8月31日月曜日、広島市のALSOKホールにおいて「ひろしま夏の芸術祭 メインコンサート オロチ」が開催されました。世界史上初となる神楽とオーケストラによるコラボレーション公演。どういった演出となったか気になった方も多いと思います。それでは早速、報告したいと思います。
まず最初は、コラボ上演の前に山王神楽団による第一部「滝夜叉姫」が上演されました。
薄暗くされた会場で貴船神社から妖術を授かるところから始まり、どんどん物語りは進んでいきます。そして、場面は、大宅中将光國たちとの立ち合いの場面。手下の蜘蛛丸、夜叉丸と激しい立ち合いを繰り広げた後、ついに鬼と化した滝夜叉姫との立ち合いです。しばし熱い戦いを繰り広げると、滝夜叉姫は一瞬白い煙のなかへ消え、さらに大きな鬼と化し登場してきました。そして、光圀たちとさらに激しくヒートアップした立ち合いで観客を魅了してきます。そして、最後の妖術が解けていく場面では、瞬時に元の姿へと変わっていく様子に観客はどよめきが起こっていました。また、上演終了直後、会場は、割れんばかりの大きな拍手で包まれました。
第二部「オロチ~火と水への讃歌~神楽とオーケストラのために」。伝統芸能の神楽と、広島交響楽団によるオーケストラ、この二つが組み合わさったステージがついに始まりました。この上演はあくまでもコラボレーションということで、神楽でお馴染みの物語にいくつかの要素が盛り込まれていました。まず感じたのは、今回登場する「オロチ」は神楽で描かれる怪物=完全な悪役ではなく、荒ぶる神として扱われていたという点。パンフレットを参照させていただくと、今回のコラボは雄大な中国山地を源として、永遠に繰り返してきた「生命の営み」を讃えるもの、ということです。いつもなら須佐之男命に首を切り落とされてしまう大蛇が、御幣で鎮められるという演出になっていました。そして神楽では見られないもう一つの見せ場がクライマックス。須佐之男命が手に入れた天叢雲剣を、姉である天照大神に捧げるという場面。言葉では語られるので、もちろんファンのみなさんもよくご存知かと思いますが、初めてその場面を目にした時はやはり新鮮な気持ちになりましたね。さらに、眩いばかりに輝く天照大神が静かに舞うところに登場したのは、なんと八岐大蛇。これも今回のコラボならではの演出で非常に興味深いものでした。
そして今回の奏楽は、神楽のお囃子だけの時、オーケストラだけの時、そしてその二つの協奏の時というものでした。神楽を見慣れているみなさんからすると、「やっぱりお囃子の時がしっくりくるなぁ」と思われた方が多かったのではないでしょうか。様々な楽器で壮大なスケールを感じさせるオーケストラ、それを聞きながらのお馴染みの神楽舞は、どこか不思議で新鮮な感じがしました。そこに聴き慣れた笛の音が混ざり始め、小太鼓と手打ち鐘がトッコトッコとリズムを刻み、最後に大太鼓が加わり、オーケストラにとって変わる場面などは、神楽ファンのみなさんからすればワクワクしながら聴くことができたように思います。そんな迫力ある場面よりも印象的だったのが、奇稲田姫の場面です。七人目の姫が大蛇に呑み取られ、ステージには姫が手にしていた赤い布だけが残されていました。そのまわりを神楽の笛の方が歩き始め、神楽囃子ではない音色を奏でられました。そこに奇稲田姫が登場し、同じようにまわりながら舞われたんですが、ここも神楽にはないオリジナルの面白さを感じることができました。
神楽とオーケストラ。今回史上初のコラボレーションを拝見することができました。このコラボが実現したのは、この地域の神楽が、他のどんな神楽よりも進化したものだからと思います。出雲から石見へ、そして芸北~広島へ。六調子から八調子へ、さらに現代人に受け入れられやすい音楽感覚へ。大蛇の蛇胴も、最初から今の形ではなく、明治時代に浜田で提灯にヒントを得た蛇胴が開発され、これが多くの人に受け入れられて現在に至っています。八百万の神々を讃え、そして人々を魅了し続けてきた伝統芸能「神楽」は、近年は舞台芸術としての可能性を秘めて進化しているのはみなさんも周知の通りです。その神楽の進化における、一つの大きな通過点が今回の上演だったように思います。