先週の土曜日、豊平ウィングで「北広島町神楽共演大会」が行われました。子どもの神楽から大人の神楽までじっくりと楽しむことができました。それでは報告です。
まず初めは加計高校芸北分校神楽部「序の舞」。
この演目は神楽の儀式舞を加計高校芸北分校神楽部さん流に新しく作られたもので、オリジナルの創作神楽だそうです。まず始めは扇子と弊を持った4人の舞い手さんが登場。巧みに手物を操りながら縦、横、斜めと移動し、ゆっくりと落ち着いた舞いを披露していきます。そして、次は弊を鈴に持ち替え先ほどとは違った軽やかなテンポで大きな舞いへと変わっていきます。最後は右へ左へと大きなジャンプを見せ、会場から拍手を沸き起こしていました。
次に上石子供神楽会「曽我兄弟」。
この物語は、日本三大仇討ちの赤穂浪士の仇討ちと伊賀越えの仇討ちに並ぶ、曽我兄弟仇討ちを神楽化したもので、富士の巻狩りの際に、曽我兄弟十郎・五郎が父、河津三郎(かわづさぶろう)の仇である工藤祐経(くどうすけつね)を討つお話です。この仇討ちは夜に行ったものなので一時、会場が暗くなり本物の松明(たいまつ)を使うなど本格的な演出をされていました。また、立ち合いでは、酒に酔って寝入ったところを討つ場面が見受けられ、物語を忠実に再現されていると思いました。
そして次は山王子ども神楽クラブ「土蜘蛛」。
典薬の御薬を持ち帰ろうとする胡蝶を襲い、土蜘蛛の精魂が侍女胡蝶に成り変る様子はとても見事でした。また、頼光に毒薬を渡し、徐々に土蜘蛛の本性を現す姿は大人顔負けの迫力と演技力。振る舞いや怪しげな目つき、そして口上でも胡蝶化身になりきった言い回しっぷりに圧倒されっぱなしでした。また、立ち合いの場面では土蜘蛛が前へと出てきたとき横から赤と白の蜘蛛が飛び散り、演技だけではなく演出でも見せてくださいました。
そして次は最初でも上演されました加計高校芸北分校神楽部による「八岐大蛇」。
序盤は、七番目の姫が捕られる場面から始まります。姫の背後から一匹の大蛇が登場し、気づかぬようじわりじわりと迫っていきます。そして取り喰らう時はさらに両サイドから二匹の大蛇が登場し、勢いよく襲い掛かっていきました。この場面は加計高校芸北分校神楽部さんが一生懸命工夫した中の一つだそうです。そして、終盤は大蛇との対決。なんといっても大蛇の動きがとても元気!須佐之男命との立ち合いでも激しくぶつかり合い、最後の一匹になっても須佐之男命を苦しめ続ける大蛇にはあっぱれでした。
そして次に大塚子ども神楽団「紅葉狩」。
まず、どん帳が上がったとたん目の前に広がってきたのは、両サイドにずらっと並ぶ楽の子ども達。この大会では23人の団員さんが誰も欠けることなく全員集まることができたそうです。たくさんの楽人さんに初めは驚いてしまいましたが、やはり合計14人いますと楽の奏でも力強さがありますね。もちろん、舞い手も負けてはいません。鬼女たちが奥の幕からドライアイスの煙とともに登場する様子は迫力満点!そして、立ち合いでも維茂等と鬼女達の戦いは強く迫るものがありました。
さぁそして次は大人の神楽団へとバトンタッチです。まず、トップバッターは長尾組神楽団「天神」。
始まってすぐの神の舞い。菅原道真と共の随身はどちらも独特な舞で興味深く見ることができました。菅原道真は腰を高く構え、一事大きくのけぞる舞い方。一方、共である随身は体勢を低くした低い舞いでお互い特徴ある舞いでした。そして、最後は藤原時平との立ち合い。初めは鬼棒と長刀の武器での戦いでしたが、最後は火花が散る刀に持ち替えての戦い。くるりくるりと舞いながらお互いの刀を打ち合わせ火花を散らす様子は、戦いの激しさを物語っているようでした。
そして次に上演されましたのは大塚神楽団「土蜘蛛」。
やはり中盤の胡蝶に化けた土蜘蛛が姿を現し始めたところが特に盛り上がっていましたね。胡蝶の姿から一旦扇子で顔を隠し、そこから再び覗かせると鬼の顔!そして、葛城山に飛び去る場面では、片足立ちでの移動に会場の熱気は徐々に上げていきます。また、最後は、舞台を一周するほどの長い片足立ちに楽のリズミカルなお囃子でさらに気持ちは高められ、どんどん血が騒いでくるようでした。会場からは、自然と拍手も沸き起こっていましたね。
以上プログラムの前半、7演目をお送りいたしました。あと後半の6演目はその2でお送りいたします。どうぞ後半もお楽しみに★
まず初めは加計高校芸北分校神楽部「序の舞」。
この演目は神楽の儀式舞を加計高校芸北分校神楽部さん流に新しく作られたもので、オリジナルの創作神楽だそうです。まず始めは扇子と弊を持った4人の舞い手さんが登場。巧みに手物を操りながら縦、横、斜めと移動し、ゆっくりと落ち着いた舞いを披露していきます。そして、次は弊を鈴に持ち替え先ほどとは違った軽やかなテンポで大きな舞いへと変わっていきます。最後は右へ左へと大きなジャンプを見せ、会場から拍手を沸き起こしていました。
次に上石子供神楽会「曽我兄弟」。
この物語は、日本三大仇討ちの赤穂浪士の仇討ちと伊賀越えの仇討ちに並ぶ、曽我兄弟仇討ちを神楽化したもので、富士の巻狩りの際に、曽我兄弟十郎・五郎が父、河津三郎(かわづさぶろう)の仇である工藤祐経(くどうすけつね)を討つお話です。この仇討ちは夜に行ったものなので一時、会場が暗くなり本物の松明(たいまつ)を使うなど本格的な演出をされていました。また、立ち合いでは、酒に酔って寝入ったところを討つ場面が見受けられ、物語を忠実に再現されていると思いました。
そして次は山王子ども神楽クラブ「土蜘蛛」。
