皆様、お待たせいたしました。おおあさ鳴滝露天温泉神楽共演大会のその2をお送りしたいと思います。それではどうぞ!
まず最初は中川戸神楽団による「瀧夜叉姫」です。
父の仇を討つがため、鬼とならざる終えなかった五月姫。貴船明神から力を借り、だんだんと鬼となっていきます。そして姫征伐の勅命を受けた光圀たちとの戦いでは、長刀を持ち大暴れします。しかし、手下達が敗れたことに瀧夜叉姫の怒りは頂点へ向かい、さらに恐ろしい鬼となり心も鬼と化していきます。見ているこちらは恐怖感をも感じるようでした。そして、立ち合いもどんどん激しくなっていき、光圀たちは、瀧夜叉姫の妖術に悩まされます。しかし、ついには光圀の陰陽の霊術により鬼と化した瀧夜叉姫も次第に妖術が解けていきました。幣を顔にかざし、それをゆっくり退けると先ほど鬼であった顔もみるみるうちに人へと変わっていきます。とても手の込んだ演出に客席からはたくさんの拍手が巻き起こっていました。
そしてお次は宮乃木神楽団による「羅城門」です。
演目、戻り橋の続きのお話ですね。茨木童子の左の腕を切り落とされたことを知った酒呑童子。腕を取り返すべく、早速巧みな妖術を使い渡辺綱の乳母、白妙へと化けていきます。そして、綱のところに姿を現し、あの手その手を使いついに腕のあるところまでたどり着きます。すると次第に白妙から酒呑童子へと姿が変わり、恐ろしい雰囲気が漂っていきます。そしてついに、腕を取り返したところで綱たちとバトルが始まっていきました。次第にスピードも上がり、激しさが増していきます。荒々しくも力強い戦いに会場は熱気に溢れ、こちらの気持ちもどんどん高ぶっていくようでした。最後は酒呑童子たちが神通力を使って大江山へと逃げてしまいますが、先ほどの激しい戦いはとても見事な戦いでした。
そしてお次は上河内神楽団による「紅葉狩」です。
初め、鬼女たちは鬼の姿で登場するも、すぐさま美しい姫へと姿を変えていきます。そして、維茂たちを宴へと誘い込み、酒に酔わせていきます。徐々に平維茂たちが酔っていく様子を伺いながら、襲うその時を今か今かと待ちわびているようでした。また、その様子を表すかのように維茂たちの背後で一瞬だけ鬼の姿となる場面は毎回ドキッとしてしまいます。そして話は進み、維茂らは命を狙われるも八幡大菩薩に助けられ、いよいよ立ち合いが始まります。手下の赤蜘蛛、白蜘蛛と熱い戦いを繰り広げ、どんどん勢いに乗っていきます。そして、その勢いに乗ったままついに鬼女大王との戦い。今回、鬼の方の衣装が赤い衣装だったのですが、まさに炎のような赤い衣装と熱く燃え上がる戦いとがとても合致しており、見事な立ち合いだったと思いました。
そして最後は筏津神楽団による「八岐大蛇」です。
八番目の姫、櫛名田姫も大蛇に飲みとられてしまうところに須佐之男命が現れ、姫を助けるため大蛇退治を決意します。やがて怪しい雲が立ち込め、火を噴きながら次から次へと大蛇が登場。全部で八頭の大蛇が舞台いっぱいに暴れまくります。舞台と観客席の間はとても近いのでこちらまで押し寄せてきそうな勢いでした。また、プチ情報ですが、今回筏津さんが八頭も大蛇を登場させるのはとても久しぶりのことだそうです。実際に見に行かれた方々はとてもラッキーでしたね。さぁそして、物語は終盤に差し掛かり、いよいよ須佐之男命と大蛇の対決。火を噴き勢いよく襲い掛かってきたり、大蛇に取り囲まれるなどし、須佐之男命は苦戦をしいられていました。しかし、最後は力の差を見せ付け、見事大蛇をやっつけてくれました。
さて、今回の共演大会が今秋の初の大会で勢いよく神楽シーズンのスタートを切ってくれました。いよいよ神楽シーズン到来です!!今からはさまざまなところで大会が催されますね。舞われる団員さんも忙しくなりますが、ファンの方達も忙しくなりますね。最近は夜の風もだいぶ涼しくなってきました。舞う方も見る方も体調管理には気をつけて、たくさん神楽を楽しんでいきましょう♪
