9月9日の広島市の上野学園ホールで「中四国神楽フェスティバルinひろしま」が行われました。見慣れた広島や島根以外の様々な神楽も上演され、それぞれの特徴を見比べたりすることもできました。それでは報告です。
まずは宮乃木神楽団「神降し」。神楽の基本といわれる演目です。洗練された舞からは、「清」という印象を受けました。雑念のない、清らかな舞は、ムダな動きのないなめらかな舞にも見え、舞殿を祓い清めるという意味合いのある、この演目ならではの魅力を感じました。
続いては香川県から、佐料編笠(さりょうあみがさ)神楽保存会「カラスの舞」。面白い名前の神楽だなと思いましたが、これは神武天皇を道案内した八咫烏(やたがらす)にちなんだ舞だそうです。最初は、黒い衣装をまとい、常にかがんだ体勢の舞手さんが一人で舞われましたが、その後は残った二人の舞手さんによる舞。対角の位置で同じ舞を進めていきます。基本的にはゆったりとした舞が淡々と続く感じですが、時折高く飛ぶ場面もあり、意表をつくようにダイナミックな印象も受けました。
再び宮乃木神楽団で「大江山」。数ある広島神楽の演目の中でも、最も激しい戦いが繰り広げられる演目の一つです。源頼光と四天王のキッチリそろったメリハリのある舞は、鬼に負けない勇ましさを感じます。対する酒呑童子らは、激しく荒々しい舞で迫力と怖さを感じさせます。そして後半ついに対決のときを迎えます。見ているみなさんも思わず力が入ったことでしょう!奏楽もどんどんテンポが上がっていき、戦いの激しさを表します。クライマックスは三人がかりで酒呑童子を退治。迫力ある舞をしっかりと見せてくださいました。
次は高知県から梼原(ゆすはら)町津野山(つのやま)神楽保存会「山探し」。あらすじは、金山彦の使いの神が、紛失した宝剣を捜し求めるというもので、一人だけの舞でしたがいろいろな採り物を使われました。まず宝剣を探す舞は大きな布を覆いかぶさるようにして、腰をかがめての舞。楽のリズムはかなり速く感じ、小刻みに足を踏みながら舞い進めていきます。そして宝剣を見つけた後は扇子と刀を取替えての舞、最後は二刀流での舞でした。この演目で使用された面は般若の面で、広島や島根では悪役を連想してしまいますが、そうではありません。いろいろな舞から見せるその表情の変化も見所でした。
次は岡山県より備中神楽伝承研究会「吉備津(きびつ)舞」。吉備津彦命と温羅(うら)の戦いがメインの演目です。この演目では奏楽が太鼓のみ。ですが場面によっていろいろなリズムがあり、さらに終始太鼓の方が歌やかけ声をかけられており、一つの楽だけでこんなこともできるのかと興味深く拝見しました。中でもまるで実況するかのような歌が入ったのが面白かったですね。温羅が命の姿を見失い、太鼓をめがけて構えてしまうと、「ヨイソラヨイソラ、それは太鼓じゃヨイソラヨイソラ…」という歌が。これには思わず会場から笑い声が。そして悪役の温羅ですが、刀が手から離れなかったり、疲れて自分の腕をマッサージしたり、果てには居眠りをしてみたり…。速さと力強さを感じる戦いの舞の中に、いろんな要素を見ることができました。
まずは前半の5演目のご紹介でした。続きもお楽しみに!
まずは宮乃木神楽団「神降し」。神楽の基本といわれる演目です。洗練された舞からは、「清」という印象を受けました。雑念のない、清らかな舞は、ムダな動きのないなめらかな舞にも見え、舞殿を祓い清めるという意味合いのある、この演目ならではの魅力を感じました。
続いては香川県から、佐料編笠(さりょうあみがさ)神楽保存会「カラスの舞」。面白い名前の神楽だなと思いましたが、これは神武天皇を道案内した八咫烏(やたがらす)にちなんだ舞だそうです。最初は、黒い衣装をまとい、常にかがんだ体勢の舞手さんが一人で舞われましたが、その後は残った二人の舞手さんによる舞。対角の位置で同じ舞を進めていきます。基本的にはゆったりとした舞が淡々と続く感じですが、時折高く飛ぶ場面もあり、意表をつくようにダイナミックな印象も受けました。
再び宮乃木神楽団で「大江山」。数ある広島神楽の演目の中でも、最も激しい戦いが繰り広げられる演目の一つです。源頼光と四天王のキッチリそろったメリハリのある舞は、鬼に負けない勇ましさを感じます。対する酒呑童子らは、激しく荒々しい舞で迫力と怖さを感じさせます。そして後半ついに対決のときを迎えます。見ているみなさんも思わず力が入ったことでしょう!奏楽もどんどんテンポが上がっていき、戦いの激しさを表します。クライマックスは三人がかりで酒呑童子を退治。迫力ある舞をしっかりと見せてくださいました。
次は高知県から梼原(ゆすはら)町津野山(つのやま)神楽保存会「山探し」。あらすじは、金山彦の使いの神が、紛失した宝剣を捜し求めるというもので、一人だけの舞でしたがいろいろな採り物を使われました。まず宝剣を探す舞は大きな布を覆いかぶさるようにして、腰をかがめての舞。楽のリズムはかなり速く感じ、小刻みに足を踏みながら舞い進めていきます。そして宝剣を見つけた後は扇子と刀を取替えての舞、最後は二刀流での舞でした。この演目で使用された面は般若の面で、広島や島根では悪役を連想してしまいますが、そうではありません。いろいろな舞から見せるその表情の変化も見所でした。
次は岡山県より備中神楽伝承研究会「吉備津(きびつ)舞」。吉備津彦命と温羅(うら)の戦いがメインの演目です。この演目では奏楽が太鼓のみ。ですが場面によっていろいろなリズムがあり、さらに終始太鼓の方が歌やかけ声をかけられており、一つの楽だけでこんなこともできるのかと興味深く拝見しました。中でもまるで実況するかのような歌が入ったのが面白かったですね。温羅が命の姿を見失い、太鼓をめがけて構えてしまうと、「ヨイソラヨイソラ、それは太鼓じゃヨイソラヨイソラ…」という歌が。これには思わず会場から笑い声が。そして悪役の温羅ですが、刀が手から離れなかったり、疲れて自分の腕をマッサージしたり、果てには居眠りをしてみたり…。速さと力強さを感じる戦いの舞の中に、いろんな要素を見ることができました。
まずは前半の5演目のご紹介でした。続きもお楽しみに!
2012,09,11 Tue 23:08
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