典薬の御薬を持ち帰ろうとする胡蝶を襲い、土蜘蛛の精魂が侍女胡蝶に成り変る様子はとても見事でした。また、頼光に毒薬を渡し、徐々に土蜘蛛の本性を現す姿は大人顔負けの迫力と演技力。振る舞いや怪しげな目つき、そして口上でも胡蝶化身になりきった言い回しっぷりに圧倒されっぱなしでした。また、立ち合いの場面では土蜘蛛が前へと出てきたとき横から赤と白の蜘蛛が飛び散り、演技だけではなく演出でも見せてくださいました。
そして次は最初でも上演されました加計高校芸北分校神楽部による「八岐大蛇」。
序盤は、七番目の姫が捕られる場面から始まります。姫の背後から一匹の大蛇が登場し、気づかぬようじわりじわりと迫っていきます。そして取り喰らう時はさらに両サイドから二匹の大蛇が登場し、勢いよく襲い掛かっていきました。この場面は加計高校芸北分校神楽部さんが一生懸命工夫した中の一つだそうです。そして、終盤は大蛇との対決。なんといっても大蛇の動きがとても元気!須佐之男命との立ち合いでも激しくぶつかり合い、最後の一匹になっても須佐之男命を苦しめ続ける大蛇にはあっぱれでした。
そして次に大塚子ども神楽団「紅葉狩」。
まず、どん帳が上がったとたん目の前に広がってきたのは、両サイドにずらっと並ぶ楽の子ども達。この大会では23人の団員さんが誰も欠けることなく全員集まることができたそうです。たくさんの楽人さんに初めは驚いてしまいましたが、やはり合計14人いますと楽の奏でも力強さがありますね。もちろん、舞い手も負けてはいません。鬼女たちが奥の幕からドライアイスの煙とともに登場する様子は迫力満点!そして、立ち合いでも維茂等と鬼女達の戦いは強く迫るものがありました。
さぁそして次は大人の神楽団へとバトンタッチです。まず、トップバッターは長尾組神楽団「天神」。
始まってすぐの神の舞い。菅原道真と共の随身はどちらも独特な舞で興味深く見ることができました。菅原道真は腰を高く構え、一事大きくのけぞる舞い方。一方、共である随身は体勢を低くした低い舞いでお互い特徴ある舞いでした。そして、最後は藤原時平との立ち合い。初めは鬼棒と長刀の武器での戦いでしたが、最後は火花が散る刀に持ち替えての戦い。くるりくるりと舞いながらお互いの刀を打ち合わせ火花を散らす様子は、戦いの激しさを物語っているようでした。
そして次に上演されましたのは大塚神楽団「土蜘蛛」。
やはり中盤の胡蝶に化けた土蜘蛛が姿を現し始めたところが特に盛り上がっていましたね。胡蝶の姿から一旦扇子で顔を隠し、そこから再び覗かせると鬼の顔!そして、葛城山に飛び去る場面では、片足立ちでの移動に会場の熱気は徐々に上げていきます。また、最後は、舞台を一周するほどの長い片足立ちに楽のリズミカルなお囃子でさらに気持ちは高められ、どんどん血が騒いでくるようでした。会場からは、自然と拍手も沸き起こっていましたね。
以上プログラムの前半、7演目をお送りいたしました。あと後半の6演目はその2でお送りいたします。どうぞ後半もお楽しみに★
2009,05,25 Mon 23:01
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5月24日に広島市内のアステールプラザ中ホールで「神楽鑑賞会」が行われました。アステールプラザといえば、1993年に北広島町(旧千代田町)の中川戸神楽団が、自主公演で初のホール神楽を行われた場所です。今回のイベントはその中川戸神楽団をはじめ、宮乃木神楽団、大塚神楽団の三団体の上演がありました。残念ながら都合により途中から行くことになってしまったので、楽しみにされてるみなさんには申し訳ないのですが、後半に組まれた「大江山三段返し」のみの報告です。
まずは宮乃木神楽団「一条戻り橋」で物語が始まります。夜な夜な都に出ては災いをなす大江山の鬼人、茨木童子。最初から最後まで変化自在の大暴れを繰り広げます。やはりこの演目の中心となる役柄と言えるでしょうね!落ち着いた老婆の舞、若々しい姫の舞、そして荒々しい鬼の舞。大まかに分けてこの3パターンかと思いますが、これらを一人の舞手さんが見事に舞い分けられていました。手足や腰、頭の使い方などでしっかりを役を表現されているからこそ、面が変わった時の驚きや感動が大きく感じられるはずです。きっとみなさんもその一挙一動に釘付けになったことと思います。そんな茨木童子の餌食になってしまった、傘売りの善兵衛さん。いろんな面白い話はもちろん、何気ないアドリブの利いた一言でも会場を沸かせておられました。最も盛り上がったのはやはりクライマックスの合戦。都の守りと大江山の鬼人が激しい舞を展開します。そしてそれ以上に激しい?大太鼓の方の叩きっぷりで、会場は興奮状態でした。最後は舞台左側から勢いよくクモの糸が飛び出し、茨木童子はまんまと逃げ去ります。
スムーズな進行ですぐさま始まった大塚神楽団「羅生門」。先ほどの興奮がそのままに、いきなり大江山の鬼たちの登場。綱の乳母を手にかけた酒呑童子は都へと向かいます。この乳母に化けた化身のゆっくりとした舞で、いったん気持ちが落ち着きました。先ほどは茨木童子が中心でしたが、この演目もやはり悪役の酒呑童子が見せ場を作ります。照明やドライアイスの効果もあり、面を変えてゆ~~っくり振り向いた時の不気味さはたまりません。奏楽の方も舞手と一つになって場を盛り上げます。そしてもはやお馴染み?くっつけたはずの左腕がまたもげてしまう演出。なんと今回はもげた腕がステージの下に落ちてしまい、それをお客さんが拾って返すという一幕もありました。なんだか鬼たちばかりが目立つようですが、対する源頼光たちも負けてはいません。テンポの早い合戦においても、鬼たちに押されることなく、あくまでも神の舞を丁寧に舞われていたと思います。これまた激しい合戦の末、石清水八幡の御神徳に敗れた童子たちは大江山へと逃げ去ります。最後の舞では「大江山 生野の道は遠けれど まだ踏みも見ず天橋立」と歌われ、次こそは!と期待が高まっていよいよ物語は「大江山」へと舞台を移します。