しかし忘れてはならないのは、神楽は神楽であるということ、そして時代の流れにとらわれず、伝えられた伝統を残そうと日々尽力されている方がいるということです。今回の上演を見ても、陰陽五行思想を思わせる舞台演出があったり、コラボだからと言って舞の作法がメチャクチャに…ということもなく、「神楽」を感じるところは多くあったように思いました。あくまでもコラボですので、この上演について「神楽がどうのこうの」と書いてもちょっとズレているかもしれませんが、神楽を応援している者の一人として、嬉しく感じるところがあったのは確かです。この地域に伝わる「伝統を守る舞」、そして新しい時代に対応する「創作的な舞」。この二つが欠けることなく伝承され、そしてより多くの方に見てもらいたい。そんな思いを改めて強く感じた今回のイベントでした。
また、今回の催しで神楽に初めて触れた方もおられたでしょう。そういったみなさんにも神楽に興味を持っていただいて、神楽にハマっていってほしいですね。ということで今回は特派員報告も初のコラボでお送りしました(笑) NとY、二人の記事が入り混じったものでしたが…みなさんおわかりになりました??いよいよ今年も神楽シーズンが始まりますね!これからもよろしくお願いします。
まず最初は、コラボ上演の前に山王神楽団による第一部「滝夜叉姫」が上演されました。
薄暗くされた会場で貴船神社から妖術を授かるところから始まり、どんどん物語りは進んでいきます。そして、場面は、大宅中将光國たちとの立ち合いの場面。手下の蜘蛛丸、夜叉丸と激しい立ち合いを繰り広げた後、ついに鬼と化した滝夜叉姫との立ち合いです。しばし熱い戦いを繰り広げると、滝夜叉姫は一瞬白い煙のなかへ消え、さらに大きな鬼と化し登場してきました。そして、光圀たちとさらに激しくヒートアップした立ち合いで観客を魅了してきます。そして、最後の妖術が解けていく場面では、瞬時に元の姿へと変わっていく様子に観客はどよめきが起こっていました。また、上演終了直後、会場は、割れんばかりの大きな拍手で包まれました。
第二部「オロチ~火と水への讃歌~神楽とオーケストラのために」。伝統芸能の神楽と、広島交響楽団によるオーケストラ、この二つが組み合わさったステージがついに始まりました。この上演はあくまでもコラボレーションということで、神楽でお馴染みの物語にいくつかの要素が盛り込まれていました。まず感じたのは、今回登場する「オロチ」は神楽で描かれる怪物=完全な悪役ではなく、荒ぶる神として扱われていたという点。パンフレットを参照させていただくと、今回のコラボは雄大な中国山地を源として、永遠に繰り返してきた「生命の営み」を讃えるもの、ということです。いつもなら須佐之男命に首を切り落とされてしまう大蛇が、御幣で鎮められるという演出になっていました。そして神楽では見られないもう一つの見せ場がクライマックス。須佐之男命が手に入れた天叢雲剣を、姉である天照大神に捧げるという場面。言葉では語られるので、もちろんファンのみなさんもよくご存知かと思いますが、初めてその場面を目にした時はやはり新鮮な気持ちになりましたね。さらに、眩いばかりに輝く天照大神が静かに舞うところに登場したのは、なんと八岐大蛇。これも今回のコラボならではの演出で非常に興味深いものでした。
そして今回の奏楽は、神楽のお囃子だけの時、オーケストラだけの時、そしてその二つの協奏の時というものでした。神楽を見慣れているみなさんからすると、「やっぱりお囃子の時がしっくりくるなぁ」と思われた方が多かったのではないでしょうか。様々な楽器で壮大なスケールを感じさせるオーケストラ、それを聞きながらのお馴染みの神楽舞は、どこか不思議で新鮮な感じがしました。そこに聴き慣れた笛の音が混ざり始め、小太鼓と手打ち鐘がトッコトッコとリズムを刻み、最後に大太鼓が加わり、オーケストラにとって変わる場面などは、神楽ファンのみなさんからすればワクワクしながら聴くことができたように思います。そんな迫力ある場面よりも印象的だったのが、奇稲田姫の場面です。七人目の姫が大蛇に呑み取られ、ステージには姫が手にしていた赤い布だけが残されていました。そのまわりを神楽の笛の方が歩き始め、神楽囃子ではない音色を奏でられました。そこに奇稲田姫が登場し、同じようにまわりながら舞われたんですが、ここも神楽にはないオリジナルの面白さを感じることができました。
