5月4日に浜田市で、西村神楽社中結成30周年記念の石見神楽公演が行われました。行ってみて、まず会場の大きさにびっくり。「海の見える文化公園」の野外劇場という場所なんですが、本当に広い!ステージも大きくてどこからでもよく見えるし、まわりには出店もたくさんあって、一日中しっかり楽しむことができました。そして大人だけでなく、西村子供神楽社中も結成20周年ということで、子供神楽もいくつか上演がありました。全部で13もの演目でしたが、実にスムースな進行で、朝の10時からほとんど楽の音が絶えることなく続き、まさに神楽三昧の一日でした。
まずは「塩祓」で、じっくりと舞を見させていただきました。女性の方が二人で、四方への舞をされました。他の演目だとたいてい一方だけですから、東西南北の4回としっかり基本の舞を見ることができました。そして続く「八幡」、こちらも女性の方が舞われました。鬼の方はとくにセリフがよかったと思います。しんどそうなのも伝わってきましたが、迫力ある低い声で鬼を表現されていました。
子供神楽の「道返し」「塵輪」は、舞の上手さは本当に素晴らしいですね!またそれ以上に奏楽も素晴らしいんです。特に笛がすごいなぁと思いました。音だけ聞いたら大人と言われてもわからないくらいお上手でしたよ!手打ち鐘のほうは、なかなか苦労していた子もいて、思わずそちらを心配したりしながら見てしまいました。それと「塵輪」で小さな鬼が出てきたときは、客席から歓声があがったように、とっても可愛らしかったです。
「四神」は、名前だけ見たら「五神」と似ていますが、こちらは特に深い意味もなく、熟練の四人の舞手さんによる神楽、というのが正しい見方かな、と思いながら見ました。「天神」は何と言っても立ち合いの緊迫感がたまりませんね!これだけ息の合った立ち合いは、広島ではなかなかお目にかかれないと思います。「八街」(やちまた)も広島ではなかなか見れない演目ですが、こちらは子供神楽で舞われていました。宇津女命と猿田彦が出てくる演目で、少し地味かもしれませんがとても面白い神楽です。
今回一番面白かったのが「頼政」でした。実は一番期待していたのですが、期待以上の面白さで大満足!お猿さんの活躍というかいたずらは、見る人をも巻き込んで上へ下への大騒ぎといった感じで、飽きることなく楽しませていただきました。一番大きなお猿さんが太鼓の上に居座り、貫禄たっぷりで他のお猿さんの動きを見ているのも、リアルでよかったですね。また武器を取られた頼政さんが、なんとか奪い返そうとするも、なかなか刀を返してくれなかったところは笑わせてもらいました。もちろん、鵺との立ち合いも迫力あってよかったですよ!二人がかりで大きな怪物をやっと仕留めた、というクライマックスは思わず手に力が入りましたね。
オーソドックスな「塵輪」と「鍾馗」ですが、こうして続けて見ると違いがよくわかったりして勉強になりましたね。特に「鍾馗」は他の演目に比べて、ちょっと楽のテンポがゆったりしていると思いました。それだけ舞が重厚で力強い感じがして、まさに「鍾馗」にピッタリでした。そして「黒塚」は1時間以上の大熱演!でっち小僧さんが二人していろいろ笑わせてくれました。客席に降りた悪狐も、一番後ろまで行ってみたり、そうかと思えばいつの間にか天蓋に小僧さんがいたりと、他では見れないくらいのスケールで楽しませていただきました!
しかし残念なことに、事情によりここで帰らないといけませんでした。最後までみなさんにご紹介できなくて、本当に申し訳なく思います。広島のファンの方は、石見神楽、特に今回のような祭りのイベントにはなかなか行く機会がないかと思いますが、広島では味わえない素晴らしい魅力ある神楽がたくさんあります。どうぞ本場の石見神楽を楽しんでみてください!
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2007,05,05 Sat 12:36
新着コメント
KAOさん、コメントありがとうございます。
天気もよくて実に盛大なイベントになりましたね!
