11月14日に千代田総合体育館で「2009近県選抜優秀神楽発表会」が行われました。今年行われた各地の競演大会で優秀な成績を収められた神楽団が出場し、そして会場のお客さんによる投票で「神楽王座」を決めるというイベントです。それではいくつかご紹介します。
津浪神楽団「天の岩戸」。天照大神が岩戸を閉じてこもられてしまったため、この世は昼も夜もない常闇の世界となってしまいます。何も見えない世界を表現するための、この演目ならではの舞が見どころの一つ。この画像は児屋根命と太玉命が出会う場面ですが、じわじわと足を滑らせながらお互いが近づき、そして扇子が触れ合ったところでようやくご対面。みなさんも暗闇では恐る恐る足を伸ばしたりということがあるかと思いますが、神楽の舞の中でもそういった表現がなされているんですね!他にも常闇を感じさせる所作があるかと思いますので、そういったところに注目するとより面白く感じられるはずです。
日吉神楽団「紅葉狩」。日本の四季、特に秋の魅力を感じさせる演目で、三人の姫が紅葉を持って登場するなど、とても華やかな印象があります。今回の日吉さんの上演は、そういった見た目ももちろんですが、それを盛り上げる奏楽が印象的でした。楽が非常にそろっており、その統一感は聴いていて心地の良いものでした。そして舞に合わせた緩急の変化もお見事。その奏楽によって、姫たちの舞がより優雅に、そして維茂と鬼女たちの戦いがより激しく感じられました。個人的には中盤で維茂たちが酒に酔い伏す場面が印象的でした。ゆったりではなく、かなり早めのテンポでどんどん酒宴が進んでいき、いかにも何か起こる!という感じを表現されていたと思います。
山王神楽団「鈴鹿山」。始まって早々、鈴鹿山の鬼神たちが勢ぞろい。荒々しい舞を繰り広げます。その内、鬼が二匹で手下が二人なのですが、衣装や舞い方などにしっかりと違いが見てとれました。そして中盤にはその手下と田村麻呂が早くも激突。クライマックスかと思えるほどの激しい合戦で、見ていて手に汗握るようです。そして最後、鬼との合戦ではさらに激しい戦いをいろいろな方法で演出しておられたように思います。という具合に最初から最後まで、とにかく勢いを感じた上演でした。その中でも、神役の田村麻呂、悪役から寝返った夜叉丸、そしてあやめ姫の三人での舞に注目。キャラクターが違いながらもそろった舞が興味深かったですね。
上河内神楽団「滝夜叉姫」。ご覧になったみなさんもよくおわかりになったと思いますが、とにかく舞手のみなさんが若い!それぞれ自分の役柄に徹し、一生懸命練習された成果と、そして神楽が大好きという思いが伝わるような上演でした。その中でも際立っていたのがやはり滝夜叉姫。感情のこもった言葉が特に印象的で、滝夜叉姫の気持ちが、見ているみなさんにもストレートに伝わったのではないでしょうか。強さ、怖さ、弱さ、はかなさ。いろいろな感情を上手く表現されていたように思います。最後の激しい合戦の末、父の元へと旅立つ場面は、きっと多くの方が姫に感情移入されたことでしょう。
そして最後のご紹介は、今年の神楽王座に輝いた大塚神楽団「道成寺」。これでなんと三年連続となったそうです。安珍に恋焦がれるあまり、蛇となってしまった清姫。前半は普通に姫として登場し、段々と蛇体へ変わっていく様がしっかりと見てとれます。特に中盤の日高川を渡る場面は、蛇となった清姫が川を泳いでいく様子が容易に想像できるほど、舞手さんの表現力が素晴らしかったと思います。そしてチャリ役の船頭さんの話術も、票を集めた要因の一つではなかったでしょうか。川を渡りたい安珍に「人に物を頼む時は何かあろう?」と迫ります。そして安珍が取り出したものは…このイベント、優秀神楽発表会のチケット。アドリブだけでなく、意表を突いたネタにも笑わせていただきました。
さて今年の神楽シーズンもあとわずか。神楽団の中にはすでにオフに入っているところや、太刀納めに向けて準備されているところもあるかと思います。秋も深まって気温も下がってきましたので、神楽ファンのみなさんも体調など崩されないようにご注意を!
