6月7日は千代田開発センターで「月一の舞」が行われました。今回の月一は壬生の花田植と無形文化財合同まつりの協賛公演として開催され、いつもより県外のお客様も多くおられたようです。中には遠くアメリカはニューヨークから来られた方もいらっしゃったとか…。それでは上演された四演目のご紹介です。
山王神楽団「鈴鹿山」。鎮守府将軍、坂上田村麻呂が鈴鹿山の鬼神を征伐する物語です。始まってすぐ、勢いよく正面の幕が開き、まずは悪役である鈴鹿山の鬼神たちが登場。面をつけた鬼が二匹、長い髪を振り乱した手下が二人の計四人です。詳しいファンの方なら、この後、手下が田村麻呂の味方になって一緒に鬼神征伐へ…という展開をご存知かと思いますが、手下が二人登場したのは珍しいのではないでしょうか。里に降りて悪事を働いているところに田村麻呂が現れて戦いとなります。飛んだり跳ねたり、中盤にも関わらず激しい立ち回りに圧倒されました。
長尾組神楽団「天神」は、山県舞の良さを十分堪能できた上演でした。神の舞は淡々と進んでいく感じですが、決して雑ではなく、熟練の舞手さんによってどんどん神楽の世界に引き込まれるようでした!悪役である藤原時平が登場する場面は、大きく幕が揺らされ、ドライアイスの演出も効果抜群。初めは嘘をついて身分を偽る時平ですが、最後には正体を現してついに合戦が始まります。ここの言葉は少し難しいのですが、段々と盛り上がるような感じで、クライマックスに向けて興奮が高まる、非常に面白い場面だと思います。見ているこちらまでしんどくなりそうな合戦、最初から最後まで一度も休むことなく舞い続けられた、主役の菅原道真さんに大きな声援が送られました。
西宗神楽団「桃太郎伝説」。初めてご覧になった方には、面の早変わりが印象的だったのではないでしょうか。一瞬のうちに鬼から人へ、人から鬼へ。そんな見せ場がたくさんありましたね。そして見た目で分かる変化だけでなく、舞い方や細かい動き、そして声やしゃべり方までも、舞手さんのこだわりによって役が表現されていたように思います。そして画像をご覧になってもわかるように、登場した三匹の鬼たちの顔はいかにも怖そうな悪役の面構え。それでも五十狭芹彦(いさせりひこ)によってみな成敗されます。最後に残った吉備冠者(きびのかじゃ)は自分の名前を献上します。その最後の場面、面は変わりませんが、その声や仕草によって怖そうな鬼が弱弱しく見えたり、あるいは少しかわいそうにすら思えました。
最後は山王神楽団「八岐大蛇」。七人目の姫が呑み取られる場面からスタート。二匹の大蛇によって成す術もなく餌食にされてしまう姫。大きな身体を揺らしながら、容赦なく襲い掛かる大蛇は迫力満点。序盤の見せ場が終わると、須佐之男命の舞、そしてコミカルなおばあさんの活躍でいったん会場も和やかムードに。それにしても本当に元気一杯の手名椎おばあさんでしたねぇ~!さすがに大蛇にはかなわないようでしたが…。再び大蛇の登場、お客さんの期待や興奮が伝わってきましたね。そして大蛇の猛攻撃に耐えながらバッサリバッサリと切り倒していく須佐之男命。見応えある上演だったと思います。
上演後は恒例の撮影会、今回はもちろん大蛇たちとの記念撮影。さすがの大人気で、ステージは団員さんとお客さんが一緒になって盛り上がっていました。次回の月一の舞は7月26日です。どうぞみなさんお越しください!
