神楽ファンのみなさん、あけましておめでとうございます。今年も「神楽のぶろぐ」をどうぞよろしくお願いします。さて新年早々、広島市の県立総合体育館武道場で「2010 グリーンアリーナニューイヤーイベント 新春神楽」が行われました。二日間にわたるこのイベント、少しだけご紹介していきます。
まずは筏津神楽団「天の岩戸」から。神楽の始まりと言われる演目で、まさに新しい年、今年の神楽鑑賞のトップに相応しいものではないでしょうか。見どころの一つとして、個性的な神様の役をどう表現するか、という点があると思います。ファンのみなさんに特にわかりやすいのは宇津女命と手力男命でしょうか。前者は柔らかく女性らしい舞、後者は力強く男らしい舞。それぞれ姫舞と鬼舞の基本と言われますので、物語だけでなくどういった舞をしているか、というところに注目するとより面白く感じられると思います。また、岩戸を開いて五人の神様が舞った後に、児屋根と太玉の二人の神様が喜びの舞を舞われたのが特徴的だったように思います。
後野神楽社中「鏡山」は、ファンのみなさんもよくご存知のように、すべての登場人物が女性です。しかし、その中でもちょっとした舞い分けで役柄の個性を表現しておられました。ただ単に女性らしく舞うだけでは、四人全員が登場している場面はみな同じに見えてしまいます。基本の舞にプラスして、岩藤の高慢さ、尾上のしとやかさ、諏訪の意地悪さ、そしてお初の毅然さなどがしっかり表現されており、そこがこの演目をより面白くさせているように感じられました。中でも岩藤は物語が進むにつれ恐ろしい怨念のこもった形相に変化します。その辺の微妙な変化も、面が変わるだけでなく細かい動作や声などで表現されており、舞手さんのこだわりがしっかりと伝わってきました。
宮乃木神楽団「一条戻り橋」も、舞手さんの隅々まで行き届いたこだわりがしっかり味わえる演目でした。もちろんその主役は茨木童子で、鬼、老婆、姫と変化自在な役どころ。本当に妖術でいとも簡単に変化しているような印象を与えてくれます。その一挙一動にみなさんも釘付けになったのではないでしょうか。そしてもう一人、忘れてはならない、というより忘れられないキャラクターが登場。そう、傘売り善兵衛さん。客席から登場し、お客さんからビールやお菓子をもらったり。今までの舞手さんではなく、若い舞手さんに代わられていたようで、客席からは本名で呼ばれていたりもしましたね。さらに途中で人形を取り出して会話をしてみたり、こちらも茨木童子に負けない“怪演”を披露されていました。
以上、一日目三演目のご紹介でした。会場にはカレンダーをはじめ様々な神楽グッズが販売されています。二日目の明日(1月3日)は大塚神楽団、琴庄神楽団、浜田市の石見神楽亀山社中の上演となっています。どうぞみなさん、新春神楽にお越しください!
まずは筏津神楽団「天の岩戸」から。神楽の始まりと言われる演目で、まさに新しい年、今年の神楽鑑賞のトップに相応しいものではないでしょうか。見どころの一つとして、個性的な神様の役をどう表現するか、という点があると思います。ファンのみなさんに特にわかりやすいのは宇津女命と手力男命でしょうか。前者は柔らかく女性らしい舞、後者は力強く男らしい舞。それぞれ姫舞と鬼舞の基本と言われますので、物語だけでなくどういった舞をしているか、というところに注目するとより面白く感じられると思います。また、岩戸を開いて五人の神様が舞った後に、児屋根と太玉の二人の神様が喜びの舞を舞われたのが特徴的だったように思います。
後野神楽社中「鏡山」は、ファンのみなさんもよくご存知のように、すべての登場人物が女性です。しかし、その中でもちょっとした舞い分けで役柄の個性を表現しておられました。ただ単に女性らしく舞うだけでは、四人全員が登場している場面はみな同じに見えてしまいます。基本の舞にプラスして、岩藤の高慢さ、尾上のしとやかさ、諏訪の意地悪さ、そしてお初の毅然さなどがしっかり表現されており、そこがこの演目をより面白くさせているように感じられました。中でも岩藤は物語が進むにつれ恐ろしい怨念のこもった形相に変化します。その辺の微妙な変化も、面が変わるだけでなく細かい動作や声などで表現されており、舞手さんのこだわりがしっかりと伝わってきました。
宮乃木神楽団「一条戻り橋」も、舞手さんの隅々まで行き届いたこだわりがしっかり味わえる演目でした。もちろんその主役は茨木童子で、鬼、老婆、姫と変化自在な役どころ。本当に妖術でいとも簡単に変化しているような印象を与えてくれます。その一挙一動にみなさんも釘付けになったのではないでしょうか。そしてもう一人、忘れてはならない、というより忘れられないキャラクターが登場。そう、傘売り善兵衛さん。客席から登場し、お客さんからビールやお菓子をもらったり。今までの舞手さんではなく、若い舞手さんに代わられていたようで、客席からは本名で呼ばれていたりもしましたね。さらに途中で人形を取り出して会話をしてみたり、こちらも茨木童子に負けない“怪演”を披露されていました。
以上、一日目三演目のご紹介でした。会場にはカレンダーをはじめ様々な神楽グッズが販売されています。二日目の明日(1月3日)は大塚神楽団、琴庄神楽団、浜田市の石見神楽亀山社中の上演となっています。どうぞみなさん、新春神楽にお越しください!
2010,01,02 Sat 16:54
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