先週の日曜日は千代田開発センターで月一の舞いが開催されました。今月の月一のテーマは「魅せる音色 女性の笛の共演」いつもは舞いの方に注目しがちですが、女性達が奏でる笛の音色にも注目でした。神楽が上演される前は各神楽団、社中の笛の方、代表の方が登場し、それぞれが挨拶を述べられていらっしゃいました。それでは特派員報告を始めたいと思います。
まず初めに上演されたのは雲月女性神楽同好会「胴の口開け」
この演目は、舞手はおらず奏楽のみで繰り広げられていく神楽です。大太鼓、小太鼓、手打鉦、笛の四つで、神楽歌に合わせ神囃子、鬼囃子といったすべての神楽囃子が奏でられていくのが特徴です。始め、胴打ちの一人が大太鼓を叩くのを合図に一斉に大太鼓が鳴り響き始めました。初めは緩やかなお囃子に美しい神楽歌が重なり心地よい感じの奏楽。しかし、後になるに従い、お囃子は激しくなっていき徐々に熱のこもっていく奏楽に変わっていきました。大太鼓の振動が体全体に響き渡ってくる熱く激しい演奏に観客席からは大きな拍手が沸き起こっていました。
そして、続いて三谷神楽団「大江山」
三谷神楽団さんの大江山とくれば皆さん、あの独特の声をお持ちの酒呑童子を楽しみにされていた方が多かったのではないでしょうか?今回も独特の言い回しに客席からは拍手が沸き起こっていましたね。そして、物語の後半では酒呑童子と頼光達の激しい立ち合い。酒呑童子の妖術も御神徳で打ち破り、そのままバサリと一撃を喰らわします。酒呑童子はグラッとふらつきますが、まだまだ~!!と渾身の力をみなぎらせ立ち向かおうとします。しかし、そのまま頼光達に立ち向うかと思いきや、なんと客席の方に降りてくるではありませんか。間近でみると大迫力。怖い酒呑童子に思わず後ずさっている子どももいらっしゃいましたね。
そして次は後野神楽社中「頼政」
こちらの演目は広島とはまた違い、鵺だけでなくたくさんのお猿さんたちが登場するのが特徴ですよね。頼政と従臣が舞っている最中も幕からこそこそっと顔を覗かせ様子を伺っていました。そして、お猿さんが勢いよく登場し、次々と会場へ。椅子の上に登ったり、観客を驚かしたりしていました。そして、お猿さんが登場した後は鵺の登場です。次第に怪しげな雲が立ち込め、そこにめがけて頼政が矢を放つと恐ろしい鵺が姿を現します。ギラギラ輝くしわの深い顔、恐ろしさがにじみ出ています。また、立ち合いでは、頼政に何度も切られようとも再び襲い掛かり、粘り強さをみせていました。
そして最後を飾るのは東山神楽団「戻り橋」
先ほど舞われました三谷神楽団の大江山に繋がっていく最初の演目ですね。最初に登場してくるのは茨木童子が化けた怪しい女性。そこに渡辺綱が現れ、正体を見破り立合いが始まります。激しい立ち合いが繰り広げられ、ついに綱は茨木童子の左の腕を切り落とします。そして後半、その左の腕を取り返そうと酒呑童子がありとあらゆる技を使い綱に迫っていきます。酒呑童子から白妙に変わる様子、また、妖術を使って腕を取り返す演出、そして一瞬にしてもとの鬼の姿に変わる様子。どれも素早く、一瞬の出来事。また、見ていて不思議な気持ちにさせてくれます。観客を魅了させてくれる演目でした。
さて、今回の月一の舞いはいかがだったでしょうか?それぞれの神楽団、社中の特徴ある笛の音色に耳を傾け、お囃子や舞に酔いしれることができたでしょうか?そして、神楽の上演の後は、恒例の神楽団との記念撮影です。今回の記念撮影では東山神楽団の団員の方々とでした。酒呑童子、茨木童子、渡辺綱、源頼光さんと一緒にたくさんの子どもたちが記念に写真を撮られていらっしゃいました。
さて、来月の月一の舞は8月25日です。テーマは「神楽に描かれる美女たち」 次回もとても楽しそうな催しとなっておりますので、ぜひ足をお運びください!