見ていてパワーをもらったような気がします。
これからも、広島だけでなく、石見地方の神楽をたくさんご紹介していきたいと思います。
大変お疲れ様でした。
またコメントお願いします☆
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見ていてパワーをもらったような気がします。
これからも、広島だけでなく、石見地方の神楽をたくさんご紹介していきたいと思います。
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| 特派員 | EMAIL | URL | 07/05/06 08:17 | BFfnvy1Y |
「神楽のぶろぐ」への掲載ありがとうございます。
このイベントは、「30年間支援していただいた地元の方・ファンの方々にお返しを」という目的で開催されたものでした。当日は天候が微妙でしたが沢山の方に集まって頂き盛会に終える事ができました。
また新しい一歩を社中として歩んでいかなくてはなりませんね。
特派員さん、合わせて石見神楽のPRありがとうございます。浜田はもちろん、益田・江津等々石見神楽の盛んな地域がたくさんあります。みなさん、ぜひ石見地方にも足をお運びください☆
このイベントは、「30年間支援していただいた地元の方・ファンの方々にお返しを」という目的で開催されたものでした。当日は天候が微妙でしたが沢山の方に集まって頂き盛会に終える事ができました。
また新しい一歩を社中として歩んでいかなくてはなりませんね。
特派員さん、合わせて石見神楽のPRありがとうございます。浜田はもちろん、益田・江津等々石見神楽の盛んな地域がたくさんあります。みなさん、ぜひ石見地方にも足をお運びください☆
| KAO | EMAIL | URL | 07/05/06 02:56 | zy5aLoSc |
ゴールデンウィーク真っ只中の5月3日、北広島町のおおあさ鳴滝露天温泉で「芽吹きの宴」が行われました。今年はあさひが丘神楽団、石見神楽亀山社中、上石神楽団の3団体の上演でした。
まずはあさひが丘神楽団「土蜘蛛」。こちらの神楽団はとにかく団員のみなさんが若い!舞手はもちろん奏楽の方も若い方が中心となってやられていました。神楽の伝承、そしてもっと神楽を広めるためには、こういった若い団員さんの頑張りはなくてはならないものです。会場には、ファンの方はもちろん、団員の友人知人の方も多くいらっしゃったようです。そういったみなさんの暖かい声援が、いつもより嬉しく感じることができた上演でした。
次は亀山社中「日本武尊」。これは賊の3人が、日本武尊を罠に掛けようと相談をする場面がとっても面白かったですね!マジメな話かと思いきや、急に浜田弁でしゃべりだし、「こがぁやるんで!」「ちゃんと聞いとるんか!?」など、笑えるやり取りでお客さんを喜ばせておられました。しかし、立ち合いは真剣勝負で、刀を振り回して実にスリリングでスピード感あるものでした。
最後は上石神楽団「安達ヶ原」。「黒塚」などと同じように、悪狐退治のお話です。剛力をたぶらかす場面では、女性の方が悪狐の変化を舞っておられました。また剛力さんが面白いかぶりもので、会場を沸かせていましたね。そしてついに登場した悪狐は、本当にいたずら好きなキツネさんでした。客席に降りて子どもをさらったり、いったん退治されてもまた出てきたりと、暑い中最後まで楽しませていただきました。
ゴールデンウィークは残り半分を切りましたが、春の神楽シーズンはまだまだです。ファンのみなさん、これからもいろいろなところへ、神楽を楽しみにお出かけになってください!
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まずはあさひが丘神楽団「土蜘蛛」。こちらの神楽団はとにかく団員のみなさんが若い!舞手はもちろん奏楽の方も若い方が中心となってやられていました。神楽の伝承、そしてもっと神楽を広めるためには、こういった若い団員さんの頑張りはなくてはならないものです。会場には、ファンの方はもちろん、団員の友人知人の方も多くいらっしゃったようです。そういったみなさんの暖かい声援が、いつもより嬉しく感じることができた上演でした。
次は亀山社中「日本武尊」。これは賊の3人が、日本武尊を罠に掛けようと相談をする場面がとっても面白かったですね!マジメな話かと思いきや、急に浜田弁でしゃべりだし、「こがぁやるんで!」「ちゃんと聞いとるんか!?」など、笑えるやり取りでお客さんを喜ばせておられました。しかし、立ち合いは真剣勝負で、刀を振り回して実にスリリングでスピード感あるものでした。
最後は上石神楽団「安達ヶ原」。「黒塚」などと同じように、悪狐退治のお話です。剛力をたぶらかす場面では、女性の方が悪狐の変化を舞っておられました。また剛力さんが面白いかぶりもので、会場を沸かせていましたね。そしてついに登場した悪狐は、本当にいたずら好きなキツネさんでした。客席に降りて子どもをさらったり、いったん退治されてもまた出てきたりと、暑い中最後まで楽しませていただきました。
ゴールデンウィークは残り半分を切りましたが、春の神楽シーズンはまだまだです。ファンのみなさん、これからもいろいろなところへ、神楽を楽しみにお出かけになってください!
