先週の日曜日、千代田開発センターで月一の舞い サンクス創業20周年特別企画「平成の神楽新時代-広島-」が開催されました。今回は地元、旧千代田町にあるショッピングセンターサンクスさんが20周年記念ということで特別企画での公演でした。今回もたくさんのお客様が足を運んでくださり、会場は大変賑わっていました。それでは報告です。
中川戸神楽団「板蓋宮」
スーパー神楽の原点であり、出発点ともなった中川戸さんの代表的演目。神楽ブームの火付け役の一つとなった演目とも言えるでしょう。物語は、大化の改新の前夜乙巳の変(いっしのへん)において蘇我入鹿が中大兄皇子、中臣鎌足に討たれるお話です。また、この演目というとたくさんの仕掛けが施されているのが特徴。蘇我入鹿の手下、郎女(いらつめ)と中大兄皇子、中臣鎌足が立ち合う場面では、衣装が一枚めくれると小さな紙吹雪が綺麗に舞い始めます。また、蘇我入鹿との立ち合いでは、会場が薄暗くなったかと思うとボウッと薄気味悪く入鹿の顔が光りだします。激しい立ち合いの最中でも、どこか美しさを感じさせてくれる演出となっていました。そのなかでも特に盛り上がったのが、蘇我入鹿の首が中大兄皇子たちを襲ってくる一場面。火を噴きながら勢いよく首が舞台に飛び出してくると、会場からは「ぎゃぁぁぁ!!」という大きな悲鳴とどよめきが。本当に生きているようで、こちらまで襲ってきそうでしたね。とても恐ろしかったです。
後野神楽社中「鏡山」
江戸時代の中ごろ浜田藩邸で起こった鏡山事件を基にした作品。浜田藩のお局である岩藤は、事あるごとに中老の尾上(おのえ)に嫌がらせをしていました。その果てに尾上は自害することとなります。自分のみならず、家名までも侮辱された尾上さんはさぞかし悔しかったことでしょう。舞台で、はらりはらりと落ちる紙吹雪の中、自害していく尾上の姿は切なさや儚さを感じさせます。そして、尾上の女中お初は主の仇討ちへと乗り出します。お初と岩藤との立ち合いの時には既に岩藤の顔は鬼の相へと変わっています。激しい戦いの末、お初は主の仇を討ちますが岩藤はそのまま昇天することなく怨霊と化し再びお初を襲ってきます。片方だけ白骨化した手をぶらりと垂らし、ゆっくりと動く様子は恐ろしさを感じます。また、お初の一太刀を浴び、傷つけられた顔の下からさらに白い骨の顔が出た時には一瞬ドキリ。あの目で見つめられると夢に出てきそうですね。
大塚神楽団「道成寺」
現在の和歌山県が舞台となる演目。僧・安珍に恋い焦がれ、どこまでも安珍を追いかける亡者と化してしまった清姫。恐ろしくも切ないこの物語は、日高川で大きな見せ場を迎えます。しかし、その前に安珍さんと船頭さんのコミカルなやり取りが始まります。清姫から逃げようと船頭さんに船渡しをお願いする安珍さん。しかし、「あんたぁTPPについてどがぁ思う?」「人にものを頼むときは…」などと船頭さんワールド全開です。これには安珍さんもタジタジ(笑)また、清姫さんの時にも容赦はありません。ぐいぐいくる船頭さんに清姫さんもタジタジ。終いには船頭さんの勢いに呑まれ、口上をも噛んでしまいました(笑)しかし、船を渡してもらえず遂には安珍に恋焦がれるあまり、清姫は大蛇となってしまいます。口から火を吹き、釣鐘ごと安珍を焼き殺していく姿はまさに壮絶。しかし、我に返った時に待っていたのは深い絶望感。最後は愛する人と共に西方浄土へと昇天していきますが、その様子にしばらくは切なく胸が締め付けられるようでした。
琴庄神楽団「厳島」
来年の大河ドラマとしても有名になりつつある平清盛のお話。今や世界遺産でもある厳島神社。そして宮島が、どのようにして築き上げられてきたのか。その厳島縁起と厳島神社の設立をこの演目で深く理解することができ、また、楽しめる内容となっています。後に厳島に鎮まる三女神が登場するところはドライアイスの効果もあり、天から舞い降りてくるような印象を受けました。また、清盛が再び太陽を呼び戻すところでは、扇子のひと仰ぎに渾身の力が籠っているようで見る側にも力が入ってしまいます。その渾身のひと仰ぎにゆっくりと日が昇るように会場が明るくなると、客席からは拍手が沸き起こっていました。そしてクライマックス、やはりもっとも印象的だったのは怨霊が登場する場面でしょうか。「きぃよぉ~もりぃ~」という低い声とともにスモークの中からユラリと現れる怨霊たち。あの世へ引きずり込もうと清盛に襲い掛かるところは恐ろしさと迫力で身体が硬直してしまいそうでした。
また、神楽上演後にはサンクスさんから神楽面や商品券が当たる抽選会が行われました。神楽の面では人の顔の何倍もありそうな、大きな鬼の面がプレゼントされていましたよ。面や商品券が当たられました皆さまおめでとうございます。
