先週の日曜日、千代田開発センターで「月一の舞い」が行われました。今月のテーマは「自薦・他薦 ここの神楽が観たい」でした。今回、皆さまから寄せられた『ここが観てみたい!ここがオススメ!!』という神楽が月一に集まりました。島根からは深野神楽保存会・岡崎神楽社中・梅月神遊座(うめつきしんゆうざ)、広島からは水内(みのち)神楽団が出場。私自身、まだ拝見したことのない神楽ばかりだったので上演前からどんなのだろうととても楽しみにしていました。それでは報告したいと思います。
深野神楽保存会「国譲り」
この演目は、大国主命が天照大神に国土を献上する際に、息子たちに相談したところ息子の一人、建御名方神(たけみなかたがみ)が反対し、天照大神の使者、武見雷槌(たけみかづち)と力比べをすることになるお話です。この物語は、相撲の起源ともされ、神楽でも力と力のぶつかり合いがみどころでした。大きく重たそうな俵を持ち、ハンマー投げのようにクルクル回り勢いよく投げ合います。これでもか!!というほどに力をこめて投げ、両者一歩もひきません。しかし、途中投げ合っていた俵が会場にポロリ。(笑)すると「ほれ、あんたもなげてみんさいや」と言わんばかりにお客さんに向かって武御名方神が両手を広げます。なのでお客さんも一緒になって力比べに参加。激しく力と力がぶつかる演出のなかにも和やかに進む場面も見られました。またこの演目では武御名方神が悪者のように見えますが、武御名方神の面には眉毛が上に上がる仕掛けがされてあり、その時の顔がなんとも愛嬌があって憎めない!!という印象でした。大きな俵が武御名方神の足に乗っかったときの顔は今でも忘れられません(笑)
岡崎神楽社中「弁慶」
弁慶と牛若丸が始めて出会う物語。弁慶が五条大橋で様子を伺っているとき、牛若丸が吹く笛の音が響き引き止めます。そして牛若丸が身に着けていた刀を奪い取るためついに弁慶との戦いが始まります。幼きころから鞍馬寺で修行を積んできた牛若丸。そこで身に着けた俊敏な動きで弁慶の長刀をものともせず簡単にひょいひょいっとかわしていきます。本当に軽やかにピョンと跳び跳ねるので見ていてとてもすごいっと思ってしまいました。しかし、弁慶も引けを取りません。大きな長刀を振り回しじりじりと牛若丸に迫っていきます。力と巧みな剣術で一度は牛若丸をねじ伏せてもいました。両者一歩も譲らない戦い。見ているこちらはどんどん力が入っていってしまいました。しかし、戦いもついには決着がつきます。弁慶が持つ長刀を牛若丸が掴み、そして奪い取りついに勝負あり。勝負がついた事でホッ気持ちが緩み、さきほどまで入りっぱなしだった力もなくなっていきました。最後の最後まで迫力ある戦いでとても楽しませていただきました。
梅月神遊座「東大和」
東大和という演目は、日本武尊の東征物語で、焼き討ちにあったとき、天叢雲剣で草を薙ぎ払い脱出し、そのときの剣を草薙の剣と名を改めたという有名な物語。広島では「草薙の剣」「日本武尊」という演目で紹介されています。ちなみに今回、紹介のあいさつの時に梅月さんがおっしゃっていましたが今回上演された「東大和」に対して「西大和」という演目があるそうです。「西大和」は、広島でいう熊襲の事。東の国、西の国で起こったお話を梅月さんでは「東大和」「西大和」という名で伝承されているそうです。なんだかとっても面白いですね。今度はぜひ、西も東も両方一緒に見てみたいですね。話がずれてしまいましたがこの演目の中身で、私が目を引いたのは兄ぎし、弟ぎし率いる賊主の面。よく目にするのは賊に近い格好であったり、少し若ぶりの賊主ですがこちら梅月さんの賊主はパッと見た感じはお爺さんの面でした。しかしよく見てみるとギロッと睨みをきかした怖い目つきで、いかにも悪そうな雰囲気がありました。各地域、神楽によっても面はさまざまですが今回見た賊主は初めてだったのでとても新鮮でした。また、この演目の主役である日本武尊と兄ぎしたちとの戦いでは、スピード感溢れる立ち合いで本当に立ち回り速いこと速いこと。次々に進む展開、立ち合いに最後食い入るようにみてしまいました。
