紅葉も真っ盛りとなり、日々寒さが体に堪えてくる季節となってきました。がしかし!26日は広島サンプラザホールで第38回広島神楽競演大会が開催され、その寒さも吹き飛ぶような熱い舞が繰り広げられました。それではどうぞ。
昨年度優勝された塩瀬神楽団「葛城山」
深手を負って葛城山へ逃げ帰る場面では、舞台袖から舞台中央辺りまでの長い道のりを片足ひとつでバランスを崩さず移動。その姿勢はきれいでしたね!客席からはたくさんの拍手がおこっていました。そして立ち合いでは迫り来る激しい一戦。お囃子にかき立てられ、また舞いにかき立てられこちらまで血が騒ぐような感覚にとらわれてしまいそうでした。
今回準優勝を受賞されました琴庄神楽団「大江山」
問答では激しい言い合い、そして張り詰めた雰囲気がヒシヒシと漂う一場面でした。触れるか触れぬかといったとこまで攻め立てる酒呑童子。しかし頼光も負けず劣らずググッと迫りにらみ合い!見ているこちらは冷や汗と油汗が一緒に出てきそうです。また、それとは打って変わっての宴会の席では「呑もぉ~呑もぉ~」という言葉を合図に頭をブンブン振りに振っての豪快な呑みっぷり!終いには、ひょうたんのままラッパ飲みし、ガブガブガブと呑みほしてしまいます。なんとも贅沢な呑み方ですねぇ~♪
雄鹿原上組神楽団「羽白熊鷲」
この演目は身に翼を持ち自由自在に飛び交い庶民を苦しめる悪鬼を澳長足姫(おきながたらしひめ)命が退治するという物語。なんだか塵倫と話がよく似ている?とう感じですが、ぐるぐると円をかき、こきざみに足を動かしながら飛ぶ姿。また、口上も少し違った言いまわしで塵倫とはまた少し違うように思います。また羽白熊鷲が太鼓の裏に隠れたりもするお茶目な場面もありました。そもそも澳長足姫命というお方はあの塵倫を退治した仲哀天皇のお后様だそうです。夫婦そろって空を自由に飛びまわる悪鬼を退治するとはなんだか運命を感じてしまいますね。
4位の敢闘賞を取られました八重西神楽団「滝夜叉姫」
なんと昨夜も神楽を舞われそれから一睡もされず今回の大会に臨まれたそうですが、そんなことは微塵も感じさせない熱い舞でした。夜叉丸・蜘蛛丸の息の合った舞そしてとっても高いハイジャンプ!観客を大いに沸かせていらっしゃいました。そして興奮冷めやらぬ余韻を残して滝夜叉姫の登場。怒り心頭し怖い鬼の姿へ。しかし、はっ!!と気づいたときにはさらに大きな鬼に!!!けれどもそれだけに終わらずさらに!青のような緑のような恐ろしい鬼へ。口もパクパクと動き恐ろしさ倍増のお顔です。
比婆荒神神楽社「猿田彦の舞」
この舞は諸神を神殿にお迎えするにあたり先払い、または清めの舞として行われるそうです。またこの神楽は8畳ぐらいの間で舞うそうで、今回舞台にはそれに見立てた間を作って舞われました。始めに案人(あど)と呼ばれる方が猿田彦の由来を述べ、その後に二人の猿田彦が登場。お囃子に合わせて両手に持った扇を翻したり、ピッピッと止めたりと機敏な動き、二人の息がとてもぴったりと合っていました。また袖を捲くり上げ扇から刀に、そして長刀にと持ち替え片腕だけで回したり、手の平の上で回したりさまざまな技を繰り広げ、客席からたくさんの拍手を貰っておられました。
上殿神楽団「英彦山の巻」
この物語は浦部六郎季の妻、姫松が夫の病気を治そうとこの山の神に祈願をしている最中、竜虎滝夜叉姫の家臣等に見つかり捕らわれてしまいます。それを知った浦部は昆比羅大権現より虎の巻物と雲切丸の名刀を授かり、一戦の後見事滝夜叉姫を打ちとり姫松を無事助け出すというお話です。こちらの龍虎滝夜叉姫も多くの神楽ファンを湧かせてくれました。いざ、決戦という時。上に羽織っていた衣装を脱ぎ捨てればそこには鬼の顔!?目にも留まらぬ早業にどよめきが起こっていました。また、薙刀を取られ小刀へと武器を変え、そして火花を散らし足掻きに足掻く激しい舞にこちらまで燃え上がってしまうようでした。
優勝に輝かれました大塚神楽団「羅生門」
やはり一番目を惹かれてしまうのは酒呑童子が化けた白妙でしょうか?徐々に本性を現し、ゆぅ~っくりとこちらに振り返れば鬼の顔!はたまた、もう一度振り返れば白妙の顔!さらに左の腕を取り返したときには元の酒呑童子の顔に戻っているではありませんか!?幾度なく変わる姿を見ていると背筋がゾクゾクっとしてしまいます。しかし不気味な一面だけでなく、また笑える一面も。一度戻った茨木童子の腕を再び引っこ抜いてしまう場面。身振り手振りを見ていると、茨「んんっ、またなくなったぞ!?」酒「ほんとじゃぁ!!どこいった?」茨「ってその手に持っとるじゃん!!!」酒「ありゃぁ!?」という会話が聞こえてきそうですね。
高下神楽団「源頼政」
立ち合いのはじめ、鵺が黄金に輝く鬼棒を振り回し源頼政と激戦!一度矢を打たれるも、最後の力を振り絞り鵺自身に打たれた弓を口に咥え勢いよく頼政等に襲いかかります。そして幕の方へ消えたかと思うと再び火花を撒き散らしながら勢いよく飛び出し、フサフサとしたし本来の鵺の姿に!また、鵺を見たときに始めに目に飛び込んでくるのは衣装の色!いつも見る黒い袴と違い緑色の袴でとても新鮮です。そしてパラリと一枚捲れると上下の色が揃っておりまた一味違った感覚で、舞い共々楽しむことができました。