山王神楽団「鈴鹿山」。鎮守府将軍、坂上田村麻呂が鈴鹿山の鬼神を征伐する物語です。始まってすぐ、勢いよく正面の幕が開き、まずは悪役である鈴鹿山の鬼神たちが登場。面をつけた鬼が二匹、長い髪を振り乱した手下が二人の計四人です。詳しいファンの方なら、この後、手下が田村麻呂の味方になって一緒に鬼神征伐へ…という展開をご存知かと思いますが、手下が二人登場したのは珍しいのではないでしょうか。里に降りて悪事を働いているところに田村麻呂が現れて戦いとなります。飛んだり跳ねたり、中盤にも関わらず激しい立ち回りに圧倒されました。
長尾組神楽団「天神」は、山県舞の良さを十分堪能できた上演でした。神の舞は淡々と進んでいく感じですが、決して雑ではなく、熟練の舞手さんによってどんどん神楽の世界に引き込まれるようでした!悪役である藤原時平が登場する場面は、大きく幕が揺らされ、ドライアイスの演出も効果抜群。初めは嘘をついて身分を偽る時平ですが、最後には正体を現してついに合戦が始まります。ここの言葉は少し難しいのですが、段々と盛り上がるような感じで、クライマックスに向けて興奮が高まる、非常に面白い場面だと思います。見ているこちらまでしんどくなりそうな合戦、最初から最後まで一度も休むことなく舞い続けられた、主役の菅原道真さんに大きな声援が送られました。
西宗神楽団「桃太郎伝説」。初めてご覧になった方には、面の早変わりが印象的だったのではないでしょうか。一瞬のうちに鬼から人へ、人から鬼へ。そんな見せ場がたくさんありましたね。そして見た目で分かる変化だけでなく、舞い方や細かい動き、そして声やしゃべり方までも、舞手さんのこだわりによって役が表現されていたように思います。そして画像をご覧になってもわかるように、登場した三匹の鬼たちの顔はいかにも怖そうな悪役の面構え。それでも五十狭芹彦(いさせりひこ)によってみな成敗されます。最後に残った吉備冠者(きびのかじゃ)は自分の名前を献上します。その最後の場面、面は変わりませんが、その声や仕草によって怖そうな鬼が弱弱しく見えたり、あるいは少しかわいそうにすら思えました。
最後は山王神楽団「八岐大蛇」。七人目の姫が呑み取られる場面からスタート。二匹の大蛇によって成す術もなく餌食にされてしまう姫。大きな身体を揺らしながら、容赦なく襲い掛かる大蛇は迫力満点。序盤の見せ場が終わると、須佐之男命の舞、そしてコミカルなおばあさんの活躍でいったん会場も和やかムードに。それにしても本当に元気一杯の手名椎おばあさんでしたねぇ~!さすがに大蛇にはかなわないようでしたが…。再び大蛇の登場、お客さんの期待や興奮が伝わってきましたね。そして大蛇の猛攻撃に耐えながらバッサリバッサリと切り倒していく須佐之男命。見応えある上演だったと思います。
上演後は恒例の撮影会、今回はもちろん大蛇たちとの記念撮影。さすがの大人気で、ステージは団員さんとお客さんが一緒になって盛り上がっていました。次回の月一の舞は7月26日です。どうぞみなさんお越しください!
2009,06,08 Mon 23:04
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5月30日は美土里町の神楽門前湯治村で「さつき選抜2009」が行われました。第17回広島県北部神楽競演大会という別名の通り、旧舞新舞それぞれ五団体が出場され、その伝統と技を披露されました。まずは受賞された団体をご紹介します。
新舞の部の優勝は大塚神楽団「羅生門」。やはり酒呑童子の化身を舞われた方に注目してしまいますね!左腕を持ち帰った綱に対して「早々休み給うべく候」とねぎらいの言葉をかけますが、それを言い終わらないうちにいつの間にか優しい老婆から不気味な顔へと変化。その変化に合わせて言葉の途中で声のトーンも変わるんですよね!その直後にもう一度、面の早変わりで今度は鬼に。多くの方が声援を送られたことと思います。
新舞の部準優勝は日吉神楽団「紅葉狩」。見に行かれた方ならおわかりだと思いますが、とにかく声援の多さは間違いなくこの日一番だったと思います。アナウンスがあっただけですごい声援、楽の方が登場しても同じで、とにかく会場が盛り上がりまくりでした!そんな応援があるとやはり上演する側もより気合が入りますよね。そしてあっと驚かされたのが、この画像、鬼女たちと平維茂が対峙した場面です。普段なら白いクモが落ちてくるのですが、ご覧のように鮮やかな紅葉が描かれていました。そしてその糸がゆらゆら揺れることによって、絵がはっきりする時とその合間から鬼たちの姿が見え隠れするという演出。これは実に見事でしたよ!
