2週間ぶりの開発センターでしたが、やはり競演大会のためか前回ではあまり感じられなかった緊張感を味わってきました。入賞を果たしたのは、各地の大会でも実績のある神楽団でしたが、他にも「神楽の里」の神楽をじっくりと見てきたので、いくつか紹介したいと思います。
優勝は東山神楽団「天神記」。
実は大会直前に、まわりの方から「今日はどこが優勝かね?」と聞かれて、「ボクは東山さんじゃないかと思います」なんて会話をしてたんですよね。まさかこの予想がホントに当たるとは…将来、審査員になれるかな!?(笑)
感想としては、舞と奏楽どちらにおいても安定感と勢いがあり、非常に調和の取れた神楽だったと思います。久しぶりの「天神記」でしたが、やはりよかったです。
準優勝は中川戸神楽団「瀧夜叉姫」。
やはり何度見ても、あの面変わりは「すごいなぁ~」とうなってしまいます。会場のどよめきもすごかったですね~。
第3位は山王神楽団「鈴鹿」。
この演目の内容については、また別の機会でじっくり研究してみたいと思います。3匹の鬼たちの舞はとても迫力あるものでした。また、笛の方が個人賞を受賞されました。
他では、八重西神楽団「鬼同丸退治」。何年か前に見たのと少し変わってたところがありました。これは八重西さんのオリジナル神楽ですので、あまり見る機会はないですが、個人的に好きな演目の一つです。
初めて見て、「なるほど~」と思ったのが上本地神楽団「前編・壇ノ浦」。どこで感心したかというと、史実に基づいた点をうまく神楽に取り入れておられたところです。例えば、はじめは攻め込まれていた源氏が、潮の流れが変わったのを機に逆転したり、三種の神器のうち、実際に源氏が持ち帰ったのは八咫鏡(やたのかがみ)と八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)の2つだけだったなどです。また水龍の登場も興味深かったです。
曙神楽団「紅葉狩」は、3人の鬼女の息の合った舞が印象的でした。また、鬼女から大きな鬼に変わるのが、最後の立会いが始まってからだったので、意表を突かれましたね。
有田神楽団「鐘馗」、これはじっくりと旧舞を堪能できました。個人的には、いつも有田さんを見るときに、一番最初の笛の音を聴いた瞬間に「あぁ、有田さんだ~」と実感したりしてます(笑)。鬼を舞われた方が個人賞を受賞されました。
それと表彰式で、他の団の入賞や個人の受賞をまるで自分のことのように喜んでおられた方を見て、すごく感動しました。そこで改めて、この「神楽」という郷土芸能の良さを感じました。特にいま自分が住んでいるところは、このように神楽が盛んではないので、羨ましいという思いも沸いてきました。「神楽」を通じて、他地域との交流が深まり、そして会場には町内外からたくさんの人が来られるということ。当たり前の光景のようですが、実はそれこそが神楽を通じて私達に与えられた貴重な「財産」ではないかと感じました。
競演結果
優勝 東山神楽団「天神記」
準優勝 中川戸神楽団「瀧夜叉姫」
第3位 山王神楽団「鈴鹿」
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2006,06,19 Mon 18:43
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