神楽とオーケストラ。今回史上初のコラボレーションを拝見することができました。このコラボが実現したのは、この地域の神楽が、他のどんな神楽よりも進化したものだからと思います。出雲から石見へ、そして芸北~広島へ。六調子から八調子へ、さらに現代人に受け入れられやすい音楽感覚へ。大蛇の蛇胴も、最初から今の形ではなく、明治時代に浜田で提灯にヒントを得た蛇胴が開発され、これが多くの人に受け入れられて現在に至っています。八百万の神々を讃え、そして人々を魅了し続けてきた伝統芸能「神楽」は、近年は舞台芸術としての可能性を秘めて進化しているのはみなさんも周知の通りです。その神楽の進化における、一つの大きな通過点が今回の上演だったように思います。しかし忘れてはならないのは、神楽は神楽であるということ、そして時代の流れにとらわれず、伝えられた伝統を残そうと日々尽力されている方がいるということです。今回の上演を見ても、陰陽五行思想を思わせる舞台演出があったり、コラボだからと言って舞の作法がメチャクチャに…ということもなく、「神楽」を感じるところは多くあったように思いました。あくまでもコラボですので、この上演について「神楽がどうのこうの」と書いてもちょっとズレているかもしれませんが、神楽を応援している者の一人として、嬉しく感じるところがあったのは確かです。この地域に伝わる「伝統を守る舞」、そして新しい時代に対応する「創作的な舞」。この二つが欠けることなく伝承され、そしてより多くの方に見てもらいたい。そんな思いを改めて強く感じた今回のイベントでした。
また、今回の催しで神楽に初めて触れた方もおられたでしょう。そういったみなさんにも神楽に興味を持っていただいて、神楽にハマっていってほしいですね。ということで今回は特派員報告も初のコラボでお送りしました(笑) NとY、二人の記事が入り混じったものでしたが…みなさんおわかりになりました??いよいよ今年も神楽シーズンが始まりますね!これからもよろしくお願いします。
2009,09,03 Thu 22:25
新着コメント
神楽ファンですさん、コメントありがとうございます。
神楽としての見ると、物語が少しよくわからない部分もあったかと思います。
その辺はパンフレットをしっかり参照されるとおわかりになりますよね。
初のコラボで注目度も高かったと思いますが、本当に新鮮なものでしたね!
またコメントお願いします。
神楽としての見ると、物語が少しよくわからない部分もあったかと思います。
その辺はパンフレットをしっかり参照されるとおわかりになりますよね。
初のコラボで注目度も高かったと思いますが、本当に新鮮なものでしたね!
またコメントお願いします。
| 特派員Y | EMAIL | URL | 09/09/04 22:40 | jH.jJyWA |
最初、オーケストラと神楽のコラボと聞いて??????
チケットが手に入りやすい価格でしたので、取り敢えず見ておこうとチケットを購入し当日会場へ
満員のお客さんにびっくり!
オーケストラの迫力にびっくり!
案外「神楽」と「オーケストラ」の響きがマッチしていたのにびっくり!
感想は・・・・・・・・・
んー・・・・・・・・・
パンフレットに制作イメージや思いが書いてありましたので、なんとなくわかったような?????
不思議な感じで会場をあとにしました。
神楽を演じられた皆さん、練習大変だったとお察しします。
チケットが手に入りやすい価格でしたので、取り敢えず見ておこうとチケットを購入し当日会場へ
満員のお客さんにびっくり!
オーケストラの迫力にびっくり!
案外「神楽」と「オーケストラ」の響きがマッチしていたのにびっくり!
感想は・・・・・・・・・
んー・・・・・・・・・
パンフレットに制作イメージや思いが書いてありましたので、なんとなくわかったような?????