まず最初は中川戸神楽団による「瀧夜叉姫」です。
父の仇を討つがため、鬼とならざる終えなかった五月姫。貴船明神から力を借り、だんだんと鬼となっていきます。そして姫征伐の勅命を受けた光圀たちとの戦いでは、長刀を持ち大暴れします。しかし、手下達が敗れたことに瀧夜叉姫の怒りは頂点へ向かい、さらに恐ろしい鬼となり心も鬼と化していきます。見ているこちらは恐怖感をも感じるようでした。そして、立ち合いもどんどん激しくなっていき、光圀たちは、瀧夜叉姫の妖術に悩まされます。しかし、ついには光圀の陰陽の霊術により鬼と化した瀧夜叉姫も次第に妖術が解けていきました。幣を顔にかざし、それをゆっくり退けると先ほど鬼であった顔もみるみるうちに人へと変わっていきます。とても手の込んだ演出に客席からはたくさんの拍手が巻き起こっていました。
そしてお次は宮乃木神楽団による「羅城門」です。
演目、戻り橋の続きのお話ですね。茨木童子の左の腕を切り落とされたことを知った酒呑童子。腕を取り返すべく、早速巧みな妖術を使い渡辺綱の乳母、白妙へと化けていきます。そして、綱のところに姿を現し、あの手その手を使いついに腕のあるところまでたどり着きます。すると次第に白妙から酒呑童子へと姿が変わり、恐ろしい雰囲気が漂っていきます。そしてついに、腕を取り返したところで綱たちとバトルが始まっていきました。次第にスピードも上がり、激しさが増していきます。荒々しくも力強い戦いに会場は熱気に溢れ、こちらの気持ちもどんどん高ぶっていくようでした。最後は酒呑童子たちが神通力を使って大江山へと逃げてしまいますが、先ほどの激しい戦いはとても見事な戦いでした。
そしてお次は上河内神楽団による「紅葉狩」です。
初め、鬼女たちは鬼の姿で登場するも、すぐさま美しい姫へと姿を変えていきます。そして、維茂たちを宴へと誘い込み、酒に酔わせていきます。徐々に平維茂たちが酔っていく様子を伺いながら、襲うその時を今か今かと待ちわびているようでした。また、その様子を表すかのように維茂たちの背後で一瞬だけ鬼の姿となる場面は毎回ドキッとしてしまいます。そして話は進み、維茂らは命を狙われるも八幡大菩薩に助けられ、いよいよ立ち合いが始まります。手下の赤蜘蛛、白蜘蛛と熱い戦いを繰り広げ、どんどん勢いに乗っていきます。そして、その勢いに乗ったままついに鬼女大王との戦い。今回、鬼の方の衣装が赤い衣装だったのですが、まさに炎のような赤い衣装と熱く燃え上がる戦いとがとても合致しており、見事な立ち合いだったと思いました。
そして最後は筏津神楽団による「八岐大蛇」です。
八番目の姫、櫛名田姫も大蛇に飲みとられてしまうところに須佐之男命が現れ、姫を助けるため大蛇退治を決意します。やがて怪しい雲が立ち込め、火を噴きながら次から次へと大蛇が登場。全部で八頭の大蛇が舞台いっぱいに暴れまくります。舞台と観客席の間はとても近いのでこちらまで押し寄せてきそうな勢いでした。また、プチ情報ですが、今回筏津さんが八頭も大蛇を登場させるのはとても久しぶりのことだそうです。実際に見に行かれた方々はとてもラッキーでしたね。さぁそして、物語は終盤に差し掛かり、いよいよ須佐之男命と大蛇の対決。火を噴き勢いよく襲い掛かってきたり、大蛇に取り囲まれるなどし、須佐之男命は苦戦をしいられていました。しかし、最後は力の差を見せ付け、見事大蛇をやっつけてくれました。
さて、今回の共演大会が今秋の初の大会で勢いよく神楽シーズンのスタートを切ってくれました。いよいよ神楽シーズン到来です!!今からはさまざまなところで大会が催されますね。舞われる団員さんも忙しくなりますが、ファンの方達も忙しくなりますね。最近は夜の風もだいぶ涼しくなってきました。舞う方も見る方も体調管理には気をつけて、たくさん神楽を楽しんでいきましょう♪
2009,09,10 Thu 19:51
