先週の日曜日、千代田開発センターで月一の舞い「県境を越えて 亀山社中10年の歩み」が行われました。広島でも人気の亀山社中さんの10周年記念とあって、朝早くからたくさんの方々が長蛇の列をつくっておられました。また、会場の外では出店が出ており大変な賑わいでした。それでは報告です。
まず最初は後野神楽社中「鏡山」
この演目は、浜田市に伝わる鏡山事件を題材に神楽化されたもので、主人尾上(おのえ)を自害に追い詰めた岩藤(いわふじ)を、お初(はつ)が主人の仇として討つというお話です。岩藤のお付の女中、諏訪(すわ)が草履をすり替える場面から物語は始まっていきます。また、岩藤のさまざまな顔の表情にも注目で、徐々に恐ろしい顔に変わっていく様子はもう釘付けです。特に最後の怨霊となって激しい戦いの中で、お初の一撃により白骨と光る目玉になる姿は印象的でした。
次に宮乃木神楽団「岩見重太郎」
まず始めに登場するのは、人を食う神として恐れられた狒々の登場。火を放ち、勢いよく飛び出す姿に観客はビックリ。また、大太鼓の上に乗ったり、重太郎の刀を取ってみたりとやんちゃぶりも炸裂し、重太郎をも振り回していました。そして最後は、父の仇である広瀬軍蔵達との立ち合い。先ほどの戦いとはまた違い、こちらは白熱したやり取りとスピード感あふれる激しい戦い。白熱した立ち回りにはこちらまで目が回ってしまいそうです。
そして今回の主役、石見神楽亀山社中「貴船」
夫に離別された女が、夫に復讐せんと恐ろしい鬼女となって呪い殺そうとする物語。女の着ている白い衣装が真っ赤な衣装に変わり、恐ろしい姿へと変わって行く場面は思わず息を呑んでしまいます。また、女のかぶっている鉄輪の火は本当の火がついており、不気味さがさらに増していました。そして、夫に成り代わるわら人形を打ち、ついに願望成就となり昇天していく姿は、とてもはかない印象を受けます。また、最後の「真の鬼は人の心に住まいするなり」という唄は特に心に深く残りました。
そして最後は琴庄神楽団「滝夜叉姫」
今回も琴庄さんらしい滝夜叉姫で観客を沸かせます。まず、手下二人の舞いでは、髪を大きく振り乱し、ダイナミックな動きも加わりとても迫力満点!また、合戦の際に大きくジャンプする姿は大きな拍手も起こっていました。そして、滝夜叉姫との立ち合いでは先ほどの一戦で拍車が掛かり、舞手も観客もどんどん盛り上がっていきました。そして、今回も面の早変わりや華麗な衣装チェンジに、どよめきが起こっていましたよ。
そして、今回も上演後には、恒例の写真撮影会がありました。今回は、主役の亀山社中さんと最後に舞われました琴庄神楽団さんの2団体。ファンにとってはなかなか見ることのできない団員さんの素顔や衣装を着たままの姿での写真撮影に、今回もたくさんの人で賑わっていました。
さて、ついに2008年度の月一の舞いはこれで終わってしまいましたが、いかがだったでしょうか?楽しんでいただけましたか?2009年度の月一の舞いもすでに決定しており、面白いプログラムとなっていますね。来年度の月一も、ぜひお越しくださいませ。
まず最初は後野神楽社中「鏡山」
この演目は、浜田市に伝わる鏡山事件を題材に神楽化されたもので、主人尾上(おのえ)を自害に追い詰めた岩藤(いわふじ)を、お初(はつ)が主人の仇として討つというお話です。岩藤のお付の女中、諏訪(すわ)が草履をすり替える場面から物語は始まっていきます。また、岩藤のさまざまな顔の表情にも注目で、徐々に恐ろしい顔に変わっていく様子はもう釘付けです。特に最後の怨霊となって激しい戦いの中で、お初の一撃により白骨と光る目玉になる姿は印象的でした。
次に宮乃木神楽団「岩見重太郎」
まず始めに登場するのは、人を食う神として恐れられた狒々の登場。火を放ち、勢いよく飛び出す姿に観客はビックリ。また、大太鼓の上に乗ったり、重太郎の刀を取ってみたりとやんちゃぶりも炸裂し、重太郎をも振り回していました。そして最後は、父の仇である広瀬軍蔵達との立ち合い。先ほどの戦いとはまた違い、こちらは白熱したやり取りとスピード感あふれる激しい戦い。白熱した立ち回りにはこちらまで目が回ってしまいそうです。
そして今回の主役、石見神楽亀山社中「貴船」
夫に離別された女が、夫に復讐せんと恐ろしい鬼女となって呪い殺そうとする物語。女の着ている白い衣装が真っ赤な衣装に変わり、恐ろしい姿へと変わって行く場面は思わず息を呑んでしまいます。また、女のかぶっている鉄輪の火は本当の火がついており、不気味さがさらに増していました。そして、夫に成り代わるわら人形を打ち、ついに願望成就となり昇天していく姿は、とてもはかない印象を受けます。また、最後の「真の鬼は人の心に住まいするなり」という唄は特に心に深く残りました。
そして最後は琴庄神楽団「滝夜叉姫」
今回も琴庄さんらしい滝夜叉姫で観客を沸かせます。まず、手下二人の舞いでは、髪を大きく振り乱し、ダイナミックな動きも加わりとても迫力満点!また、合戦の際に大きくジャンプする姿は大きな拍手も起こっていました。そして、滝夜叉姫との立ち合いでは先ほどの一戦で拍車が掛かり、舞手も観客もどんどん盛り上がっていきました。そして、今回も面の早変わりや華麗な衣装チェンジに、どよめきが起こっていましたよ。
そして、今回も上演後には、恒例の写真撮影会がありました。今回は、主役の亀山社中さんと最後に舞われました琴庄神楽団さんの2団体。ファンにとってはなかなか見ることのできない団員さんの素顔や衣装を着たままの姿での写真撮影に、今回もたくさんの人で賑わっていました。
さて、ついに2008年度の月一の舞いはこれで終わってしまいましたが、いかがだったでしょうか?楽しんでいただけましたか?2009年度の月一の舞いもすでに決定しており、面白いプログラムとなっていますね。来年度の月一も、ぜひお越しくださいませ。
2009,03,16 Mon 23:36
新着コメント
亀山るーとーさま、先日はお疲れ様でした。
そして、改めまして10周年おめでとうございます。
今回、たくさんの方々が観に来られとても盛り上がりましたね!