高井神楽団「紅葉狩」
平維茂と従者お二方の扇さばきはとても綺麗に揃い、くるりくるりと翻す様子は美しかったですね!また、鬼女大王の口上は丁寧にゆったりはっきりと聞き取りやすい言い方だったように感じました。そして鬼女三人での舞いも息がぴったりと揃っており、鬼へと変わる瞬間も素早い面変わりに拍手喝采!!そして高いジャンプのあとにペタッと綺麗な着地もお見事!ひとつひとつしっかりとした舞いでした。
3位熱演賞を受賞されました梶原神楽団「天ノ岩戸」
始まってすぐの天児屋根命の口上では、なんとも悲しく、残念という感情がとてもこもった言い方をされておられました。そのためか最初からすぅーっと物語へと入っていけたような気がします。また中盤での神楽をかなで舞う場面、天鈿女命はとてもやわらかく優しい感じの舞でした。時にたおやかに後ろに撓る姿はとても美しかったですね。そして、それとは反対的の天手力男尊の舞は大きく足をあげドスンッという音が聞こえてくるほどの力強い足踏み。漲る力がとても伝わってくるようでした。またこの天手力男尊を舞われた方は個人賞を受賞されました!おめでとうございます☆
特別出演の羽佐竹神楽団「鈴鹿山」
一度は悪人へと手を染めていた夜叉丸が、田村麻呂の家臣となる裏切りは犬神丸にとって、なんともいえない腹立たしさだっただろうと思います。またその思いが舞に表れているようで、犬神丸はバサリと切られガクッと倒れこむもプルプルと渾身の力を絞りに絞り、まだまだぁ~!!と抵抗し続け田村麻呂を苦しめます。また終盤に差し掛かると照明も赤い色に変わりさらに白熱した立ち合いに!最後の最後まで観客を大いに盛り上げてくださいました。
数々の熱い神楽を見た後は結果発表、そしてお楽しみ抽選会☆この報告を読んでおられる方でどなたか景品が当たられた方はいらっしゃいましたでしょうか♪また、会場ではお餅や神楽の顔をしたお饅頭などなど、地域ごとの特産などがたくさん販売されておられました。
さて、神楽シーズンも今回の大会で昨日から並ばれている方や早朝5時から並ばれた方がいらっしゃると聞きました、寒い場所での待ち時間はくれぐれもお風邪を引かれぬよう暖かくして、残りの神楽シーズンを楽しみましょう♪
この記事が面白い・勉強になったと思われたら迷わずクリック
昨年度優勝された塩瀬神楽団「葛城山」
深手を負って葛城山へ逃げ帰る場面では、舞台袖から舞台中央辺りまでの長い道のりを片足ひとつでバランスを崩さず移動。その姿勢はきれいでしたね!客席からはたくさんの拍手がおこっていました。そして立ち合いでは迫り来る激しい一戦。お囃子にかき立てられ、また舞いにかき立てられこちらまで血が騒ぐような感覚にとらわれてしまいそうでした。
今回準優勝を受賞されました琴庄神楽団「大江山」
問答では激しい言い合い、そして張り詰めた雰囲気がヒシヒシと漂う一場面でした。触れるか触れぬかといったとこまで攻め立てる酒呑童子。しかし頼光も負けず劣らずググッと迫りにらみ合い!見ているこちらは冷や汗と油汗が一緒に出てきそうです。また、それとは打って変わっての宴会の席では「呑もぉ~呑もぉ~」という言葉を合図に頭をブンブン振りに振っての豪快な呑みっぷり!終いには、ひょうたんのままラッパ飲みし、ガブガブガブと呑みほしてしまいます。なんとも贅沢な呑み方ですねぇ~♪
雄鹿原上組神楽団「羽白熊鷲」
この演目は身に翼を持ち自由自在に飛び交い庶民を苦しめる悪鬼を澳長足姫(おきながたらしひめ)命が退治するという物語。なんだか塵倫と話がよく似ている?とう感じですが、ぐるぐると円をかき、こきざみに足を動かしながら飛ぶ姿。また、口上も少し違った言いまわしで塵倫とはまた少し違うように思います。また羽白熊鷲が太鼓の裏に隠れたりもするお茶目な場面もありました。そもそも澳長足姫命というお方はあの塵倫を退治した仲哀天皇のお后様だそうです。夫婦そろって空を自由に飛びまわる悪鬼を退治するとはなんだか運命を感じてしまいますね。
4位の敢闘賞を取られました八重西神楽団「滝夜叉姫」
なんと昨夜も神楽を舞われそれから一睡もされず今回の大会に臨まれたそうですが、そんなことは微塵も感じさせない熱い舞でした。夜叉丸・蜘蛛丸の息の合った舞そしてとっても高いハイジャンプ!観客を大いに沸かせていらっしゃいました。そして興奮冷めやらぬ余韻を残して滝夜叉姫の登場。怒り心頭し怖い鬼の姿へ。しかし、はっ!!と気づいたときにはさらに大きな鬼に!!!けれどもそれだけに終わらずさらに!青のような緑のような恐ろしい鬼へ。口もパクパクと動き恐ろしさ倍増のお顔です。
比婆荒神神楽社「猿田彦の舞」