中川戸神楽団「板蓋宮」
スーパー神楽の原点であり、出発点ともなった中川戸さんの代表的演目。神楽ブームの火付け役の一つとなった演目とも言えるでしょう。物語は、大化の改新の前夜乙巳の変(いっしのへん)において蘇我入鹿が中大兄皇子、中臣鎌足に討たれるお話です。また、この演目というとたくさんの仕掛けが施されているのが特徴。蘇我入鹿の手下、郎女(いらつめ)と中大兄皇子、中臣鎌足が立ち合う場面では、衣装が一枚めくれると小さな紙吹雪が綺麗に舞い始めます。また、蘇我入鹿との立ち合いでは、会場が薄暗くなったかと思うとボウッと薄気味悪く入鹿の顔が光りだします。激しい立ち合いの最中でも、どこか美しさを感じさせてくれる演出となっていました。そのなかでも特に盛り上がったのが、蘇我入鹿の首が中大兄皇子たちを襲ってくる一場面。火を噴きながら勢いよく首が舞台に飛び出してくると、会場からは「ぎゃぁぁぁ!!」という大きな悲鳴とどよめきが。本当に生きているようで、こちらまで襲ってきそうでしたね。とても恐ろしかったです。
後野神楽社中「鏡山」
江戸時代の中ごろ浜田藩邸で起こった鏡山事件を基にした作品。浜田藩のお局である岩藤は、事あるごとに中老の尾上(おのえ)に嫌がらせをしていました。その果てに尾上は自害することとなります。自分のみならず、家名までも侮辱された尾上さんはさぞかし悔しかったことでしょう。舞台で、はらりはらりと落ちる紙吹雪の中、自害していく尾上の姿は切なさや儚さを感じさせます。そして、尾上の女中お初は主の仇討ちへと乗り出します。お初と岩藤との立ち合いの時には既に岩藤の顔は鬼の相へと変わっています。激しい戦いの末、お初は主の仇を討ちますが岩藤はそのまま昇天することなく怨霊と化し再びお初を襲ってきます。片方だけ白骨化した手をぶらりと垂らし、ゆっくりと動く様子は恐ろしさを感じます。また、お初の一太刀を浴び、傷つけられた顔の下からさらに白い骨の顔が出た時には一瞬ドキリ。あの目で見つめられると夢に出てきそうですね。
大塚神楽団「道成寺」
現在の和歌山県が舞台となる演目。僧・安珍に恋い焦がれ、どこまでも安珍を追いかける亡者と化してしまった清姫。恐ろしくも切ないこの物語は、日高川で大きな見せ場を迎えます。しかし、その前に安珍さんと船頭さんのコミカルなやり取りが始まります。清姫から逃げようと船頭さんに船渡しをお願いする安珍さん。しかし、「あんたぁTPPについてどがぁ思う?」「人にものを頼むときは…」などと船頭さんワールド全開です。これには安珍さんもタジタジ(笑)また、清姫さんの時にも容赦はありません。ぐいぐいくる船頭さんに清姫さんもタジタジ。終いには船頭さんの勢いに呑まれ、口上をも噛んでしまいました(笑)しかし、船を渡してもらえず遂には安珍に恋焦がれるあまり、清姫は大蛇となってしまいます。口から火を吹き、釣鐘ごと安珍を焼き殺していく姿はまさに壮絶。しかし、我に返った時に待っていたのは深い絶望感。最後は愛する人と共に西方浄土へと昇天していきますが、その様子にしばらくは切なく胸が締め付けられるようでした。
琴庄神楽団「厳島」
来年の大河ドラマとしても有名になりつつある平清盛のお話。今や世界遺産でもある厳島神社。そして宮島が、どのようにして築き上げられてきたのか。その厳島縁起と厳島神社の設立をこの演目で深く理解することができ、また、楽しめる内容となっています。後に厳島に鎮まる三女神が登場するところはドライアイスの効果もあり、天から舞い降りてくるような印象を受けました。また、清盛が再び太陽を呼び戻すところでは、扇子のひと仰ぎに渾身の力が籠っているようで見る側にも力が入ってしまいます。その渾身のひと仰ぎにゆっくりと日が昇るように会場が明るくなると、客席からは拍手が沸き起こっていました。そしてクライマックス、やはりもっとも印象的だったのは怨霊が登場する場面でしょうか。「きぃよぉ~もりぃ~」という低い声とともにスモークの中からユラリと現れる怨霊たち。あの世へ引きずり込もうと清盛に襲い掛かるところは恐ろしさと迫力で身体が硬直してしまいそうでした。
また、神楽上演後にはサンクスさんから神楽面や商品券が当たる抽選会が行われました。神楽の面では人の顔の何倍もありそうな、大きな鬼の面がプレゼントされていましたよ。面や商品券が当たられました皆さまおめでとうございます。
2011,11,22 Tue 19:20
コメント
コメントする
この記事のトラックバックURL
http://www.npo-hiroshima.jp/blogn/tb.php/331
トラックバック