先週の日曜日は、千代田開発センターで月一の舞いが開催されました。テーマは「神楽歴史物語-大江山への道-」ということで、昨年に引き続き月一では二回目の企画テーマでした。源頼光と四天王のお話や人気の高い酒呑童子伝説のお話。何度見てもまた見たい!そんなシリーズですね。それでは報告します。
高猿神楽団「山 姥」
源頼光四天王の一人、坂田金時誕生の物語です。頼光が東国凶賊征伐の勅命を受け、上路山(あげろやま)にさしかかったところ一夜の宿を借りることになります。しかし、その宿は山姥たちの住み家。夜更け、怪童丸が頼光たちに切り掛かろうとすると早々に合戦となります。見せ場では、山姥が一瞬にして恐ろしい鬼となる場面や頼光たちと怪童丸の見事な刀さばきなどがあり、客席からはたくさんの拍手が沸き起こっていました。そしてクライマックスの母と子の別れのシーン。肩を抱き合い、別れを惜しむ親子の様子に会場は一時しんみり。この時の場面は口上などはありませんでしたが、言葉なくても子を送り出す母の心境などが見てとれるようでした。
大森神楽団「戻橋」
そして舞台は京の都、一条戻り橋へ移ります。大森神楽団の「戻 橋」では、鬼退治の際、渡辺綱は安倍清明から「式神」を授かります。この式神が綱と茨木童子との合戦の時、大きなカギとなります。しかし、その前に茨木童子が化けた若い女の姿に皆さん目が釘付けだったことでしょう。夜な夜な戻り橋に現れる鬼、その正体が茨木童子。しかし、女に化けた茨木童子に道案内をしてほしいと言われ、綱はまんまと騙されてしまいます。それをあざ笑うかのように綱の背後で鬼の姿に戻る茨木童子は恐ろしかったですね。そして、 綱はどうにか茨木童子の正体を見破るものの、絶体絶命の危機に。しかし、ここで清明から授かった式神が力を貸してくれます。式神が登場するとそこから一気に形勢逆転。茨木童子は片腕を切り落とされ一時退散。そして物語は羅生門へと続きます。
山王神楽団「羅生門」
この演目では神楽団によって始まり方はさまざまですが、山王さんでは茨木童子が酒呑童子の所へ戻ってくる所から始まります。ここで印象的なのが、茨木童子は花道から女の姿で登場してくるところ。先ほどの戻り橋であった出来事が思い返されるような感じですね。また、この演目では茨木童子の腕を取り返すため、酒呑童子が大暴れします。一番の見せ所はやはり、面の早変わりでしょうか。怪しそうな姥から鬼に変わったかと思えば、綱の養母へと変化。そして、養母から恐ろしい鬼へと変わる姿は思わず「お見事!!」と言ってしまいそうでした。また、山王さんは今年一番この演目に力を入れていらっしゃるようで、酒呑童子と頼光の立ち合いのときでも、その思いがひしひし伝わってきました。
津浪神楽団 「大江山」
いよいよ、物語はクライマックスへと進みます。先ほどの三つの演目は八調子で艶やかで華やかな印象がありましたが、こちらの津浪さんの大江山は六調子。ゆっくりと落ち着いた感じの舞いや口上で、一つ一つ噛みしめながら神楽を拝見できました。また、酒呑童子と頼光との問答では、深みのある落ち着いた口上や絶妙な間などがあり、緊迫した空気というよりは、重みや奥深さが感じられる一場面となっていました。その中で酒呑童子の独特な「なぁにぃ、なぁにぃ?」という言いまわしには、なんだか真似がしたくなってしまいそうでしたね。そして、場面は酒呑童子と頼光の最終決戦と移ります。立ち合いでは、無数の蜘蛛の糸が飛び交い、頼光たちは酒呑童子の妖術に苦しめられます。しかし、住吉明神から授かった巻物で難を逃れ、激しい戦いの末ようやく酒呑童子を倒します。酒呑童子の首を持つ頼光さんたちは、とても誇らしそうでしたよ。
最後は津浪さんの童子さんたちと記念撮影会がありました。衣装を着させてもらう子供たちや童子さんたちと一緒に写真撮影など、最後まで盛り上がりました。
さて、今年の月一はこれでお終いとなりましたが、また来年も続きます。これからも月一の舞いをよろしくお願い致します。また、来年皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