私も大変楽しませていただきました。
これからも益々飛躍されますことをお祈り申し上げます。
そして、改めまして10周年おめでとうございます。
今回、たくさんの方々が観に来られとても盛り上がりましたね!
私も大変楽しませていただきました。
これからも益々飛躍されますことをお祈り申し上げます。
| 特派員N | EMAIL | URL | 09/03/19 22:01 | pGU/3n9g |
先日はお世話になりました。
月一の舞でスタッフの皆様にお世話になり、ご来場の皆様の温かいご声援を受け10周年の記念の舞が舞わせていただけましたことに暑く感謝いたします。
これからも、伝統芸能の継承、発展のために精一杯尽力したいと思います。
ご支援のほどよろしくお願いいたします!
月一の舞でスタッフの皆様にお世話になり、ご来場の皆様の温かいご声援を受け10周年の記念の舞が舞わせていただけましたことに暑く感謝いたします。
これからも、伝統芸能の継承、発展のために精一杯尽力したいと思います。
ご支援のほどよろしくお願いいたします!
| 亀山るーとー | EMAIL | URL | 09/03/19 15:32 | WvDo2Meo |
3月1日は三次市のみわ文化センターで「神楽共演大会inみわ」が行われました。昨年は雪の降る2月に開催され、とても寒い思いをしたのですが、今年はよい天気に恵まれ、よい「神楽デー」となりました。出演されたのは安佐町の宮乃木神楽団と、島根県浜田市の松原神楽社中の二団体です。それでは報告です。
始まりは宮乃木神楽団「岩見重太郎」。前半は白狒々(しろひひ)退治、後半は父の敵討ちと、主役の岩見重太郎(いわみじゅうたろう)が大活躍する演目です。まずは前半、白狒々が客席から登場!物語の中では人を食らう神として恐れられていますが、会場のお客さんはこのサービスに大喜びされたようです。後半は二人の敵役との立ち合い。先ほどの白狒々との勝負は、重太郎の武勇のみが光っていましたが、後半は国床明神(くにとこみょうじん)より授かった御神徳が助けとなります。この演目は宮乃木さんの創作ですが、こういった神楽ならではの大事な演出を入れられていることは、非常によいことだと思いました。
次は松原神楽社中「頼政」。帝を悩ます鵺(ぬえ)という怪物を、源頼政が八幡神の御神徳を持って退治する物語です。序盤、照明が落とされ、ドライアイスが漂う怪しげな舞台に、白い衣装をまとった不気味な化生(けしょう)の者が現れます。先日のRCC早春ではないですが、なかなか効果的な演出でしたね!中盤は例によって、たくさんのお猿さんの登場。もちろん客席にも降りてたくさんサービスされてましたよ!そしていよいよ、鵺の登場です。真っ白い毛がところどころにあり、いかにも重厚な衣装で、頼政に襲い掛かります。頭や手の動きからも威圧感が感じられ、一体どうやって退治するのかと思わされるほどでした。
そして宮乃木神楽団「滝夜叉姫」。これも最初の場面で照明が落とされ、五月姫が貴船の社に参拝します。上品さ、弱弱しさを感じる舞。ですが貴船の荒御霊(あらみたま)によってついに妖術を授かると、その雰囲気が一変。それに加えて、見事な面の早変わり。序盤から一気にテンションが上がりますね。その次は二人の神が登場。基本的な神舞を丁寧にじっくり舞われていました。これで気持ちを落ち着かせることができましたね。しかし後半はまた激しい立ち合いで再び感情が高ぶります。ずっと派手な見せ場の連続では見るのも疲れますし、メリハリをしっかり効かせるのは、神楽に限らず全ての芸能において重要なポイントなんでしょうね。
15分の休憩の後は松原神楽社中「八岐大蛇」。前半3演目の興奮が冷めやらぬうちに、二匹の大蛇が七人目の姫を飲み取る場面に。八岐大蛇は川の洪水によく例えられますが、まさにあっという間に姫に絡みつき、容赦なく飲み込んでしまいました。続いて須佐之男命(すさのおのみこと)の登場。ゆったりと、どっしりと。いかにも神様らしい威厳を感じさせる舞です。そんな須佐之男も、大蛇の迫力の前に大苦戦。それでも一匹ずつ、バッサリと首を切り落としていきます。そんな中、雷の効果音が会場に響き渡りました。伝説では、大蛇の倒れた音が雷のように轟いたと言われていますが、そんな物語の壮大さを感じる演出でした。
