先週の日曜日、千代田開発センターにて、「月一の舞」が開催されました。今回は、いつもの特派員さんたちが出席できないため、代理としてわたくし特派員Wが務めさせてもらいました。今年度最後のテーマは「誕生ー日本の神々ー」として、行われました。
今回は、最初にお伝えしなければならないことがあります。みなさん御承知の通り、先日、東日本を襲った大地震・大津波によって、多くの尊い命、そして長い避難生活を余儀なくされている方々がたくさんいらっしゃいます。国内の多くのイベントが中止となる中、今回の月一の舞は「できることをみつけ、動き、支えていこう」とチャリティーという形で行われました。ご来場いただいた皆様からの入場料・設置した募金箱で集められた義援金は、新聞社を通して、被災地へ送られます。また、開演に先立ちましては、亡くなられた方々への黙とうも行われました。特に被害の大きかった東北地方も神楽の盛んな地域とのことで、ここ、広島から「神楽」を通しての思いが被災地に届くことができれば、幸いです。
天の岩戸 筏津神楽団
この演目は、神楽の起源だけでなく、日本の芸能の起源と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。この演目では個性豊かな神々の舞が特徴的ですよね。兒屋根命と太玉命が岩戸へ向かう場面では、それぞれ対照的な動きながら、息の合った舞を見ることができた方も多いと思います。この二人、口上の中でしか見ることができませんが、岩戸から天照大神を迎えるために様々な準備をしているのです。まさに日本の基盤を支えた神といえるのではないでしょうか。舞を見るのもいいですが、ふと口上に耳を傾けると「なるほど」と思えるようなことがたくさん眠ってます。岩戸が開かれる場面では、舞手・奏楽はもちろん、会場全体が一つになって盛り上がりを見せました。
八幡 三谷神楽団
神一人と鬼一人という、シンプルな内容ですが、この演目には、神楽の舞の基本要素が盛り込まれていて、どの神楽団・社中においても大切にされている舞の一つとされています。神と鬼では舞はもちろん異なりますが、共通して言えるのは、自分の動きをしっかり見せること・自分の採物を十分に使うことだと見ていて感じました。合戦の場面では、一対一なので緊張感のある舞が繰り広げられ、鬼は矢を受けて苦しむところを神がとどめの一矢を打ち込もうと機会をうかがう場面では印象的でした。先月の早春神楽では、「鐘馗」を演じられていて、この二つをご覧になった方の中には、比べて違いを楽しむことのできた人もいるのではないでしょうか。
日本武尊 谷住郷神楽社中
すっかり、広島でもおなじみとなってきましたね。古代日本の英雄・日本武尊の東国賊徒征伐の物語。この演目を語るうえで忘れてはならないものは、天叢雲剣(後に草薙剣)ですよね。ご存じ、須佐之男命が八岐大蛇を退治した時に出てきた剣で、今回の物語では尊の危機を救う活躍を見せます。そして、もう一つ忘れてならないのが、神楽の演目の中で憎めない敵役の代表格といえましょう、賊首率いる兄ぎし・弟ぎしたちです。今回もいつものように兄ぎし・弟ぎしに刀とたいまつを渡すのかと思いきや、今回は賊首さんどうも様子がおかしいようで、大きな袋の中には、ミニ門松・太刀ならぬタチウオ、終いには今年のカレンダーが出てくる始末で、どうやらまだ正月気分が抜けていないようです。それでも兄ぎしさんたち無事に刀とたいまつをもらったようで、合戦の場面では、さっきとは変わって血気迫る立ち回りを見せてくれました。
神武 筏津神楽団