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2007,05,04 Fri 22:06
新着コメント
noeさん、コメントありがとうございます。
鳴滝のステージは、本当に自然そのものといった感じで、風情があっていいと思います。
ちょっと日差しがきつかったかもしれませんが、いいお天気でとてもよかったです☆
またコメントお願いします!
鳴滝のステージは、本当に自然そのものといった感じで、風情があっていいと思います。
ちょっと日差しがきつかったかもしれませんが、いいお天気でとてもよかったです☆
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| 特派員 | EMAIL | URL | 07/05/05 09:44 | BFfnvy1Y |
TOKOさん、コメントありがとうございます。
比之宮、自分も行きたかったんですが、さすがにハードスケジュールになるんで、やむを得ず断念しました^^;
素晴らしい神楽だったようですね!
あ~行きたかった…(笑)
お疲れ様です☆
比之宮、自分も行きたかったんですが、さすがにハードスケジュールになるんで、やむを得ず断念しました^^;
素晴らしい神楽だったようですね!
あ~行きたかった…(笑)
お疲れ様です☆
| 特派員 | EMAIL | URL | 07/05/05 09:42 | BFfnvy1Y |
こんばんは~
特派員さんも芽吹きの宴に行かれてたんですね☆
私も行ってました~♪ (^○^)
全部好きな演目でとても素敵な舞でした☆
鳴滝の後は比之宮交流センターにも行って久しぶりの「鏡山」を観れたし、大塚さんの新演目「道成寺」も観れたし、宮乃木さんの「岩見重太郎」に「一条戻り橋」
もう、これでもか!というほどの白熱の戦いのシーン…
もう無我夢中でシャッターを押していました♪
後でメモリーを見たら芽吹きと比之宮で1500枚ぐらい撮っていました… σ(^◇^;)
全てすんで家に帰り着いたらAM.3時になっていてすぐに(__).。oOでした。
ホントにとても楽しい幸せな一日でした♪
特派員さんも芽吹きの宴に行かれてたんですね☆
私も行ってました~♪ (^○^)
全部好きな演目でとても素敵な舞でした☆
鳴滝の後は比之宮交流センターにも行って久しぶりの「鏡山」を観れたし、大塚さんの新演目「道成寺」も観れたし、宮乃木さんの「岩見重太郎」に「一条戻り橋」
もう、これでもか!というほどの白熱の戦いのシーン…
もう無我夢中でシャッターを押していました♪
後でメモリーを見たら芽吹きと比之宮で1500枚ぐらい撮っていました… σ(^◇^;)
全てすんで家に帰り着いたらAM.3時になっていてすぐに(__).。oOでした。
ホントにとても楽しい幸せな一日でした♪
今年度最初の「月一の舞・卯月の舞」が、千代田開発センターで行われました。今回から4演目になり、さらに入場料もお安くなって、かなりお得になったと思います。また、会場付近に出店があり、うどんやおにぎりなどを販売されていました。昨年度よりいろいろとパワーアップしてますので、今回来られなかったみなさん、ぜひ次回お越しください。
最初は山王子ども神楽クラブ「紅葉狩」。まず登場した神にビックリ。二人とも女の子で、そしてセリフがとてもお上手なんです。ただの棒読みではなく、言い方や強弱、間の取り方など、本当に文句なしの素晴らしいものでしたね。きっとしっかりと勉強され、意味を理解したうえでやられたものと思います。鬼女、鬼の方は立ち合いなど、クルクル回るのがとっても速くて、また面の速変わりなど、こちらも大人顔負けといった感じ。奏楽は大太鼓と笛で、大人の方が補助をされていました。途中で手打ち鐘の子が、疲れたのかあくびをしてたのが可愛かったですね!
続いて三谷神楽団「塵輪」。こちらはうってかわって、ベテランの方の落ち着いた舞。神だけの舞でも、奏楽とよくそろった優雅な舞で、見ていて心が落ち着くような感じでした。もちろん、鬼の迫力もよかったですよ!「大江山」のような派手さはないかもしれませんが、幕から出てくるところ、空を飛ぶところは「塵倫」の見せ場ですから、みなさんもじっくりご覧になったことと思います。
そして都治社中「大江山」。何と言っても、迫力ある鬼たちがたくさん出てくるのはすごいですね。初めてご覧になった方はきっと驚かれたことでしょう。しかもいろいろな面の鬼で、赤鬼青鬼もいるんですよね。岩屋での問答の場面では、頼光の正体がバレそうになり、そこへ鬼たちが襲い掛かろうとするのですが、これだけたくさんの鬼に囲まれると、見ているこっちまで本当に緊張しますね!また、なかなか死なない酒呑童子を、3人がかりでようやく退治する場面もすごい迫力でした。
最後は山王神楽団「滝夜叉姫」。かなり久しぶりに見させていただきました。以前見た「猿島の乱」が強く印象に残っているんですが、そんなファンの方も多いのではないでしょうか。「猿島の乱」は「滝夜叉姫」の完全バージョンといった感じで、五月姫の父である平将門が討たれる場面もしっかりとあって、とても物語性のある神楽だったように思います。また、こちらの滝夜叉姫は最後の鬼面がとっても怖くて迫力があるんですよね。妖術を使うところは特に見どころです!