この舞は諸神を神殿にお迎えするにあたり先払い、または清めの舞として行われるそうです。またこの神楽は8畳ぐらいの間で舞うそうで、今回舞台にはそれに見立てた間を作って舞われました。始めに案人(あど)と呼ばれる方が猿田彦の由来を述べ、その後に二人の猿田彦が登場。お囃子に合わせて両手に持った扇を翻したり、ピッピッと止めたりと機敏な動き、二人の息がとてもぴったりと合っていました。また袖を捲くり上げ扇から刀に、そして長刀にと持ち替え片腕だけで回したり、手の平の上で回したりさまざまな技を繰り広げ、客席からたくさんの拍手を貰っておられました。
上殿神楽団「英彦山の巻」
この物語は浦部六郎季の妻、姫松が夫の病気を治そうとこの山の神に祈願をしている最中、竜虎滝夜叉姫の家臣等に見つかり捕らわれてしまいます。それを知った浦部は昆比羅大権現より虎の巻物と雲切丸の名刀を授かり、一戦の後見事滝夜叉姫を打ちとり姫松を無事助け出すというお話です。こちらの龍虎滝夜叉姫も多くの神楽ファンを湧かせてくれました。いざ、決戦という時。上に羽織っていた衣装を脱ぎ捨てればそこには鬼の顔!?目にも留まらぬ早業にどよめきが起こっていました。また、薙刀を取られ小刀へと武器を変え、そして火花を散らし足掻きに足掻く激しい舞にこちらまで燃え上がってしまうようでした。
優勝に輝かれました大塚神楽団「羅生門」
やはり一番目を惹かれてしまうのは酒呑童子が化けた白妙でしょうか?徐々に本性を現し、ゆぅ~っくりとこちらに振り返れば鬼の顔!はたまた、もう一度振り返れば白妙の顔!さらに左の腕を取り返したときには元の酒呑童子の顔に戻っているではありませんか!?幾度なく変わる姿を見ていると背筋がゾクゾクっとしてしまいます。しかし不気味な一面だけでなく、また笑える一面も。一度戻った茨木童子の腕を再び引っこ抜いてしまう場面。身振り手振りを見ていると、茨「んんっ、またなくなったぞ!?」酒「ほんとじゃぁ!!どこいった?」茨「ってその手に持っとるじゃん!!!」酒「ありゃぁ!?」という会話が聞こえてきそうですね。
高下神楽団「源頼政」
立ち合いのはじめ、鵺が黄金に輝く鬼棒を振り回し源頼政と激戦!一度矢を打たれるも、最後の力を振り絞り鵺自身に打たれた弓を口に咥え勢いよく頼政等に襲いかかります。そして幕の方へ消えたかと思うと再び火花を撒き散らしながら勢いよく飛び出し、フサフサとしたし本来の鵺の姿に!また、鵺を見たときに始めに目に飛び込んでくるのは衣装の色!いつも見る黒い袴と違い緑色の袴でとても新鮮です。そしてパラリと一枚捲れると上下の色が揃っておりまた一味違った感覚で、舞い共々楽しむことができました。
高井神楽団「紅葉狩」
平維茂と従者お二方の扇さばきはとても綺麗に揃い、くるりくるりと翻す様子は美しかったですね!また、鬼女大王の口上は丁寧にゆったりはっきりと聞き取りやすい言い方だったように感じました。そして鬼女三人での舞いも息がぴったりと揃っており、鬼へと変わる瞬間も素早い面変わりに拍手喝采!!そして高いジャンプのあとにペタッと綺麗な着地もお見事!ひとつひとつしっかりとした舞いでした。
3位熱演賞を受賞されました梶原神楽団「天ノ岩戸」
始まってすぐの天児屋根命の口上では、なんとも悲しく、残念という感情がとてもこもった言い方をされておられました。そのためか最初からすぅーっと物語へと入っていけたような気がします。また中盤での神楽をかなで舞う場面、天鈿女命はとてもやわらかく優しい感じの舞でした。時にたおやかに後ろに撓る姿はとても美しかったですね。そして、それとは反対的の天手力男尊の舞は大きく足をあげドスンッという音が聞こえてくるほどの力強い足踏み。漲る力がとても伝わってくるようでした。またこの天手力男尊を舞われた方は個人賞を受賞されました!おめでとうございます☆
特別出演の羽佐竹神楽団「鈴鹿山」
一度は悪人へと手を染めていた夜叉丸が、田村麻呂の家臣となる裏切りは犬神丸にとって、なんともいえない腹立たしさだっただろうと思います。またその思いが舞に表れているようで、犬神丸はバサリと切られガクッと倒れこむもプルプルと渾身の力を絞りに絞り、まだまだぁ~!!と抵抗し続け田村麻呂を苦しめます。また終盤に差し掛かると照明も赤い色に変わりさらに白熱した立ち合いに!最後の最後まで観客を大いに盛り上げてくださいました。
数々の熱い神楽を見た後は結果発表、そしてお楽しみ抽選会☆この報告を読んでおられる方でどなたか景品が当たられた方はいらっしゃいましたでしょうか♪また、会場ではお餅や神楽の顔をしたお饅頭などなど、地域ごとの特産などがたくさん販売されておられました。
さて、神楽シーズンも今回の大会で昨日から並ばれている方や早朝5時から並ばれた方がいらっしゃると聞きました、寒い場所での待ち時間はくれぐれもお風邪を引かれぬよう暖かくして、残りの神楽シーズンを楽しみましょう♪
この記事が面白い・勉強になったと思われたら迷わずクリック
2008,10,30 Thu 18:44
新着コメント
申し訳ございませんが、英彦山の巻もう少し詳しくご説明ください。
| 匿名神楽 | EMAIL | URL | 18/08/03 12:48 | 4wDkpHkI |
神楽大好きさんコメントありがとうございます!