まず初めに上演されたのは雲月女性神楽同好会「胴の口開け」
この演目は、舞手はおらず奏楽のみで繰り広げられていく神楽です。大太鼓、小太鼓、手打鉦、笛の四つで、神楽歌に合わせ神囃子、鬼囃子といったすべての神楽囃子が奏でられていくのが特徴です。始め、胴打ちの一人が大太鼓を叩くのを合図に一斉に大太鼓が鳴り響き始めました。初めは緩やかなお囃子に美しい神楽歌が重なり心地よい感じの奏楽。しかし、後になるに従い、お囃子は激しくなっていき徐々に熱のこもっていく奏楽に変わっていきました。大太鼓の振動が体全体に響き渡ってくる熱く激しい演奏に観客席からは大きな拍手が沸き起こっていました。
そして、続いて三谷神楽団「大江山」
三谷神楽団さんの大江山とくれば皆さん、あの独特の声をお持ちの酒呑童子を楽しみにされていた方が多かったのではないでしょうか?今回も独特の言い回しに客席からは拍手が沸き起こっていましたね。そして、物語の後半では酒呑童子と頼光達の激しい立ち合い。酒呑童子の妖術も御神徳で打ち破り、そのままバサリと一撃を喰らわします。酒呑童子はグラッとふらつきますが、まだまだ~!!と渾身の力をみなぎらせ立ち向かおうとします。しかし、そのまま頼光達に立ち向うかと思いきや、なんと客席の方に降りてくるではありませんか。間近でみると大迫力。怖い酒呑童子に思わず後ずさっている子どももいらっしゃいましたね。
そして次は後野神楽社中「頼政」
こちらの演目は広島とはまた違い、鵺だけでなくたくさんのお猿さんたちが登場するのが特徴ですよね。頼政と従臣が舞っている最中も幕からこそこそっと顔を覗かせ様子を伺っていました。そして、お猿さんが勢いよく登場し、次々と会場へ。椅子の上に登ったり、観客を驚かしたりしていました。そして、お猿さんが登場した後は鵺の登場です。次第に怪しげな雲が立ち込め、そこにめがけて頼政が矢を放つと恐ろしい鵺が姿を現します。ギラギラ輝くしわの深い顔、恐ろしさがにじみ出ています。また、立ち合いでは、頼政に何度も切られようとも再び襲い掛かり、粘り強さをみせていました。
そして最後を飾るのは東山神楽団「戻り橋」
先ほど舞われました三谷神楽団の大江山に繋がっていく最初の演目ですね。最初に登場してくるのは茨木童子が化けた怪しい女性。そこに渡辺綱が現れ、正体を見破り立合いが始まります。激しい立ち合いが繰り広げられ、ついに綱は茨木童子の左の腕を切り落とします。そして後半、その左の腕を取り返そうと酒呑童子がありとあらゆる技を使い綱に迫っていきます。酒呑童子から白妙に変わる様子、また、妖術を使って腕を取り返す演出、そして一瞬にしてもとの鬼の姿に変わる様子。どれも素早く、一瞬の出来事。また、見ていて不思議な気持ちにさせてくれます。観客を魅了させてくれる演目でした。
さて、今回の月一の舞いはいかがだったでしょうか?それぞれの神楽団、社中の特徴ある笛の音色に耳を傾け、お囃子や舞に酔いしれることができたでしょうか?そして、神楽の上演の後は、恒例の神楽団との記念撮影です。今回の記念撮影では東山神楽団の団員の方々とでした。酒呑童子、茨木童子、渡辺綱、源頼光さんと一緒にたくさんの子どもたちが記念に写真を撮られていらっしゃいました。
さて、来月の月一の舞は8月25日です。テーマは「神楽に描かれる美女たち」 次回もとても楽しそうな催しとなっておりますので、ぜひ足をお運びください!