水内神楽団「紅葉狩」
最後は地元、広島の神楽団がトリを納めてくださいました。この演目は登場人物が多く、特に艶やかな衣装や派手さでも目を見張る演目ですね。舞台中央から怪しげな煙が立ちこめ、そこから登場する鬼女大王たちは煌びやかな衣装も栄えてかとても妖艶な姿に見えました。また、手に持つ扇子や紅葉を翻しながら優雅に舞う姿はとても女性らしく、ひとつひとつの所作が色っぽく見え人を惹きつけるような舞いでした。また舞いの途中、鬼女大王がゆっくりとイナバウワーのように体を反る姿は客席から拍手が沸き起こっていました。序盤は妖艶さや女性らしさが引き立つ舞い。しかし、終盤では序盤と違い、躍動感溢れる動きと力強い舞いが見られました。維茂たちとの戦いでも力みなぎる舞いで観客を魅了していきます。髪をかき乱し、最後の最後まで激しく戦う鬼女大王の姿はとても迫力がありました。
そして最後は毎回恒例の写真撮影があり、今回は最後に舞われました水内神楽団が協力してくださいました。先ほどまで激しく舞われていた鬼女の皆さんが舞台に登場し、たくさんの子ども達と一緒に写真を撮られていました。なかには鬼が怖くて泣いてしまう子もおられました。
さて、来月の月一の舞いは6月6日に開催されます。次回は9:00会場、10:00開演です。いつもと開場・開演時間帯が異なりますのでお間違えのないようにお越しくださいね☆
それでは来月の月一でもスタッフ一同お待ちしています☆
深野神楽保存会「国譲り」
この演目は、大国主命が天照大神に国土を献上する際に、息子たちに相談したところ息子の一人、建御名方神(たけみなかたがみ)が反対し、天照大神の使者、武見雷槌(たけみかづち)と力比べをすることになるお話です。この物語は、相撲の起源ともされ、神楽でも力と力のぶつかり合いがみどころでした。大きく重たそうな俵を持ち、ハンマー投げのようにクルクル回り勢いよく投げ合います。これでもか!!というほどに力をこめて投げ、両者一歩もひきません。しかし、途中投げ合っていた俵が会場にポロリ。(笑)すると「ほれ、あんたもなげてみんさいや」と言わんばかりにお客さんに向かって武御名方神が両手を広げます。なのでお客さんも一緒になって力比べに参加。激しく力と力がぶつかる演出のなかにも和やかに進む場面も見られました。またこの演目では武御名方神が悪者のように見えますが、武御名方神の面には眉毛が上に上がる仕掛けがされてあり、その時の顔がなんとも愛嬌があって憎めない!!という印象でした。大きな俵が武御名方神の足に乗っかったときの顔は今でも忘れられません(笑)
岡崎神楽社中「弁慶」
弁慶と牛若丸が始めて出会う物語。弁慶が五条大橋で様子を伺っているとき、牛若丸が吹く笛の音が響き引き止めます。そして牛若丸が身に着けていた刀を奪い取るためついに弁慶との戦いが始まります。幼きころから鞍馬寺で修行を積んできた牛若丸。そこで身に着けた俊敏な動きで弁慶の長刀をものともせず簡単にひょいひょいっとかわしていきます。本当に軽やかにピョンと跳び跳ねるので見ていてとてもすごいっと思ってしまいました。しかし、弁慶も引けを取りません。大きな長刀を振り回しじりじりと牛若丸に迫っていきます。力と巧みな剣術で一度は牛若丸をねじ伏せてもいました。両者一歩も譲らない戦い。見ているこちらはどんどん力が入っていってしまいました。しかし、戦いもついには決着がつきます。弁慶が持つ長刀を牛若丸が掴み、そして奪い取りついに勝負あり。勝負がついた事でホッ気持ちが緩み、さきほどまで入りっぱなしだった力もなくなっていきました。最後の最後まで迫力ある戦いでとても楽しませていただきました。
梅月神遊座「東大和」