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9月5日土曜日、おおあさ鳴滝露天温泉において「第20回おおあさ鳴滝露天温泉神楽共演大会」が行われました。今年度はよい天候にみまわれ、また、去年ほど冷え込むこともなく楽しい神楽の時間を過ごすことができました。それでは特派員報告を始めたいと思います。
まず初めに舞われたのは大塚神楽団で「潮払い」です。
神楽を始めるためには、まず欠かすことのできない演目の一つですね。お囃子が会場いっぱいに響き始めると、一人の神が現れ厳かに始まっていきます。それぞれの方角を拝むなどし、ゆっくりと舞い進んでいきます。儀式舞いは他の演目のような派手さはなく、幣と扇子を持ってのシンプルな舞いですが、神楽の基本である舞法が取り入れられているので、じっくりよ~く見てみると神楽の深みが伝わってくると思います。
そして次に舞われたのは横田神楽団で「葛城山」です。
国を我が物にせんがため、土蜘蛛は侍女胡蝶と成り変り、床に伏している源頼光のもとへと秘かに詰め寄っていきます。そして、頼光に薬を手渡すと次第に怪しげな雲が舞台を埋め尽くし、胡蝶の声色もだんだんと深みのあるものへと変わってきます。このときの場面は、怪しげな雰囲気といつ鬼に変わるのかという気持ちでワクワクしてしまいますよね。そして、ついにその瞬間。毒でさらに弱った頼光を確かめると一瞬にして鬼の姿へと変身。会場からはその早業に一気にどよめきと拍手が沸き起こっていました。鬼となった土蜘蛛はさらに大暴れし手傷を負ってしまうも大奮闘されていらっしゃいました。
そして次に舞われたのは津浪神楽団による「大楠公」です。
この物語は、楠木正成が湊川で足利軍勢を迎え撃つという物語。こちらの演目、足利軍勢との合戦も見所ですが、桜井の役で我が子、正行との別れ惜しむ場面もまた見所の一つです。正成と正行が別れを惜しむ姿と片隅でそれを見守り、悲しむ正季の姿はいつ見てもこちらまで胸が苦しくなってしまいます。そして、別れた後は足利軍勢等との立ち合い。刀と刀がぶつかり合い火花を散らしての激しい立ち合いが始まります。また途中では、楠木正成達は足をすくわれ足利軍勢が有利な体勢となる場面もあるなど、ハラハラ、ドキドキなところもありました。しかし、無事足利軍勢を成敗することができ、客席からは拍手が沸き起こりました。
さぁ、そしてお次は大塚神楽団による「日本武尊」です。
この物語は日本武尊が熊襲の一族を討ち取った後の話となり、東国鎮圧へと向かうところ、駿河の国の賊と出くわし焼き討ちされそうになります。しかし、神剣の威徳により難を逃れ、賊を成敗する物語となっています。ところが、日本武尊達を倒そうとする賊の方達、ちょっとお茶目。兄ぎし弟ぎしが笑わせてくれます。そして、最後は敵となる日本武尊達も巻き込んでしまうありさま。もう笑い、笑いの連続でしたね。さぁそして、気を取り直しての立ち合い。舞台は火の海と化し、巻き上がる炎のように熱いバトルが繰り広げられていきました。そして、兄ぎし弟ぎしが成敗され、いよいよ賊首が登場し立ち合い…となるはずだったのですが、なぜか登場してすぐにバサリと日本武尊に切られ数十秒で最後を遂げられてしましました。まさか、最後の最後まで笑わせてくれるとは思いませんでした(笑)
以上、まずは前半の4演目をお送りいたしました。また、この続きはおおあさ鳴滝露天温泉神楽共演大会その2でお送りしたいと思います。その2もお楽しみに☆
まず初めに舞われたのは大塚神楽団で「潮払い」です。
神楽を始めるためには、まず欠かすことのできない演目の一つですね。お囃子が会場いっぱいに響き始めると、一人の神が現れ厳かに始まっていきます。それぞれの方角を拝むなどし、ゆっくりと舞い進んでいきます。儀式舞いは他の演目のような派手さはなく、幣と扇子を持ってのシンプルな舞いですが、神楽の基本である舞法が取り入れられているので、じっくりよ~く見てみると神楽の深みが伝わってくると思います。