先に上演された二演目の熱演によって会場の期待が高まった中、ついに中川戸神楽団「大江山」が始まりました。最初は、見る側のはやる気持ちを静めるかのような、頼光たちの舞。長いセリフによって今までのおさらいもできましたね!三段返しの演目を続けて見ることによって生まれる思いを、随所に感じることができたと思います。特に中盤の岩屋の場面、「自分の左腕を切ったやつだ!」とばかりに、茨木童子が渡辺綱だと見破るところは、見ている方はハラハラドキドキ。その後、頼光の弁舌な言葉によって難を切り抜けるのですが、今度は「疑って悪かったの~」と言ってるかのように、綱の背中を茨木童子がポンポンと叩く一面もあったりして、すごくリアルさを感じましたね!そしてこの演目だけでなく、三段返しのクライマックスとなる壮絶な合戦。今までは逃げられてばかりだった鬼たちを、今度は逃さん!とばかりに退治していく四天王たち。酒呑童子も最期を悟って飛び去ろうとしますが、三社の御神徳によって引き戻されます。そしてあっと驚く演出でついに酒呑童子の首が切り落とされました。約2時間半もの壮大な「大江山三段返し」、みなさんもしっかり堪能されたことと思います。
この週末は各地で神楽イベントがありましたね!特派員Nさんによる報告もあると思いますので、どうぞお楽しみに!
まずは宮乃木神楽団「一条戻り橋」で物語が始まります。夜な夜な都に出ては災いをなす大江山の鬼人、茨木童子。最初から最後まで変化自在の大暴れを繰り広げます。やはりこの演目の中心となる役柄と言えるでしょうね!落ち着いた老婆の舞、若々しい姫の舞、そして荒々しい鬼の舞。大まかに分けてこの3パターンかと思いますが、これらを一人の舞手さんが見事に舞い分けられていました。手足や腰、頭の使い方などでしっかりを役を表現されているからこそ、面が変わった時の驚きや感動が大きく感じられるはずです。きっとみなさんもその一挙一動に釘付けになったことと思います。そんな茨木童子の餌食になってしまった、傘売りの善兵衛さん。いろんな面白い話はもちろん、何気ないアドリブの利いた一言でも会場を沸かせておられました。最も盛り上がったのはやはりクライマックスの合戦。都の守りと大江山の鬼人が激しい舞を展開します。そしてそれ以上に激しい?大太鼓の方の叩きっぷりで、会場は興奮状態でした。最後は舞台左側から勢いよくクモの糸が飛び出し、茨木童子はまんまと逃げ去ります。
スムーズな進行ですぐさま始まった大塚神楽団「羅生門」。先ほどの興奮がそのままに、いきなり大江山の鬼たちの登場。綱の乳母を手にかけた酒呑童子は都へと向かいます。この乳母に化けた化身のゆっくりとした舞で、いったん気持ちが落ち着きました。先ほどは茨木童子が中心でしたが、この演目もやはり悪役の酒呑童子が見せ場を作ります。照明やドライアイスの効果もあり、面を変えてゆ~~っくり振り向いた時の不気味さはたまりません。奏楽の方も舞手と一つになって場を盛り上げます。そしてもはやお馴染み?くっつけたはずの左腕がまたもげてしまう演出。なんと今回はもげた腕がステージの下に落ちてしまい、それをお客さんが拾って返すという一幕もありました。なんだか鬼たちばかりが目立つようですが、対する源頼光たちも負けてはいません。テンポの早い合戦においても、鬼たちに押されることなく、あくまでも神の舞を丁寧に舞われていたと思います。これまた激しい合戦の末、石清水八幡の御神徳に敗れた童子たちは大江山へと逃げ去ります。最後の舞では「大江山 生野の道は遠けれど まだ踏みも見ず天橋立」と歌われ、次こそは!と期待が高まっていよいよ物語は「大江山」へと舞台を移します。
先に上演された二演目の熱演によって会場の期待が高まった中、ついに中川戸神楽団「大江山」が始まりました。最初は、見る側のはやる気持ちを静めるかのような、頼光たちの舞。長いセリフによって今までのおさらいもできましたね!三段返しの演目を続けて見ることによって生まれる思いを、随所に感じることができたと思います。特に中盤の岩屋の場面、「自分の左腕を切ったやつだ!」とばかりに、茨木童子が渡辺綱だと見破るところは、見ている方はハラハラドキドキ。その後、頼光の弁舌な言葉によって難を切り抜けるのですが、今度は「疑って悪かったの~」と言ってるかのように、綱の背中を茨木童子がポンポンと叩く一面もあったりして、すごくリアルさを感じましたね!そしてこの演目だけでなく、三段返しのクライマックスとなる壮絶な合戦。今までは逃げられてばかりだった鬼たちを、今度は逃さん!とばかりに退治していく四天王たち。酒呑童子も最期を悟って飛び去ろうとしますが、三社の御神徳によって引き戻されます。そしてあっと驚く演出でついに酒呑童子の首が切り落とされました。約2時間半もの壮大な「大江山三段返し」、みなさんもしっかり堪能されたことと思います。
この週末は各地で神楽イベントがありましたね!特派員Nさんによる報告もあると思いますので、どうぞお楽しみに!