東大和という演目は、日本武尊の東征物語で、焼き討ちにあったとき、天叢雲剣で草を薙ぎ払い脱出し、そのときの剣を草薙の剣と名を改めたという有名な物語。広島では「草薙の剣」「日本武尊」という演目で紹介されています。ちなみに今回、紹介のあいさつの時に梅月さんがおっしゃっていましたが今回上演された「東大和」に対して「西大和」という演目があるそうです。「西大和」は、広島でいう熊襲の事。東の国、西の国で起こったお話を梅月さんでは「東大和」「西大和」という名で伝承されているそうです。なんだかとっても面白いですね。今度はぜひ、西も東も両方一緒に見てみたいですね。話がずれてしまいましたがこの演目の中身で、私が目を引いたのは兄ぎし、弟ぎし率いる賊主の面。よく目にするのは賊に近い格好であったり、少し若ぶりの賊主ですがこちら梅月さんの賊主はパッと見た感じはお爺さんの面でした。しかしよく見てみるとギロッと睨みをきかした怖い目つきで、いかにも悪そうな雰囲気がありました。各地域、神楽によっても面はさまざまですが今回見た賊主は初めてだったのでとても新鮮でした。また、この演目の主役である日本武尊と兄ぎしたちとの戦いでは、スピード感溢れる立ち合いで本当に立ち回り速いこと速いこと。次々に進む展開、立ち合いに最後食い入るようにみてしまいました。
水内神楽団「紅葉狩」
最後は地元、広島の神楽団がトリを納めてくださいました。この演目は登場人物が多く、特に艶やかな衣装や派手さでも目を見張る演目ですね。舞台中央から怪しげな煙が立ちこめ、そこから登場する鬼女大王たちは煌びやかな衣装も栄えてかとても妖艶な姿に見えました。また、手に持つ扇子や紅葉を翻しながら優雅に舞う姿はとても女性らしく、ひとつひとつの所作が色っぽく見え人を惹きつけるような舞いでした。また舞いの途中、鬼女大王がゆっくりとイナバウワーのように体を反る姿は客席から拍手が沸き起こっていました。序盤は妖艶さや女性らしさが引き立つ舞い。しかし、終盤では序盤と違い、躍動感溢れる動きと力強い舞いが見られました。維茂たちとの戦いでも力みなぎる舞いで観客を魅了していきます。髪をかき乱し、最後の最後まで激しく戦う鬼女大王の姿はとても迫力がありました。
そして最後は毎回恒例の写真撮影があり、今回は最後に舞われました水内神楽団が協力してくださいました。先ほどまで激しく舞われていた鬼女の皆さんが舞台に登場し、たくさんの子ども達と一緒に写真を撮られていました。なかには鬼が怖くて泣いてしまう子もおられました。
さて、来月の月一の舞いは6月6日に開催されます。次回は9:00会場、10:00開演です。いつもと開場・開演時間帯が異なりますのでお間違えのないようにお越しくださいね☆
それでは来月の月一でもスタッフ一同お待ちしています☆
2010,05,18 Tue 22:47
コメント
神楽ファンさんコメントありがとうございます。
この度の月一には来られることができなかったのですね(×△×)
神楽ファンさんのように、見に来られなかった方のためにも少しでもそのときの雰囲気などお伝えできるよう報告頑張ります。
もしお暇であれば来月の月一いらしてくださいね★
今後ともよろしくお願いします。
この度の月一には来られることができなかったのですね(×△×)
神楽ファンさんのように、見に来られなかった方のためにも少しでもそのときの雰囲気などお伝えできるよう報告頑張ります。
もしお暇であれば来月の月一いらしてくださいね★
今後ともよろしくお願いします。
| 特派員N | EMAIL | URL | 10/05/19 13:19 | oO858hVY |
今回見に行けなかったので、特派員報告大変ありがたいです。
今後ともよろしくお願いです。
今後ともよろしくお願いです。
| 神楽ファン | EMAIL | URL | 10/05/19 11:46 | tTBCbx1A |
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