2009,07,28 Tue 20:18
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日々お世話様です。いつもホームページ拝見させてもらってます。今回念願叶って自費出版の運びとなりました。10月中旬より各書店にて販売してます。若き日の神楽師の物語でタイトルは「お神楽初恋巡演記」です。いち早く岩手県立美術館ライブラリー&書庫で配架になりました。また情報誌悠悠そしてFM岩手「岩手の本棚」でも紹介されました。詳しくはblogとりら(http://torira.exblog.jp/)神楽民族芸術見聞(http://okuderazeki.at.webry.info/)参照願います。是非お手に取り昭和の郷愁を蘇えらせて欲しいと思います。
| 神楽童子 | EMAIL | URL | 09/11/20 22:46 | zo1o9Mdk |
ulyssesさんコメントありがとうございます。
いつも特派員報告楽しみにしていただきありがとうございます。
今回、月一にいらっしゃることができなかったみたいですが、今回の報告、動画で楽しんでいただけたようでとてもよかったです。(´∀`)
「胴の口開け」は舞がなくお囃子だけのシンプルな演目ですがとても深みがあり趣のある演目だと思います。
これからも楽しんでいただけるような特派員報告を皆様にお届けできるよう頑張りたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。
いつも特派員報告楽しみにしていただきありがとうございます。
今回、月一にいらっしゃることができなかったみたいですが、今回の報告、動画で楽しんでいただけたようでとてもよかったです。(´∀`)
「胴の口開け」は舞がなくお囃子だけのシンプルな演目ですがとても深みがあり趣のある演目だと思います。
これからも楽しんでいただけるような特派員報告を皆様にお届けできるよう頑張りたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。
| 特派員N | EMAIL | URL | 09/07/29 22:55 | rnKQm9Cw |
報告ありがとうございました
所要により今回見に行くことができなかったんで
すっごく特派員報告を楽しみにしてました(^^)
どの演目も見たかったんですよ~
特に『雲月女性神楽同好会「胴の口開け」』は
まだ実際に見たことがなかったので、
感想を読んでいるとすごくよくわかりました(^^)
報告読んでから動画配信見よると、すごく理解できて
楽しく見ることとができました!良かったです♪
雨の中大変じゃったかと思いますが、
とても良い報告をありがとうございました(^^)
所要により今回見に行くことができなかったんで
すっごく特派員報告を楽しみにしてました(^^)
どの演目も見たかったんですよ~
特に『雲月女性神楽同好会「胴の口開け」』は
まだ実際に見たことがなかったので、
感想を読んでいるとすごくよくわかりました(^^)
報告読んでから動画配信見よると、すごく理解できて
楽しく見ることとができました!良かったです♪
雨の中大変じゃったかと思いますが、
とても良い報告をありがとうございました(^^)
| ulysses | EMAIL | URL | 09/07/29 18:06 | BgG.n3TM |
大塚神楽団「土蜘蛛」。平安時代、権力争いに敗れ、行き所を無くした人々は、北方に都を一望できる大和国(奈良県)葛城山にこもり、世を恨みながらも密かに復讐の機会を待っていたのです。そういった人々は卑しみを込めて「土蜘蛛」などと呼ばれて忌み嫌われていました。この演目では土蜘蛛という妖怪が、都の守り、源頼光に襲い掛かってきます。登場する鬼は一人だけですが、頼光に毒薬を渡して様子を伺ったり、返り討ちにあって怒りをあらわにするなど、存在感たっぷり。そんな土蜘蛛も、追ってきた四天王と蜘蛛切丸の威徳によってついに退治されます。戦いを前に「汝ら両名、我が命までも取ろうとやぁ~!?」と叫ぶ土蜘蛛。二人の四天王に切り付けられ、その最期も他の演目にはない独特の演出。鬼にされてしまった者のはかなさを感じることができたのではないでしょうか。
続いて東山神楽団「伊服岐山」は日本武尊の最後の物語。近江国(滋賀県)にある伊服岐山の大鬼神がその相手となります。しかし鬼たちは最初に登場したときはまだ人の姿です。しかし白い髪を振り乱して実に勢いのある舞。そして細かく機敏に動く頭の動作は、それだけで迫力たっぷりです。ついに始まった合戦、その途中でようやく鬼へと変化。さらにテンポが激しくなっていき、最後に待ちに待った大鬼が登場。大きな面はあの大江山の鬼人、酒呑童子を思い起こさせるようです。諸説によると、酒呑童子の住処が実は伊吹山だったり、伊吹童子と呼ばれる酒好きの鬼がいたというものもあります。おまけに酒呑童子も伊吹童子も、伝教大師によって比叡山を追い出されていたり…。なにかとつながりがあるこの二人、いろいろ伝説を調べてみると面白いかもしれません。