すみません、返事が遅くなってしまいました。
競演に行かれたんですね!
確かに料金が上がってしまったため、前の年に比べてお客様が少なかったですね^ ^;
しかし、「神楽」を満喫されたようでよかったです♪
これからも「神楽」を楽しんでいきましょう☆
すみません、返事が遅くなってしまいました。
競演に行かれたんですね!
確かに料金が上がってしまったため、前の年に比べてお客様が少なかったですね^ ^;
しかし、「神楽」を満喫されたようでよかったです♪
これからも「神楽」を楽しんでいきましょう☆
| (新人)特派員 | EMAIL | URL | 08/11/04 00:15 | LUTFvPrs |
行きましたよ!
昨年と駐車場が違っていて少し遠かったですね!
でも普段あまり観ることのできない「神楽」が楽しめるので、毎年欠かさず通っています。
料金が上がったせいか少しお客様が少なかったのかな?
今までが安すぎでしたよね!
昨年と駐車場が違っていて少し遠かったですね!
でも普段あまり観ることのできない「神楽」が楽しめるので、毎年欠かさず通っています。
料金が上がったせいか少しお客様が少なかったのかな?
今までが安すぎでしたよね!
| 神楽大好き | EMAIL | URL | 08/11/01 16:54 | tTBCbx1A |
広島市安佐町の宮乃木神楽団の団長さんでもあり、神楽衣装製作者でもある菅沢秀巳さんが今年「神楽衣装かぐら屋」を設立して10周年を迎えられました。これを記念して、今月の月一は神楽衣装かぐら屋10周年記念公演として行われました。きらびやかな衣装や工夫された衣装に注目です!それではどうぞ。
神楽の上演の前には菅沢秀巳さんに松原神楽社中さんの方々から祝い唄が披露されました。この祝い唄は、結婚式などのおめでたい席で歌われる唄だそうです。また、紅白のもちや大きな鯛・松などお祝いの品も贈られていました。そしてなんと、松原神楽社中の団員さんの中に菅沢さんの元で修行を積まれ、今年浜田市に神楽衣装屋として独立された方がいらっしゃいました。
最初の上演は、くむら神楽保存会「世鬼の舞」です。
このお話は、荒平(あらひら)という怪物が神々が宿る魔法の杖を持って庶民の暮らしを悩ませていました。そこへ太夫という正義の使者が立ち向かい、知恵と力をもって問答のすえ荒平を改心させ、お互いが持っている刀と杖を交換し力を合わせて、天下泰平・無病息災・五穀豊穣を祈り、この世の平和と豊かな暮らしを願って舞い納めるというお話です。
この怪物、背丈も高く真っ黒い大きな顔をしており、牙がキラリと目立ちます。それに対して太夫はというと、なんと小さなお子さんがされています!!長いセリフも可愛らしい声ですらすらとこなしていきます。また、問答の際怪物が攻め立てて太夫の顔の前までくると顔がすっぽりと納まってしまいます。太夫の目から怪物を見るとさぞや大迫力なことでしょう。
続いて松原神楽社中「十羅刹女」。
大太鼓の大きな音が、ジィーンと胸と会場に響きわたるところへ須佐之男命の末娘、十羅刹女さん登場!気品のある舞のなかにも男っぽく逞しい舞が感じられます。(そこでちょっと注目ですが、十羅が着ている陣羽織。先ほど登場した菅沢さんのお弟子さんが作られた陣羽織だそうです。)また、彦羽根との立ち合いでは、激しい戦い!!!もうすぐ決着がつくか!?というとこまで追い詰めますが彦羽根も負けていません!斬られても斬られてもなお立ち上がり、これでもか!というように十羅を苦しめます。見ているこちらはハラハラドキドキです。また、やっとのことで退治したにもかかわらず最後の喜びの舞いでは、さっきまでの激しい立ち合いの疲れは微塵も感じさせない力強さとスピードのある舞を繰り広げ、観客から大きな拍手が贈られていました。
そして、琴庄神楽団「滝夜叉姫」
この演目で一目置くところは五月姫と滝夜叉姫の二つの顔、そして二段階に渡って変わる衣装ではないでしょうか?当初、明かりが全くない暗闇の中に一つだけポッと灯るともし火。その橙色のともし火一つに照らされる五月姫の姿・振る舞いに独特の雰囲気が伝わってくるようでした。また滝夜叉姫となり、徐々に恨みつらみの鬼へと変わっていく瞬間は高速回転の素早い動きと見る目を欺くほどの早変わりに興奮が高まります。そして水色だった衣装が熱い戦いへと進むにつれ紅い衣装に。さらにクライマックスでは紫がかったピンクへ。次から次へと変わる衣装に驚きが隠せませんね。
最後を飾るのは、宮乃木神楽団「大江山」
宮乃木さんの大江山は、奥行きがある屋敷が描かれた幕・酒呑童子が肘をかける肘掛など、さまざまな小道具が使われており一つ一つとてもリアルに表現されています。また、源頼光・渡辺綱・坂田金時たちそれぞれの豪華な衣装にも目がいってしまいますね。そして、酒呑童子たちが着ている衣装にも注目です。鬼の迫力をさらに引き出すため肩のところが下がらないようになっており、簡単な例をあげるとラグビー選手のように大きく・厳つく見えるような工夫がされているようです。今回、衣装をじっくり見るのを忘れてしまった!または、見に行けなかったという方は是非!今度衣装にも注目してみてください。