最初に紹介した「天の岩戸」に登場した天照大神の子孫・神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)の物語です。筏津さんの「神武」では、ほかの神楽団さんでは登場しない「八咫鳥」が登場し、物語に深く入り込むことができたのではないでしょうか。大和国を目指す磐余彦尊を導き、霊剣を授け、この「八咫鳥」も日本を支えた功労者ではないでしょうか。ご存知の方も多いと思いますが、サッカー日本代表のシンボルマークは「八咫鳥」なんです。1月に行われたアジア杯では、日本は見事に優勝しましたが、日本を勝利に導いてくれたのは「八咫鳥」のおかげでしょうね。さて、「八咫鳥」のおかげで大和国に辿りついた磐余彦尊ですが、そこには長髄彦の軍勢が待ち受けていました。合戦の場面でもたびたび磐余彦尊を窮地に追いやっていました。大激闘の末、磐余彦尊は長髄彦を倒し、神武天皇となって畝傍山のふもとに都を築きました。話は変わりますが、戦いに敗れた長髄彦は、一説によれば、現在の東北地方に逃れたという説、また、子孫はあの織田信長・伊達正宗という説もあります。彼らの強さは、ご先祖譲りだったのかもしれないですね。
今回の月一の舞で、今年度の月一の舞は終了です。さて、最初にも申し上げたとおり、東日本を襲った大地震・大津波によって、多くの尊い命が奪われました。すでに日本国内はもとより、世界中からも救助隊をはじめ、また温かいご支援が届けられています。ある、外国紙では、「日本人は、非常に秩序を持った行動ができる人々だ。今回の未曾有の大災害にも必ず立ち向かえるはずだ」と報じられていました。その世界中から称賛される心を育んでくれたのは、「神楽」を通しても語り継がれる、先人たちのおかげだと思います。日本人は、今までも多くの困難に遭いながらも、助け合う気持ちを忘れずに立ち向かってきました。私たち月一の舞主催者としても、義援金という形ではありますが、被災地のみなさんの力になれればと思い、ご来場いただいた皆様からの入場料・設置した義援箱へのお気持ち、出演神楽団・社中の皆様、今回出演のなかった神楽団・社中の皆様からも寄付をいただきました。義援金の全額291,948円は、中国新聞社を通して、被災地に届けられます。このたびの活動にご理解・ご支援いただいた神楽ファン・神楽団・社中の皆様に厚くお礼を申し上げます。そして、被災地の一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
来年度も、さまざまなテーマを構成して、皆様に楽しんでいただけるものが満載ですので来年度も月一の舞へ足を運んで下さいね。ご来場をスタッフ一同お待ちしております。
今回は、最初にお伝えしなければならないことがあります。みなさん御承知の通り、先日、東日本を襲った大地震・大津波によって、多くの尊い命、そして長い避難生活を余儀なくされている方々がたくさんいらっしゃいます。国内の多くのイベントが中止となる中、今回の月一の舞は「できることをみつけ、動き、支えていこう」とチャリティーという形で行われました。ご来場いただいた皆様からの入場料・設置した募金箱で集められた義援金は、新聞社を通して、被災地へ送られます。また、開演に先立ちましては、亡くなられた方々への黙とうも行われました。特に被害の大きかった東北地方も神楽の盛んな地域とのことで、ここ、広島から「神楽」を通しての思いが被災地に届くことができれば、幸いです。
天の岩戸 筏津神楽団
この演目は、神楽の起源だけでなく、日本の芸能の起源と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。この演目では個性豊かな神々の舞が特徴的ですよね。兒屋根命と太玉命が岩戸へ向かう場面では、それぞれ対照的な動きながら、息の合った舞を見ることができた方も多いと思います。この二人、口上の中でしか見ることができませんが、岩戸から天照大神を迎えるために様々な準備をしているのです。まさに日本の基盤を支えた神といえるのではないでしょうか。舞を見るのもいいですが、ふと口上に耳を傾けると「なるほど」と思えるようなことがたくさん眠ってます。岩戸が開かれる場面では、舞手・奏楽はもちろん、会場全体が一つになって盛り上がりを見せました。
八幡 三谷神楽団
神一人と鬼一人という、シンプルな内容ですが、この演目には、神楽の舞の基本要素が盛り込まれていて、どの神楽団・社中においても大切にされている舞の一つとされています。神と鬼では舞はもちろん異なりますが、共通して言えるのは、自分の動きをしっかり見せること・自分の採物を十分に使うことだと見ていて感じました。合戦の場面では、一対一なので緊張感のある舞が繰り広げられ、鬼は矢を受けて苦しむところを神がとどめの一矢を打ち込もうと機会をうかがう場面では印象的でした。先月の早春神楽では、「鐘馗」を演じられていて、この二つをご覧になった方の中には、比べて違いを楽しむことのできた人もいるのではないでしょうか。