そして次に舞われたのは横田神楽団で「葛城山」です。
国を我が物にせんがため、土蜘蛛は侍女胡蝶と成り変り、床に伏している源頼光のもとへと秘かに詰め寄っていきます。そして、頼光に薬を手渡すと次第に怪しげな雲が舞台を埋め尽くし、胡蝶の声色もだんだんと深みのあるものへと変わってきます。このときの場面は、怪しげな雰囲気といつ鬼に変わるのかという気持ちでワクワクしてしまいますよね。そして、ついにその瞬間。毒でさらに弱った頼光を確かめると一瞬にして鬼の姿へと変身。会場からはその早業に一気にどよめきと拍手が沸き起こっていました。鬼となった土蜘蛛はさらに大暴れし手傷を負ってしまうも大奮闘されていらっしゃいました。
そして次に舞われたのは津浪神楽団による「大楠公」です。
この物語は、楠木正成が湊川で足利軍勢を迎え撃つという物語。こちらの演目、足利軍勢との合戦も見所ですが、桜井の役で我が子、正行との別れ惜しむ場面もまた見所の一つです。正成と正行が別れを惜しむ姿と片隅でそれを見守り、悲しむ正季の姿はいつ見てもこちらまで胸が苦しくなってしまいます。そして、別れた後は足利軍勢等との立ち合い。刀と刀がぶつかり合い火花を散らしての激しい立ち合いが始まります。また途中では、楠木正成達は足をすくわれ足利軍勢が有利な体勢となる場面もあるなど、ハラハラ、ドキドキなところもありました。しかし、無事足利軍勢を成敗することができ、客席からは拍手が沸き起こりました。
さぁ、そしてお次は大塚神楽団による「日本武尊」です。
この物語は日本武尊が熊襲の一族を討ち取った後の話となり、東国鎮圧へと向かうところ、駿河の国の賊と出くわし焼き討ちされそうになります。しかし、神剣の威徳により難を逃れ、賊を成敗する物語となっています。ところが、日本武尊達を倒そうとする賊の方達、ちょっとお茶目。兄ぎし弟ぎしが笑わせてくれます。そして、最後は敵となる日本武尊達も巻き込んでしまうありさま。もう笑い、笑いの連続でしたね。さぁそして、気を取り直しての立ち合い。舞台は火の海と化し、巻き上がる炎のように熱いバトルが繰り広げられていきました。そして、兄ぎし弟ぎしが成敗され、いよいよ賊首が登場し立ち合い…となるはずだったのですが、なぜか登場してすぐにバサリと日本武尊に切られ数十秒で最後を遂げられてしましました。まさか、最後の最後まで笑わせてくれるとは思いませんでした(笑)
以上、まずは前半の4演目をお送りいたしました。また、この続きはおおあさ鳴滝露天温泉神楽共演大会その2でお送りしたいと思います。その2もお楽しみに☆
2009,09,08 Tue 19:22
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8月31日月曜日、広島市のALSOKホールにおいて「ひろしま夏の芸術祭 メインコンサート オロチ」が開催されました。世界史上初となる神楽とオーケストラによるコラボレーション公演。どういった演出となったか気になった方も多いと思います。それでは早速、報告したいと思います。
まず最初は、コラボ上演の前に山王神楽団による第一部「滝夜叉姫」が上演されました。
薄暗くされた会場で貴船神社から妖術を授かるところから始まり、どんどん物語りは進んでいきます。そして、場面は、大宅中将光國たちとの立ち合いの場面。手下の蜘蛛丸、夜叉丸と激しい立ち合いを繰り広げた後、ついに鬼と化した滝夜叉姫との立ち合いです。しばし熱い戦いを繰り広げると、滝夜叉姫は一瞬白い煙のなかへ消え、さらに大きな鬼と化し登場してきました。そして、光圀たちとさらに激しくヒートアップした立ち合いで観客を魅了してきます。そして、最後の妖術が解けていく場面では、瞬時に元の姿へと変わっていく様子に観客はどよめきが起こっていました。また、上演終了直後、会場は、割れんばかりの大きな拍手で包まれました。
