先週の日曜日、広島サンプラザホールにおいて「広島県神楽競演大会」が開催されました。朝早くからたくさんの方が並ばれ、多くの方々が神楽を楽しまれました。また、会場では各地域からの特産品など販売されており、そちらもたくさんの方達で賑わっていましたよ!それでは特派員報告を始めたいと思います。しかし、その前に、今回の報告も写真がありませんのでご了承ください。それでは始めます。
まず最初は、松原神楽団「四方祓い」です。
神楽が始まるにあたっては、欠かすことのできない演目。まず神一人が登場し、ゆっくりと舞い清めていきます。最初は弊だけを持ち、ゆったりと落ち着いた舞を見せ、次に扇子も加わって優雅に舞っていきます。そして、それぞれの方角を拝み神様をお招きし、いよいよ神楽が始まっていきます。
まず最初は、昨年優勝されました大塚神楽団「羅生門」です。
大江山シリーズの中篇の物語、渡辺綱により切り落とされた茨木童子の左の腕を酒呑童子が取り返しに行く物語ですね。始まってすぐ、酒呑童子達が白妙を襲うシーンから始まり一挙に観客の目を奪っていきます。また、綱の館に忍び込み腕を取り返す場面も見どころで、白妙に化けた酒呑童子が大暴れする場面は迫力満点。そして、立ち合いでもスピード感あふれる激しい立ち回りを披露。見せるところは見せ、そして舞うところはきっちりと舞う、優勝された実力をまじまじと見せていただきました。
さぁそして、今回の競演の最初を飾るのは、盤門神楽団「天神」です。
この演目は、あの学問の神様で有名な菅原道真のお話。左大臣藤原時平により、大宰府に流された菅原道真は死にいたった後、都に次々の災いをもたらしたという言い伝えを神楽化したものです。物語の最中には藤原時平と菅原道真が「梅は飛び 桜は枯るる 世の中に なにとて松は 情なかるらむ」「梅が枝に~…」と重なるように和歌を掛け合う場面があり、その場面はとても神秘的で印象に残る場面でした。そして、時平と道真の立ち合いでは、ゆっくりとしたテンポですがキレのある舞いを繰り広げていました。
そして、お次は西宗神楽団「桃太郎伝説」です。
桃から生まれた桃太郎でお馴染みの演目で西宗さんオリジナルの演目です。西宗さんはこの桃太郎伝説の神話をよく調べられており、神話と同様、吉備冠者の目に矢が射られる様子などはとても上手に再現されていました。また、そのときの面の早変わりも俊敏であっという間に鬼の面に変わっていき、お客様を大変喜ばせておられました。そして、立ち合いでもいきいきとした立ち回りと豪快なジャンプを繰り広げ、観客の心をしっかりと最後まで捕らえられておられました。
さて、次は敢闘賞を受賞されました松原神楽団「鍾馗」です。
鍾馗の舞ではずっしりと重みを感じる舞いでいかにも強く、邪気を弾き飛ばし退治してくれるようなそんな舞いでした。また口上でも覇気ある言葉で力強く、堂々たる雰囲気をかもし出していました。そして、疫神の登場では、じわじわと幕からの登場で、粘りのある舞い。しかし、立ち合いでは素早い動きを見せ、鍾馗に向かっていきました。また、疫神は鍾馗の持つ茅の輪で追い詰められていきますが、最後の最後まであがきをみせていました。幕を持ち、勢いよく襲い掛かる様子はとても恐ろしかったです。
そして、お次は特別出演の宮乃木神楽団「一条戻り橋」です。
この演目は先ほど最初の方で上演された羅生門の前の演目にあたり、夜な夜な悪事を働く茨木童子を源頼光の四天王の一人、渡辺綱が退治するお話。早速、茨木童子は綱をたぶらかそうと女へと化け、早々に綱を誘いだします。ここで見ものなのが茨木童子が、綱の背後で女から鬼へ、鬼から女へと姿を変える場面。今回もたくさんの方が驚かれていました。そして、女が茨木童子と気づいた綱は、一気に立ち合いへと進みます。途中坂田金時も加わっての立ち合いが繰り広げられ、茨木童子は逃してしまうも、左の腕を切り取っていました。
そして、お次は加計神楽保存会「天岩戸」です。