最後は宮乃木神楽団「紅葉狩」。いろんなところに宮乃木さんのこだわりを見つけることができます。まずは神にご注目を。鬼女を成敗するこの演目のヒーローは平維茂(たいらのこれもち)。なんとなく貴族のようなイメージを持っておられる方も多いと思いますが、あの源頼光(みなもとらいこう)と肩を並べるくらいの武勇の人だったんだそうです。普通の神よりも一段豪華な衣装で、いかにも位が高く、強そうな感じがしますよね。そしてもう一つ、今回初めて拝見したんですが、二枚目の写真をご覧ください。一命危うしの維茂の元に駆けつけた八幡大菩薩。その姿を見るなり大抵の鬼女は逃げ出しますが、なんと今回は蜘蛛の糸を投げつけるという演出が。しかしそれをものともせず、余裕たっぷりに鬼女たちを撃退する八幡大菩薩。地味ではありますがその堂々たる姿に思わず「カッコいい!」とつぶやいてしまいました(笑)
3月に入り、ようやく春が見えてきた今日この頃。神楽のイベントも各地で開催される時期になってきましたね。どうぞファンのみなさん、春の神楽シーズンをたっぷりお楽しみください!
始まりは宮乃木神楽団「岩見重太郎」。前半は白狒々(しろひひ)退治、後半は父の敵討ちと、主役の岩見重太郎(いわみじゅうたろう)が大活躍する演目です。まずは前半、白狒々が客席から登場!物語の中では人を食らう神として恐れられていますが、会場のお客さんはこのサービスに大喜びされたようです。後半は二人の敵役との立ち合い。先ほどの白狒々との勝負は、重太郎の武勇のみが光っていましたが、後半は国床明神(くにとこみょうじん)より授かった御神徳が助けとなります。この演目は宮乃木さんの創作ですが、こういった神楽ならではの大事な演出を入れられていることは、非常によいことだと思いました。
次は松原神楽社中「頼政」。帝を悩ます鵺(ぬえ)という怪物を、源頼政が八幡神の御神徳を持って退治する物語です。序盤、照明が落とされ、ドライアイスが漂う怪しげな舞台に、白い衣装をまとった不気味な化生(けしょう)の者が現れます。先日のRCC早春ではないですが、なかなか効果的な演出でしたね!中盤は例によって、たくさんのお猿さんの登場。もちろん客席にも降りてたくさんサービスされてましたよ!そしていよいよ、鵺の登場です。真っ白い毛がところどころにあり、いかにも重厚な衣装で、頼政に襲い掛かります。頭や手の動きからも威圧感が感じられ、一体どうやって退治するのかと思わされるほどでした。
そして宮乃木神楽団「滝夜叉姫」。これも最初の場面で照明が落とされ、五月姫が貴船の社に参拝します。上品さ、弱弱しさを感じる舞。ですが貴船の荒御霊(あらみたま)によってついに妖術を授かると、その雰囲気が一変。それに加えて、見事な面の早変わり。序盤から一気にテンションが上がりますね。その次は二人の神が登場。基本的な神舞を丁寧にじっくり舞われていました。これで気持ちを落ち着かせることができましたね。しかし後半はまた激しい立ち合いで再び感情が高ぶります。ずっと派手な見せ場の連続では見るのも疲れますし、メリハリをしっかり効かせるのは、神楽に限らず全ての芸能において重要なポイントなんでしょうね。
15分の休憩の後は松原神楽社中「八岐大蛇」。前半3演目の興奮が冷めやらぬうちに、二匹の大蛇が七人目の姫を飲み取る場面に。八岐大蛇は川の洪水によく例えられますが、まさにあっという間に姫に絡みつき、容赦なく飲み込んでしまいました。続いて須佐之男命(すさのおのみこと)の登場。ゆったりと、どっしりと。いかにも神様らしい威厳を感じさせる舞です。そんな須佐之男も、大蛇の迫力の前に大苦戦。それでも一匹ずつ、バッサリと首を切り落としていきます。そんな中、雷の効果音が会場に響き渡りました。伝説では、大蛇の倒れた音が雷のように轟いたと言われていますが、そんな物語の壮大さを感じる演出でした。
最後は宮乃木神楽団「紅葉狩」。いろんなところに宮乃木さんのこだわりを見つけることができます。まずは神にご注目を。鬼女を成敗するこの演目のヒーローは平維茂(たいらのこれもち)。なんとなく貴族のようなイメージを持っておられる方も多いと思いますが、あの源頼光(みなもとらいこう)と肩を並べるくらいの武勇の人だったんだそうです。普通の神よりも一段豪華な衣装で、いかにも位が高く、強そうな感じがしますよね。そしてもう一つ、今回初めて拝見したんですが、二枚目の写真をご覧ください。一命危うしの維茂の元に駆けつけた八幡大菩薩。その姿を見るなり大抵の鬼女は逃げ出しますが、なんと今回は蜘蛛の糸を投げつけるという演出が。しかしそれをものともせず、余裕たっぷりに鬼女たちを撃退する八幡大菩薩。地味ではありますがその堂々たる姿に思わず「カッコいい!」とつぶやいてしまいました(笑)
3月に入り、ようやく春が見えてきた今日この頃。神楽のイベントも各地で開催される時期になってきましたね。どうぞファンのみなさん、春の神楽シーズンをたっぷりお楽しみください!