第二部「オロチ~火と水への讃歌~神楽とオーケストラのために」。伝統芸能の神楽と、広島交響楽団によるオーケストラ、この二つが組み合わさったステージがついに始まりました。この上演はあくまでもコラボレーションということで、神楽でお馴染みの物語にいくつかの要素が盛り込まれていました。まず感じたのは、今回登場する「オロチ」は神楽で描かれる怪物=完全な悪役ではなく、荒ぶる神として扱われていたという点。パンフレットを参照させていただくと、今回のコラボは雄大な中国山地を源として、永遠に繰り返してきた「生命の営み」を讃えるもの、ということです。いつもなら須佐之男命に首を切り落とされてしまう大蛇が、御幣で鎮められるという演出になっていました。そして神楽では見られないもう一つの見せ場がクライマックス。須佐之男命が手に入れた天叢雲剣を、姉である天照大神に捧げるという場面。言葉では語られるので、もちろんファンのみなさんもよくご存知かと思いますが、初めてその場面を目にした時はやはり新鮮な気持ちになりましたね。さらに、眩いばかりに輝く天照大神が静かに舞うところに登場したのは、なんと八岐大蛇。これも今回のコラボならではの演出で非常に興味深いものでした。
そして今回の奏楽は、神楽のお囃子だけの時、オーケストラだけの時、そしてその二つの協奏の時というものでした。神楽を見慣れているみなさんからすると、「やっぱりお囃子の時がしっくりくるなぁ」と思われた方が多かったのではないでしょうか。様々な楽器で壮大なスケールを感じさせるオーケストラ、それを聞きながらのお馴染みの神楽舞は、どこか不思議で新鮮な感じがしました。そこに聴き慣れた笛の音が混ざり始め、小太鼓と手打ち鐘がトッコトッコとリズムを刻み、最後に大太鼓が加わり、オーケストラにとって変わる場面などは、神楽ファンのみなさんからすればワクワクしながら聴くことができたように思います。そんな迫力ある場面よりも印象的だったのが、奇稲田姫の場面です。七人目の姫が大蛇に呑み取られ、ステージには姫が手にしていた赤い布だけが残されていました。そのまわりを神楽の笛の方が歩き始め、神楽囃子ではない音色を奏でられました。そこに奇稲田姫が登場し、同じようにまわりながら舞われたんですが、ここも神楽にはないオリジナルの面白さを感じることができました。
神楽とオーケストラ。今回史上初のコラボレーションを拝見することができました。このコラボが実現したのは、この地域の神楽が、他のどんな神楽よりも進化したものだからと思います。出雲から石見へ、そして芸北~広島へ。六調子から八調子へ、さらに現代人に受け入れられやすい音楽感覚へ。大蛇の蛇胴も、最初から今の形ではなく、明治時代に浜田で提灯にヒントを得た蛇胴が開発され、これが多くの人に受け入れられて現在に至っています。八百万の神々を讃え、そして人々を魅了し続けてきた伝統芸能「神楽」は、近年は舞台芸術としての可能性を秘めて進化しているのはみなさんも周知の通りです。その神楽の進化における、一つの大きな通過点が今回の上演だったように思います。しかし忘れてはならないのは、神楽は神楽であるということ、そして時代の流れにとらわれず、伝えられた伝統を残そうと日々尽力されている方がいるということです。今回の上演を見ても、陰陽五行思想を思わせる舞台演出があったり、コラボだからと言って舞の作法がメチャクチャに…ということもなく、「神楽」を感じるところは多くあったように思いました。あくまでもコラボですので、この上演について「神楽がどうのこうの」と書いてもちょっとズレているかもしれませんが、神楽を応援している者の一人として、嬉しく感じるところがあったのは確かです。この地域に伝わる「伝統を守る舞」、そして新しい時代に対応する「創作的な舞」。この二つが欠けることなく伝承され、そしてより多くの方に見てもらいたい。そんな思いを改めて強く感じた今回のイベントでした。