天照大神の弟、須佐男命が度重なる悪行を行ったため、それに腹を立てた天照大神が岩戸へとお隠れになってしまう。それを嘆き悲しんだ神々は再び天照大神を呼び戻そうと御神楽を奏で舞っていくお話。この演目は、たくさんある演目の中でもたくさんの神様が登場する演目ですね。天児屋根命・天太玉命・宇津女命・手力男命がそれぞれの役目を持ち順々にと舞っていきます。また、役によっては舞い方もそれぞれ違う舞いなので、その役の特徴ある舞いをひとつひとつ楽みながら見ることができました。
そしてお次は大森神楽団による「紅葉狩」です。
信州戸隠山に住む鬼女、更科姫を平維茂達が退治する物語。この演目は鬼女が三人も登場する煌びやかな演目で、見どころは三人息の合った面の早代わりですね。最初、更科姫たちは、鬼の姿で登場しますが、一度背を向け再びこちらを向き返れば美しい姫へと変身。変わる瞬間が全くわからなかったその業に観客はどよめいていました。また、平維茂達を取り喰らおうとする場面でも息の合った舞いと勢いよく鬼の姿へと変わっていく様子に、会場はとても盛り上がっていましたよ。
そしてお次は熱演賞を受賞した苅屋形神楽団による「塵輪」です。
中央の幕から怪しげな煙が立ち込めると、じわりじわりと塵倫が幕から登場。上下左右と動きながら、小刻みに舞っていきます。また時折、勢いよくぐるぐると回る所作を見せ、躍動感溢れる舞いを披露していました。そして、立ち合いの場面では、勢いよく襲ってくる塵輪に帯中津彦たちは弓と長刀で立ち向かっていきます。激しい接戦を繰り広げ、最後は舞台に設置された台に帯中津彦が登り、塵輪めがけ矢を射り、そして従者高丸は長刀を振りかざし、無事塵輪を退治されました。
そして、次に準優勝されました中川戸神楽団による「土蜘蛛」です。
中川戸さんは今回、団でも賞を受賞されましたが、個人でも胡蝶さんが受賞されていましたね。さぁ、その舞いですが、土蜘蛛が化けた胡蝶での熱演はとてもすばらしかったですね。いかにも怪しげなトーンで口上を言う様子は次第に緊張が走っていきます。また、頼光に毒の薬を渡した後次第に鬼の姿へと変わっていく様子も、ゆっくりとした動きとその際に鬼へと変わっていく姿に鳥肌が立ってしまいました。また、そして、頼光との立ち合いでも素早い立ち回りと切れのある舞いで観客を魅了してくださいました。
そしてお次は今回優勝されました三谷神楽団による「大江山」です。
皆さんご存知の通り、先ほども舞われました戻り橋・羅生門から続き、この物語が最後の物語となります。いよいよ酒呑童子等との最終決戦が始まります。そして、三谷さんの大江山とくれば、あのいい声の持ち主の酒呑童子さんですね。今回もまた、頼光たちとの問答でその声は炸裂していました。迫力満点の口上とどこか可愛らしさも感じられる言い回しっぷりに観客からは、拍手と笑いが沸き起こっていました。
最後を飾るのは特別出演の横田神楽団「滝夜叉姫」です。
早速、袖のほうから五月姫が登場すると客席から拍手が沸き起こっていました。そして、五月姫から滝夜叉姫と変わる場面で、貴船の妖術を授かり次第に夜叉となる姿は、恐ろしくも妖艶で怪しげな雰囲気が漂っていました。そして物語は終盤へと差し掛かり、立ち合いでは、素早い面の早代わりと切れ味のいい立ち回りをみせていき、最初から最後まで一糸乱れぬ舞いを披露されていました。会場からはたくさんの拍手が沸き起こり、最後まで存分に楽しまれていました。
さて、今は競演だけではなく、秋祭りや奉納などいたる所で神楽が舞われてますね!!皆様はもういろんなところで神楽を満喫されてますでしょうか♪今はインフルエンザも流行ってきています、日中の気温も寒くなってきました、くれぐれも体調管理にはお気をつけて神楽を堪能してくださいね。
まず最初は、松原神楽団「四方祓い」です。
神楽が始まるにあたっては、欠かすことのできない演目。まず神一人が登場し、ゆっくりと舞い清めていきます。最初は弊だけを持ち、ゆったりと落ち着いた舞を見せ、次に扇子も加わって優雅に舞っていきます。そして、それぞれの方角を拝み神様をお招きし、いよいよ神楽が始まっていきます。
まず最初は、昨年優勝されました大塚神楽団「羅生門」です。