最後は原田神楽団「紅葉狩」。その舞台はもちろん、信州信濃国(長野県)の戸隠山。その昔、手力男命が岩戸を開いた時に投げ捨てた大岩がこの戸隠山となったというエピソードをはじめ、鬼女紅葉の物語などとにかく伝説には事欠かない、まさに今大会の絶好の舞台といえるでしょう。山を彩るたくさんの紅葉を連想させる、艶やかな衣装と鬼女たちの舞。ゆったりと流れる舞から一転、扇子をたたみ辺りをうかがうように低い姿勢で構える動作などはまさにこの演目ならではの面白さ。他にも風情を感じる場面や言葉などが随所に見られます。そして今回もチャンチキの神様が大活躍。舞が白熱してくるとドンドン前に出てこられ、最後に大鬼が退治された瞬間は、自分もやられたかのように後ろにひっくり返るという神業を披露。大いに会場を沸かせてくださいました。
以上「魔境の鬼伝説」の報告でした。こうして見てみると同じ「山を舞台にした鬼」の物語でも様々なものがありますね!みなさんはどの演目が印象に残ったでしょうか。来年も何かテーマにそってこの「神楽スペシャル」が開催されると思いますが、今からその内容が楽しみですね。
2009,07,14 Tue 21:33
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7月12日は広島市のALSOKホールで「RCC神楽スペシャル 魔境の鬼伝説」が行われました。昨年12月に5周年を迎えた「RCC神楽スペシャル」ですが、今年からこの7月に移行して再スタートという形になったようです。今回は魔境の鬼伝説、その伝説の山々が舞台となって熱演が繰り広げられました。それでは報告です。
まず初めは清めの舞ということで中川戸神楽団「神迎へ」。神楽を上演するにあたり、必要不可欠な神様のご降臨を賜る重要な演目です。四人の舞手による儀式舞、落ち着きがあり軽やかな印象を受けました。舞手が縦横へと飛び跳ねる時に袖がフワっと浮いてみたり、あるいは御幣の祓いや返しといった所作、神を意識したものや四季を感じられる神楽歌もあり、儀式舞ならではの良さをじっくり見せていただきました。
いよいよ魔境の鬼伝説の始まり。トップは筏津神楽団「鈴鹿山」。三重県(伊勢国)の鈴鹿山が舞台となり、登場する英雄は坂上田村麻呂です。鈴鹿山の鬼神征伐のため鈴鹿山へと向かった田村麻呂は、途中で翁から宝剣を授かります。そのおかげで、鬼に次々に武器を取られても最後に退治することができるわけです。やはりその鬼神を舞われた方の豊かな表現力に注目してしまいましたね。幕から出てくるところ、神の姿を探すところ、武器を奪って喜ぶところ。最後は宝剣が欲しくて仕方がない!というような感情がしっかり伝わってきました。わかりやすい身振り手振りだけでなく、ちょっとした動きや間の取り方など、とにかく鬼神になりきっての舞だったように思います。
続いて中川戸神楽団「青葉の笛」。「紅葉狩」で有名な戸隠山のすぐ近く、信州信濃国の荒倉山が舞台です。青葉の笛をめぐる、人と鬼の物語。この世にまつろわぬ者を鬼として仕立て上げた都人の汚れた心。勧善懲悪ではない、この中川戸神楽団の創作演目は、見ているみなさんにいろんな思いを抱かせてくれたことと思います。舞だけでなく、実際にその青葉の笛を吹く場面も見応えありで、悲しい物語を少しだけ忘れるようでした。それでもやはり、鬼にされてしまった官那羅(かんなら)の最期はやはり胸に迫るものがありました。また諏訪明神の舞が印象的でしたね。在原業平の加勢をする時と、諏訪明神の姿の時の舞い方や言葉のトーンが実にはっきり分かれていたように思います。
そして琴庄神楽団「大江山」。みなさんもよくご存知の丹波国大江山が舞台となっています。見どころたっぷりのこの演目、もちろん悪役は酒呑童子ですが、今回は合計五匹の鬼が登場しました。その鬼たちが豪華な衣装をまとい、大いに盛り立てる奏楽に合わせて、豪快に酒を飲む場面は実に見応えあり。しかし迫力では源頼光も負けてはいません。童子との問答では、問いに対して間髪入れず自信あふれる表情でハッキリと答えていきます。テンポのよい問答は聞いてて心地よいものですね!そしてついに合戦の場面、怒り狂った鬼たちを前に一歩も下がることなく堂々とした姿。酒呑童子も最後までしぶとさを見せ、鬼退治の神楽の醍醐味をしっかり堪能させていただきました。
以上前半4演目をお届けしました。「その2」で残りの3演目をご紹介します!