上演後は恒例の撮影会。大きな鬼面の滝夜叉姫の再登場に、思わず泣いてしまうお子さんもいらっしゃいました。あとは神のお二人が協力してくださり、たくさんのファンの方が一緒に写真を撮られていました。こういう機会もなかなかないので、また次回も、たくさんのファンの方のご来場をお待ちしております。
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最初は山王子ども神楽クラブ「紅葉狩」。まず登場した神にビックリ。二人とも女の子で、そしてセリフがとてもお上手なんです。ただの棒読みではなく、言い方や強弱、間の取り方など、本当に文句なしの素晴らしいものでしたね。きっとしっかりと勉強され、意味を理解したうえでやられたものと思います。鬼女、鬼の方は立ち合いなど、クルクル回るのがとっても速くて、また面の速変わりなど、こちらも大人顔負けといった感じ。奏楽は大太鼓と笛で、大人の方が補助をされていました。途中で手打ち鐘の子が、疲れたのかあくびをしてたのが可愛かったですね!
続いて三谷神楽団「塵輪」。こちらはうってかわって、ベテランの方の落ち着いた舞。神だけの舞でも、奏楽とよくそろった優雅な舞で、見ていて心が落ち着くような感じでした。もちろん、鬼の迫力もよかったですよ!「大江山」のような派手さはないかもしれませんが、幕から出てくるところ、空を飛ぶところは「塵倫」の見せ場ですから、みなさんもじっくりご覧になったことと思います。
そして都治社中「大江山」。何と言っても、迫力ある鬼たちがたくさん出てくるのはすごいですね。初めてご覧になった方はきっと驚かれたことでしょう。しかもいろいろな面の鬼で、赤鬼青鬼もいるんですよね。岩屋での問答の場面では、頼光の正体がバレそうになり、そこへ鬼たちが襲い掛かろうとするのですが、これだけたくさんの鬼に囲まれると、見ているこっちまで本当に緊張しますね!また、なかなか死なない酒呑童子を、3人がかりでようやく退治する場面もすごい迫力でした。
最後は山王神楽団「滝夜叉姫」。かなり久しぶりに見させていただきました。以前見た「猿島の乱」が強く印象に残っているんですが、そんなファンの方も多いのではないでしょうか。「猿島の乱」は「滝夜叉姫」の完全バージョンといった感じで、五月姫の父である平将門が討たれる場面もしっかりとあって、とても物語性のある神楽だったように思います。また、こちらの滝夜叉姫は最後の鬼面がとっても怖くて迫力があるんですよね。妖術を使うところは特に見どころです!
上演後は恒例の撮影会。大きな鬼面の滝夜叉姫の再登場に、思わず泣いてしまうお子さんもいらっしゃいました。あとは神のお二人が協力してくださり、たくさんのファンの方が一緒に写真を撮られていました。こういう機会もなかなかないので、また次回も、たくさんのファンの方のご来場をお待ちしております。
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2007,04,30 Mon 23:15
新着コメント
寿パパさん、コメントありがとうございます。
子ども神楽は、神楽の持つもう一つの魅力、というかんじもしますね。
神楽の将来のために、ぜひともこれからも頑張っていただきたいですよね☆
またコメントお願いします!
子ども神楽は、神楽の持つもう一つの魅力、というかんじもしますね。
神楽の将来のために、ぜひともこれからも頑張っていただきたいですよね☆
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| 特派員 | EMAIL | URL | 07/05/01 10:50 | BFfnvy1Y |
子供神楽は、さっそく動画で見させていただきました。
かわいいカワイイだけでなく、しっかり舞っていてほんとに大人顔負けの舞ですね。
神楽は永遠に不滅ですね^^
いつもお疲れ様です!