2009,05,24 Sun 21:56
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今週の土曜日は「道の駅」豊平どんぐり村内のとよひらウィングで「北広島町神楽共演大会」が開催されます。この大会は北広島町商工会の合併記念ということで、北広島町の旧4町、千代田・大朝・豊平・芸北からそれぞれ3団体が出演します。また、その中には、子ども神楽団や高校生の神楽部の上演もあります。元気あふれる子どもの神楽から深みのある大人の神楽まで、そしてそれぞれの地域に伝わる神楽をどうぞお楽しみください。また、同じ日には島根県で「第8回交流神楽in都川」が開催され、日曜日では広島市で「アステールプラザ神楽鑑賞会」が開催されます。他にもさまざまな場所で神楽が上演されるようなので今週の土日はどこに行こうか迷ってしまいますね。皆様は、もうどこに行かれるか決められましたか?出かける際は気をつけてお出かけくださいね。
神楽日程表
神楽日程表
2009,05,22 Fri 00:30
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| Cheap xanax. | 09/12/31 22:46 |
先週の日曜日、千代田開発センターで月一の舞いが開催されました。今月の月一のテーマは「月一の舞いへの挑戦」。各地域からの神楽団・保存会が集まり、それぞれの持ち味や舞を披露されました。それでは報告です。
まず初めは、あさひが丘神楽団「日ノ御碕」
この演目は、日ノ御碕(ひのみさき)を乗っ取ろうと攻め入ってくる鬼女、彦羽根とそれを阻止すべく彦羽根に立ち向かう須佐之男命の末娘、十羅刹女とのお話です。皆さん、この登場人物から頭に浮かんでくるのは石見の方で舞われる演目でしょうか?しかし、こちらのあさひが丘さんの演目は、石見とはまた違った雰囲気のある演目でした。日ノ御碕へ船で攻め入る様子を現すため、手下が武器ではなく櫂(かい)を持っての舞いや十羅のお供を襲い、すばやく鬼へと変化する場面がありました。見ていて分かりやすく、また楽しみながら見ることができました。
次に種神楽保存会「鍾馗」
まず初めに目に留まったのは舞台での配置。中央に楽の方たちが座り、鍾馗大神と疫病神が隠れ合う幕は観客から見て舞台袖の左に設置されていました。こういった配置はなかなか見ることがないのですごく斬新でした。そして、鍾馗大神や疫病神の舞いでは、とても独特な舞いで鍾馗大神はどっしりとした構えに一つ一つかみ締めるような舞い。頭を上下に振り頷く様子は強く印象に残りました。また、疫病神は体全体をめいっぱい使うような舞いで力あふれる様子。鍾馗大神とも引けを取らない力強さがありました。
そして、次に水内神楽団「滝夜叉姫」
こちらの演目は水内神楽団さんにとって、なんと20年ぶりに上演される演目だそうです。メンバーも総入れ替えされ、今回の月一の舞いで復活!ということになりました。五月姫が貴船明神へ祈願し滝夜叉姫へと成り変っていく様子や手下の式神を連れひと舞いする様子は美しくも闘志がみなぎるようでした。また、滝夜叉姫から徐々に鬼へと変わっていく場面は、一瞬の出来事で会場からは拍手が沸き起こっていました。また、立ち合いも激しい戦いとなり、今回が初演ということを忘れさせられる舞いでした。
そして最後を飾ったのは今田神楽団「殺生石」
悪弧伝の最後のお話ですね。序盤、悪弧は弓矢の名人、三浦之介・上総之介に退治され、そのまま憎しみとともに殺生石となる場面から始まっていきます。初めから激しい立ち合いが繰り広げられ、一気に会場の熱を上げていきます。中盤では飛脚の飛助(とびすけ)が登場し先ほどの場面とは違い、笑いを誘い会場を和ましてくれます。そして、終盤は悪狐と玄翁和尚(げんのうおしょう)との激戦。序盤の立ち合いよりもさらに熱が入る両者の戦いぶりについつい力がこもっていってしまいます。最後はみるみる引き込まれ目が片時も離せませんでした。
さて、神楽上演後は月一の舞いではお馴染みの記念撮影。今回は「殺生石」を上演されました、今田神楽団の方々でした。玄翁和尚さん、飛脚の飛助さん、悪狐さん、玉藻前さんと豪華たるメンバーでの記念撮影となり、撮られたお客さまはとてもいい記念になりましたね。
そして、ここでお知らせですが来月の月一の舞いは、協賛神楽公演「壬生の花田植えと無形文化財合同まつり」となっており9:00開場 10:00時開演となっています。いつもの時間帯とは異なりますのでくれぐれもお間違えのないようお越しください。
まず初めは、あさひが丘神楽団「日ノ御碕」
この演目は、日ノ御碕(ひのみさき)を乗っ取ろうと攻め入ってくる鬼女、彦羽根とそれを阻止すべく彦羽根に立ち向かう須佐之男命の末娘、十羅刹女とのお話です。皆さん、この登場人物から頭に浮かんでくるのは石見の方で舞われる演目でしょうか?しかし、こちらのあさひが丘さんの演目は、石見とはまた違った雰囲気のある演目でした。日ノ御碕へ船で攻め入る様子を現すため、手下が武器ではなく櫂(かい)を持っての舞いや十羅のお供を襲い、すばやく鬼へと変化する場面がありました。見ていて分かりやすく、また楽しみながら見ることができました。