日本武尊 谷住郷神楽社中
すっかり、広島でもおなじみとなってきましたね。古代日本の英雄・日本武尊の東国賊徒征伐の物語。この演目を語るうえで忘れてはならないものは、天叢雲剣(後に草薙剣)ですよね。ご存じ、須佐之男命が八岐大蛇を退治した時に出てきた剣で、今回の物語では尊の危機を救う活躍を見せます。そして、もう一つ忘れてならないのが、神楽の演目の中で憎めない敵役の代表格といえましょう、賊首率いる兄ぎし・弟ぎしたちです。今回もいつものように兄ぎし・弟ぎしに刀とたいまつを渡すのかと思いきや、今回は賊首さんどうも様子がおかしいようで、大きな袋の中には、ミニ門松・太刀ならぬタチウオ、終いには今年のカレンダーが出てくる始末で、どうやらまだ正月気分が抜けていないようです。それでも兄ぎしさんたち無事に刀とたいまつをもらったようで、合戦の場面では、さっきとは変わって血気迫る立ち回りを見せてくれました。
神武 筏津神楽団
最初に紹介した「天の岩戸」に登場した天照大神の子孫・神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)の物語です。筏津さんの「神武」では、ほかの神楽団さんでは登場しない「八咫鳥」が登場し、物語に深く入り込むことができたのではないでしょうか。大和国を目指す磐余彦尊を導き、霊剣を授け、この「八咫鳥」も日本を支えた功労者ではないでしょうか。ご存知の方も多いと思いますが、サッカー日本代表のシンボルマークは「八咫鳥」なんです。1月に行われたアジア杯では、日本は見事に優勝しましたが、日本を勝利に導いてくれたのは「八咫鳥」のおかげでしょうね。さて、「八咫鳥」のおかげで大和国に辿りついた磐余彦尊ですが、そこには長髄彦の軍勢が待ち受けていました。合戦の場面でもたびたび磐余彦尊を窮地に追いやっていました。大激闘の末、磐余彦尊は長髄彦を倒し、神武天皇となって畝傍山のふもとに都を築きました。話は変わりますが、戦いに敗れた長髄彦は、一説によれば、現在の東北地方に逃れたという説、また、子孫はあの織田信長・伊達正宗という説もあります。彼らの強さは、ご先祖譲りだったのかもしれないですね。
今回の月一の舞で、今年度の月一の舞は終了です。さて、最初にも申し上げたとおり、東日本を襲った大地震・大津波によって、多くの尊い命が奪われました。すでに日本国内はもとより、世界中からも救助隊をはじめ、また温かいご支援が届けられています。ある、外国紙では、「日本人は、非常に秩序を持った行動ができる人々だ。今回の未曾有の大災害にも必ず立ち向かえるはずだ」と報じられていました。その世界中から称賛される心を育んでくれたのは、「神楽」を通しても語り継がれる、先人たちのおかげだと思います。日本人は、今までも多くの困難に遭いながらも、助け合う気持ちを忘れずに立ち向かってきました。私たち月一の舞主催者としても、義援金という形ではありますが、被災地のみなさんの力になれればと思い、ご来場いただいた皆様からの入場料・設置した義援箱へのお気持ち、出演神楽団・社中の皆様、今回出演のなかった神楽団・社中の皆様からも寄付をいただきました。義援金の全額291,948円は、中国新聞社を通して、被災地に届けられます。このたびの活動にご理解・ご支援いただいた神楽ファン・神楽団・社中の皆様に厚くお礼を申し上げます。そして、被災地の一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
来年度も、さまざまなテーマを構成して、皆様に楽しんでいただけるものが満載ですので来年度も月一の舞へ足を運んで下さいね。ご来場をスタッフ一同お待ちしております。
2011,03,17 Thu 22:40
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