神楽上演後の写真撮影会は「大江山」を舞われました宮乃木神楽団さんのみなさんが参加してくださいました。鬼や神の方々と多くのお客様が記念写真を撮られており、時間いっぱいとても賑わっていました。
さて、今回の月一もたくさんのお客様に来ていただくことができました。じっくり神楽・衣装を堪能していただくことができたでしょうか?また千代田のショッピングセンター、サンクスの2階にあるギャラリー森で、今回の菅沢さんの衣装展が開催されています。入場は無料で28日の日曜日までとなっていますので、どうぞみなさんお越しください。さぁ、そして!次回の月一ですが、なんと二ヶ月の間が空いてしまいます。12月14日からまたスタートです。お間違えの無いようにお気をつけくださいね☆12月まではすぐ?まだまだ?どちらでしょうか?(笑)次回の公演も楽しみにしていてください♪
この記事が面白い・勉強になったと思われたら迷わずクリック
神楽の上演の前には菅沢秀巳さんに松原神楽社中さんの方々から祝い唄が披露されました。この祝い唄は、結婚式などのおめでたい席で歌われる唄だそうです。また、紅白のもちや大きな鯛・松などお祝いの品も贈られていました。そしてなんと、松原神楽社中の団員さんの中に菅沢さんの元で修行を積まれ、今年浜田市に神楽衣装屋として独立された方がいらっしゃいました。
最初の上演は、くむら神楽保存会「世鬼の舞」です。
このお話は、荒平(あらひら)という怪物が神々が宿る魔法の杖を持って庶民の暮らしを悩ませていました。そこへ太夫という正義の使者が立ち向かい、知恵と力をもって問答のすえ荒平を改心させ、お互いが持っている刀と杖を交換し力を合わせて、天下泰平・無病息災・五穀豊穣を祈り、この世の平和と豊かな暮らしを願って舞い納めるというお話です。
この怪物、背丈も高く真っ黒い大きな顔をしており、牙がキラリと目立ちます。それに対して太夫はというと、なんと小さなお子さんがされています!!長いセリフも可愛らしい声ですらすらとこなしていきます。また、問答の際怪物が攻め立てて太夫の顔の前までくると顔がすっぽりと納まってしまいます。太夫の目から怪物を見るとさぞや大迫力なことでしょう。
続いて松原神楽社中「十羅刹女」。
大太鼓の大きな音が、ジィーンと胸と会場に響きわたるところへ須佐之男命の末娘、十羅刹女さん登場!気品のある舞のなかにも男っぽく逞しい舞が感じられます。(そこでちょっと注目ですが、十羅が着ている陣羽織。先ほど登場した菅沢さんのお弟子さんが作られた陣羽織だそうです。)また、彦羽根との立ち合いでは、激しい戦い!!!もうすぐ決着がつくか!?というとこまで追い詰めますが彦羽根も負けていません!斬られても斬られてもなお立ち上がり、これでもか!というように十羅を苦しめます。見ているこちらはハラハラドキドキです。また、やっとのことで退治したにもかかわらず最後の喜びの舞いでは、さっきまでの激しい立ち合いの疲れは微塵も感じさせない力強さとスピードのある舞を繰り広げ、観客から大きな拍手が贈られていました。
そして、琴庄神楽団「滝夜叉姫」
この演目で一目置くところは五月姫と滝夜叉姫の二つの顔、そして二段階に渡って変わる衣装ではないでしょうか?当初、明かりが全くない暗闇の中に一つだけポッと灯るともし火。その橙色のともし火一つに照らされる五月姫の姿・振る舞いに独特の雰囲気が伝わってくるようでした。また滝夜叉姫となり、徐々に恨みつらみの鬼へと変わっていく瞬間は高速回転の素早い動きと見る目を欺くほどの早変わりに興奮が高まります。そして水色だった衣装が熱い戦いへと進むにつれ紅い衣装に。さらにクライマックスでは紫がかったピンクへ。次から次へと変わる衣装に驚きが隠せませんね。
最後を飾るのは、宮乃木神楽団「大江山」
宮乃木さんの大江山は、奥行きがある屋敷が描かれた幕・酒呑童子が肘をかける肘掛など、さまざまな小道具が使われており一つ一つとてもリアルに表現されています。また、源頼光・渡辺綱・坂田金時たちそれぞれの豪華な衣装にも目がいってしまいますね。そして、酒呑童子たちが着ている衣装にも注目です。鬼の迫力をさらに引き出すため肩のところが下がらないようになっており、簡単な例をあげるとラグビー選手のように大きく・厳つく見えるような工夫がされているようです。今回、衣装をじっくり見るのを忘れてしまった!または、見に行けなかったという方は是非!今度衣装にも注目してみてください。
神楽上演後の写真撮影会は「大江山」を舞われました宮乃木神楽団さんのみなさんが参加してくださいました。鬼や神の方々と多くのお客様が記念写真を撮られており、時間いっぱいとても賑わっていました。
さて、今回の月一もたくさんのお客様に来ていただくことができました。じっくり神楽・衣装を堪能していただくことができたでしょうか?また千代田のショッピングセンター、サンクスの2階にあるギャラリー森で、今回の菅沢さんの衣装展が開催されています。入場は無料で28日の日曜日までとなっていますので、どうぞみなさんお越しください。さぁ、そして!次回の月一ですが、なんと二ヶ月の間が空いてしまいます。12月14日からまたスタートです。お間違えの無いようにお気をつけくださいね☆12月まではすぐ?まだまだ?どちらでしょうか?(笑)次回の公演も楽しみにしていてください♪
