。落ち着きのある山姥と荒々しい怪童丸、その対照的な舞は息ピタリで、まさに親子のようと思わせるもの。そして後半の頼光らとの立ち合い、一瞬にして山姥は鬼と化します。怪童丸もその怪力を持って襲い掛かります。刃を合わせての押し合いは非常に力が入りました。しかし頼光の武勇の前に敗れ、山姥は自分の命と引き換えに怪童丸の命乞いをします。頼光は山姥を許し、怪童丸を坂田金時と改めて四天王に加えます。そして悲しい親子の別れ。「いかに母上」と呼びかける息子に対し、「いかに坂田金時さま」と返す母。その場面が本当に感動的だったのは、舞手の方の迫真の演技はもちろん、最初の息の合った舞があったからこそではないでしょうか。
続いて中川戸神楽団「土蜘蛛」。最初に頼光と四天王二人、そして侍女胡蝶の四人の舞。ここで早くも坂田金時が立派な武士となって登場しましたが、きっと山姥もこれを見て喜んでいることでしょう!この演目の敵役は、葛城山に年古くより住む土蜘蛛。典薬守からあっという間に鬼へと変化するあたり、実に中川戸さんらしい演出ですね。そして胡蝶と成り変わり、源頼光を取り食らおうとします。今度は優しくおだやかな侍女から一変、恐ろしく不気味な鬼女となって頼光に蜘蛛を投げ掛けます。宝刀の威徳で難を逃れた頼光は、四天王にバトンタッチ。蜘蛛切丸を授かった二人は、ついに土蜘蛛を追い詰めます。ど派手に打ち上げられた大量の蜘蛛の糸が、立ち合いをさらに盛り上げ、舞手も若さ溢れるスピード感たっぷりの舞を披露。思わず会場から湧き上がった拍手がとても暖かく感じられました。
以上、前半の三演目でした。「その2」では後半の大江山への物語をお届けします。
この記事が面白い・勉強になったと思われたら迷わずクリック
まずは神楽の始まり、原田神楽団の「天の岩戸」。この後に組まれた、五演目からなる頼光武勇伝に負けない、壮大な物語がこの演目で語られます。天照大神をはじめ、六人の神様が舞うのですから、これほど豪華な演目もありません。それぞれの個性ある舞、そしてそれを盛り上げるお囃子もこの演目ならではの面白さ。そして岩屋の前での鈿女命の舞。ゆっくりと静かに始まりますが、舞が繰り返されるとだんだんとテンポが上がっていき、お囃子も激しくなっていきます。太鼓の「ドン!」が打ち鳴らされるたびに、身体を動かしてしまいたくなりますね。そんな見る側の気持ちを代弁するかのように、ついに手力男命が立ち上がり、岩戸を開きます。こういう流れによって、見る方もいつの間にか神楽の世界に入り込んだような感覚にとらわれます。そして最後の喜びの舞。「神楽」の別名は「神遊び」だそうですが、五人の神様が入り乱れての舞はまさに「神遊び」に相応しいものだったと思います。
いよいよ頼光武勇伝の始まり。琴庄神楽団の「山姥」です。四天王の一人、坂田金時誕生の物語です。都を追われ、世を呪い人を憎み、山賊と成り果てた山姥と、その子、怪童丸。落ち着きのある山姥と荒々しい怪童丸、その対照的な舞は息ピタリで、まさに親子のようと思わせるもの。そして後半の頼光らとの立ち合い、一瞬にして山姥は鬼と化します。怪童丸もその怪力を持って襲い掛かります。刃を合わせての押し合いは非常に力が入りました。しかし頼光の武勇の前に敗れ、山姥は自分の命と引き換えに怪童丸の命乞いをします。頼光は山姥を許し、怪童丸を坂田金時と改めて四天王に加えます。そして悲しい親子の別れ。「いかに母上」と呼びかける息子に対し、「いかに坂田金時さま」と返す母。その場面が本当に感動的だったのは、舞手の方の迫真の演技はもちろん、最初の息の合った舞があったからこそではないでしょうか。
続いて中川戸神楽団「土蜘蛛」。最初に頼光と四天王二人、そして侍女胡蝶の四人の舞。ここで早くも坂田金時が立派な武士となって登場しましたが、きっと山姥もこれを見て喜んでいることでしょう!この演目の敵役は、葛城山に年古くより住む土蜘蛛。典薬守からあっという間に鬼へと変化するあたり、実に中川戸さんらしい演出ですね。そして胡蝶と成り変わり、源頼光を取り食らおうとします。今度は優しくおだやかな侍女から一変、恐ろしく不気味な鬼女となって頼光に蜘蛛を投げ掛けます。宝刀の威徳で難を逃れた頼光は、四天王にバトンタッチ。蜘蛛切丸を授かった二人は、ついに土蜘蛛を追い詰めます。ど派手に打ち上げられた大量の蜘蛛の糸が、立ち合いをさらに盛り上げ、舞手も若さ溢れるスピード感たっぷりの舞を披露。思わず会場から湧き上がった拍手がとても暖かく感じられました。
以上、前半の三演目でした。「その2」では後半の大江山への物語をお届けします。
この記事が面白い・勉強になったと思われたら迷わずクリック
2008,12,23 Tue 22:41
コメント
中川戸神楽ファンさん、コメントありがとうございます。
見に行けなかった方に、少しでも当日の様子がお伝えできればと思っています。
その2もぜひご覧ください!
ジェラードさん、コメントありがとうございます。
会場を巻き込んでの舞、神楽ならではの魅力たっぷりですよね!
自分も個人的に「岩戸」は好きな演目の一つです。
またコメントお願いします。
見に行けなかった方に、少しでも当日の様子がお伝えできればと思っています。
その2もぜひご覧ください!
ジェラードさん、コメントありがとうございます。
会場を巻き込んでの舞、神楽ならではの魅力たっぷりですよね!
自分も個人的に「岩戸」は好きな演目の一つです。
またコメントお願いします。
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/12/24 23:05 | qi6UEqak |
原田さんの「天の岩戸」は大好きです。
ホント、「神遊び」です。
手力男命が扇子を持って舞うところは鳥肌がたつほど、興奮します。
ホント、「神遊び」です。
手力男命が扇子を持って舞うところは鳥肌がたつほど、興奮します。
| ジェラード | EMAIL | URL | 08/12/24 11:36 | IuiyJ9B2 |
間違えた?
その2を楽しみにしてぃます??
その2を楽しみにしてぃます??
| 中川戸神楽ファン | EMAIL | URL | 08/12/24 01:07 | iV95cbPg |
行きたかったです?
その2を楽しみにしてぃます??
その2を楽しみにしてぃます??
| 中川戸神楽ファン | EMAIL | URL | 08/12/24 01:05 | iV95cbPg |
コメントする
この記事のトラックバックURL
http://www.npo-hiroshima.jp/blogn/tb.php/241
トラックバック