不思議な感じで会場をあとにしました。
神楽を演じられた皆さん、練習大変だったとお察しします。
| 神楽ファンです | EMAIL | URL | 09/09/04 13:00 | tTBCbx1A |
先週の日曜日、千代田開発センターで月一の舞が開催されました。今月の月一の舞のテーマは「妖艶の舞-神楽に描かれる美女たち-」それぞれの神楽団の美女たちが妖艶で見事な舞いを披露してくださいました。それでは報告です。
まず初めは中川戸神楽団による「瀧夜叉姫」です。
五月姫が貴船明神から妖術を授かり、それに比例して表情がどんどん変わっていくところが見どころの一つ。最初は静けさが漂う場に五月姫が登場し、ゆっくりと落ち着いた様子が伝わっていきます。しかし、妖術を授かると一変。次第に荒々しく力強い立ち振る舞いへと変わり、先ほどの五月姫とは別人のようでした。また、最後の妖術が浄化され五月姫へと戻っていく様子も見どころ。怒り狂う鬼から徐々にもとの五月姫の姿へと戻っていく姿には、会場からはたくさんの拍手が沸き起こっていました。面がどんどん変わっていくところはいつ見ても驚かされてしまいますね。
そして、次は今回月一に初登場の大都神楽団による「黒塚」です。
こちらの演目は、大都神楽団さんのオリジナル要素が多く含まれた演目となっており、山伏と剛力の二人が、狐の化身の宿を訪ねて行く場面では、糸車を使った他では見られない演出が施されていました。その糸車を女がゆっくり回す姿はどこか妖艶な雰囲気をかもし出しているような気がしました。また、今回のテーマでもある美女の姿でゆっくり舞う様子は、怪しくも艶っぽさのある舞いでした。剛力さんは心を奪われてしまっていましたが、危うくこちらまで心を奪われてしまいそうでしたね。また、終盤の場面では阿邪利祐慶(あじゃりゆうけい)と剛力、そして狐の笑いあり、奮闘ありの演出に会場は笑いの渦となっていました。
そしてお次は本地中組神楽団による「土蜘蛛」です。
土蜘蛛の精魂が胡蝶に化け、源頼光に典薬の御薬と偽り、毒薬を渡します。そして、頼光、卜部季武たちが奥の間へと姿を消した瞬間、胡蝶の様子が豹変していきます。こちらも頼光の様子を伺いながら、怪しげな雰囲気を漂わせながら舞っている姿はとても妖艶でした。そして、頼光を襲おうと幕を勢いよく開けた瞬間には、鬼の姿へといつの間にか変わっていました。そして、そのまま頼光へと蜘蛛を投げ、頼光を舞台中央へと引きずり込んでいと、その瞬時には鬼の顔がさらに一回り大きな鬼の顔へ。次から次へと素早く変わる鬼の姿におぉ~と会場が盛り上がり、客席からはたくさんの拍手が起こっていました。
そして最後を飾るのは中川戸神楽団による「紅葉狩」です。
こちらの演目、鬼女たちの優雅な舞いと観客を驚かすたくさんの仕掛けとを兼ね揃えている演目ですね。始まって早々、まず初めに二人の女性が登場。怪しくも華麗に舞い、次に中央の幕がゆっくり開けられ呉葉(くれは)が登場。そして、三人が揃い優雅にはらりはらりと舞う様子はとても美しく、しばし酔いしれてしまいそうでした。そして、たくさんの仕掛けでは、呉葉が鬼へと変わるとき、角がにょきにょきと現れたり、また、火薬や蜘蛛を使った演出などがあり、会場はその仕掛けの度にどよめきの声がたくさん起こっていました。妖艶な舞いから激しい舞い、そして凝った演出にもお客様は楽しまれているようでした。
さぁ、そして神楽の上演がすべて終了した後は、皆さんお待ちかね。神楽団員の方たちとの記念撮影会です。今回は、中川戸神楽団の方達との記念撮影となりました。先ほど激しく舞っていた鬼さんとたくさんのお客様が記念撮影をしており、とても賑わっていらっしゃいました。
さて、今月の月一の舞はいかがだったでしょうか?多くの方に楽しんでいただけたでしょうか?そして、ここでお知らせですが、今回の月一の舞が終了いたしますと、次回の月一の舞は12月となります。少しの間、空いてしまいますのでお間違えのない様、お越しくださいませ。それでは12月の月一の舞いもお楽しみに☆
まず初めは中川戸神楽団による「瀧夜叉姫」です。
五月姫が貴船明神から妖術を授かり、それに比例して表情がどんどん変わっていくところが見どころの一つ。最初は静けさが漂う場に五月姫が登場し、ゆっくりと落ち着いた様子が伝わっていきます。しかし、妖術を授かると一変。次第に荒々しく力強い立ち振る舞いへと変わり、先ほどの五月姫とは別人のようでした。また、最後の妖術が浄化され五月姫へと戻っていく様子も見どころ。怒り狂う鬼から徐々にもとの五月姫の姿へと戻っていく姿には、会場からはたくさんの拍手が沸き起こっていました。面がどんどん変わっていくところはいつ見ても驚かされてしまいますね。
そして、次は今回月一に初登場の大都神楽団による「黒塚」です。