かわいいカワイイだけでなく、しっかり舞っていてほんとに大人顔負けの舞ですね。
神楽は永遠に不滅ですね^^
いつもお疲れ様です!
| 寿パパ | EMAIL | URL | 07/05/01 10:42 | 1OVCdkos |
本格的な春の神楽シーズンを迎え、いよいよ競演大会も始まりました。その一つ「春選抜 第7回吉和神楽競演大会」が、県立もみのき森林公園で行われました。
新舞の部で優勝されたのは、北広島町の中川戸神楽団で、演目は「土蜘蛛」でした。去年の夏ごろから、それまでと違う演出やメンバーで取り組まれ、見事にこの大会で結果を出されました。何より、若い方が中心となった構成で、このような実績を残せたことは、これから神楽団にとって大きな自信となられることと思います。胡蝶を舞われた方の素晴らしい演技、若さ溢れるテンポの速い立ち合いなど、いろんないいところが一つになったような出来栄えでした。
準優勝は、美土里町の神幸神楽団「滝夜叉姫」。こちらはやはり、滝夜叉姫を舞われた方が素晴らしかったですね。面の早変わりもあっという間で、客席からも大きな拍手、歓声があがっていました。最後、滝夜叉姫が討ち取られる場面は、「父の恨みを晴らせなかった」という無念さが、見ている側にも強く伝わるような演出、演技で、見ていて感動された方も多いのではないでしょうか。
旧舞の部での優勝は、安芸太田町の梶原神楽団「天の岩戸」。個人的には、見終わった直後に「あぁ、ここが優勝じゃないかな」と思ったほどの素晴らしい神楽でした。舞、楽、セリフなど、どれをとっても本当によかったですね。児屋根命と太玉命が岩戸の前に向かう場面では、独特な楽の音に、思わず身体が動いてしまいました。もちろん、最大の見せ場である手力男命の舞も、力強くて手に力が入るようだったりなど、舞う側と見る側とが一つになった一体感を味わえました。
準優勝は北広島町の上石神楽団「天神」。鬼などが出てこないし、立ち合いよりも和歌の掛け合いが見どころだったりと、あまり見栄えのする演目ではないかもしれません。セリフもちょっと難しかったりするんですが、あらすじはみなさんよくご存知だと思いますので、「よくわからない」という先入観を捨てて、ぜひじっくりご覧いただきたいですね。神と悪の息のそろった舞が印象的でした。
そのほか個人的に注目したのは、後野神楽社中「五神」。研究コラムでも特集させていただいたので、ファンのみなさんに少しはお役に立ったかと思います。上演前に少し楽屋でお話をする機会があったのですが、実は「五神」は儀式舞ではなく、本来は祭において、大蛇の後に舞われるんだそうです。以前こちらで「娯楽性のある儀式舞」とご紹介してしまったので、ここに訂正してお詫び申し上げます。今回の上演は35分の短縮バージョンということだったのですが、やはりこの演目に35分は短すぎますね。それでも、石見にはこういう神楽もある、ということを広島のファンのみなさんにアピールしてくださった後野神楽社中さんに感謝したいですね。
それともう一つ、初めて拝見した演目がありました。玖島(くじま)神楽団の「虎菊(とらぎく)姫」。これは地元廿日市市の重要文化財「小田家文書」を題材にされた、創作神楽なんだそうです。これも神楽団の方にお話を伺ったのですが、もとはある小学校の先生が、児童のみなさんに神楽に触れてもらおうと作られたもので、それを現在、神楽団の演目として舞われている、との事でした。その当時小学校で舞っていた方が、成長されて今は団員としてこの演目に取り組まれている、ということで、まさに神楽が広まった一つの成功例ではないでしょうか。
今年は思ったより寒くならず、比較的過ごしやすかったようですね。会場付近にはいろいろお店が出ていて、利用された方もたくさんおられたことと思います。自分はうどんを食べたのですが、とってもおいしかったですよ!今年優勝された神楽団は、来年の大会で特別出演されることが決まっておりますので、どうぞみなさん、来年も吉和にお越しください。
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新舞の部で優勝されたのは、北広島町の中川戸神楽団で、演目は「土蜘蛛」でした。去年の夏ごろから、それまでと違う演出やメンバーで取り組まれ、見事にこの大会で結果を出されました。何より、若い方が中心となった構成で、このような実績を残せたことは、これから神楽団にとって大きな自信となられることと思います。胡蝶を舞われた方の素晴らしい演技、若さ溢れるテンポの速い立ち合いなど、いろんないいところが一つになったような出来栄えでした。
準優勝は、美土里町の神幸神楽団「滝夜叉姫」。こちらはやはり、滝夜叉姫を舞われた方が素晴らしかったですね。面の早変わりもあっという間で、客席からも大きな拍手、歓声があがっていました。最後、滝夜叉姫が討ち取られる場面は、「父の恨みを晴らせなかった」という無念さが、見ている側にも強く伝わるような演出、演技で、見ていて感動された方も多いのではないでしょうか。