2009,03,02 Mon 21:59
新着コメント
ぼくも神楽大好きです。
実際に2回舞ったことがあります。やっぱり神楽はいいですね
実際に2回舞ったことがあります。やっぱり神楽はいいですね
| 神楽 | EMAIL | URL | 13/11/27 21:10 | HQV4dwtc |
匿名さん、コメントありがとうございます。
三次はお住まいの場所からだいぶ遠かったのでしょうか。
行かれなくて残念でしたね…。
自分が見た限り、業者さんもおられないようでしたし、予約などもなかったようなので、DVD販売はないと思うのですが…。
主催者に問い合わせてみてください!
三次はお住まいの場所からだいぶ遠かったのでしょうか。
行かれなくて残念でしたね…。
自分が見た限り、業者さんもおられないようでしたし、予約などもなかったようなので、DVD販売はないと思うのですが…。
主催者に問い合わせてみてください!
| 特派員Y | EMAIL | URL | 09/03/02 22:38 | qi6UEqak |
会場が三次だったため、行くことができませんでした(涙
とても行きたかったです!
DVDなどの発売はありますか?
とても行きたかったです!
DVDなどの発売はありますか?
| 匿名 | EMAIL | URL | 09/03/02 22:18 | mLXQLu2M |
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| Soma. | 09/12/31 23:02 |
2月22日に、広島市の厚生年金会館で行われた「RCC早春神楽共演大会」。今回は神楽の感想ではなく、その舞台裏などをご紹介していこうと思います。
まずはステージ上に飾られた天蓋(てんがい)から。昨年もご紹介したのですが、比べてみると今年は全く違うものになってるのがすぐにおわかりになると思います。神楽の基本を構成する重要な要素に、陰陽五行思想がありますが、これを表しているのがこの天蓋というものです。一つ一つの色、模様、位置。これが正しく飾られていないといけません。神楽という言葉の語源は「神座(かむくら)」という説が最も有力だそうです。神座、つまり神様のおられる場所という意味ですが、昔の人々はこの陰陽五行思想に基づいて、神座を作り出し、そして神聖な舞殿として扱ってきました。ですから現在の私たちも、当然その部分を大事にしなければなりません。ステージでやるとは言え、神楽は神楽。逆に言えば、こういった会場でたくさんの人に見てもらうからこそ、こういった基本をより大事にしないといけないのではないでしょうか。それがおろそかになっていると、「ただ神楽で金儲けするんか」「いい加減なイベントだ」などと言われても仕方ないところもあるでしょう。この地域の神楽を応援したい、発展に貢献したい。そんな主催者の方の思いが、この天蓋に込められているように感じました。
続いての画像は、本番直前にスタッフのみなさんが最終の打ち合わせをしているところ。主催者の方をはじめ、舞台、音響、照明、ドライアイス、撮影。それぞれプロのスタッフの方が真剣に取り組まれています。そしてみなさん、いつも神楽の大会で顔なじみですので、スタッフ間の連帯感もバッチリ。しかし気を緩めることはありません。この大会がどういった意味合いのものか、よく理解されており、最後まで気を引き締めてそれぞれの持ち場で仕事をされていたと思います。
そして最後に、今回の大会が終わった後、ある団員さんから「また来年も出て舞いたい」という話をお聞きしました。また、この日に間に合うように、新しい衣装を作られたところもあるそうです。他にもこの大会のために考えられた演出や仕掛け、あるいはいろいろな思いがあったことでしょう。神楽団の方が、この大会のために神楽をやられているわけではありませんが、一つの重要な発表の場として考えておられることは間違いないと思います。最高の舞台を用意してくださる主催者、スタッフの方。そこで自分たちの伝統、芸を精一杯披露される神楽団の方。そしてそれを応援する神楽ファンのみなさん。この三者が一体となることで、それぞれが思っていた以上の、「神楽」でしか味わえない何かが得られるのではないでしょうか。正直、前回の10周年記念大会は派手な演出の連続で、圧倒されっぱなしだったのですが、それに比べると今回は全体的にやや控えめな印象でした。しかし、見た目が派手なだけがいい神楽ではありません。前述の天蓋の件もそうですが、神楽を大事にされ、しっかり楽しめる素晴らしい大会だと思います。まだ行かれたことのない方、ぜひとも来年は足をお運びください!