高猿神楽団「山 姥」
源頼光四天王の一人、坂田金時誕生の物語です。頼光が東国凶賊征伐の勅命を受け、上路山(あげろやま)にさしかかったところ一夜の宿を借りることになります。しかし、その宿は山姥たちの住み家。夜更け、怪童丸が頼光たちに切り掛かろうとすると早々に合戦となります。見せ場では、山姥が一瞬にして恐ろしい鬼となる場面や頼光たちと怪童丸の見事な刀さばきなどがあり、客席からはたくさんの拍手が沸き起こっていました。そしてクライマックスの母と子の別れのシーン。肩を抱き合い、別れを惜しむ親子の様子に会場は一時しんみり。この時の場面は口上などはありませんでしたが、言葉なくても子を送り出す母の心境などが見てとれるようでした。
大森神楽団「戻橋」
そして舞台は京の都、一条戻り橋へ移ります。大森神楽団の「戻 橋」では、鬼退治の際、渡辺綱は安倍清明から「式神」を授かります。この式神が綱と茨木童子との合戦の時、大きなカギとなります。しかし、その前に茨木童子が化けた若い女の姿に皆さん目が釘付けだったことでしょう。夜な夜な戻り橋に現れる鬼、その正体が茨木童子。しかし、女に化けた茨木童子に道案内をしてほしいと言われ、綱はまんまと騙されてしまいます。それをあざ笑うかのように綱の背後で鬼の姿に戻る茨木童子は恐ろしかったですね。そして、 綱はどうにか茨木童子の正体を見破るものの、絶体絶命の危機に。しかし、ここで清明から授かった式神が力を貸してくれます。式神が登場するとそこから一気に形勢逆転。茨木童子は片腕を切り落とされ一時退散。そして物語は羅生門へと続きます。
山王神楽団「羅生門」
この演目では神楽団によって始まり方はさまざまですが、山王さんでは茨木童子が酒呑童子の所へ戻ってくる所から始まります。ここで印象的なのが、茨木童子は花道から女の姿で登場してくるところ。先ほどの戻り橋であった出来事が思い返されるような感じですね。また、この演目では茨木童子の腕を取り返すため、酒呑童子が大暴れします。一番の見せ所はやはり、面の早変わりでしょうか。怪しそうな姥から鬼に変わったかと思えば、綱の養母へと変化。そして、養母から恐ろしい鬼へと変わる姿は思わず「お見事!!」と言ってしまいそうでした。また、山王さんは今年一番この演目に力を入れていらっしゃるようで、酒呑童子と頼光の立ち合いのときでも、その思いがひしひし伝わってきました。
津浪神楽団 「大江山」
いよいよ、物語はクライマックスへと進みます。先ほどの三つの演目は八調子で艶やかで華やかな印象がありましたが、こちらの津浪さんの大江山は六調子。ゆっくりと落ち着いた感じの舞いや口上で、一つ一つ噛みしめながら神楽を拝見できました。また、酒呑童子と頼光との問答では、深みのある落ち着いた口上や絶妙な間などがあり、緊迫した空気というよりは、重みや奥深さが感じられる一場面となっていました。その中で酒呑童子の独特な「なぁにぃ、なぁにぃ?」という言いまわしには、なんだか真似がしたくなってしまいそうでしたね。そして、場面は酒呑童子と頼光の最終決戦と移ります。立ち合いでは、無数の蜘蛛の糸が飛び交い、頼光たちは酒呑童子の妖術に苦しめられます。しかし、住吉明神から授かった巻物で難を逃れ、激しい戦いの末ようやく酒呑童子を倒します。酒呑童子の首を持つ頼光さんたちは、とても誇らしそうでしたよ。
最後は津浪さんの童子さんたちと記念撮影会がありました。衣装を着させてもらう子供たちや童子さんたちと一緒に写真撮影など、最後まで盛り上がりました。
さて、今年の月一はこれでお終いとなりましたが、また来年も続きます。これからも月一の舞いをよろしくお願い致します。また、来年皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
2011,12,14 Wed 21:47
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