大江山シリーズの中篇の物語、渡辺綱により切り落とされた茨木童子の左の腕を酒呑童子が取り返しに行く物語ですね。始まってすぐ、酒呑童子達が白妙を襲うシーンから始まり一挙に観客の目を奪っていきます。また、綱の館に忍び込み腕を取り返す場面も見どころで、白妙に化けた酒呑童子が大暴れする場面は迫力満点。そして、立ち合いでもスピード感あふれる激しい立ち回りを披露。見せるところは見せ、そして舞うところはきっちりと舞う、優勝された実力をまじまじと見せていただきました。
さぁそして、今回の競演の最初を飾るのは、盤門神楽団「天神」です。
この演目は、あの学問の神様で有名な菅原道真のお話。左大臣藤原時平により、大宰府に流された菅原道真は死にいたった後、都に次々の災いをもたらしたという言い伝えを神楽化したものです。物語の最中には藤原時平と菅原道真が「梅は飛び 桜は枯るる 世の中に なにとて松は 情なかるらむ」「梅が枝に~…」と重なるように和歌を掛け合う場面があり、その場面はとても神秘的で印象に残る場面でした。そして、時平と道真の立ち合いでは、ゆっくりとしたテンポですがキレのある舞いを繰り広げていました。
そして、お次は西宗神楽団「桃太郎伝説」です。
桃から生まれた桃太郎でお馴染みの演目で西宗さんオリジナルの演目です。西宗さんはこの桃太郎伝説の神話をよく調べられており、神話と同様、吉備冠者の目に矢が射られる様子などはとても上手に再現されていました。また、そのときの面の早変わりも俊敏であっという間に鬼の面に変わっていき、お客様を大変喜ばせておられました。そして、立ち合いでもいきいきとした立ち回りと豪快なジャンプを繰り広げ、観客の心をしっかりと最後まで捕らえられておられました。
さて、次は敢闘賞を受賞されました松原神楽団「鍾馗」です。
鍾馗の舞ではずっしりと重みを感じる舞いでいかにも強く、邪気を弾き飛ばし退治してくれるようなそんな舞いでした。また口上でも覇気ある言葉で力強く、堂々たる雰囲気をかもし出していました。そして、疫神の登場では、じわじわと幕からの登場で、粘りのある舞い。しかし、立ち合いでは素早い動きを見せ、鍾馗に向かっていきました。また、疫神は鍾馗の持つ茅の輪で追い詰められていきますが、最後の最後まであがきをみせていました。幕を持ち、勢いよく襲い掛かる様子はとても恐ろしかったです。
そして、お次は特別出演の宮乃木神楽団「一条戻り橋」です。
この演目は先ほど最初の方で上演された羅生門の前の演目にあたり、夜な夜な悪事を働く茨木童子を源頼光の四天王の一人、渡辺綱が退治するお話。早速、茨木童子は綱をたぶらかそうと女へと化け、早々に綱を誘いだします。ここで見ものなのが茨木童子が、綱の背後で女から鬼へ、鬼から女へと姿を変える場面。今回もたくさんの方が驚かれていました。そして、女が茨木童子と気づいた綱は、一気に立ち合いへと進みます。途中坂田金時も加わっての立ち合いが繰り広げられ、茨木童子は逃してしまうも、左の腕を切り取っていました。
そして、お次は加計神楽保存会「天岩戸」です。
天照大神の弟、須佐男命が度重なる悪行を行ったため、それに腹を立てた天照大神が岩戸へとお隠れになってしまう。それを嘆き悲しんだ神々は再び天照大神を呼び戻そうと御神楽を奏で舞っていくお話。この演目は、たくさんある演目の中でもたくさんの神様が登場する演目ですね。天児屋根命・天太玉命・宇津女命・手力男命がそれぞれの役目を持ち順々にと舞っていきます。また、役によっては舞い方もそれぞれ違う舞いなので、その役の特徴ある舞いをひとつひとつ楽みながら見ることができました。
そしてお次は大森神楽団による「紅葉狩」です。
信州戸隠山に住む鬼女、更科姫を平維茂達が退治する物語。この演目は鬼女が三人も登場する煌びやかな演目で、見どころは三人息の合った面の早代わりですね。最初、更科姫たちは、鬼の姿で登場しますが、一度背を向け再びこちらを向き返れば美しい姫へと変身。変わる瞬間が全くわからなかったその業に観客はどよめいていました。また、平維茂達を取り喰らおうとする場面でも息の合った舞いと勢いよく鬼の姿へと変わっていく様子に、会場はとても盛り上がっていましたよ。
そしてお次は熱演賞を受賞した苅屋形神楽団による「塵輪」です。