まずはステージ上に飾られた天蓋(てんがい)から。昨年もご紹介したのですが、比べてみると今年は全く違うものになってるのがすぐにおわかりになると思います。神楽の基本を構成する重要な要素に、陰陽五行思想がありますが、これを表しているのがこの天蓋というものです。一つ一つの色、模様、位置。これが正しく飾られていないといけません。神楽という言葉の語源は「神座(かむくら)」という説が最も有力だそうです。神座、つまり神様のおられる場所という意味ですが、昔の人々はこの陰陽五行思想に基づいて、神座を作り出し、そして神聖な舞殿として扱ってきました。ですから現在の私たちも、当然その部分を大事にしなければなりません。ステージでやるとは言え、神楽は神楽。逆に言えば、こういった会場でたくさんの人に見てもらうからこそ、こういった基本をより大事にしないといけないのではないでしょうか。それがおろそかになっていると、「ただ神楽で金儲けするんか」「いい加減なイベントだ」などと言われても仕方ないところもあるでしょう。この地域の神楽を応援したい、発展に貢献したい。そんな主催者の方の思いが、この天蓋に込められているように感じました。
続いての画像は、本番直前にスタッフのみなさんが最終の打ち合わせをしているところ。主催者の方をはじめ、舞台、音響、照明、ドライアイス、撮影。それぞれプロのスタッフの方が真剣に取り組まれています。そしてみなさん、いつも神楽の大会で顔なじみですので、スタッフ間の連帯感もバッチリ。しかし気を緩めることはありません。この大会がどういった意味合いのものか、よく理解されており、最後まで気を引き締めてそれぞれの持ち場で仕事をされていたと思います。
そして最後に、今回の大会が終わった後、ある団員さんから「また来年も出て舞いたい」という話をお聞きしました。また、この日に間に合うように、新しい衣装を作られたところもあるそうです。他にもこの大会のために考えられた演出や仕掛け、あるいはいろいろな思いがあったことでしょう。神楽団の方が、この大会のために神楽をやられているわけではありませんが、一つの重要な発表の場として考えておられることは間違いないと思います。最高の舞台を用意してくださる主催者、スタッフの方。そこで自分たちの伝統、芸を精一杯披露される神楽団の方。そしてそれを応援する神楽ファンのみなさん。この三者が一体となることで、それぞれが思っていた以上の、「神楽」でしか味わえない何かが得られるのではないでしょうか。正直、前回の10周年記念大会は派手な演出の連続で、圧倒されっぱなしだったのですが、それに比べると今回は全体的にやや控えめな印象でした。しかし、見た目が派手なだけがいい神楽ではありません。前述の天蓋の件もそうですが、神楽を大事にされ、しっかり楽しめる素晴らしい大会だと思います。まだ行かれたことのない方、ぜひとも来年は足をお運びください!
2009,02,27 Fri 23:59
新着コメント
きりんさん、ありがとうございます。
遠くからお越しいただいて、本当に嬉しいです。
しっかり楽しんでいただき、さらにDVDの予約までされたということで、きっと主催の方も神楽団の方も喜ばれていることと思います。
ぜひ来年もお越しください!!
遠くからお越しいただいて、本当に嬉しいです。
しっかり楽しんでいただき、さらにDVDの予約までされたということで、きっと主催の方も神楽団の方も喜ばれていることと思います。
ぜひ来年もお越しください!!
| 特派員Y | EMAIL | URL | 09/03/02 22:07 | qi6UEqak |
12/6(カープOB戦当日)にゲットした良席チケットを片手に、関東より駆け付けました。特派員Yさんのおっしゃる通り、携わった全ての方の思いがこもったいいイベントだったと思います。チケットのお値段も航空券代も気にならないぐらいのものを魅せていただきました。市内在住の年老いた父も、昔を知る人間ながら大変満足していたようです。
感激の余り、予\算外のDVD予\約をつい・・・(笑)
派手な演出だけでなく、舞方の表\現力でアピールしていただける今年のような演目は終盤まで深く楽しめました。
帰りの便の都合上、最後の1演目を諦めざるを得なかったのが、唯一の心残りでした。また来年を楽しみにしています。
感激の余り、予\算外のDVD予\約をつい・・・(笑)
派手な演出だけでなく、舞方の表\現力でアピールしていただける今年のような演目は終盤まで深く楽しめました。
帰りの便の都合上、最後の1演目を諦めざるを得なかったのが、唯一の心残りでした。また来年を楽しみにしています。
| きりん | EMAIL | URL | 09/03/01 19:58 | iV95cbPg |
第三部「新たなる神楽への挑戦」
まずは琴庄神楽団「滝夜叉姫」。戦後、新しく作られた神楽の中でも代表的でなおかつ人気のある演目ですね。面や衣装の早変わりで、主役の五月姫の心情により深く迫った、琴庄さんの演出。これも一つの挑戦と言えるでしょう。ファンのみなさんは、そんな五月姫にもちろん注目されたと思いますが、個人的には手下の二人の舞が印象に残りました。長い槍を振り回しながらの荒々しい舞。しかし、力任せに暴れているだけではなく、荒々しい舞を丁寧に舞われている、そんな感じを受けました。