旧舞の部での優勝は、安芸太田町の梶原神楽団「天の岩戸」。個人的には、見終わった直後に「あぁ、ここが優勝じゃないかな」と思ったほどの素晴らしい神楽でした。舞、楽、セリフなど、どれをとっても本当によかったですね。児屋根命と太玉命が岩戸の前に向かう場面では、独特な楽の音に、思わず身体が動いてしまいました。もちろん、最大の見せ場である手力男命の舞も、力強くて手に力が入るようだったりなど、舞う側と見る側とが一つになった一体感を味わえました。
準優勝は北広島町の上石神楽団「天神」。鬼などが出てこないし、立ち合いよりも和歌の掛け合いが見どころだったりと、あまり見栄えのする演目ではないかもしれません。セリフもちょっと難しかったりするんですが、あらすじはみなさんよくご存知だと思いますので、「よくわからない」という先入観を捨てて、ぜひじっくりご覧いただきたいですね。神と悪の息のそろった舞が印象的でした。
そのほか個人的に注目したのは、後野神楽社中「五神」。研究コラムでも特集させていただいたので、ファンのみなさんに少しはお役に立ったかと思います。上演前に少し楽屋でお話をする機会があったのですが、実は「五神」は儀式舞ではなく、本来は祭において、大蛇の後に舞われるんだそうです。以前こちらで「娯楽性のある儀式舞」とご紹介してしまったので、ここに訂正してお詫び申し上げます。今回の上演は35分の短縮バージョンということだったのですが、やはりこの演目に35分は短すぎますね。それでも、石見にはこういう神楽もある、ということを広島のファンのみなさんにアピールしてくださった後野神楽社中さんに感謝したいですね。
それともう一つ、初めて拝見した演目がありました。玖島(くじま)神楽団の「虎菊(とらぎく)姫」。これは地元廿日市市の重要文化財「小田家文書」を題材にされた、創作神楽なんだそうです。これも神楽団の方にお話を伺ったのですが、もとはある小学校の先生が、児童のみなさんに神楽に触れてもらおうと作られたもので、それを現在、神楽団の演目として舞われている、との事でした。その当時小学校で舞っていた方が、成長されて今は団員としてこの演目に取り組まれている、ということで、まさに神楽が広まった一つの成功例ではないでしょうか。
今年は思ったより寒くならず、比較的過ごしやすかったようですね。会場付近にはいろいろお店が出ていて、利用された方もたくさんおられたことと思います。自分はうどんを食べたのですが、とってもおいしかったですよ!今年優勝された神楽団は、来年の大会で特別出演されることが決まっておりますので、どうぞみなさん、来年も吉和にお越しください。
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2007,04,29 Sun 21:07
新着コメント
寿パパ さん、コメントありがとうございます。
この記事を見ることができてよかった、と言っていただけて嬉しいです。
そうですね、三和での上演よりもさらによかったと思います。
同じ演目でも、洗練されていく過程を見ることができるのも、神楽の魅力の一つなんでしょうね。
またコメントお願いします。
この記事を見ることができてよかった、と言っていただけて嬉しいです。
そうですね、三和での上演よりもさらによかったと思います。
同じ演目でも、洗練されていく過程を見ることができるのも、神楽の魅力の一つなんでしょうね。
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| 特派員 | EMAIL | URL | 07/04/29 22:54 | BFfnvy1Y |
吉和に行きたかったのですが、都合がつかず行くことが出来ませんでしたがこの記事を見ることができて良かったです。中川戸さんの「土蜘蛛」は三和で見させていただいたのですが、この度優勝されたと言う事は、完成度が増していたのでしょうね。ぜひ見たかったです。他の神楽団も素晴らしいものだったのでしょうね。行けなくて本当に残念です。これからも頑張ってください!
| 寿パパ | EMAIL | URL | 07/04/29 22:48 | mqlrLpO6 |
リロっちさん、コメントありがとうございます。
写真撮影禁止でしたので、神楽の写真がないのが残念です。
ですが、よく伝わったと言っていただけて嬉しく思います。
ぜひ来年は行ってみてくださいね☆
写真撮影禁止でしたので、神楽の写真がないのが残念です。
ですが、よく伝わったと言っていただけて嬉しく思います。
ぜひ来年は行ってみてくださいね☆
| 特派員 | EMAIL | URL | 07/04/29 22:30 | BFfnvy1Y |
見に行けなくて大変残念に思います・・・。
ですが、どう良かったのかなどよく伝わり、読んでいてやっぱり行けば良かったと・・・(^^;
来年は是非行きたいです!!