この記事が面白い・勉強になったと思われたら迷わずクリック
2008,09,23 Tue 09:16
新着コメント
筏津神楽団「潮払い」
笛の音が鳴り始めるとその音色が木々に反響し、また神楽歌とお囃子がその場一帯に響き渡りとても心地よく聞こえましたね。また舞いは、始め幣のみでのずっしりした舞い。そして、途中扇も加わり今度は体勢を低くしての舞い。とてもシンプルですが、よく見てみると神楽の基本がギッシリと詰まった舞いですね。
宮乃木神楽団「岩見重太郎」
この演目には2つの大きな見せ場がありますね、一つは狒々との一戦。狒々は榊を食いちぎったり、胸を叩いたりと大暴れ。また、立ち合いでも重太郎の攻撃をひょいひょいっとかわしたり、噛み付いたりと暴れっぷりが炸裂!重太郎も苦戦していましたね。そして二つ目は敵討ち、津田新右衛門との一戦。両者一歩も引かない熱い戦い!一度斬られてもなお戦い続け、激しい熱戦を繰り広げていました。
川北神楽団「神武」
鬼が出て大暴れするといった派手な演目ではありませんが、その分、舞い一つ一つの動きや息の合った舞など注目して見ることができたと思います。落ち着いてゆったりとした舞の中にもリズム感のある舞い、また刀と刀がぶつかり合うと火花が飛び散る立合い、途中照明が落とされバチッ、バチッとオレンジに光る火花がとても輝かしかったですね。派手な演目とはまた違った風格がありました。
曙神楽団「戻り橋後編」
この物語は酒呑童子が切り落とされた茨木童子の腕を取り返しにいくという話。戻り橋後編は羅生門とよく似た物語になります。
腕を取り戻すため白妙を襲う場面。白妙を襲った!と思った時にはもう酒呑童子の顔は白妙へと変わっており、とても驚かされました。また、渡辺綱に何度も腕を見せてほしいと頼む白妙に対して、見せることはできないと拒み続ける綱にプルプルと怒りに堪える姿がなんとも悔しそうでいつ綱に襲い掛かるか!?と固唾を呑んで見てしまいました。
大塚神楽団「土蜘蛛」
胡蝶が土蜘蛛の精魂により妖美たる容姿に変わる場面、土蜘蛛本来の荒々しさと胡蝶の女性らしいしなやかさが混ざり合ったような舞。うまく表現しているように思いました。また、バッ!!と一瞬にして鬼へと変わる様子や見ているこっちまで息が上がってしまいそうな白熱した立ち合いに観客は声援と拍手でとても盛り上がっていました。
筏津神楽団「塵倫」
やはり、みなさんが楽しみにしていたのは塵倫が宙を舞う姿だったでしょうか?今回も優雅に宙を舞ってくれましたね!!波一つ打たずスゥーっと雲を翔る様は、見ているこちら側とはまったく違う時が流れているような感覚にとらわれてしまいます。また、舞い上がるとき、舞い降りるとき、そのときの雲がブッワっと吹きあおりより一層神秘的な空間をかもし出します。今回も観客からは黄色い声が飛んでいましたね。
原田神楽団「大江山」
頼光たちに毒味をさせ安全を確認し、気兼ねなくとてもおいしそうにグビグビお酒を食らう姿に、こちらもついつい一緒に飲んで酔っぱらってしまいたい気になってしまいそうです。また、立ち合いすぐの場面では、酒呑童子たち、頼光たち全部で6人。大勢だとなかなか舞がそろうのは難しいところですが、ピッタリとそろっており、とても綺麗で見事でした。
今回の共演大会はいかがだったでしょうか?山の風や匂いを楽しみながら神楽を満喫することができましたね!始まる前は激しい雨や落雷などがあり、もしかしたら延期になってしまうのでは?と不安に思った方もいたと思います。しかし、始まる直前には雨が止み、時たまパラリと降るときがありましたが順調に最後まで進行していくことができたので本当に良かったですね。来年こそはカラッと晴れた共演大会になれたらいいですね。
この記事が面白い・勉強になったと思われたら迷わずクリック
2008,09,08 Mon 19:03
新着コメント
この記事のトラックバックURL
http://www.npo-hiroshima.jp/blogn/tb.php/230
トラックバック一覧
| http://naganoken.blog86.fc2.com/ | 08/09/09 06:33 |
山王神楽団「滝夜叉姫」
亡き父の仇を討とうとする五月姫。妖術を授かり一瞬にして冷たい表情へと変わり、先ほどの五月姫はどこへ?といったような感覚で客席を魅了させます。そして、大宅中将光圀等との立会いで、さらに恐ろしい鬼へと変わります。また、さつき姫の感情を表すかのように白い衣装からメラメラと燃え上がる炎のような衣装へとチェンジ!後ろからは白いくもが投げ込まれ、さらに横からも紅白のくもが勢いよく投げ込まれ白熱した戦いが繰り広げられました。
東山神楽団「土蜘蛛」
胡蝶に扮した土蜘蛛が頼光に毒の薬を飲ませる場面。頼光がこれは本当に御薬かと胡蝶(土蜘蛛)に問うのに対して、胡蝶を信じてくれないの?といったニュアンスでまんまと騙す土蜘蛛に、飲んだらダメ!!と、つい言いたくなってしまいます。(笑)そして中盤、正体がばれ本性を現しいざ、決戦。流れ落ちたくもの糸に絡まるも激しい立会いに舞いも楽も一つになり、さらに舞がヒートアップ!!見ているこちらまで熱くなってくる舞に客席からは大きな拍手が湧きました。