大塚神楽団「橋弁慶」は、昨年発表されたということで、今回のイベントでは一番新しい演目だったようです。源義経の幼少の頃が物語となった珍しい内容で、まさに新たなる挑戦といった感じ。前半は若き義経、遮那王(しゃなおう)が烏天狗(からすてんぐ)との修行に臨みます。長い棒を自在に操る烏天狗の舞が特によかったと思います。後半は五条橋の奥から弁慶が登場。強さ、重たさ、硬さを感じさせる舞を見ていると、「少々ではビクともしないぞ」という弁慶の声が聞こえてくるかのようです。それに対する遮那王は、軽さ、素早さを感じさせる舞。先ほどの修行の成果を発揮し、ついに弁慶から武器を奪います。最後には弁慶の泣き所を急襲。これにはさすがの弁慶も降参です。こういった、日本人ならではの文化的なネタを盛り込むあたり、大塚さんらしい演出だなと思いました。
横田神楽団「伊吹山」。日本武尊のお供をする、韋駄天権内(いだてんごんない)という人物が登場しますが、チャリ役ということでみなさん珍しいと思いながらご覧になったのではないでしょうか。「長い足に物を言わせて」という言葉の通り、広いステージを走り回る軽快な舞を披露。中盤の酒宴の場面では、日本武尊が扇子の舞、剣の舞を披露する傍らで、背負っていた小太鼓を叩いてみたり。チャリというと、アドリブだらけの広島弁でしゃべる姿が浮かんでくる方も多いと思いますが、それだけに今回の役がすごく新鮮に感じられたのではないでしょうか。それと全体的に、新たな挑戦というよりは第二部の「伝統を受け継ぐ」のほうが合っているような印象も受けましたね。
中川戸神楽団「大江山」。以前こちらのブログでも特集した大江山についての様々な伝説。この中川戸さんの上演も、そんな伝説にこだわって作られているのがよく伝わってきました。全編にちりばめられた、深くて味のあるセリフ。酒呑童子をはじめとした鬼たちの面。中でも茨木童子は三つの目がありましたね!これもある伝説では「茨木童子は三つの目を持つ珍しい鬼」という姿で語られているんです。しかし一番印象に残ったのはやはりクライマックス。酒呑童子の壮絶な最期を、いろいろな仕掛けで演出され、「どうなるんだ!?」と舞台に釘付けになりました。
原田神楽団「土蜘蛛」。先ほどの「大江山」ではあの酒呑童子を討ち取った源頼光ですが、この演目では絶体絶命の危機に陥ります。前半のみの登場ですが、やはり頼光の武勇が光るほど、この演目が面白くなると思います。強さはもちろん、威厳や位の高さをも感じさせる舞で、見ていて後半がさらに楽しみになりましたね。しかし後半は「チャンチキの神様」が例によって?大活躍。正直、舞よりもそちらに注目してしまった方も多くおられたことでしょう。そして、上演の最後に神が退場するところ、なんと二人の神がチャンチキの前に歩み寄り、深々と礼をされました。最後にもう一度、客席から大きな笑いが起こりましたね。
最後は上河内神楽団「紅葉狩」。最近維茂役は世代交代されたようで、若い方が舞っておられますね!人気神楽団さんの主役ですから、私たちには想像もできないような苦労がたくさんあることと思いますが、これからも頑張っていただきたいですね。一足先に世代交代された鬼女大王さん。こちらは早くも貫禄を漂わせるような舞で、しっかりとその役を演じられていたと思います。そして二人の神、三匹の鬼が入り乱れる立ち合い。とてもテンポが速いのですが、決して雑ではありません。このあたり、まさに日々の練習の成果が見てとれるのではないでしょうか。
以上、全十演目の報告でした。そして今回も「その3」で番外編をお届けしようと思います!
まずは琴庄神楽団「滝夜叉姫」。戦後、新しく作られた神楽の中でも代表的でなおかつ人気のある演目ですね。面や衣装の早変わりで、主役の五月姫の心情により深く迫った、琴庄さんの演出。これも一つの挑戦と言えるでしょう。ファンのみなさんは、そんな五月姫にもちろん注目されたと思いますが、個人的には手下の二人の舞が印象に残りました。長い槍を振り回しながらの荒々しい舞。しかし、力任せに暴れているだけではなく、荒々しい舞を丁寧に舞われている、そんな感じを受けました。
大塚神楽団「橋弁慶」は、昨年発表されたということで、今回のイベントでは一番新しい演目だったようです。源義経の幼少の頃が物語となった珍しい内容で、まさに新たなる挑戦といった感じ。前半は若き義経、遮那王(しゃなおう)が烏天狗(からすてんぐ)との修行に臨みます。長い棒を自在に操る烏天狗の舞が特によかったと思います。後半は五条橋の奥から弁慶が登場。強さ、重たさ、硬さを感じさせる舞を見ていると、「少々ではビクともしないぞ」という弁慶の声が聞こえてくるかのようです。それに対する遮那王は、軽さ、素早さを感じさせる舞。先ほどの修行の成果を発揮し、ついに弁慶から武器を奪います。最後には弁慶の泣き所を急襲。これにはさすがの弁慶も降参です。こういった、日本人ならではの文化的なネタを盛り込むあたり、大塚さんらしい演出だなと思いました。