中央の幕から怪しげな煙が立ち込めると、じわりじわりと塵倫が幕から登場。上下左右と動きながら、小刻みに舞っていきます。また時折、勢いよくぐるぐると回る所作を見せ、躍動感溢れる舞いを披露していました。そして、立ち合いの場面では、勢いよく襲ってくる塵輪に帯中津彦たちは弓と長刀で立ち向かっていきます。激しい接戦を繰り広げ、最後は舞台に設置された台に帯中津彦が登り、塵輪めがけ矢を射り、そして従者高丸は長刀を振りかざし、無事塵輪を退治されました。
そして、次に準優勝されました中川戸神楽団による「土蜘蛛」です。
中川戸さんは今回、団でも賞を受賞されましたが、個人でも胡蝶さんが受賞されていましたね。さぁ、その舞いですが、土蜘蛛が化けた胡蝶での熱演はとてもすばらしかったですね。いかにも怪しげなトーンで口上を言う様子は次第に緊張が走っていきます。また、頼光に毒の薬を渡した後次第に鬼の姿へと変わっていく様子も、ゆっくりとした動きとその際に鬼へと変わっていく姿に鳥肌が立ってしまいました。また、そして、頼光との立ち合いでも素早い立ち回りと切れのある舞いで観客を魅了してくださいました。
そしてお次は今回優勝されました三谷神楽団による「大江山」です。
皆さんご存知の通り、先ほども舞われました戻り橋・羅生門から続き、この物語が最後の物語となります。いよいよ酒呑童子等との最終決戦が始まります。そして、三谷さんの大江山とくれば、あのいい声の持ち主の酒呑童子さんですね。今回もまた、頼光たちとの問答でその声は炸裂していました。迫力満点の口上とどこか可愛らしさも感じられる言い回しっぷりに観客からは、拍手と笑いが沸き起こっていました。
最後を飾るのは特別出演の横田神楽団「滝夜叉姫」です。
早速、袖のほうから五月姫が登場すると客席から拍手が沸き起こっていました。そして、五月姫から滝夜叉姫と変わる場面で、貴船の妖術を授かり次第に夜叉となる姿は、恐ろしくも妖艶で怪しげな雰囲気が漂っていました。そして物語は終盤へと差し掛かり、立ち合いでは、素早い面の早代わりと切れ味のいい立ち回りをみせていき、最初から最後まで一糸乱れぬ舞いを披露されていました。会場からはたくさんの拍手が沸き起こり、最後まで存分に楽しまれていました。
さて、今は競演だけではなく、秋祭りや奉納などいたる所で神楽が舞われてますね!!皆様はもういろんなところで神楽を満喫されてますでしょうか♪今はインフルエンザも流行ってきています、日中の気温も寒くなってきました、くれぐれも体調管理にはお気をつけて神楽を堪能してくださいね。
2009,10,22 Thu 00:02
新着コメント
大変お待たせいたしました。先週の日曜日はつかいち文化ホールさくらぴあにおいて「第9回さくらぴあ神楽共演大会」が開催されました。大ホールでは、廿日市と湯来町の各神楽団の方達が激しい舞いを披露してくださいました。そして、小ホールの方では神楽展も開かており、どちらも多くのお客様で賑わっていました。それでは特派員報告を始めたいと思います。今回、写真を載せての報告ではありませんが、皆様にそのときの雰囲気などお届けできればと思います。それではどうぞ!
最初は吉和神楽団「四方祓い」
ゆったりとした六調子のお囃子が会場内に響き渡り、幕が大きく揺らされます。一句、神楽歌を聞いてから舞手さんが登場。五方を拝み、そして四方を祓い清める舞が淡々と続きました。見た目は地味かもしれませんが、神楽舞の面白さや魅力を存分に楽しむことができました。
水内神楽団「塵倫」
神二人と鬼一人、内容もシンプルな、いかにも旧舞!といった感じの演目ですね。まずは神の舞が始まります。よくそろった動きの中に、役柄の個性や地域の伝統などが垣間見れて、見ていて飽きません。そして塵倫のほうは、派手な動きで迫力を、というよりは、細かい動きで怖さを表現しておられるように感じました。動き自体は小さくても、その動かし方や前後の動作などでとても印象深い舞が出来上がるものなんでしょうね。江戸時代の天保年間から約200年の伝統を持つ水内神楽団さん。一つ一つの芸の積み重ねを大事にしておられるような、そんな印象を受ける上演でした。
次に大森神楽団による「大江山」です。