中川戸神楽団「紅葉狩」
中川戸さんの紅葉狩はよく目にする紅葉狩とはまったく違い、また、たくさんの仕掛けがされており初めて見られた方は最初から最後まで驚きの連続だったと思います。ブラックライトの効果により不気味に光る鬼の顔やにょきにょきっと伸びるツノ、そして火薬を使ったダイナミックな演出。今回も観客からはどよめきとたくさんの拍手が起こりました。また、驚かされるだけでなく、鬼女の指先から足先まで艶っぽく、また神でもたくましい足取りなど、こういった一つ一つの振る舞いや表現の仕方にも目がいってしまいますね。
三団体合同神楽「塵倫」
今回の三団体合同神楽というのは神楽ファンにとってとても気になっていたのではないでしょうか?塵倫が登場してくる場面、なかなか塵倫が舞台から出てこず、不思議に思っていると、なんと客席のいたる所から塵倫登場!!予期せぬサプライズにとてもビックリしましたね。すぐ側を通る塵倫に目を奪われつつも、舞台の方も見てみると・・・なんと舞台の上からもたくさんの塵倫が登場しているではありませんか!?総勢7匹の塵倫。ものすごい迫力と豪華さに、圧倒されてしまいますね。また、途中ドライアイスの雲が立ち込めはじめ、一匹が空中へと飛び立つのを合図に一斉に空中へと飛び立ちました。普段こんなたくさんの塵倫が飛ぶ姿、見たことがあるでしょうか!?とても貴重なものが見れたような気がします。
上演後には三団体の団長をはじめ、各団員さん達が登場し挨拶を述べられました。また、恒例の撮影会もあり、たくさんの方々が塵倫と一緒に写真を撮られていました。
今回雨が降ったり止んだりと思わしくない天気にみまわれましたが、朝早くからたくさんの方々が並ばれ、とても長い列ができていました。そして開演になる頃には、席に座られず立ち見客がでてしまうほど。しかし、なかには遠方から来られたのに神楽を見るのを断念され帰られた方もいらっしゃいました。この場をかりてではありますが、座ることができなかった方、途中帰られた方、誠に申し訳ありませんでした。
しかしながら立ち見客が出るほどの大人気さ、しかしこういったスーパー神楽に人気が出たのはまだ最近のことでここまで来るためには大変な道のりがあったそうです。今でも様々な意見があると思いますが、神楽本来の目的という軸から外れず、基本を守れば時代とともに昔とは少し違った神楽に挑戦していくのも良いのではないでしょうか。皆さんはどう思いでしょうか?
この記事が面白い・勉強になったと思われたら迷わずクリック
2008,08,26 Tue 19:03
新着コメント
神楽好きさん、コメントありがとうございます。
たくさんの方々がスーパー神楽・回想公演を楽しみにされていたようで、本当に多かったですね!(^-^)
私も熱のこもった舞に思わず魅入ってしまいました。(笑)
これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。
たくさんの方々がスーパー神楽・回想公演を楽しみにされていたようで、本当に多かったですね!(^-^)
私も熱のこもった舞に思わず魅入ってしまいました。(笑)
これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。
| 新人特派員 | EMAIL | URL | 08/08/26 22:45 | LUTFvPrs |
今回の「月一の舞い」本当にお客さんが多かったですね!
最初から最後まで、団員さんの情熱が伝わってきて、久しぶりにすごく感動しました。
止められませんね「神楽」
これからも楽しませてくださいね!
追伸
新人特派員さにこれからもよろしくお願いします。
旧?の特派員さんの記事も楽しみにしています。
最初から最後まで、団員さんの情熱が伝わってきて、久しぶりにすごく感動しました。
止められませんね「神楽」
これからも楽しませてくださいね!
追伸
新人特派員さにこれからもよろしくお願いします。
旧?の特派員さんの記事も楽しみにしています。
| 神楽好き | EMAIL | URL | 08/08/26 21:31 | bRN13JE2 |
8月16日は北広島町の八重総合センターで「第7回お盆神楽共演大会」が行われました。毎年、お盆で帰省した方々にふるさとの神楽を見ていただこうと、地元の今田神楽団が主催となって、千代田・大朝・芸北・豊平の各地域の神楽団を中心として開催されています。今年は6団体7演目でお盆の夜が盛り上がりました。自分は今年で3回目で、毎年暑いのを覚悟しているんですが、今年はなぜかとっても涼しくて、持参したウチワを使うことがありませんでしたね。風がよく通る場所だったこともありますが、それにしてもかなり過ごしやすく、なんだかラッキーな気分でした(笑) そして上演前、今田神楽団さんの新しい神楽幕が2枚披露されました。1枚は「紅葉狩」のもの、そして2枚目が写真の幕。これは今回数年ぶりに舞われた「殺生石」の幕なんです。金毛白面九尾の狐の怨念がこもって辺り一面草木も生えない岩場になっている情景が描かれています。この演目はまた後ほどじっくりご紹介します!
