8月20日、千代田開発センターにおいて、「月一の舞いー高校生神楽の共演」が開催されました。神楽の未来を担い、未来のリーダーとなる、高校生たちに熱い声援が送られました。
各高校のOB・OGの方々も多く駆けつけられたようで、後輩たちの舞を見守ってくださっていたようです。
それでは、報告です。
神迎え 広島新庄学園 郷土芸能同好会
四人の舞子が、東西南北を払い清め、神様をお招きするこの演目。決して見せ場の多い演目ではありませんが、神楽の基本動作が多く盛り込まれていて、各神楽団・社中でも大切にされてますよね。舞の動作もさることながら、御幣の振り方、鈴のならしかた一つにでも注目してみてもらうと、舞の奥深さを感じ取ってもらえると思います。
岩戸 島根県立浜田商業高校 郷土芸能部
今週の見どころでも紹介しましたが、数ある神楽の演目のなかでも、格式のあるものとして多くの皆さんに認知されていると思います。それもそのはず、天の岩戸に籠もられた天照大神をお招きするために、天細女命の舞ったものが、「芸能」の始まり、神楽の始まりだったのです。最後の天照大神をお迎えして、奏楽・舞子が神楽唄に合わせての場面では、おもわず唄いだしてしまいそうな方もいたのではないでしょうか。
滝夜叉姫 広島県立千代田高校 神楽愛好会
五月姫が、貴船の社に願をかけ、父・平将門の最期を語る場面から、物語は始まります。まだこのあたりでは、あどけなさの残る五月姫ですが、名を滝夜叉姫に変え、物語が進むにつれて、妖しさと力強さを見せていきます。ついには、鬼と化して、大宅中将光圀たちに最後の戦いに挑みますが、最期は光圀の霊術に敗れ、悪しき力を失い昇天していきます。
舞手さんの場面一つ一つでの心情の変化にも注目してもらえると、神楽の世界観に浸っていけると思います。
塵 倫 広島県立吉田高校 神楽部
あいさつのときに部員の方が話されていましたが、今回の塵倫は原田神楽団さんの塵倫に近づけるように頑張りたいと抱負を述べられていました。その中でも、先輩たちから受け継いだことや、自分たちの気持ちを織り交ぜながら、吉田高校の「塵倫」の世界を見せてくれたことと思います。神二人の揃った舞、鬼三匹の相手を震え上がらすような舞ぶり、舞手の舞を活かす四人の奏楽を見ていて、日頃の練習の成果を十分に出されていたように感じました。
天慶記・将門 広島新庄学園 郷土芸能同好会
郷土芸能同好会のオリジナル演目であり、毎年部員のみなさんがそれぞれの思いを持って舞われています。ストーリーは、あの「滝夜叉姫」以前の物語。滝夜叉姫の父・平将門が新皇となるも、一族の平貞盛に討たれるというもので、これが皆さんご存知の「滝夜叉姫」へとつながっていきます。神楽は、将門・将平兄弟が叔父である国香を討ち取る場面から始まります。そして、父・国香を討たれた貞盛は、藤原秀郷の助勢をうけ、将門追討に向かいます。貞盛にしてみれば、従兄弟であり、父の仇でもある将門を討つということは、さぞかし辛かったことでしょうね。最後の場面で、弟を討たれた将門が鬼人と化して、貞盛たちに襲いかかったところでは、迫力ある立ち合いを見せてくれました。
八岐大蛇 広島県立加計高校芸北分校
まずは、大蛇が七人目の姫を取り喰らう場面から始まりますが、大蛇が姫に気づかれずに近づくところでは、他の神楽団さんの大蛇ではないような妖しさを感じられた方もおられることでしょう。老夫婦と姫の別れの場面でも、奏楽との息の合った舞で情緒たっぷりに演じられ、会場では涙を流された方もいたのではないでしょうか。最後の須佐之男命との対決でも、迫力ある大蛇たちが所狭しと演じてくれました。「俺たちをなめんなよ」とばかりに威嚇したり、蛇胴で須佐之男命を囲んだりと、最後まで須佐之男命を苦しめました。しかし、須佐之男命さんも負けてはいられません。8対1の劣勢の中、見事な太刀捌きで大蛇たちを退治し、大団円を迎えました。
各高校の演目終了後のインタビューでは、部員のみなさんにに今後の抱負を語ってもらい、「大学で地元を離れても、帰ってきて神楽をやりたい」 「地元で就職して、神楽をやる」という頼もしい声や、中には「休団している神楽団を復活させる」と意気込んでいる方もおられ、自分たちの「神楽」に対する熱い気持ちを語ってくださいました。
以前は「神楽しかない町」と考えられていたこの地域ですが、時を重ね若者たちが神楽に打ち込んだ結果、「神楽がある町」という地域の誇りに変わってきました。今回、出演していただいた部員のみなさんが将来、神楽を引っ張ってくれることはもちろん、それぞれの地域を引っ張るリーダーとなってくれると期待させてくれた1日となりました。さて次回は、「月一の舞い 特別公演 神楽新時代」の報告です。お楽しみに。