始め、お囃子と神楽歌が会場いっぱいに響き渡ると、中央の幕がゆっくり開き始めます。するとそこから現れたのは、源頼光率いる名の知れた面々が。源頼光・藤原保昌・渡辺綱・碓井貞光・卜部季武・坂田金時。会場は一気にどよめいていました。源頼光一派が全員揃っての登場は、なかなかお目にかかることはありません。とても驚きましたね。しかし、それだけでは驚いてはいけません。場面は酒呑童子たちとの立ち合いのところ。普段の大江山では茨木童子たちの後に酒呑童子の戦いが始まりますが、こちらでは酒呑童子の戦いから立ち合いは始まります。こちらも初めて見た方は驚かれるのではないでしょうか?また、立ち合いでも手の込んだ演出・熱演にしばし釘付けとなってしまいます。まだ、見られていない方は、ぜひ注目してご覧になられてはいいかがでしょうか。
吉和神楽団による「羅生門」です。
夜な夜な庶民を悩まし悪さを繰り返す茨木童子は、今宵も悪さをしようと怪しげに舞台へと登場してきます。そしてすぐさま姫にと化け、通り掛かった官女に傘と蜘蛛で襲い掛かります。するとそこへ勅命をうけた渡辺綱と出会い立ち合いが始まります。途中、頼光も参戦し、激しく戦います。両者一歩も譲らないバトルを繰り広げますが、最後は茨木童子の腕を切り落とします。腕を切り落とされた茨木童子は暴れ狂い再び襲いかかろうとします。しかし、綱たちに敵わず、斬りかかられてしまうその時!後の幕から酒呑童子が登場してきました。そして、茨木童子を庇うように前に立ちはだかり、茨木童子を連れゆっくりとその場を後ずさりながら姿を消していきました。いつも見る水化の妖術を使って勢いよく逃げていくのとはまた違った演出でとても新感覚でした。
そしてお次は玖島神楽団による「滝夜叉姫」です。
五月姫は父の無念を晴らすため滝夜叉姫となり、天下に災いをもたらしていました。そこで滝夜叉姫征伐の勅命をうけた大宅中将光圀が相馬城へと向かいます。すると、それを待ち構えていた滝夜叉姫は、蜘蛛の妖術を使い光圀を苦しめていきます。しかし、光圀は、陰陽の術でそれを撃ち破り、難を逃れついに戦いが始まっていきます。激しくも勢いよく手下を成敗すると滝夜叉姫は怒り、目にも留まらぬ速さで鬼に変わっていきました。そして、すぐさま滝夜叉姫との立ち合いへと進んでいきます。スピード感あふれる立ち合いでお囃子も加速していき、こちらの気持ちも徐々に高ぶっていきます。そして途中、滝夜叉姫もさらに大きな恐ろしい鬼となり、戦いもさらに激しい戦いへと進んでいきます。照明もオレンジへと変わり、さらなるスピードと熱を上げ会場を大いに沸かしてくださいました。
鹿之道神楽団「頼政」。
源頼政による鵺退治の物語です。鳴り響くのは六調子のお囃子、中でもどこか懐かしい感じの笛のメロディが印象的でした。そして頼政と家来の猪早太の二人による神舞が始まります。足先から手先まで一杯に伸ばしてしなやかに反らすような舞があったかと思えば、ぐっと腰を落として片足を伸ばし、できるだけ低い体勢になろうという舞もあり。山県舞の魅力をしっかりと見せていただきました。そして立ち合いでは、先ほどまで一匹だった鵺が二匹になって登場。これは珍しいなと思いました。衣装も着ぐるみといった感じで、石見神楽の「頼政」でたくさん登場するお猿さんを思わせるようでしたよ!しかし、残念ながら鹿之道神楽団さんは今年12月を持って活動休止されるそうです。いつの日か、またその伝統が復活されることを心よりお祈りしたいと思います。
原亥の子舞子連中「しめ口」と「弓」。
安芸十二神祇の神楽です。どちらも小さいお子さんが舞われました。まず「しめ口」ですが、長い竹ざおのような「恵比寿旗」と扇子を持った三人の舞手が登場し、四季の「言い立て」を朗詠しながら舞う演目です。とっても難しい言葉や言い回しもあったと思いますが、間違えることなく、実になめらかに歌われていました。「弓」は「五竜王(五神)」に登場する、末っ子の王子が登場し、兄たちに挑む武芸修行の演目だそうです。一人舞ですが、テンポのよい奏楽にのり、淡々と舞を繰り返していきます。どちらの演目も小さな舞手さんの登場に、会場からは暖かい声援が送られていました。立派に舞い終えた姿はとても頼もしかったですよ!