では最初の演目から。今田神楽団「紅葉狩」。いきなり大人気演目の登場です。最初の姫の舞から鬼女の舞に変わるところは前半の見どころの一つです。なおかつこの演目は三人の舞で、赤が際立つ派手な衣装というのも魅力ですね。これで舞手の息がそろえばより神楽に引き込まれていくようです。後半は立ち合いが少し変わっているように見えました。写真のようににらみ合いや組み合ったりという舞がありました。よい舞は完璧に動きがそろうもの、ではないですから、こうやって演目や役柄に違いを持たせる意味でもいいのではないかと思います。
続いて加計高等学校芸北分校神楽部「八岐大蛇」。先月の芸北神楽競演大会では15分バージョンでしたが、今回はいつものバージョンのようでした。しかし今回は舞台が狭いようで、奏楽の四人が二人ずつに分かれ、さらに舞台の下に降りて奏でられました。舞は楽に合わせて、楽は舞いに合わせて、ですから、相手が見えないとやりにくい面もあったかと思いますが、最後までしっかりと上演されました。また足名椎おじいさんのセリフのしゃべり方がとっても独特。あまり他では聞かないような音程?で、歌を歌っているような感じなんですよね。おそらくみなさんもすぐに気づかれたと思います。
次は小市馬神楽団「鍾馗」。登場人物が二人の地味な舞ですが、どちらも若手のお二人が舞われたんだそうです。神の舞、鬼の舞の見比べも面白いですが、さらにその中でも場面によって少しずつ舞い方が違うので、その微妙なところもしっかり見てみたい演目です。特に鬼は本当に難しいと思いますが、中盤の幕を使っての舞など、非常に興味深く見せていただきました。また常に低い姿勢で…というのも見ていてよくわかりましたね。今回に限らず、こういったイベントでは新舞がメインになってきますが、古い神楽を見て伝統的なものを楽しむのもとても大切なことですね。
高井神楽団「土蜘蛛」。上演前に高宮町の原田神楽団より高田舞を習った、との団長さんのお話がありました。当然のことながら、舞も楽もとてもよく似ていたと思います。教わったことをどう伝えるか、というのはすべての神楽団に共通するテーマで、それは先輩から後輩だけでなく、神楽団から神楽団へ、という関係においても同じことが言えると思います。「ここはこう舞う」といった具体的なことばかりではなく、「こういう意味だからこう舞う」ということこそ、伝承と言うものではないでしょうか。広島市の神楽団で、もともとは十二神祇を舞われていた高井神楽団さん。若手も多いということで、これからどんどん活躍していただきたいです!
西宗神楽団「桃太郎伝説」。日本人なら誰でも歌える「も~もたろさん、ももたろさん♪」の童謡。その元になった物語に入り込んだような演目です。冒頭、いきなり姫をかっさらう悪い鬼が登場。この鬼たちがまたいかつい…。普通の鬼よりも牙が多かったり、いかにも悪役!という印象です。そして天皇が勅命を出し、ついに鬼退治が始まります。中盤は鬼のボス、吉備冠者(きびのかじゃ)と後の桃太郎、五十狭芹彦(いさせりひこ)が早くも激突。鬼の左目に矢が命中するところなどは見事な演出。そうな風に、ちょっとインパクトのある演出があったりすると、次は何が起こるんだろう?と最後までワクワクしながら見れますよね!
東山神楽団「伊服岐山」。神楽では「伊吹山」が普通ですが、古事記では「伊服岐山」と書くようです。物語は日本武尊が伊服岐山の鬼神を成敗するも、その毒牙のために命を落とすというお馴染みのもの。しかしその中身はかなり独特のものになっていると思います。鬼神が二人というのがまず珍しいのではないでしょうか。そして立ち合いの最中に面をつけたりと、だんだんと鬼になっていきます。手下がやられると大鬼神の登場。大和が誇る英雄に一矢報いるほどですから、やはりその存在感は強烈です。見た目からしてすごい鬼だなとみなさん思われたことでしょう。その鬼との死闘は、大太鼓の方が立ちながら叩いたりして、この日一番の盛り上がりだったように思います。
最後は今田神楽団「殺生石」。数年前のものからリニューアルしたバージョンの初披露だったそうです。まずは弓矢の名手と狐の戦いから始まります。中編の最後の場面のハイライト、なんていうおまけではなく、しっかりと前半として組み込まれていたように思います。何本もの矢を浴び、ついに殺生石へと姿を変えた金毛白面九尾の狐。しかしその怨念は凄まじく、那須野ヶ原を死地へと変えていきます。そして中盤はコミカルな飛脚さんの登場。今流行りの?オリンピックネタが飛び出します。そして狐に狙われ、客席を逃げ回りますが、こうなったら狐さんのほうが人気ですね。あちこちで写真をお願いされていました。後半は玄翁(げんのう)和尚が登場し、法華経の加護と法の槌で殺生石を破壊します。やはりこの後半が一番の見どころ。袈裟をかけられて苦しむ狐さんの演技が特に素晴らしかったと思います。まだご覧になったことのない方、ぜひご覧ください!
今年はとても暑い日が続いていますね。ファンのみなさん、舞われる団員のみなさん、熱中症などには十分注意されて夏を乗り切りましょう!
この記事が面白い・勉強になったと思われたら迷わずクリック
2008,08,17 Sun 15:29
新着コメント
神楽大好きさん、コメントありがとうございます。
こうやってファンのみなさんの間で話題になるというのは、とてもよいことだと思います。
「殺生石」を何年かぶりに復活された今田神楽団さんに拍手!ですね。
夏バテは…もう回復したので大丈夫です(笑)
次回は新人さんの登場!!…かな!?
こうやってファンのみなさんの間で話題になるというのは、とてもよいことだと思います。
「殺生石」を何年かぶりに復活された今田神楽団さんに拍手!ですね。
夏バテは…もう回復したので大丈夫です(笑)
次回は新人さんの登場!!…かな!?
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/08/19 19:06 | ocupnpUI |
掲示板で「殺生石」が話題になってますね!
去年のあまりの暑さに、今年は断念したのに・・・・・
特派員さんも夏バテに気をつけてくださいね!
次回の特派員報告も楽しみにしています。
去年のあまりの暑さに、今年は断念したのに・・・・・
特派員さんも夏バテに気をつけてくださいね!
次回の特派員報告も楽しみにしています。
| 神楽大好き | EMAIL | URL | 08/08/19 18:51 | tTBCbx1A |