先週の日曜日、千代田開発センターにおいて「月一の舞」が開催されました。今年で5年目を迎える月一ですが、今年最初のテーマは「温故知新・進化する神楽」です。古くから伝わる伝統ある神楽。その伝統を重んじつつもそこからまた新しい神楽と進化させた神楽団。今回はその代表として三団体が舞われました。それでは報告します。
中川戸神楽団「瀧夜叉姫」
天慶の乱で討たれた父・平将門の無念を晴らすべく、貴船明神から妖術を授かった五月姫。その妖術の力を見せ付けんとばかりに早々と恐ろしい鬼と変わり、序盤からドキリッとする演出で観客を引き付けていきます。また、その瀧夜叉姫の征伐の勅命を受けた大宅中将光圀は下総の国へと向かい、徐々に神楽が進むにつれ戦の時が近づいていきます。すると会場の雰囲気も次第に張り詰めた空気へと変わり、こちら側も次第に緊張が走ります。そしてついに瀧夜叉姫たちとの合戦となり、戦いはスピード感溢れる激しい戦いとなります。時折、入り組みあうような複雑な立ちまわりも見せていました。そしてついに決着が。瀧夜叉姫は邪心な心を陰陽の術で解かれもとの五月姫へと戻っていきます。ここは中川戸さんらしい演出でさらに会場を盛り上げてくださいましたね。光圀が幣を瀧夜叉姫の顔にかざすとみるみるうちに五月姫へと変わっていき、会場からはたくさんの拍手が沸き起こっていました。
有田神楽団「有田中井手の戦い」
この演目は有田さんにとって史上初となる創作神楽だそうで、まだ昨年の6月に発表されたばかりの演目だそうです。なので多くの方がまだ見られたことがない演目となるのではないでしょうか。この物語は戦国時代の頃、佐東銀山城(さとうかなやまじょう(現在広島市安佐南区))の主、武田元繁(たけだもとしげ)が今の旧千代田町有田にある有田城へ侵攻し、それを食い止める為、毛利元就は有田城救援へと向かい武田軍と激しく激突するといったお話です。また、この戦いは、後に西国の桶狭間とも呼ばれるようになったそうです。神楽では、その有田で起こった歴史を事細かく再現されておられ、団員の方達が一生懸命調べられ創りあげた演目となっていました。また、見どころとしては毛利軍と武田軍の一戦のところ。激しい立ちまわりと刀と刀がぶつかり合う迫力ある戦いは、とても見応えがありました。
亀山神楽社中「貴船」
この演目は恨み辛みなどが強くとても怖~いお話の演目ですが、その反面、寂しさも伝わってくる演目ですよね。恨み辛みで見ると女が夫への恨みで鬼と化してしまう場面はとてもインパクト大!ゆっくりと振り返るような動きで女が鬼と化す姿は恐ろしく、見ているこちらはブルブルッと身震いしてしまいます。また、鬼となった女が夫を探す場面では、舞台の照明が落とされ真っ暗となった舞台にろうそくの火だけが輝き、そこから照らしだされる鬼の顔は息が詰まってしまいそうなほど恐ろしさが際立っていました。そして寂しさがもっとも伝わるところでは、安倍清明により術を解かれ女と戻る場面。術が解かれ成仏する際、女が鬼と化し夫を恨む気持ちと妻として夫を愛おしむ本来の気持ちが舞いで表現されており、その姿はなんとも悲しく、寂しさが伝わってきました。そして最後、「真の鬼は人の心に住まいするなり」という言葉で締めくくられますが、この言葉は何度聞いても自分自身にも問いただされているようで深く考えさせられる言葉だと思います。
中川戸神楽団「板蓋宮」
大化改新をもとにしたオリジナル神楽で、スーパー神楽の原点とも言える演目ですね。また、この演目は数多くの仕掛けが仕込まれており、いきなり蜘蛛が会場に飛んできたり、ブラックライトで鬼の面が赤く光るなどビックリするような演出がなされています。また、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)たちと蘇我入鹿(そがのいるか)の郎女たちとの立ち合いの場面も印象的で全員の衣装がめくれた瞬間小さな紙吹雪が飛び出し、激しい立ち合いの中その紙吹雪が綺麗に舞い上がります。その光景はとても幻想的で一瞬にして心を奪われてしまうようでした。また、さらにここ一番で会場全体がどよめき、驚いた場面は、終盤の一度倒されたはずの入鹿が生首となって再び中大兄皇子たちに襲い掛かる場面でした。入鹿の首が宙を舞い中大兄皇子に襲い掛かるのですが、勢いがあまりにもすご過ぎて観客席まで飛んできそうで客席からは、悲鳴にも近い「キャー!!」という声が聞こえてきました。舞台近くで見られていた方ほど、さぞかし驚かれたことでしょうね。
そして、上演終了後は毎回お馴染みの?神楽団との記念撮影がありました。今回は最後に舞われました中川戸神楽団との記念撮影でした。上演後もたくさんの方が残られそれぞれ思い思いの写真を取られていました。
さて今回のテーマでもあった「温故知新・進化する神楽」。それぞれの進化していく神楽をじっくりと堪能することができ、とても満足できる催しとなったのではないでしょうか。また、上演の合間には、それぞれの団長さんが「温故知新・進化する神楽」に対する思いを熱く語ってくださる場面もありました。ここまでくる道のりもさぞかし楽ではなかったことでしょうね。神楽ファンとしてはこれからもずっと暖かく見守り、応援していきたいですね。