横田神楽団「伊吹山」。日本武尊のお供をする、韋駄天権内(いだてんごんない)という人物が登場しますが、チャリ役ということでみなさん珍しいと思いながらご覧になったのではないでしょうか。「長い足に物を言わせて」という言葉の通り、広いステージを走り回る軽快な舞を披露。中盤の酒宴の場面では、日本武尊が扇子の舞、剣の舞を披露する傍らで、背負っていた小太鼓を叩いてみたり。チャリというと、アドリブだらけの広島弁でしゃべる姿が浮かんでくる方も多いと思いますが、それだけに今回の役がすごく新鮮に感じられたのではないでしょうか。それと全体的に、新たな挑戦というよりは第二部の「伝統を受け継ぐ」のほうが合っているような印象も受けましたね。
中川戸神楽団「大江山」。以前こちらのブログでも特集した大江山についての様々な伝説。この中川戸さんの上演も、そんな伝説にこだわって作られているのがよく伝わってきました。全編にちりばめられた、深くて味のあるセリフ。酒呑童子をはじめとした鬼たちの面。中でも茨木童子は三つの目がありましたね!これもある伝説では「茨木童子は三つの目を持つ珍しい鬼」という姿で語られているんです。しかし一番印象に残ったのはやはりクライマックス。酒呑童子の壮絶な最期を、いろいろな仕掛けで演出され、「どうなるんだ!?」と舞台に釘付けになりました。
原田神楽団「土蜘蛛」。先ほどの「大江山」ではあの酒呑童子を討ち取った源頼光ですが、この演目では絶体絶命の危機に陥ります。前半のみの登場ですが、やはり頼光の武勇が光るほど、この演目が面白くなると思います。強さはもちろん、威厳や位の高さをも感じさせる舞で、見ていて後半がさらに楽しみになりましたね。しかし後半は「チャンチキの神様」が例によって?大活躍。正直、舞よりもそちらに注目してしまった方も多くおられたことでしょう。そして、上演の最後に神が退場するところ、なんと二人の神がチャンチキの前に歩み寄り、深々と礼をされました。最後にもう一度、客席から大きな笑いが起こりましたね。
最後は上河内神楽団「紅葉狩」。最近維茂役は世代交代されたようで、若い方が舞っておられますね!人気神楽団さんの主役ですから、私たちには想像もできないような苦労がたくさんあることと思いますが、これからも頑張っていただきたいですね。一足先に世代交代された鬼女大王さん。こちらは早くも貫禄を漂わせるような舞で、しっかりとその役を演じられていたと思います。そして二人の神、三匹の鬼が入り乱れる立ち合い。とてもテンポが速いのですが、決して雑ではありません。このあたり、まさに日々の練習の成果が見てとれるのではないでしょうか。
以上、全十演目の報告でした。そして今回も「その3」で番外編をお届けしようと思います!
2009,02,25 Wed 23:46
新着コメント
hiroさん、コメントありがとうございます。
初めてのRCC早春、しっかり楽しまれたようで何よりです。
また来年もぜひ行ってみてくださいね!
これからもよろしくお願いします。
初めてのRCC早春、しっかり楽しまれたようで何よりです。
また来年もぜひ行ってみてくださいね!
これからもよろしくお願いします。
| 特派員Y | EMAIL | URL | 09/02/26 12:35 | qi6UEqak |
いつも特派員報告を楽しみにしています。今回初めてRCC早春神楽共演大会に行きました。大きなホールならではの音響の良さ・照明の演出がとても良くて、ホールで見る神楽を十分楽しむことができました。神楽団さんの熱意も感じることが出来ました。また特派員報告を読みながら1つ1つの演目の感動を思い出してます(^^)番外編も楽しみにしています。
| hiro | EMAIL | URL | 09/02/26 00:36 | HOGT0.9w |
2月22日は広島市の厚生年金会館で「RCC早春神楽共演大会」が行われました。今年で11回目を迎え、「ホール神楽」の最先端のイベントとして定着してきたように思います。
第一部「原点を見つめる」
まずは谷住郷神楽社中「天の岩戸」。神楽の原点と一口に言っても、考え方次第で様々な演目が浮かんでくると思います。「天の岩戸」と言えばやはりその物語が、神楽の原点と言えるでしょう。天照大神を始めとした八百万の神々を魅了した宇津女命の舞は、まさに神楽という芸能の始まりに相応しかったように思います。もちろん、他の神様の舞も見どころたっぷり。岩戸の前へと向かう、児屋根命と太玉命は、大きく手を振り、鈴を鳴らしながらの舞。国の隅々まで鈴を響かせ、神々の集合をうながすかのようでした。手はもちろん、足腰やその視線までも力強かった、手力男命の舞。そして最後は面を取り、歌を歌いながら喜ぶ神々の舞。神様が楽しむから「神楽」なんだなぁと改めて感じたりもしました。
第二部「伝統を受け継ぐ」
津浪神楽団「鍾馗」。強さの中に上品さを感じさせる鍾馗大神の舞。先ほどの「天の岩戸」の物語では、どちらかと言うと悪役で語られる須佐之男命ですが、この演目では疫神を退治する神として登場します。茅の輪をかざし、隙のない構えで宝剣を突き出す姿。対する疫神は、床をなめるかのように低い姿勢での舞。他の鬼にはない恐ろしさを見てとることができます。立ち合いでは、それぞれの舞が激しくぶつかり、見応え十分。重たい衣装を着たままですが、最後まで息の乱れを感じさせない鍾馗の舞には、「よぅ舞った!」と拍手を送られた方も多くおられたことでしょう。