津浪神楽団「天の岩戸」。天照大神が岩戸を閉じてこもられてしまったため、この世は昼も夜もない常闇の世界となってしまいます。何も見えない世界を表現するための、この演目ならではの舞が見どころの一つ。この画像は児屋根命と太玉命が出会う場面ですが、じわじわと足を滑らせながらお互いが近づき、そして扇子が触れ合ったところでようやくご対面。みなさんも暗闇では恐る恐る足を伸ばしたりということがあるかと思いますが、神楽の舞の中でもそういった表現がなされているんですね!他にも常闇を感じさせる所作があるかと思いますので、そういったところに注目するとより面白く感じられるはずです。
日吉神楽団「紅葉狩」。日本の四季、特に秋の魅力を感じさせる演目で、三人の姫が紅葉を持って登場するなど、とても華やかな印象があります。今回の日吉さんの上演は、そういった見た目ももちろんですが、それを盛り上げる奏楽が印象的でした。楽が非常にそろっており、その統一感は聴いていて心地の良いものでした。そして舞に合わせた緩急の変化もお見事。その奏楽によって、姫たちの舞がより優雅に、そして維茂と鬼女たちの戦いがより激しく感じられました。個人的には中盤で維茂たちが酒に酔い伏す場面が印象的でした。ゆったりではなく、かなり早めのテンポでどんどん酒宴が進んでいき、いかにも何か起こる!という感じを表現されていたと思います。
山王神楽団「鈴鹿山」。始まって早々、鈴鹿山の鬼神たちが勢ぞろい。荒々しい舞を繰り広げます。その内、鬼が二匹で手下が二人なのですが、衣装や舞い方などにしっかりと違いが見てとれました。そして中盤にはその手下と田村麻呂が早くも激突。クライマックスかと思えるほどの激しい合戦で、見ていて手に汗握るようです。そして最後、鬼との合戦ではさらに激しい戦いをいろいろな方法で演出しておられたように思います。という具合に最初から最後まで、とにかく勢いを感じた上演でした。その中でも、神役の田村麻呂、悪役から寝返った夜叉丸、そしてあやめ姫の三人での舞に注目。キャラクターが違いながらもそろった舞が興味深かったですね。
上河内神楽団「滝夜叉姫」。ご覧になったみなさんもよくおわかりになったと思いますが、とにかく舞手のみなさんが若い!それぞれ自分の役柄に徹し、一生懸命練習された成果と、そして神楽が大好きという思いが伝わるような上演でした。その中でも際立っていたのがやはり滝夜叉姫。感情のこもった言葉が特に印象的で、滝夜叉姫の気持ちが、見ているみなさんにもストレートに伝わったのではないでしょうか。強さ、怖さ、弱さ、はかなさ。いろいろな感情を上手く表現されていたように思います。最後の激しい合戦の末、父の元へと旅立つ場面は、きっと多くの方が姫に感情移入されたことでしょう。
そして最後のご紹介は、今年の神楽王座に輝いた大塚神楽団「道成寺」。これでなんと三年連続となったそうです。安珍に恋焦がれるあまり、蛇となってしまった清姫。前半は普通に姫として登場し、段々と蛇体へ変わっていく様がしっかりと見てとれます。特に中盤の日高川を渡る場面は、蛇となった清姫が川を泳いでいく様子が容易に想像できるほど、舞手さんの表現力が素晴らしかったと思います。そしてチャリ役の船頭さんの話術も、票を集めた要因の一つではなかったでしょうか。川を渡りたい安珍に「人に物を頼む時は何かあろう?」と迫ります。そして安珍が取り出したものは…このイベント、優秀神楽発表会のチケット。アドリブだけでなく、意表を突いたネタにも笑わせていただきました。
さて今年の神楽シーズンもあとわずか。神楽団の中にはすでにオフに入っているところや、太刀納めに向けて準備されているところもあるかと思います。秋も深まって気温も下がってきましたので、神楽ファンのみなさんも体調など崩されないようにご注意を!
2009,11,16 Mon 22:10
コメント
熱 がんばってください。
| 奈美子 | EMAIL | URL | 09/12/12 16:43 | EpI/5nuU |
みねさん、コメントありがとうございます。
ひろしま神楽グランプリ2009の特派員報告はありません。
楽しみにしていただいているみなさんには申し訳ないのですが、ご了承ください。
ひろしま神楽グランプリ2009の特派員報告はありません。
楽しみにしていただいているみなさんには申し訳ないのですが、ご了承ください。
| 特派員Y | EMAIL | URL | 09/12/04 23:21 | KLwxtA0Y |
奈美子さん、コメントありがとうございます。
返事が遅くなって申し訳ありません。
今年の神楽シーズンもあとわずかとなりましたね。
とは言え、年中いろんなイベントがありますから、どうぞ会場に足を運んで楽しんでいただければと思います。
返事が遅くなって申し訳ありません。
今年の神楽シーズンもあとわずかとなりましたね。
とは言え、年中いろんなイベントがありますから、どうぞ会場に足を運んで楽しんでいただければと思います。
| 特派員Y | EMAIL | URL | 09/12/04 23:20 | KLwxtA0Y |
グランプリの特派員報告はないのですか?
| みね | EMAIL | URL | 09/12/04 16:28 | w51dLriU |
生で見てみたいです☆
これから 勉強 していくぞ!!
これから 勉強 していくぞ!!
| 奈美子 | EMAIL | URL | 09/11/27 20:07 | op5Zfiu6 |
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