中川戸神楽団「瀧夜叉姫」
天慶の乱で討たれた父・平将門の無念を晴らすべく、貴船明神から妖術を授かった五月姫。その妖術の力を見せ付けんとばかりに早々と恐ろしい鬼と変わり、序盤からドキリッとする演出で観客を引き付けていきます。また、その瀧夜叉姫の征伐の勅命を受けた大宅中将光圀は下総の国へと向かい、徐々に神楽が進むにつれ戦の時が近づいていきます。すると会場の雰囲気も次第に張り詰めた空気へと変わり、こちら側も次第に緊張が走ります。そしてついに瀧夜叉姫たちとの合戦となり、戦いはスピード感溢れる激しい戦いとなります。時折、入り組みあうような複雑な立ちまわりも見せていました。そしてついに決着が。瀧夜叉姫は邪心な心を陰陽の術で解かれもとの五月姫へと戻っていきます。ここは中川戸さんらしい演出でさらに会場を盛り上げてくださいましたね。光圀が幣を瀧夜叉姫の顔にかざすとみるみるうちに五月姫へと変わっていき、会場からはたくさんの拍手が沸き起こっていました。
有田神楽団「有田中井手の戦い」
この演目は有田さんにとって史上初となる創作神楽だそうで、まだ昨年の6月に発表されたばかりの演目だそうです。なので多くの方がまだ見られたことがない演目となるのではないでしょうか。この物語は戦国時代の頃、佐東銀山城(さとうかなやまじょう(現在広島市安佐南区))の主、武田元繁(たけだもとしげ)が今の旧千代田町有田にある有田城へ侵攻し、それを食い止める為、毛利元就は有田城救援へと向かい武田軍と激しく激突するといったお話です。また、この戦いは、後に西国の桶狭間とも呼ばれるようになったそうです。神楽では、その有田で起こった歴史を事細かく再現されておられ、団員の方達が一生懸命調べられ創りあげた演目となっていました。また、見どころとしては毛利軍と武田軍の一戦のところ。激しい立ちまわりと刀と刀がぶつかり合う迫力ある戦いは、とても見応えがありました。
亀山神楽社中「貴船」
この演目は恨み辛みなどが強くとても怖~いお話の演目ですが、その反面、寂しさも伝わってくる演目ですよね。恨み辛みで見ると女が夫への恨みで鬼と化してしまう場面はとてもインパクト大!ゆっくりと振り返るような動きで女が鬼と化す姿は恐ろしく、見ているこちらはブルブルッと身震いしてしまいます。また、鬼となった女が夫を探す場面では、舞台の照明が落とされ真っ暗となった舞台にろうそくの火だけが輝き、そこから照らしだされる鬼の顔は息が詰まってしまいそうなほど恐ろしさが際立っていました。そして寂しさがもっとも伝わるところでは、安倍清明により術を解かれ女と戻る場面。術が解かれ成仏する際、女が鬼と化し夫を恨む気持ちと妻として夫を愛おしむ本来の気持ちが舞いで表現されており、その姿はなんとも悲しく、寂しさが伝わってきました。そして最後、「真の鬼は人の心に住まいするなり」という言葉で締めくくられますが、この言葉は何度聞いても自分自身にも問いただされているようで深く考えさせられる言葉だと思います。
中川戸神楽団「板蓋宮」
大化改新をもとにしたオリジナル神楽で、スーパー神楽の原点とも言える演目ですね。また、この演目は数多くの仕掛けが仕込まれており、いきなり蜘蛛が会場に飛んできたり、ブラックライトで鬼の面が赤く光るなどビックリするような演出がなされています。また、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)たちと蘇我入鹿(そがのいるか)の郎女たちとの立ち合いの場面も印象的で全員の衣装がめくれた瞬間小さな紙吹雪が飛び出し、激しい立ち合いの中その紙吹雪が綺麗に舞い上がります。その光景はとても幻想的で一瞬にして心を奪われてしまうようでした。また、さらにここ一番で会場全体がどよめき、驚いた場面は、終盤の一度倒されたはずの入鹿が生首となって再び中大兄皇子たちに襲い掛かる場面でした。入鹿の首が宙を舞い中大兄皇子に襲い掛かるのですが、勢いがあまりにもすご過ぎて観客席まで飛んできそうで客席からは、悲鳴にも近い「キャー!!」という声が聞こえてきました。舞台近くで見られていた方ほど、さぞかし驚かれたことでしょうね。
そして、上演終了後は毎回お馴染みの?神楽団との記念撮影がありました。今回は最後に舞われました中川戸神楽団との記念撮影でした。上演後もたくさんの方が残られそれぞれ思い思いの写真を取られていました。
さて今回のテーマでもあった「温故知新・進化する神楽」。それぞれの進化していく神楽をじっくりと堪能することができ、とても満足できる催しとなったのではないでしょうか。また、上演の合間には、それぞれの団長さんが「温故知新・進化する神楽」に対する思いを熱く語ってくださる場面もありました。ここまでくる道のりもさぞかし楽ではなかったことでしょうね。神楽ファンとしてはこれからもずっと暖かく見守り、応援していきたいですね。
2010,04,21 Wed 21:29
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