後野神楽社中「八岐大蛇」。最初は七人目の姫が大蛇に呑み取られる場面から始まります。姫が一人舞う中、真っ暗なステージに、いつの間にか赤い点が。何が光っているのかと見ていると、みるみるうちに赤い点が増え、合計16の点に。そしてそれが姫に近づいていくのです。そう、赤い点は大蛇の目だったんですね!実に効果的な演出で、多くの方に強い印象を与えたように思います。後半でも印象的な場面が。火を吹いて須佐之男命に襲い掛かる八岐大蛇。そこではステージ全体が赤い照明で照らされました。客席に座っていても、その大蛇の吐く炎の熱が伝わるかのようでしたね。大きなステージ、プロのスタッフによる演出。まさに「ホール神楽」の醍醐味を味わうことができました。
筏津神楽団「黒塚」。阿闍梨祐慶(あじゃりゆうけい)という山伏と剛力が那須野ヶ原を訪れ、不思議な女に出会います。その女こそ、金毛白面九尾狐だった…という、これもみなさんお馴染みの演目ですね。「山伏の腰に下げたる法螺(ほら)の貝 一口吹けば悪魔退く」という歌もありますが、今回の山伏さん、本当に法螺貝をぶら下げ、途中実際にそれを吹く場面もありました!初めて見たので、とても印象深かったですね。ユーモラスな剛力さんに笑わせてもらった後は、恐ろしい鬼の登場。太鼓の上から現れ、獲物に迫ります。じぃっと動かず相手を凝視する姿、こちらもなんだか動けなくなってしまいそうです。後半は狐の姿になって登場し、獣らしく低く這い回りながらの立ち合い。三浦介らとの息もバッチリで、約50分の上演があっという間に感じました。
そして!今年も抽選にチャレンジしてきました。ブログを読んだ方から「今年は何が当たった?」と声をかけていただきましたが、(残念ながら…)またまた醤油でした(笑) みなさんは何が当たりましたか!? 後半の報告もお楽しみに!
第一部「原点を見つめる」
まずは谷住郷神楽社中「天の岩戸」。神楽の原点と一口に言っても、考え方次第で様々な演目が浮かんでくると思います。「天の岩戸」と言えばやはりその物語が、神楽の原点と言えるでしょう。天照大神を始めとした八百万の神々を魅了した宇津女命の舞は、まさに神楽という芸能の始まりに相応しかったように思います。もちろん、他の神様の舞も見どころたっぷり。岩戸の前へと向かう、児屋根命と太玉命は、大きく手を振り、鈴を鳴らしながらの舞。国の隅々まで鈴を響かせ、神々の集合をうながすかのようでした。手はもちろん、足腰やその視線までも力強かった、手力男命の舞。そして最後は面を取り、歌を歌いながら喜ぶ神々の舞。神様が楽しむから「神楽」なんだなぁと改めて感じたりもしました。
第二部「伝統を受け継ぐ」
津浪神楽団「鍾馗」。強さの中に上品さを感じさせる鍾馗大神の舞。先ほどの「天の岩戸」の物語では、どちらかと言うと悪役で語られる須佐之男命ですが、この演目では疫神を退治する神として登場します。茅の輪をかざし、隙のない構えで宝剣を突き出す姿。対する疫神は、床をなめるかのように低い姿勢での舞。他の鬼にはない恐ろしさを見てとることができます。立ち合いでは、それぞれの舞が激しくぶつかり、見応え十分。重たい衣装を着たままですが、最後まで息の乱れを感じさせない鍾馗の舞には、「よぅ舞った!」と拍手を送られた方も多くおられたことでしょう。
後野神楽社中「八岐大蛇」。最初は七人目の姫が大蛇に呑み取られる場面から始まります。姫が一人舞う中、真っ暗なステージに、いつの間にか赤い点が。何が光っているのかと見ていると、みるみるうちに赤い点が増え、合計16の点に。そしてそれが姫に近づいていくのです。そう、赤い点は大蛇の目だったんですね!実に効果的な演出で、多くの方に強い印象を与えたように思います。後半でも印象的な場面が。火を吹いて須佐之男命に襲い掛かる八岐大蛇。そこではステージ全体が赤い照明で照らされました。客席に座っていても、その大蛇の吐く炎の熱が伝わるかのようでしたね。大きなステージ、プロのスタッフによる演出。まさに「ホール神楽」の醍醐味を味わうことができました。
筏津神楽団「黒塚」。阿闍梨祐慶(あじゃりゆうけい)という山伏と剛力が那須野ヶ原を訪れ、不思議な女に出会います。その女こそ、金毛白面九尾狐だった…という、これもみなさんお馴染みの演目ですね。「山伏の腰に下げたる法螺(ほら)の貝 一口吹けば悪魔退く」という歌もありますが、今回の山伏さん、本当に法螺貝をぶら下げ、途中実際にそれを吹く場面もありました!初めて見たので、とても印象深かったですね。ユーモラスな剛力さんに笑わせてもらった後は、恐ろしい鬼の登場。太鼓の上から現れ、獲物に迫ります。じぃっと動かず相手を凝視する姿、こちらもなんだか動けなくなってしまいそうです。後半は狐の姿になって登場し、獣らしく低く這い回りながらの立ち合い。三浦介らとの息もバッチリで、約50分の上演があっという間に感じました。
そして!今年も抽選にチャレンジしてきました。ブログを読んだ方から「今年は何が当たった?」と声をかけていただきましたが、(残念ながら…)またまた醤油でした(笑) みなさんは何が当たりましたか!? 後半の報告もお楽しみに!
2009,02,23 Mon 22:30
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