各高校のOB・OGの方々も多く駆けつけられたようで、後輩たちの舞を見守ってくださっていたようです。
それでは、報告です。
神迎え 広島新庄学園 郷土芸能同好会
四人の舞子が、東西南北を払い清め、神様をお招きするこの演目。決して見せ場の多い演目ではありませんが、神楽の基本動作が多く盛り込まれていて、各神楽団・社中でも大切にされてますよね。舞の動作もさることながら、御幣の振り方、鈴のならしかた一つにでも注目してみてもらうと、舞の奥深さを感じ取ってもらえると思います。
岩戸 島根県立浜田商業高校 郷土芸能部
今週の見どころでも紹介しましたが、数ある神楽の演目のなかでも、格式のあるものとして多くの皆さんに認知されていると思います。それもそのはず、天の岩戸に籠もられた天照大神をお招きするために、天細女命の舞ったものが、「芸能」の始まり、神楽の始まりだったのです。最後の天照大神をお迎えして、奏楽・舞子が神楽唄に合わせての場面では、おもわず唄いだしてしまいそうな方もいたのではないでしょうか。
滝夜叉姫 広島県立千代田高校 神楽愛好会
五月姫が、貴船の社に願をかけ、父・平将門の最期を語る場面から、物語は始まります。まだこのあたりでは、あどけなさの残る五月姫ですが、名を滝夜叉姫に変え、物語が進むにつれて、妖しさと力強さを見せていきます。ついには、鬼と化して、大宅中将光圀たちに最後の戦いに挑みますが、最期は光圀の霊術に敗れ、悪しき力を失い昇天していきます。
舞手さんの場面一つ一つでの心情の変化にも注目してもらえると、神楽の世界観に浸っていけると思います。
塵 倫 広島県立吉田高校 神楽部
あいさつのときに部員の方が話されていましたが、今回の塵倫は原田神楽団さんの塵倫に近づけるように頑張りたいと抱負を述べられていました。その中でも、先輩たちから受け継いだことや、自分たちの気持ちを織り交ぜながら、吉田高校の「塵倫」の世界を見せてくれたことと思います。神二人の揃った舞、鬼三匹の相手を震え上がらすような舞ぶり、舞手の舞を活かす四人の奏楽を見ていて、日頃の練習の成果を十分に出されていたように感じました。
天慶記・将門 広島新庄学園 郷土芸能同好会
郷土芸能同好会のオリジナル演目であり、毎年部員のみなさんがそれぞれの思いを持って舞われています。ストーリーは、あの「滝夜叉姫」以前の物語。滝夜叉姫の父・平将門が新皇となるも、一族の平貞盛に討たれるというもので、これが皆さんご存知の「滝夜叉姫」へとつながっていきます。神楽は、将門・将平兄弟が叔父である国香を討ち取る場面から始まります。そして、父・国香を討たれた貞盛は、藤原秀郷の助勢をうけ、将門追討に向かいます。貞盛にしてみれば、従兄弟であり、父の仇でもある将門を討つということは、さぞかし辛かったことでしょうね。最後の場面で、弟を討たれた将門が鬼人と化して、貞盛たちに襲いかかったところでは、迫力ある立ち合いを見せてくれました。
八岐大蛇 広島県立加計高校芸北分校
まずは、大蛇が七人目の姫を取り喰らう場面から始まりますが、大蛇が姫に気づかれずに近づくところでは、他の神楽団さんの大蛇ではないような妖しさを感じられた方もおられることでしょう。老夫婦と姫の別れの場面でも、奏楽との息の合った舞で情緒たっぷりに演じられ、会場では涙を流された方もいたのではないでしょうか。最後の須佐之男命との対決でも、迫力ある大蛇たちが所狭しと演じてくれました。「俺たちをなめんなよ」とばかりに威嚇したり、蛇胴で須佐之男命を囲んだりと、最後まで須佐之男命を苦しめました。しかし、須佐之男命さんも負けてはいられません。8対1の劣勢の中、見事な太刀捌きで大蛇たちを退治し、大団円を迎えました。
各高校の演目終了後のインタビューでは、部員のみなさんにに今後の抱負を語ってもらい、「大学で地元を離れても、帰ってきて神楽をやりたい」 「地元で就職して、神楽をやる」という頼もしい声や、中には「休団している神楽団を復活させる」と意気込んでいる方もおられ、自分たちの「神楽」に対する熱い気持ちを語ってくださいました。
以前は「神楽しかない町」と考えられていたこの地域ですが、時を重ね若者たちが神楽に打ち込んだ結果、「神楽がある町」という地域の誇りに変わってきました。今回、出演していただいた部員のみなさんが将来、神楽を引っ張ってくれることはもちろん、それぞれの地域を引っ張るリーダーとなってくれると期待させてくれた1日となりました。さて次回は、「月一の舞い 特別公演 神楽新時代」の報告です。お楽しみに。
2011,08,24 Wed 21:35
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