旧舞の部の優勝は三谷神楽団「大江山」。いわゆる古典曲目の中でも比較的新しい演目ではないかと思いますが、この三谷さんの「大江山」は、謡曲「大江山」をかなり参考にされているようで、他の神楽団にはない独特の雰囲気があるのはないでしょうか。「まだ夜の内の有明の、月の都を立ち出でて…」「明け暮れ酒を飲む故に、酒呑と名づけ…」などなど、日本の古典的な面白さを感じさせる言葉がぎっしり詰まっているように思います。もちろん今回の上演も、舞手さんと奏楽さんの息がピッタリ合った、素晴らしいものを見せていただきました。
旧舞の部準優勝は川北神楽団「鍾馗」。以前に拝見した時よりもさらに良くなっている印象を受けました。どこがどう変わったか、というような大きな変化ではなく、ちょっとした頭や手足の動き、あるいは間の取り方。本当に細かい、時間にすれば1秒にも満たないようなことでも、見た目に大きく作用することはたくさんあると思います。威厳さを感じる鍾馗大神の舞、不気味さを感じる疫神の舞。上演時間のほとんどが舞で構成されていますので、じっくりと見応えある上演を見せていただきました。
そして特別出演の団体も対象となる特別賞は、羽佐竹神楽団「葛城山」に。ファンのみなさんにもお馴染みの演目ですが、セリフや展開などはちょっと変わったところが多々あったように思います。見慣れた演目でもすごく新鮮に感じましたね。舞い方も羽佐竹さん独特の感じのする舞で、昔からの伝統を守られているように見えました。個人的には、土蜘蛛の化身となる前の胡蝶の舞が印象に残りました。ちょっと首をかしげて、速いところ遅いところのメリハリのしっかりした舞でしたが、それでもやられてしまう役の弱弱しさも出ていたように思います。
後はいくつか取り上げてご紹介します。まず大森神楽団「大江山」は、一番最初に正面の幕が開いたかと思うと、なんと六人の神が登場!源頼光とその四天王、そして藤原保昌の面々。これには会場もどよめきが。そして最後の合戦は頼光と保昌が酒呑童子といきなり対峙。そして手下を退治する前に酒呑童子の首を切り落としました!意外な展開にまたも客席からどよめきが。その後、手下の鬼たちを六人の神たちが成敗。様々な伝説によると、この上演のように先に親分である酒呑童子を退治してから手下、というものがほとんどですので、これを忠実に作られた大森さんこだわりの演出を見せていただきました。
そして土居神楽団「塵倫」は、神の舞がとても印象に残りました。六調子の山県舞は、すごくキビキビしていて見てて心地よい感覚がみなさんにも感じられると思いますが、こちらの土居さんの舞はとても滑らかな感じのする舞でした。そして低いところはしっかり低く、高いところはご覧の画像のように御幣が天蓋につくほど、しっかり高く。滑らかな流れの中でもメリハリがしっかりしていて、見ていて飽きません。詳しいことはもちろんよくわかりませんが、土居神楽の伝統というものを感じましたね。
以上、少し遅くなってしまいましたが「さつき選抜2009」の特派員報告でした。今週末も神楽イベントが目白押しですね!みなさんもしっかり楽しんでください!!
新舞の部の優勝は大塚神楽団「羅生門」。やはり酒呑童子の化身を舞われた方に注目してしまいますね!左腕を持ち帰った綱に対して「早々休み給うべく候」とねぎらいの言葉をかけますが、それを言い終わらないうちにいつの間にか優しい老婆から不気味な顔へと変化。その変化に合わせて言葉の途中で声のトーンも変わるんですよね!その直後にもう一度、面の早変わりで今度は鬼に。多くの方が声援を送られたことと思います。
新舞の部準優勝は日吉神楽団「紅葉狩」。見に行かれた方ならおわかりだと思いますが、とにかく声援の多さは間違いなくこの日一番だったと思います。アナウンスがあっただけですごい声援、楽の方が登場しても同じで、とにかく会場が盛り上がりまくりでした!そんな応援があるとやはり上演する側もより気合が入りますよね。そしてあっと驚かされたのが、この画像、鬼女たちと平維茂が対峙した場面です。普段なら白いクモが落ちてくるのですが、ご覧のように鮮やかな紅葉が描かれていました。そしてその糸がゆらゆら揺れることによって、絵がはっきりする時とその合間から鬼たちの姿が見え隠れするという演出。これは実に見事でしたよ!