皆様、ホントにお疲れ様でした♪
ですが、どう良かったのかなどよく伝わり、読んでいてやっぱり行けば良かったと・・・(^^;
来年は是非行きたいです!!
皆様、ホントにお疲れ様でした♪
| リロっち | EMAIL | URL | 07/04/29 22:22 | cutPHNpc |
「パノラマ神楽の祭典」。福屋広島駅前店エールエールA館屋上において、大塚神楽団、中川戸神楽団による神楽の上演で、素晴らしいイベントになる…はずだったのが、なんと当日はまさかの雨!屋上ですから屋根はなく、お客さんにはカッパが無料で配られていました。舞うほうにとっても見るほうにとっても、最悪なコンディションでしたが、それでもエールエール開店直後には、熱心なファンの方が早くも並んでおられ、改めて神楽人気の高さを感じました。
まずは大塚神楽団「羅生門」。この演目は、神楽団ごとによってけっこう違いがあるのが特徴だと思うんですが、大塚さんの場合、前とは違うパターンを舞われたりするんですよね。ファンのみなさんにとっては、前と変わった演出を見ることができるのも、一つの楽しみではないでしょうか。それと大塚さん独自の演出が、くっつけたはずの片腕を、再び引っこ抜いてしまう場面ですね!いつもは怖いはずの酒呑童子、茨木童子の二人が、お茶目な演技で笑わせてくれました。
続いて中川戸神楽団「土蜘蛛」。中川戸さんも、同じ演目でもいろいろ変えたりされているのは、みなさんもよくご存知だと思います。この「土蜘蛛」も、昨年の夏ごろから新しいパターンに取り組まれ、時間的なことを含めてそろそろ完成の域に達したかなという印象でした。また、典薬守の面や、最初に出てくる土蜘蛛の面が変わっていたんですが、ファンのみなさんなら気付かれたことと思います。今週末の「吉和神楽競演大会」に出演されますので、今回見に行けなかった方はぜひどうぞ!
そして大塚神楽団「道成寺」。初めて見させていただいたので、やはり強く印象に残りました。簡単なあらすじは、自分との結婚をしつこく迫る清姫(きよひめ)をだまして逃げ出した安珍(あんちん)は、道成寺の釣鐘の中に隠れます。しかし清姫は大蛇へと変貌して後を追い、ついに火を吐いて釣鐘ごと安珍を焼き殺してしまう、という物語です。恐ろしい演目…なんですが、中盤で川を渡る場面があり、そこに登場する船頭さんが、まるで悪狐伝の珍斉さんのノリで笑わせてくれました。たくさんネタはあったのですが、一番はネタではなく、船頭さんがセリフを間違えたところではなかったでしょうか。本来なら「山伏どの!」と声をかけるはずが、「いかに船頭さん。……間違えた。」と言ってしまったので、安珍さんはじめお客さんも大爆笑でした。もちろん、主役の清姫さんもすごかったですよ!特に大蛇に変わる場面は見事な演出、演技で、だんだんとヘビに変わっていく様子を表現されていました。
最後は中川戸神楽団「伊吹山」。12月に郵便貯金ホールで上演された時とは、事情によりメンバーが変わっておられたのですが、そんなことを感じさせない、息のそろった上演だったように思います。そしてこの上演中、雨が少し強くなってきたんです。おまけに風も強く、いくら舞台には屋根があると言っても、冷たい雨が吹き込んでくる状態。しかし、そんな状況でも決してひるむことなく、最後までしっかりと上演されていました。最後、乙丸さんが一人で舞われたのですが、出番の終わった方が、励ますかのように大声でかけ声を掛けられていたのにはすごく感動しました。
本当にあいにくの雨で、行こうと予定されていたのに中止された方もいらっしゃると思います。それでも会場にはたくさんのお客さんが来られて、それぞれの熱演に声援を送っておられました。舞うほうも本当に大変な状況で、中でも足袋がびしょ濡れで、滑りやすい舞台だったのにはご苦労されたことと思います。また、この雨の中、必死にお仕事をされていたスタッフのみなさんも、本当にお疲れ様でした。
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まずは大塚神楽団「羅生門」。この演目は、神楽団ごとによってけっこう違いがあるのが特徴だと思うんですが、大塚さんの場合、前とは違うパターンを舞われたりするんですよね。ファンのみなさんにとっては、前と変わった演出を見ることができるのも、一つの楽しみではないでしょうか。それと大塚さん独自の演出が、くっつけたはずの片腕を、再び引っこ抜いてしまう場面ですね!いつもは怖いはずの酒呑童子、茨木童子の二人が、お茶目な演技で笑わせてくれました。
続いて中川戸神楽団「土蜘蛛」。中川戸さんも、同じ演目でもいろいろ変えたりされているのは、みなさんもよくご存知だと思います。この「土蜘蛛」も、昨年の夏ごろから新しいパターンに取り組まれ、時間的なことを含めてそろそろ完成の域に達したかなという印象でした。また、典薬守の面や、最初に出てくる土蜘蛛の面が変わっていたんですが、ファンのみなさんなら気付かれたことと思います。今週末の「吉和神楽競演大会」に出演されますので、今回見に行けなかった方はぜひどうぞ!