次に種神楽保存会「鍾馗」
まず初めに目に留まったのは舞台での配置。中央に楽の方たちが座り、鍾馗大神と疫病神が隠れ合う幕は観客から見て舞台袖の左に設置されていました。こういった配置はなかなか見ることがないのですごく斬新でした。そして、鍾馗大神や疫病神の舞いでは、とても独特な舞いで鍾馗大神はどっしりとした構えに一つ一つかみ締めるような舞い。頭を上下に振り頷く様子は強く印象に残りました。また、疫病神は体全体をめいっぱい使うような舞いで力あふれる様子。鍾馗大神とも引けを取らない力強さがありました。
そして、次に水内神楽団「滝夜叉姫」
こちらの演目は水内神楽団さんにとって、なんと20年ぶりに上演される演目だそうです。メンバーも総入れ替えされ、今回の月一の舞いで復活!ということになりました。五月姫が貴船明神へ祈願し滝夜叉姫へと成り変っていく様子や手下の式神を連れひと舞いする様子は美しくも闘志がみなぎるようでした。また、滝夜叉姫から徐々に鬼へと変わっていく場面は、一瞬の出来事で会場からは拍手が沸き起こっていました。また、立ち合いも激しい戦いとなり、今回が初演ということを忘れさせられる舞いでした。
そして最後を飾ったのは今田神楽団「殺生石」
悪弧伝の最後のお話ですね。序盤、悪弧は弓矢の名人、三浦之介・上総之介に退治され、そのまま憎しみとともに殺生石となる場面から始まっていきます。初めから激しい立ち合いが繰り広げられ、一気に会場の熱を上げていきます。中盤では飛脚の飛助(とびすけ)が登場し先ほどの場面とは違い、笑いを誘い会場を和ましてくれます。そして、終盤は悪狐と玄翁和尚(げんのうおしょう)との激戦。序盤の立ち合いよりもさらに熱が入る両者の戦いぶりについつい力がこもっていってしまいます。最後はみるみる引き込まれ目が片時も離せませんでした。
さて、神楽上演後は月一の舞いではお馴染みの記念撮影。今回は「殺生石」を上演されました、今田神楽団の方々でした。玄翁和尚さん、飛脚の飛助さん、悪狐さん、玉藻前さんと豪華たるメンバーでの記念撮影となり、撮られたお客さまはとてもいい記念になりましたね。
そして、ここでお知らせですが来月の月一の舞いは、協賛神楽公演「壬生の花田植えと無形文化財合同まつり」となっており9:00開場 10:00時開演となっています。いつもの時間帯とは異なりますのでくれぐれもお間違えのないようお越しください。
2009,05,11 Mon 22:32
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先週の土曜日は、廿日市のもみのき森林公園・体育館で「春選抜 第9回吉和神楽競演大会」が行われまた。それでは報告です。
まず始めは高井神楽団「神降ろし」
この演目は神楽が始まるにあたってはとても大切な演目ですね。まずは神様をお招きしなければ神楽は始まりません。シンプルな演目ではありますが、お囃子が鳴り響くといよいよ神楽が始まったぞ!!という気持ちでわくわくしてしまいます。また、舞いの中でそれぞれの方角を拝む場面があり、拝むときは一旦お囃子が鳴り止み神楽歌だけが会場に響き渡ります。その光景はとても神妙でした。
次に特別出演の吉和子ども神楽団「弓八幡」
まず始めに楽を担当する子ども達が登場してくるのですが、なんと登場してきたのは通常の人数を超えるたくさんの子ども達。客席からは「んまぁ~、可愛らしい♪」という声が聞こえてきました。人数は全部で9人!大太鼓一人に小太鼓一人、手打鉦6人に笛一人、一生懸命お囃子を奏でていました。そして、舞では若々しくもしっかりした足取りに、セリフもキマっており大人顔負けのすばらしい演出。まさに大人の神楽を見ているかのようでした。将来がさらに楽しみですね。
次に本郷神楽団「大江山」
こちらの演目で目に留まったのは、頼光たちが岩屋へと向かう道中の場面。皆さん頭に浮かんでくるのは、捕らわれた紅葉姫と出会い酒呑童子の岩屋へと案内する光景が浮かんでくるでしょうか。しかし、こちらでは紅葉姫も登場するのですが、紅葉姫が案内するのではなく、道案内を担当する人物が登場します。そして、もう一つ。酒呑童子たちの問答の末、酒宴が開かれる場面のところ。頼光たちが持って来た酒を頼光自身が毒見をするのですが、飲む時なんとゴクゴクっと飲む音が聞こえ本当に酒を飲んでいるようでした。
そして次に宮乃木神楽団「滝夜叉姫」
五月姫が父の恨みを晴らそうと貴船明神へと祈願をする場面から始まります。二一日目の満願の日、どこからともなく貴船の神の声が聞こえ出し五月姫に妖術を授けます。そのとき、五月姫は苦しそうな様子を見せるのですが、次第に肩でゆっくりと笑いだし、こちらに振り返ると恐ろしい顔に変身。先ほどとは違う異様な姿形にゾクゾクッと震えがきてしまいます。また、立ち合いの場面でも恐ろしかった顔がついには鬼の姿へと変わり恐ろしさがどんどん増していきました。