そしてお次は栗栖神楽団による「大江山」です。
源頼光たちは酒呑童子征伐のため山伏と変装し、大江山へと向かいます。そして、酒呑童子と出会うと早々本当の山伏かと疑われ、問答が始まっていきました。問答の最中は緊迫した雰囲気に包まれ、こちらは息が詰まってしまいそうでした。そして、物語は進み、問答が終わると宴会が始まります。酒呑童子は豪快に酒を飲み交わすと奥の間へと消えていきました。そして、それを合図に頼光たちは数珠を投げつけ切りかかっていきます。不意をつかれた酒呑童子は、怒り狂い勢いよく頼光に襲い掛かります。大暴れする酒呑童子に頼光も一歩も引くことなく立ち向かいます。メリハリのある立ち回りと躍動感ある舞いでどんどん立ち合いも激しくなり、会場の熱も増していきました。すると、お囃子も激しくなり、大太鼓の人も立ち上がり勢いが増していきました。会場はさらに熱気に包まれ、拍手も起こっていました。
そしてお次は浅原神楽団による「山姥」です。
源頼光率いる四天王の一人、坂田金時の物語ですね。まだ坂田金時という名前ではなく、怪童丸としてのお話。始め、お囃子が会場に響き初めると徐々に怪しげな雲が現れ、地面を覆い隠していきます。そして、そこから登場したのは怪童丸と山姥。不気味な雰囲気を持ちながら、ゆっくりと前へ進んでいきます。また、怪童丸の髪の色ですが、いつも見慣れている茶色の髪とは違い白い髪の色をしていました。舞いながら揺れる白い髪は、とても印象的で目を引きます。また、この演目で、他に目を引いてしまうのは、母山姥と子怪童丸との別れの場面です。これまでの生い立ちを語りつつ、立派に旅立っていく怪童丸を見据える山姥の姿はなにかこみ上げてくるものがありました。そして、名残惜しそうに怪童丸の名を呼び、別れを交わすところも、儚くて心に響くものがありましたね。
そしてお次は河津原神楽団による「鍾馗」です。
こちらの演目は広島の神楽というよりも石見神楽に近い感じを受けました。いわゆる浜田八調子のお囃子が鳴り響き、鍾馗が登場。堂々たる風貌を見せ、力強く舞っていきます。そして、物語も進み、ついに疫神も登場し立ち合いが始まります。鍾馗の持つ茅の輪を振りかざし、少しずつ疫神を追い詰めていきます。そして、疫神を茅の輪にかけ、えいっと剣を用いて疫神を退治していきました。しかし退治したと思ったのもつかの間、疫神は手をフルフルと動かし始め、再び息を吹き返し復活したではありませんか!?地を這い蹲りながらもしぶとく鍾馗に立ち向かい、再びバトルが始まります。しかし、鍾馗の用いる茅の輪に再び捕まり、今度は復活しないように疫神の首をバサリと切り落としました。鍾馗で首を切り落とす場面は初めて見たのでとても新鮮でした。
最後に下五原神楽団「滝夜叉」。
舞台は平将門の最期の場面から幕を開けます。平貞盛の放った矢が将門の額に命中。舞手さんと裏方さんの息の合った演出が光りました。そして五月姫の登場。はじめはまだ頼りなさげな感じですが、妖術を授かってからは一変。この辺りがこの演目のみならず、新舞の面白さの一つと言えますね。そしてこの後、一般的な「滝夜叉姫」とは少し変わった展開に。勅命を受けて自分を成敗しにやってきた大宅太郎光圀の前に現れ、里の娘と偽りたぶらかそうとする滝夜叉姫。まるで「紅葉狩」のような展開に、さてここからどうなるのか!?と目が離せませんでした。もちろん最後には平貞盛も加わり、壮絶な合戦が繰り広げられるのですが、この珍しい展開、まだご覧になったことのない方、機会がありましたらぜひ!