そして大塚神楽団「道成寺」。初めて見させていただいたので、やはり強く印象に残りました。簡単なあらすじは、自分との結婚をしつこく迫る清姫(きよひめ)をだまして逃げ出した安珍(あんちん)は、道成寺の釣鐘の中に隠れます。しかし清姫は大蛇へと変貌して後を追い、ついに火を吐いて釣鐘ごと安珍を焼き殺してしまう、という物語です。恐ろしい演目…なんですが、中盤で川を渡る場面があり、そこに登場する船頭さんが、まるで悪狐伝の珍斉さんのノリで笑わせてくれました。たくさんネタはあったのですが、一番はネタではなく、船頭さんがセリフを間違えたところではなかったでしょうか。本来なら「山伏どの!」と声をかけるはずが、「いかに船頭さん。……間違えた。」と言ってしまったので、安珍さんはじめお客さんも大爆笑でした。もちろん、主役の清姫さんもすごかったですよ!特に大蛇に変わる場面は見事な演出、演技で、だんだんとヘビに変わっていく様子を表現されていました。
最後は中川戸神楽団「伊吹山」。12月に郵便貯金ホールで上演された時とは、事情によりメンバーが変わっておられたのですが、そんなことを感じさせない、息のそろった上演だったように思います。そしてこの上演中、雨が少し強くなってきたんです。おまけに風も強く、いくら舞台には屋根があると言っても、冷たい雨が吹き込んでくる状態。しかし、そんな状況でも決してひるむことなく、最後までしっかりと上演されていました。最後、乙丸さんが一人で舞われたのですが、出番の終わった方が、励ますかのように大声でかけ声を掛けられていたのにはすごく感動しました。
本当にあいにくの雨で、行こうと予定されていたのに中止された方もいらっしゃると思います。それでも会場にはたくさんのお客さんが来られて、それぞれの熱演に声援を送っておられました。舞うほうも本当に大変な状況で、中でも足袋がびしょ濡れで、滑りやすい舞台だったのにはご苦労されたことと思います。また、この雨の中、必死にお仕事をされていたスタッフのみなさんも、本当にお疲れ様でした。
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2007,04,23 Mon 21:57
新着コメント
A・Iさん、コメントありがとうございます。
せっかくのイベントなのに、雨でいろいろ大変だったことと思います。
しかし、神楽はしっかりと楽しまれたようで何よりですね。
清姫の写真、気に入っていただけましたか☆
今回はステージ真横からの撮影だったんで、今までとは少し違った写真が撮れたと思います。
またコメントお願いします!
せっかくのイベントなのに、雨でいろいろ大変だったことと思います。
しかし、神楽はしっかりと楽しまれたようで何よりですね。
清姫の写真、気に入っていただけましたか☆
今回はステージ真横からの撮影だったんで、今までとは少し違った写真が撮れたと思います。
またコメントお願いします!
| 特派員 | EMAIL | URL | 07/04/24 18:23 | BFfnvy1Y |
うちも行きましたよぉo(^-^)o
雨凄かったですねぇ(^^;)
でもすっごくよかったです♪
これをみながら「うん。うん。」とついにやついてしまいます。(笑)
大塚さんの道成寺の清姫の写真すっごくいいですね☆★
雨凄かったですねぇ(^^;)
でもすっごくよかったです♪
これをみながら「うん。うん。」とついにやついてしまいます。(笑)
大塚さんの道成寺の清姫の写真すっごくいいですね☆★
| A・I | EMAIL | URL | 07/04/24 09:37 | 0dchuV.g |