そして次は坂原神楽団「天神」
こちらの舞いは、趣きがあり、どこか懐かしさを感じさせる舞いだったように思います。立ち合いはゆっくりとした立ち回りで、初めは長刀との戦い。そして、次に長刀から刀に持ち替え、再び立ち合いが始まります。刀同士での立ち合いは、地面に刀を打ち付ける場面やしゃがんだままジャンプをするようなかたちで回り、刀と刀を打ち合わせる様子が伺えました。また、その時に刀と刀がぶつかり合う瞬間、パチッパチッと火花が飛び散り戦いの激しさを表しているかのようでした。
そして次に高井神楽団「紅葉狩」
鬼女三人が登場し、ゆっくりと舞う様子は、美しくも怪しさが滲みでるようでとても妖艶な舞いでした。また、鬼女が平維茂をだまし襲い掛かる場面は、先ほどとは違い勢いのある舞い。鬼女大王の熱がこもったセリフにどんどん気持ちが高まっていき、ハッと気づいたときはもとの鬼の姿。また、もとに戻るときの高いダイナミックなジャンプは会場をどっと湧き上がらせていらっしゃいました。そして、立ち合いでもその勢いをさらに巻き上げるかのようなスピード感あふれる激しい戦いで会場を熱気に包み込んでおられました。
さぁそして次は石見神代神楽上府社中「八岐の大蛇」
唯一島根県から出場された団体さんでした。やはり大蛇が次々に披露される技がとてもすばらしかったですね。間が空くことなく次から次へと披露される技の数々は客席からは拍手が起こっていました。また、技の中でお囃子にあわせて頭を振る様子もあり、恐ろしくも可愛らしさがありました。そして場面は変わり立ち合いでは、須佐之男命が一気に切り掛るとそれに驚いた大蛇たちは、一瞬にして須佐之男命に襲い掛かります。大蛇の中に閉じ込められ須佐之男命苦が四苦八苦している様子は、冷や冷やしてしまいました。
そしてつぎは特別出演の三谷神楽団「鐘馗」
無病息災を祈願する舞としても知られている演目ですね。広島の鐘馗では黒い面をした疫神をイメージしがちですが、三谷さんの疫神は顔が白く、赤いしわが施されているユニークな面が使われていました。また、舞いも独特で底を這う様な舞いとは少し違い、体勢を低くし地を貪るような感じの舞い方でした。そして、最後の立ち合いでもお囃子のリズムに合わせて疫神と鐘馗がケンケンしながら舞う場面もあり、こちらも変わった舞い方でとても味わい深く見ることができました。
さぁ次は旭神楽団「大江山」
こちらの大江山ではなんといっても酒呑童子の様子に驚かされましたね。都からさらわれた紅葉姫が頼光たちを岩屋へと案内し一夜の宿を訪ねる際、幕から登場して来たのはとても大きい顔の酒呑童子たち。唐熊童子や茨木童子も大きい顔なのですが、それよりも酒呑童子は一回り大きい顔。さらにしわは深く、目は眩いばかり輝き、こちらに顔を向けられると後ずさりをしてしまいそうになってしまいます。また、頼光たちを怪しみ顔をグッと近づける様子は、見ているこちらまで酒呑童子の迫力に呑まれてしまいそうでした。
そして次は旧舞の部で準優勝されました栗栖神楽団「頼政」
頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎といった奇怪なる姿の鵺。序盤は上半身獣の姿で登場し頼政たちと戦います。また、終盤からは完全な鵺の姿に戻りさらに激しい戦いが繰り広げられます。そして、最後は頼政からの攻撃によってその場に倒れ込んでしまいますが、客席から「まだまだ~!!」という声が聞こえてきます。すると鵺は渾身の力で起き上がり再び襲い掛かります。そこからまた熱い戦いが繰り広げられ、客席からは歓声が沸き起こっていました。
そして新舞の部で準優勝されました大森神楽団「戻橋」
この演目で印象強く残っているのは、渡辺綱と女に化けた茨木童子との場面と、立ち合いで式神が登場する場面でしょうか。まず最初は戻り橋で女に化けた茨木童子を渡辺綱が道案内する場面。案内をしている綱の背後では女が袖で顔を覆うと鬼の姿に変わり、そして綱が振り向くと何事もなかったかの様に女の姿へ戻る様子に、会場はどよめいていていました。そして、次に式神が登場する場面は、清明から授かった札を橋の方へと投げ込むと、煙と共に強そうな式神が登場します。ムクムクっと登場してくる姿に、これまた会場がどよめいていました。
次に旧舞の部で優勝されました津浪神楽団「塵倫」
塵倫が幕間からそぉっと顔を出し姿を現した様子はいつ見てもドキドキさせられますね。また、塵倫が着ている衣装は大きな羽が刺繍されており威圧感と強い存在感を感じさせます。そして、舞いではゆっくりと舞う中に俊敏な動きも感じられ、躍動感溢れる舞いでした。また、塵倫が空を飛ぶ場面は、ぶわっと雲が立ち込めその上をすぅっと気持ちよく飛んでいました。客席からは大きな拍手が沸き起こっていました。
そして次は新舞の部で優勝されました琴庄神楽団「義経平氏追討」
