三谷神楽社中「鈴ヶ山」。広島の「鈴鹿山」は旧舞と新舞とで少しあらすじが違いますが、こちらのはやはり旧舞に近いものでした。驚いたのは、なんと鬼が5匹も出てきたんです!それも、大きな面ではなく、広島の新舞で早変わりの時に使われるような面の鬼が何匹かいて、これも珍しかったですね。さらに田村麻呂が手下の鬼を鈴で退治するんです。今まで御幣を使って退治するのは見たことがあったんですが、鈴も御幣と同じくらい重要なものなんですね。
匹見神楽社中「鍾馗」。この「鍾馗」や「塵輪」は広島でも人気演目ですが、その見せ場の一つに、鬼が幕から出てくる場面があると思います。しかし、先にご紹介した「塵輪」は、鬼がさっと出てきます。広島の「塵輪」を見慣れていると、「あれ?」という感じかもしれません。ですが「鍾馗」は、鬼がじわじわと幕から出てくる舞がありました。また面も広島のものと違い、色が白くて険しい表情の鬼でしたね。
都治神楽社中「大江山」。この演目の主役といえば、やはり酒呑童子でしょうね。しかし、この都治社中の場合は頼光さんも存在感たっぷり。問答の場面など、迫力では決して鬼たちにも負けてないと思います。また、クライマックスで酒呑童子がクモの妖術を使う場面は、ドライアイスや赤い照明などが効果的で、広島のホール神楽にも引けを取らない出来でした。
後野神楽社中「五神」。2月の「早春神楽」や3月の「月一の舞」などで、広島のファンにもすっかりお馴染みになった感じがあります。今回も埴安大王の使いと四神の神様とのやり取りで笑わせていただきました。春青(しゅんぜい)大王さんが土地を分けるなどと言い出したので、「おお?いつもと違う?」と思っていたら「今日は4月1日じゃけぇウソをついてみた」と見事なカウンター(笑)。続く夏赤(かせき)大王さんにも同じ手を使われ、踏んだり蹴ったりの使いさんでした。
道川神楽社中「大蛇」。さてこの演目ではおじいさんとおばあさんが出てきますが、お二人の名前がわかる人!…そう、「手名椎(てなづち)」と「足名椎(あしなづち)」なんですが、どちらがどっちかわかりますか?正解はおじいさんが「足」でおばあさんが「手」、だと思っていたんですが!!しかし、こちらの道川社中さんは逆でした。他ではどうなんでしょうね?調べてみると面白いかもしれません。
広島からは宮乃木神楽団と桑田天使神楽団の出演がありました。ここで感じたことは、広島と島根では神楽の感じ方、とらえ方が違うのではということです。例えば、最初、宮乃木さんの笛が始まったとき、拍手があったんですよね。広島ではそんなに珍しいことではありませんが、この大会では初めてだったと気付きました。他にも面が変わったときや立ち合いの最中など、やはり石見神楽とはちょっと反応が違う感じでした。
神楽のほうも、なんとなく祭の雰囲気そのまま、みたいな上演もあったように思います。例えば、上演中、自分が出るタイミングを、幕を開けて舞台を見ながら待っている方がおられたんです。もちろん、客席からはその人の姿が見える状態でした。広島ではこういう光景はちょっと見られないので、こういったところに土地の違いを感じたりもしましたね。
また、この大会では1演目ごとに緞帳(どんちょう)が昇降したんですが、降りるタイミングが早いのでは、と思ったりしました。喜びの舞が終わって、神の方があいさつをしたくらいで降り始め、まだ幕に入っていないのに完全に降りていたんです。確かにスムースな進行にはなりますが、ちょっとどうかな、という気持ちでしたね。
とにかく、広島では味わえない、いろいろな体験をすることができました。写真があればもっとみなさんにお伝えできたと思うんですが、こればかりは仕方ありませんね。なかなか石見神楽は広島では見る機会がなく、また島根に足を運ぶのもそう簡単なことではないかもしれません。しかし、今回のように新しい発見や珍しい神楽にきっと出会えるはずですので、もし機会があればぜひご覧になってみてください!
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匹見神楽社中「鍾馗」。この「鍾馗」や「塵輪」は広島でも人気演目ですが、その見せ場の一つに、鬼が幕から出てくる場面があると思います。しかし、先にご紹介した「塵輪」は、鬼がさっと出てきます。広島の「塵輪」を見慣れていると、「あれ?」という感じかもしれません。ですが「鍾馗」は、鬼がじわじわと幕から出てくる舞がありました。また面も広島のものと違い、色が白くて険しい表情の鬼でしたね。
都治神楽社中「大江山」。この演目の主役といえば、やはり酒呑童子でしょうね。しかし、この都治社中の場合は頼光さんも存在感たっぷり。問答の場面など、迫力では決して鬼たちにも負けてないと思います。また、クライマックスで酒呑童子がクモの妖術を使う場面は、ドライアイスや赤い照明などが効果的で、広島のホール神楽にも引けを取らない出来でした。
後野神楽社中「五神」。2月の「早春神楽」や3月の「月一の舞」などで、広島のファンにもすっかりお馴染みになった感じがあります。今回も埴安大王の使いと四神の神様とのやり取りで笑わせていただきました。春青(しゅんぜい)大王さんが土地を分けるなどと言い出したので、「おお?いつもと違う?」と思っていたら「今日は4月1日じゃけぇウソをついてみた」と見事なカウンター(笑)。続く夏赤(かせき)大王さんにも同じ手を使われ、踏んだり蹴ったりの使いさんでした。
道川神楽社中「大蛇」。さてこの演目ではおじいさんとおばあさんが出てきますが、お二人の名前がわかる人!…そう、「手名椎(てなづち)」と「足名椎(あしなづち)」なんですが、どちらがどっちかわかりますか?正解はおじいさんが「足」でおばあさんが「手」、だと思っていたんですが!!しかし、こちらの道川社中さんは逆でした。他ではどうなんでしょうね?調べてみると面白いかもしれません。
広島からは宮乃木神楽団と桑田天使神楽団の出演がありました。ここで感じたことは、広島と島根では神楽の感じ方、とらえ方が違うのではということです。例えば、最初、宮乃木さんの笛が始まったとき、拍手があったんですよね。広島ではそんなに珍しいことではありませんが、この大会では初めてだったと気付きました。他にも面が変わったときや立ち合いの最中など、やはり石見神楽とはちょっと反応が違う感じでした。
神楽のほうも、なんとなく祭の雰囲気そのまま、みたいな上演もあったように思います。例えば、上演中、自分が出るタイミングを、幕を開けて舞台を見ながら待っている方がおられたんです。もちろん、客席からはその人の姿が見える状態でした。広島ではこういう光景はちょっと見られないので、こういったところに土地の違いを感じたりもしましたね。
また、この大会では1演目ごとに緞帳(どんちょう)が昇降したんですが、降りるタイミングが早いのでは、と思ったりしました。喜びの舞が終わって、神の方があいさつをしたくらいで降り始め、まだ幕に入っていないのに完全に降りていたんです。確かにスムースな進行にはなりますが、ちょっとどうかな、という気持ちでしたね。
とにかく、広島では味わえない、いろいろな体験をすることができました。写真があればもっとみなさんにお伝えできたと思うんですが、こればかりは仕方ありませんね。なかなか石見神楽は広島では見る機会がなく、また島根に足を運ぶのもそう簡単なことではないかもしれません。しかし、今回のように新しい発見や珍しい神楽にきっと出会えるはずですので、もし機会があればぜひご覧になってみてください!
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2007,04,04 Wed 19:17
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