また、今回の催しで神楽に初めて触れた方もおられたでしょう。そういったみなさんにも神楽に興味を持っていただいて、神楽にハマっていってほしいですね。ということで今回は特派員報告も初のコラボでお送りしました(笑) NとY、二人の記事が入り混じったものでしたが…みなさんおわかりになりました??いよいよ今年も神楽シーズンが始まりますね!これからもよろしくお願いします。
まず最初は、コラボ上演の前に山王神楽団による第一部「滝夜叉姫」が上演されました。
薄暗くされた会場で貴船神社から妖術を授かるところから始まり、どんどん物語りは進んでいきます。そして、場面は、大宅中将光國たちとの立ち合いの場面。手下の蜘蛛丸、夜叉丸と激しい立ち合いを繰り広げた後、ついに鬼と化した滝夜叉姫との立ち合いです。しばし熱い戦いを繰り広げると、滝夜叉姫は一瞬白い煙のなかへ消え、さらに大きな鬼と化し登場してきました。そして、光圀たちとさらに激しくヒートアップした立ち合いで観客を魅了してきます。そして、最後の妖術が解けていく場面では、瞬時に元の姿へと変わっていく様子に観客はどよめきが起こっていました。また、上演終了直後、会場は、割れんばかりの大きな拍手で包まれました。
第二部「オロチ~火と水への讃歌~神楽とオーケストラのために」。伝統芸能の神楽と、広島交響楽団によるオーケストラ、この二つが組み合わさったステージがついに始まりました。この上演はあくまでもコラボレーションということで、神楽でお馴染みの物語にいくつかの要素が盛り込まれていました。まず感じたのは、今回登場する「オロチ」は神楽で描かれる怪物=完全な悪役ではなく、荒ぶる神として扱われていたという点。パンフレットを参照させていただくと、今回のコラボは雄大な中国山地を源として、永遠に繰り返してきた「生命の営み」を讃えるもの、ということです。いつもなら須佐之男命に首を切り落とされてしまう大蛇が、御幣で鎮められるという演出になっていました。そして神楽では見られないもう一つの見せ場がクライマックス。須佐之男命が手に入れた天叢雲剣を、姉である天照大神に捧げるという場面。言葉では語られるので、もちろんファンのみなさんもよくご存知かと思いますが、初めてその場面を目にした時はやはり新鮮な気持ちになりましたね。さらに、眩いばかりに輝く天照大神が静かに舞うところに登場したのは、なんと八岐大蛇。これも今回のコラボならではの演出で非常に興味深いものでした。
そして今回の奏楽は、神楽のお囃子だけの時、オーケストラだけの時、そしてその二つの協奏の時というものでした。神楽を見慣れているみなさんからすると、「やっぱりお囃子の時がしっくりくるなぁ」と思われた方が多かったのではないでしょうか。様々な楽器で壮大なスケールを感じさせるオーケストラ、それを聞きながらのお馴染みの神楽舞は、どこか不思議で新鮮な感じがしました。そこに聴き慣れた笛の音が混ざり始め、小太鼓と手打ち鐘がトッコトッコとリズムを刻み、最後に大太鼓が加わり、オーケストラにとって変わる場面などは、神楽ファンのみなさんからすればワクワクしながら聴くことができたように思います。そんな迫力ある場面よりも印象的だったのが、奇稲田姫の場面です。七人目の姫が大蛇に呑み取られ、ステージには姫が手にしていた赤い布だけが残されていました。そのまわりを神楽の笛の方が歩き始め、神楽囃子ではない音色を奏でられました。そこに奇稲田姫が登場し、同じようにまわりながら舞われたんですが、ここも神楽にはないオリジナルの面白さを感じることができました。