始まった当初から激しい立ち合いが始まり物語の中へとすぐさま誘います。また、平家一門が海へと身を投じ平知盛が海底の中苦しむ様子は見ているこちらまで息苦しさを感じます。そして、ついには亡霊となった平知盛が義経へと復習する場面は、まさに白熱したバトル。弁慶や義経の一撃で平知盛の霊は一度倒れ込みますが、何のこれしき!と再び立ち上がり、「義経~!!」と叫び、再び襲い掛かろうとします。しかし、それを弁慶がなんとか押さえ込みあえなく天昇させられますが、最初から最後まで力のこもる演出に目が釘付けになってしまいました。
そして最後は特別出演、横田神楽団「羅生門」
この演目は三部構成の真ん中のお話ですね。今回横田さんの羅生門は、初めの物語にある、茨木童子の左の腕を切り落とす場面から始まります。前半にあたる戻り橋の内容も織り込まれており物語の中へとスムーズに入っていけますね。また、酒呑童子や茨木童子の顔にも注目。インパクトの強い特徴ある顔立ちで、怒りが滲みでているかのような恐ろしい顔です。そこに舞いが加わり、迫力満点の童子さんたちでした。
さて、今年初の競演大会、吉和神楽競演大会はいかがだったでしょうか?今回は天候に恵まれず、あいにくの雨で風も強い日となりました。また、夜になるととても冷え込みましたが、会場に足を運ばれた方々は暖かくして来られたでしょうか?くれぐれも風邪を引かれませんよう気をつけてくださいね。(´`;)そして、来年こそはいい天気に恵まれることを祈りたいと思います。
まず始めは高井神楽団「神降ろし」
この演目は神楽が始まるにあたってはとても大切な演目ですね。まずは神様をお招きしなければ神楽は始まりません。シンプルな演目ではありますが、お囃子が鳴り響くといよいよ神楽が始まったぞ!!という気持ちでわくわくしてしまいます。また、舞いの中でそれぞれの方角を拝む場面があり、拝むときは一旦お囃子が鳴り止み神楽歌だけが会場に響き渡ります。その光景はとても神妙でした。
次に特別出演の吉和子ども神楽団「弓八幡」
まず始めに楽を担当する子ども達が登場してくるのですが、なんと登場してきたのは通常の人数を超えるたくさんの子ども達。客席からは「んまぁ~、可愛らしい♪」という声が聞こえてきました。人数は全部で9人!大太鼓一人に小太鼓一人、手打鉦6人に笛一人、一生懸命お囃子を奏でていました。そして、舞では若々しくもしっかりした足取りに、セリフもキマっており大人顔負けのすばらしい演出。まさに大人の神楽を見ているかのようでした。将来がさらに楽しみですね。
次に本郷神楽団「大江山」
こちらの演目で目に留まったのは、頼光たちが岩屋へと向かう道中の場面。皆さん頭に浮かんでくるのは、捕らわれた紅葉姫と出会い酒呑童子の岩屋へと案内する光景が浮かんでくるでしょうか。しかし、こちらでは紅葉姫も登場するのですが、紅葉姫が案内するのではなく、道案内を担当する人物が登場します。そして、もう一つ。酒呑童子たちの問答の末、酒宴が開かれる場面のところ。頼光たちが持って来た酒を頼光自身が毒見をするのですが、飲む時なんとゴクゴクっと飲む音が聞こえ本当に酒を飲んでいるようでした。
そして次に宮乃木神楽団「滝夜叉姫」
五月姫が父の恨みを晴らそうと貴船明神へと祈願をする場面から始まります。二一日目の満願の日、どこからともなく貴船の神の声が聞こえ出し五月姫に妖術を授けます。そのとき、五月姫は苦しそうな様子を見せるのですが、次第に肩でゆっくりと笑いだし、こちらに振り返ると恐ろしい顔に変身。先ほどとは違う異様な姿形にゾクゾクッと震えがきてしまいます。また、立ち合いの場面でも恐ろしかった顔がついには鬼の姿へと変わり恐ろしさがどんどん増していきました。
そして次は坂原神楽団「天神」
こちらの舞いは、趣きがあり、どこか懐かしさを感じさせる舞いだったように思います。立ち合いはゆっくりとした立ち回りで、初めは長刀との戦い。そして、次に長刀から刀に持ち替え、再び立ち合いが始まります。刀同士での立ち合いは、地面に刀を打ち付ける場面やしゃがんだままジャンプをするようなかたちで回り、刀と刀を打ち合わせる様子が伺えました。また、その時に刀と刀がぶつかり合う瞬間、パチッパチッと火花が飛び散り戦いの激しさを表しているかのようでした。
そして次に高井神楽団「紅葉狩」
鬼女三人が登場し、ゆっくりと舞う様子は、美しくも怪しさが滲みでるようでとても妖艶な舞いでした。また、鬼女が平維茂をだまし襲い掛かる場面は、先ほどとは違い勢いのある舞い。鬼女大王の熱がこもったセリフにどんどん気持ちが高まっていき、ハッと気づいたときはもとの鬼の姿。また、もとに戻るときの高いダイナミックなジャンプは会場をどっと湧き上がらせていらっしゃいました。そして、立ち合いでもその勢いをさらに巻き上げるかのようなスピード感あふれる激しい戦いで会場を熱気に包み込んでおられました。
さぁそして次は石見神代神楽上府社中「八岐の大蛇」