旧舞の部の優勝は三谷神楽団「大江山」。いわゆる古典曲目の中でも比較的新しい演目ではないかと思いますが、この三谷さんの「大江山」は、謡曲「大江山」をかなり参考にされているようで、他の神楽団にはない独特の雰囲気があるのはないでしょうか。「まだ夜の内の有明の、月の都を立ち出でて…」「明け暮れ酒を飲む故に、酒呑と名づけ…」などなど、日本の古典的な面白さを感じさせる言葉がぎっしり詰まっているように思います。もちろん今回の上演も、舞手さんと奏楽さんの息がピッタリ合った、素晴らしいものを見せていただきました。
旧舞の部準優勝は川北神楽団「鍾馗」。以前に拝見した時よりもさらに良くなっている印象を受けました。どこがどう変わったか、というような大きな変化ではなく、ちょっとした頭や手足の動き、あるいは間の取り方。本当に細かい、時間にすれば1秒にも満たないようなことでも、見た目に大きく作用することはたくさんあると思います。威厳さを感じる鍾馗大神の舞、不気味さを感じる疫神の舞。上演時間のほとんどが舞で構成されていますので、じっくりと見応えある上演を見せていただきました。
そして特別出演の団体も対象となる特別賞は、羽佐竹神楽団「葛城山」に。ファンのみなさんにもお馴染みの演目ですが、セリフや展開などはちょっと変わったところが多々あったように思います。見慣れた演目でもすごく新鮮に感じましたね。舞い方も羽佐竹さん独特の感じのする舞で、昔からの伝統を守られているように見えました。個人的には、土蜘蛛の化身となる前の胡蝶の舞が印象に残りました。ちょっと首をかしげて、速いところ遅いところのメリハリのしっかりした舞でしたが、それでもやられてしまう役の弱弱しさも出ていたように思います。
後はいくつか取り上げてご紹介します。まず大森神楽団「大江山」は、一番最初に正面の幕が開いたかと思うと、なんと六人の神が登場!源頼光とその四天王、そして藤原保昌の面々。これには会場もどよめきが。そして最後の合戦は頼光と保昌が酒呑童子といきなり対峙。そして手下を退治する前に酒呑童子の首を切り落としました!意外な展開にまたも客席からどよめきが。その後、手下の鬼たちを六人の神たちが成敗。様々な伝説によると、この上演のように先に親分である酒呑童子を退治してから手下、というものがほとんどですので、これを忠実に作られた大森さんこだわりの演出を見せていただきました。
そして土居神楽団「塵倫」は、神の舞がとても印象に残りました。六調子の山県舞は、すごくキビキビしていて見てて心地よい感覚がみなさんにも感じられると思いますが、こちらの土居さんの舞はとても滑らかな感じのする舞でした。そして低いところはしっかり低く、高いところはご覧の画像のように御幣が天蓋につくほど、しっかり高く。滑らかな流れの中でもメリハリがしっかりしていて、見ていて飽きません。詳しいことはもちろんよくわかりませんが、土居神楽の伝統というものを感じましたね。
以上、少し遅くなってしまいましたが「さつき選抜2009」の特派員報告でした。今週末も神楽イベントが目白押しですね!みなさんもしっかり楽しんでください!!
2009,06,02 Tue 18:55
新着コメント
神楽少年さん、コメントありがとうございます。
やはり神楽は最前列で見るのが一番ですよね!
目の前で迫力ある舞を堪能するのは本当に贅沢だなと思います。
またコメントお願いします。
やはり神楽は最前列で見るのが一番ですよね!
目の前で迫力ある舞を堪能するのは本当に贅沢だなと思います。
またコメントお願いします。
| 特派員Y | EMAIL | URL | 09/09/04 22:37 | jH.jJyWA |
僕はまだ未成年ですが、やっぱり神楽はいいですね。よく小さい頃から見てて最前列近くで見たりするんですが、迫力がいいです。
| 神楽少年 | EMAIL | URL | 09/09/04 21:34 | 2H1zAi8. |
おーるどファンさん、コメントありがとうございます。
自分はその当時のころを知らないのですが、よく話に聞くことはありますよ☆
元気のある若い舞手さんもおられますし、今後の日吉さんの活躍に期待したいですね!
機会があればぜひご覧ください。
自分はその当時のころを知らないのですが、よく話に聞くことはありますよ☆
元気のある若い舞手さんもおられますし、今後の日吉さんの活躍に期待したいですね!
機会があればぜひご覧ください。
| 特派員Y | EMAIL | URL | 09/06/02 21:06 | gRhkdjzc |
日吉の紅葉狩なつかしいですね!
当時は衝撃的な舞でした。
昭和60年~62年 芸石神楽競演大会では3年連続優勝されている演目です!
今回は行く事ができなかったので、日吉の新しい「紅葉狩」次回の上演を楽しみにしています。
日程要チェックですね。
当時は衝撃的な舞でした。
昭和60年~62年 芸石神楽競演大会では3年連続優勝されている演目です!
今回は行く事ができなかったので、日吉の新しい「紅葉狩」次回の上演を楽しみにしています。
日程要チェックですね。
| おーるどファン | EMAIL | URL | 09/06/02 20:49 | bRN13JE2 |