神楽とオーケストラ。今回史上初のコラボレーションを拝見することができました。このコラボが実現したのは、この地域の神楽が、他のどんな神楽よりも進化したものだからと思います。出雲から石見へ、そして芸北~広島へ。六調子から八調子へ、さらに現代人に受け入れられやすい音楽感覚へ。大蛇の蛇胴も、最初から今の形ではなく、明治時代に浜田で提灯にヒントを得た蛇胴が開発され、これが多くの人に受け入れられて現在に至っています。八百万の神々を讃え、そして人々を魅了し続けてきた伝統芸能「神楽」は、近年は舞台芸術としての可能性を秘めて進化しているのはみなさんも周知の通りです。その神楽の進化における、一つの大きな通過点が今回の上演だったように思います。しかし忘れてはならないのは、神楽は神楽であるということ、そして時代の流れにとらわれず、伝えられた伝統を残そうと日々尽力されている方がいるということです。今回の上演を見ても、陰陽五行思想を思わせる舞台演出があったり、コラボだからと言って舞の作法がメチャクチャに…ということもなく、「神楽」を感じるところは多くあったように思いました。あくまでもコラボですので、この上演について「神楽がどうのこうの」と書いてもちょっとズレているかもしれませんが、神楽を応援している者の一人として、嬉しく感じるところがあったのは確かです。この地域に伝わる「伝統を守る舞」、そして新しい時代に対応する「創作的な舞」。この二つが欠けることなく伝承され、そしてより多くの方に見てもらいたい。そんな思いを改めて強く感じた今回のイベントでした。
また、今回の催しで神楽に初めて触れた方もおられたでしょう。そういったみなさんにも神楽に興味を持っていただいて、神楽にハマっていってほしいですね。ということで今回は特派員報告も初のコラボでお送りしました(笑) NとY、二人の記事が入り混じったものでしたが…みなさんおわかりになりました??いよいよ今年も神楽シーズンが始まりますね!これからもよろしくお願いします。
2009,09,03 Thu 22:25
新着コメント
神楽ファンですさん、コメントありがとうございます。
神楽としての見ると、物語が少しよくわからない部分もあったかと思います。
その辺はパンフレットをしっかり参照されるとおわかりになりますよね。
初のコラボで注目度も高かったと思いますが、本当に新鮮なものでしたね!
またコメントお願いします。
神楽としての見ると、物語が少しよくわからない部分もあったかと思います。
その辺はパンフレットをしっかり参照されるとおわかりになりますよね。
初のコラボで注目度も高かったと思いますが、本当に新鮮なものでしたね!
またコメントお願いします。
| 特派員Y | EMAIL | URL | 09/09/04 22:40 | jH.jJyWA |
最初、オーケストラと神楽のコラボと聞いて??????
チケットが手に入りやすい価格でしたので、取り敢えず見ておこうとチケットを購入し当日会場へ
満員のお客さんにびっくり!
オーケストラの迫力にびっくり!
案外「神楽」と「オーケストラ」の響きがマッチしていたのにびっくり!
感想は・・・・・・・・・
んー・・・・・・・・・
パンフレットに制作イメージや思いが書いてありましたので、なんとなくわかったような?????
不思議な感じで会場をあとにしました。
神楽を演じられた皆さん、練習大変だったとお察しします。
チケットが手に入りやすい価格でしたので、取り敢えず見ておこうとチケットを購入し当日会場へ
満員のお客さんにびっくり!
オーケストラの迫力にびっくり!
案外「神楽」と「オーケストラ」の響きがマッチしていたのにびっくり!
感想は・・・・・・・・・
んー・・・・・・・・・
パンフレットに制作イメージや思いが書いてありましたので、なんとなくわかったような?????
不思議な感じで会場をあとにしました。
神楽を演じられた皆さん、練習大変だったとお察しします。
| 神楽ファンです | EMAIL | URL | 09/09/04 13:00 | tTBCbx1A |