唯一島根県から出場された団体さんでした。やはり大蛇が次々に披露される技がとてもすばらしかったですね。間が空くことなく次から次へと披露される技の数々は客席からは拍手が起こっていました。また、技の中でお囃子にあわせて頭を振る様子もあり、恐ろしくも可愛らしさがありました。そして場面は変わり立ち合いでは、須佐之男命が一気に切り掛るとそれに驚いた大蛇たちは、一瞬にして須佐之男命に襲い掛かります。大蛇の中に閉じ込められ須佐之男命苦が四苦八苦している様子は、冷や冷やしてしまいました。
そしてつぎは特別出演の三谷神楽団「鐘馗」
無病息災を祈願する舞としても知られている演目ですね。広島の鐘馗では黒い面をした疫神をイメージしがちですが、三谷さんの疫神は顔が白く、赤いしわが施されているユニークな面が使われていました。また、舞いも独特で底を這う様な舞いとは少し違い、体勢を低くし地を貪るような感じの舞い方でした。そして、最後の立ち合いでもお囃子のリズムに合わせて疫神と鐘馗がケンケンしながら舞う場面もあり、こちらも変わった舞い方でとても味わい深く見ることができました。
さぁ次は旭神楽団「大江山」
こちらの大江山ではなんといっても酒呑童子の様子に驚かされましたね。都からさらわれた紅葉姫が頼光たちを岩屋へと案内し一夜の宿を訪ねる際、幕から登場して来たのはとても大きい顔の酒呑童子たち。唐熊童子や茨木童子も大きい顔なのですが、それよりも酒呑童子は一回り大きい顔。さらにしわは深く、目は眩いばかり輝き、こちらに顔を向けられると後ずさりをしてしまいそうになってしまいます。また、頼光たちを怪しみ顔をグッと近づける様子は、見ているこちらまで酒呑童子の迫力に呑まれてしまいそうでした。
そして次は旧舞の部で準優勝されました栗栖神楽団「頼政」
頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎といった奇怪なる姿の鵺。序盤は上半身獣の姿で登場し頼政たちと戦います。また、終盤からは完全な鵺の姿に戻りさらに激しい戦いが繰り広げられます。そして、最後は頼政からの攻撃によってその場に倒れ込んでしまいますが、客席から「まだまだ~!!」という声が聞こえてきます。すると鵺は渾身の力で起き上がり再び襲い掛かります。そこからまた熱い戦いが繰り広げられ、客席からは歓声が沸き起こっていました。
そして新舞の部で準優勝されました大森神楽団「戻橋」
この演目で印象強く残っているのは、渡辺綱と女に化けた茨木童子との場面と、立ち合いで式神が登場する場面でしょうか。まず最初は戻り橋で女に化けた茨木童子を渡辺綱が道案内する場面。案内をしている綱の背後では女が袖で顔を覆うと鬼の姿に変わり、そして綱が振り向くと何事もなかったかの様に女の姿へ戻る様子に、会場はどよめいていていました。そして、次に式神が登場する場面は、清明から授かった札を橋の方へと投げ込むと、煙と共に強そうな式神が登場します。ムクムクっと登場してくる姿に、これまた会場がどよめいていました。
次に旧舞の部で優勝されました津浪神楽団「塵倫」
塵倫が幕間からそぉっと顔を出し姿を現した様子はいつ見てもドキドキさせられますね。また、塵倫が着ている衣装は大きな羽が刺繍されており威圧感と強い存在感を感じさせます。そして、舞いではゆっくりと舞う中に俊敏な動きも感じられ、躍動感溢れる舞いでした。また、塵倫が空を飛ぶ場面は、ぶわっと雲が立ち込めその上をすぅっと気持ちよく飛んでいました。客席からは大きな拍手が沸き起こっていました。
そして次は新舞の部で優勝されました琴庄神楽団「義経平氏追討」
始まった当初から激しい立ち合いが始まり物語の中へとすぐさま誘います。また、平家一門が海へと身を投じ平知盛が海底の中苦しむ様子は見ているこちらまで息苦しさを感じます。そして、ついには亡霊となった平知盛が義経へと復習する場面は、まさに白熱したバトル。弁慶や義経の一撃で平知盛の霊は一度倒れ込みますが、何のこれしき!と再び立ち上がり、「義経~!!」と叫び、再び襲い掛かろうとします。しかし、それを弁慶がなんとか押さえ込みあえなく天昇させられますが、最初から最後まで力のこもる演出に目が釘付けになってしまいました。
そして最後は特別出演、横田神楽団「羅生門」
この演目は三部構成の真ん中のお話ですね。今回横田さんの羅生門は、初めの物語にある、茨木童子の左の腕を切り落とす場面から始まります。前半にあたる戻り橋の内容も織り込まれており物語の中へとスムーズに入っていけますね。また、酒呑童子や茨木童子の顔にも注目。インパクトの強い特徴ある顔立ちで、怒りが滲みでているかのような恐ろしい顔です。そこに舞いが加わり、迫力満点の童子さんたちでした。
さて、今年初の競演大会、吉和神楽競演大会はいかがだったでしょうか?今回は天候に恵まれず、あいにくの雨で風も強い日となりました。また、夜になるととても冷え込みましたが、会場に足を運ばれた方々は暖かくして来られたでしょうか?くれぐれも風邪を引かれませんよう気をつけてくださいね。(´`;)そして、来年こそはいい天気に恵まれることを祈りたいと思います。
2009,04,28 Tue 23:33
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