まず初めは清めの舞ということで中川戸神楽団「神迎へ」。神楽を上演するにあたり、必要不可欠な神様のご降臨を賜る重要な演目です。四人の舞手による儀式舞、落ち着きがあり軽やかな印象を受けました。舞手が縦横へと飛び跳ねる時に袖がフワっと浮いてみたり、あるいは御幣の祓いや返しといった所作、神を意識したものや四季を感じられる神楽歌もあり、儀式舞ならではの良さをじっくり見せていただきました。
いよいよ魔境の鬼伝説の始まり。トップは筏津神楽団「鈴鹿山」。三重県(伊勢国)の鈴鹿山が舞台となり、登場する英雄は坂上田村麻呂です。鈴鹿山の鬼神征伐のため鈴鹿山へと向かった田村麻呂は、途中で翁から宝剣を授かります。そのおかげで、鬼に次々に武器を取られても最後に退治することができるわけです。やはりその鬼神を舞われた方の豊かな表現力に注目してしまいましたね。幕から出てくるところ、神の姿を探すところ、武器を奪って喜ぶところ。最後は宝剣が欲しくて仕方がない!というような感情がしっかり伝わってきました。わかりやすい身振り手振りだけでなく、ちょっとした動きや間の取り方など、とにかく鬼神になりきっての舞だったように思います。
続いて中川戸神楽団「青葉の笛」。「紅葉狩」で有名な戸隠山のすぐ近く、信州信濃国の荒倉山が舞台です。青葉の笛をめぐる、人と鬼の物語。この世にまつろわぬ者を鬼として仕立て上げた都人の汚れた心。勧善懲悪ではない、この中川戸神楽団の創作演目は、見ているみなさんにいろんな思いを抱かせてくれたことと思います。舞だけでなく、実際にその青葉の笛を吹く場面も見応えありで、悲しい物語を少しだけ忘れるようでした。それでもやはり、鬼にされてしまった官那羅(かんなら)の最期はやはり胸に迫るものがありました。また諏訪明神の舞が印象的でしたね。在原業平の加勢をする時と、諏訪明神の姿の時の舞い方や言葉のトーンが実にはっきり分かれていたように思います。
そして琴庄神楽団「大江山」。みなさんもよくご存知の丹波国大江山が舞台となっています。見どころたっぷりのこの演目、もちろん悪役は酒呑童子ですが、今回は合計五匹の鬼が登場しました。その鬼たちが豪華な衣装をまとい、大いに盛り立てる奏楽に合わせて、豪快に酒を飲む場面は実に見応えあり。しかし迫力では源頼光も負けてはいません。童子との問答では、問いに対して間髪入れず自信あふれる表情でハッキリと答えていきます。テンポのよい問答は聞いてて心地よいものですね!そしてついに合戦の場面、怒り狂った鬼たちを前に一歩も下がることなく堂々とした姿。酒呑童子も最後までしぶとさを見せ、鬼退治の神楽の醍醐味をしっかり堪能させていただきました。
以上前半4演目をお届けしました。「その2」で残りの3演目をご紹介します!
2009,07,13 Mon 19:21
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今週の日曜日は広島市のALSOKホールで「RCC神楽スペシャル 魔境の鬼伝説」が行われます。伝説の山々を舞台にして繰り広げられる、人と鬼の戦い。六つの演目でそれぞれの伝説が語られます。いずれにしても「山」が舞台となるため、同じような展開にはなると思いますが、その中での違いをしっかり見比べると面白いと思います。
例えば中川戸神楽団さんが上演される「青葉の笛」。さてこの演目はどういう山が舞台となるか、すぐに思い浮かぶ方いらっしゃいますか?? 答えは「荒倉山(あらくらやま)」で、「紅葉狩」でお馴染み信州信濃国、戸隠山の南方約5キロのあたりにあります。他にも登場する神、鬼はどういう名前でどういうキャラクターなのか、上演前にパンフレットなどでしっかり予習しておきたいところ。それらの役を舞手さんがどう表現しているか、その辺りもじっくり見てください!
また、悪役として退治されてしまう「鬼」たちの物語、はかなさなども感じとってみると、違った見方ができるかもしれません。
イベント詳細
例えば中川戸神楽団さんが上演される「青葉の笛」。さてこの演目はどういう山が舞台となるか、すぐに思い浮かぶ方いらっしゃいますか?? 答えは「荒倉山(あらくらやま)」で、「紅葉狩」でお馴染み信州信濃国、戸隠山の南方約5キロのあたりにあります。他にも登場する神、鬼はどういう名前でどういうキャラクターなのか、上演前にパンフレットなどでしっかり予習しておきたいところ。それらの役を舞手さんがどう表現しているか、その辺りもじっくり見てください!
また、悪役として退治されてしまう「鬼」たちの物語、はかなさなども感じとってみると、違った見方ができるかもしれません。
イベント詳細
2009,07,09 Thu 18:19
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