以上11演目の報告でした。
さて、ついに神楽シーズンも到来し、いたるところで神楽の上演が行われていますね。皆さまはもう楽しまれていますか^_^?まだ神楽シーズンも始まったばかり、どこに行こうか迷われてる方も多いですかね。まだまだ神楽シーズンは長いです!たくさん神楽を見て、楽しみましょう♪
最初は吉和神楽団「四方祓い」
ゆったりとした六調子のお囃子が会場内に響き渡り、幕が大きく揺らされます。一句、神楽歌を聞いてから舞手さんが登場。五方を拝み、そして四方を祓い清める舞が淡々と続きました。見た目は地味かもしれませんが、神楽舞の面白さや魅力を存分に楽しむことができました。
水内神楽団「塵倫」
神二人と鬼一人、内容もシンプルな、いかにも旧舞!といった感じの演目ですね。まずは神の舞が始まります。よくそろった動きの中に、役柄の個性や地域の伝統などが垣間見れて、見ていて飽きません。そして塵倫のほうは、派手な動きで迫力を、というよりは、細かい動きで怖さを表現しておられるように感じました。動き自体は小さくても、その動かし方や前後の動作などでとても印象深い舞が出来上がるものなんでしょうね。江戸時代の天保年間から約200年の伝統を持つ水内神楽団さん。一つ一つの芸の積み重ねを大事にしておられるような、そんな印象を受ける上演でした。
次に大森神楽団による「大江山」です。
始め、お囃子と神楽歌が会場いっぱいに響き渡ると、中央の幕がゆっくり開き始めます。するとそこから現れたのは、源頼光率いる名の知れた面々が。源頼光・藤原保昌・渡辺綱・碓井貞光・卜部季武・坂田金時。会場は一気にどよめいていました。源頼光一派が全員揃っての登場は、なかなかお目にかかることはありません。とても驚きましたね。しかし、それだけでは驚いてはいけません。場面は酒呑童子たちとの立ち合いのところ。普段の大江山では茨木童子たちの後に酒呑童子の戦いが始まりますが、こちらでは酒呑童子の戦いから立ち合いは始まります。こちらも初めて見た方は驚かれるのではないでしょうか?また、立ち合いでも手の込んだ演出・熱演にしばし釘付けとなってしまいます。まだ、見られていない方は、ぜひ注目してご覧になられてはいいかがでしょうか。
吉和神楽団による「羅生門」です。
夜な夜な庶民を悩まし悪さを繰り返す茨木童子は、今宵も悪さをしようと怪しげに舞台へと登場してきます。そしてすぐさま姫にと化け、通り掛かった官女に傘と蜘蛛で襲い掛かります。するとそこへ勅命をうけた渡辺綱と出会い立ち合いが始まります。途中、頼光も参戦し、激しく戦います。両者一歩も譲らないバトルを繰り広げますが、最後は茨木童子の腕を切り落とします。腕を切り落とされた茨木童子は暴れ狂い再び襲いかかろうとします。しかし、綱たちに敵わず、斬りかかられてしまうその時!後の幕から酒呑童子が登場してきました。そして、茨木童子を庇うように前に立ちはだかり、茨木童子を連れゆっくりとその場を後ずさりながら姿を消していきました。いつも見る水化の妖術を使って勢いよく逃げていくのとはまた違った演出でとても新感覚でした。
そしてお次は玖島神楽団による「滝夜叉姫」です。
五月姫は父の無念を晴らすため滝夜叉姫となり、天下に災いをもたらしていました。そこで滝夜叉姫征伐の勅命をうけた大宅中将光圀が相馬城へと向かいます。すると、それを待ち構えていた滝夜叉姫は、蜘蛛の妖術を使い光圀を苦しめていきます。しかし、光圀は、陰陽の術でそれを撃ち破り、難を逃れついに戦いが始まっていきます。激しくも勢いよく手下を成敗すると滝夜叉姫は怒り、目にも留まらぬ速さで鬼に変わっていきました。そして、すぐさま滝夜叉姫との立ち合いへと進んでいきます。スピード感あふれる立ち合いでお囃子も加速していき、こちらの気持ちも徐々に高ぶっていきます。そして途中、滝夜叉姫もさらに大きな恐ろしい鬼となり、戦いもさらに激しい戦いへと進んでいきます。照明もオレンジへと変わり、さらなるスピードと熱を上げ会場を大いに沸かしてくださいました。
鹿之道神楽団「頼政」。
源頼政による鵺退治の物語です。鳴り響くのは六調子のお囃子、中でもどこか懐かしい感じの笛のメロディが印象的でした。そして頼政と家来の猪早太の二人による神舞が始まります。足先から手先まで一杯に伸ばしてしなやかに反らすような舞があったかと思えば、ぐっと腰を落として片足を伸ばし、できるだけ低い体勢になろうという舞もあり。山県舞の魅力をしっかりと見せていただきました。そして立ち合いでは、先ほどまで一匹だった鵺が二匹になって登場。これは珍しいなと思いました。衣装も着ぐるみといった感じで、石見神楽の「頼政」でたくさん登場するお猿さんを思わせるようでしたよ!しかし、残念ながら鹿之道神楽団さんは今年12月を持って活動休止されるそうです。いつの日か、またその伝統が復活されることを心よりお祈りしたいと思います。
原亥の子舞子連中「しめ口」と「弓」。
安芸十二神祇の神楽です。どちらも小さいお子さんが舞われました。まず「しめ口」ですが、長い竹ざおのような「恵比寿旗」と扇子を持った三人の舞手が登場し、四季の「言い立て」を朗詠しながら舞う演目です。とっても難しい言葉や言い回しもあったと思いますが、間違えることなく、実になめらかに歌われていました。「弓」は「五竜王(五神)」に登場する、末っ子の王子が登場し、兄たちに挑む武芸修行の演目だそうです。一人舞ですが、テンポのよい奏楽にのり、淡々と舞を繰り返していきます。どちらの演目も小さな舞手さんの登場に、会場からは暖かい声援が送られていました。立派に舞い終えた姿はとても頼もしかったですよ!
そしてお次は栗栖神楽団による「大江山」です。
源頼光たちは酒呑童子征伐のため山伏と変装し、大江山へと向かいます。そして、酒呑童子と出会うと早々本当の山伏かと疑われ、問答が始まっていきました。問答の最中は緊迫した雰囲気に包まれ、こちらは息が詰まってしまいそうでした。そして、物語は進み、問答が終わると宴会が始まります。酒呑童子は豪快に酒を飲み交わすと奥の間へと消えていきました。そして、それを合図に頼光たちは数珠を投げつけ切りかかっていきます。不意をつかれた酒呑童子は、怒り狂い勢いよく頼光に襲い掛かります。大暴れする酒呑童子に頼光も一歩も引くことなく立ち向かいます。メリハリのある立ち回りと躍動感ある舞いでどんどん立ち合いも激しくなり、会場の熱も増していきました。すると、お囃子も激しくなり、大太鼓の人も立ち上がり勢いが増していきました。会場はさらに熱気に包まれ、拍手も起こっていました。
そしてお次は浅原神楽団による「山姥」です。
源頼光率いる四天王の一人、坂田金時の物語ですね。まだ坂田金時という名前ではなく、怪童丸としてのお話。始め、お囃子が会場に響き初めると徐々に怪しげな雲が現れ、地面を覆い隠していきます。そして、そこから登場したのは怪童丸と山姥。不気味な雰囲気を持ちながら、ゆっくりと前へ進んでいきます。また、怪童丸の髪の色ですが、いつも見慣れている茶色の髪とは違い白い髪の色をしていました。舞いながら揺れる白い髪は、とても印象的で目を引きます。また、この演目で、他に目を引いてしまうのは、母山姥と子怪童丸との別れの場面です。これまでの生い立ちを語りつつ、立派に旅立っていく怪童丸を見据える山姥の姿はなにかこみ上げてくるものがありました。そして、名残惜しそうに怪童丸の名を呼び、別れを交わすところも、儚くて心に響くものがありましたね。
そしてお次は河津原神楽団による「鍾馗」です。
こちらの演目は広島の神楽というよりも石見神楽に近い感じを受けました。いわゆる浜田八調子のお囃子が鳴り響き、鍾馗が登場。堂々たる風貌を見せ、力強く舞っていきます。そして、物語も進み、ついに疫神も登場し立ち合いが始まります。鍾馗の持つ茅の輪を振りかざし、少しずつ疫神を追い詰めていきます。そして、疫神を茅の輪にかけ、えいっと剣を用いて疫神を退治していきました。しかし退治したと思ったのもつかの間、疫神は手をフルフルと動かし始め、再び息を吹き返し復活したではありませんか!?地を這い蹲りながらもしぶとく鍾馗に立ち向かい、再びバトルが始まります。しかし、鍾馗の用いる茅の輪に再び捕まり、今度は復活しないように疫神の首をバサリと切り落としました。鍾馗で首を切り落とす場面は初めて見たのでとても新鮮でした。
最後に下五原神楽団「滝夜叉」。
舞台は平将門の最期の場面から幕を開けます。平貞盛の放った矢が将門の額に命中。舞手さんと裏方さんの息の合った演出が光りました。そして五月姫の登場。はじめはまだ頼りなさげな感じですが、妖術を授かってからは一変。この辺りがこの演目のみならず、新舞の面白さの一つと言えますね。そしてこの後、一般的な「滝夜叉姫」とは少し変わった展開に。勅命を受けて自分を成敗しにやってきた大宅太郎光圀の前に現れ、里の娘と偽りたぶらかそうとする滝夜叉姫。まるで「紅葉狩」のような展開に、さてここからどうなるのか!?と目が離せませんでした。もちろん最後には平貞盛も加わり、壮絶な合戦が繰り広げられるのですが、この珍しい展開、まだご覧になったことのない方、機会がありましたらぜひ!
以上11演目の報告でした。
さて、ついに神楽シーズンも到来し、いたるところで神楽の上演が行われていますね。皆さまはもう楽しまれていますか^_^?まだ神楽シーズンも始まったばかり、どこに行こうか迷われてる方も多いですかね。まだまだ神楽シーズンは長いです!たくさん神楽を見て、楽しみましょう♪
2009,10,01 Thu 00:55
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