こちらの演目は、大都神楽団さんのオリジナル要素が多く含まれた演目となっており、山伏と剛力の二人が、狐の化身の宿を訪ねて行く場面では、糸車を使った他では見られない演出が施されていました。その糸車を女がゆっくり回す姿はどこか妖艶な雰囲気をかもし出しているような気がしました。また、今回のテーマでもある美女の姿でゆっくり舞う様子は、怪しくも艶っぽさのある舞いでした。剛力さんは心を奪われてしまっていましたが、危うくこちらまで心を奪われてしまいそうでしたね。また、終盤の場面では阿邪利祐慶(あじゃりゆうけい)と剛力、そして狐の笑いあり、奮闘ありの演出に会場は笑いの渦となっていました。
そしてお次は本地中組神楽団による「土蜘蛛」です。
土蜘蛛の精魂が胡蝶に化け、源頼光に典薬の御薬と偽り、毒薬を渡します。そして、頼光、卜部季武たちが奥の間へと姿を消した瞬間、胡蝶の様子が豹変していきます。こちらも頼光の様子を伺いながら、怪しげな雰囲気を漂わせながら舞っている姿はとても妖艶でした。そして、頼光を襲おうと幕を勢いよく開けた瞬間には、鬼の姿へといつの間にか変わっていました。そして、そのまま頼光へと蜘蛛を投げ、頼光を舞台中央へと引きずり込んでいと、その瞬時には鬼の顔がさらに一回り大きな鬼の顔へ。次から次へと素早く変わる鬼の姿におぉ~と会場が盛り上がり、客席からはたくさんの拍手が起こっていました。
そして最後を飾るのは中川戸神楽団による「紅葉狩」です。
こちらの演目、鬼女たちの優雅な舞いと観客を驚かすたくさんの仕掛けとを兼ね揃えている演目ですね。始まって早々、まず初めに二人の女性が登場。怪しくも華麗に舞い、次に中央の幕がゆっくり開けられ呉葉(くれは)が登場。そして、三人が揃い優雅にはらりはらりと舞う様子はとても美しく、しばし酔いしれてしまいそうでした。そして、たくさんの仕掛けでは、呉葉が鬼へと変わるとき、角がにょきにょきと現れたり、また、火薬や蜘蛛を使った演出などがあり、会場はその仕掛けの度にどよめきの声がたくさん起こっていました。妖艶な舞いから激しい舞い、そして凝った演出にもお客様は楽しまれているようでした。
さぁ、そして神楽の上演がすべて終了した後は、皆さんお待ちかね。神楽団員の方たちとの記念撮影会です。今回は、中川戸神楽団の方達との記念撮影となりました。先ほど激しく舞っていた鬼さんとたくさんのお客様が記念撮影をしており、とても賑わっていらっしゃいました。
さて、今月の月一の舞はいかがだったでしょうか?多くの方に楽しんでいただけたでしょうか?そして、ここでお知らせですが、今回の月一の舞が終了いたしますと、次回の月一の舞は12月となります。少しの間、空いてしまいますのでお間違えのない様、お越しくださいませ。それでは12月の月一の舞いもお楽しみに☆
2009,08,26 Wed 22:09
新着コメント
是非 行かさせて頂きます♪★
| 神楽バカ | EMAIL | URL | 09/09/01 09:19 | iV95cbPg |
神楽バカさんコメントありがとうございます。
月一の舞に来ていただきありがとうございました。
会場もたくさん盛り上がっており、とても賑わっていましたね!!
ぜひ、また月一の舞にお越しくださいね★
月一の舞に来ていただきありがとうございました。
会場もたくさん盛り上がっており、とても賑わっていましたね!!
ぜひ、また月一の舞にお越しくださいね★
| 特派員N | EMAIL | URL | 09/08/28 21:55 | rnKQm9Cw |
僕も月一に行きました?
大変 良かったです?
行って良かったです?
大変 良かったです?
行って良かったです?
| 神楽バカ | EMAIL | URL | 09/08/28 20:32 | T3/2VqIU |
先週の日曜日は千代田開発センターで月一の舞いが開催されました。今月の月一のテーマは「魅せる音色 女性の笛の共演」いつもは舞いの方に注目しがちですが、女性達が奏でる笛の音色にも注目でした。神楽が上演される前は各神楽団、社中の笛の方、代表の方が登場し、それぞれが挨拶を述べられていらっしゃいました。それでは特派員報告を始めたいと思います。
まず初めに上演されたのは雲月女性神楽同好会「胴の口開け」
この演目は、舞手はおらず奏楽のみで繰り広げられていく神楽です。大太鼓、小太鼓、手打鉦、笛の四つで、神楽歌に合わせ神囃子、鬼囃子といったすべての神楽囃子が奏でられていくのが特徴です。始め、胴打ちの一人が大太鼓を叩くのを合図に一斉に大太鼓が鳴り響き始めました。初めは緩やかなお囃子に美しい神楽歌が重なり心地よい感じの奏楽。しかし、後になるに従い、お囃子は激しくなっていき徐々に熱のこもっていく奏楽に変わっていきました。大太鼓の振動が体全体に響き渡ってくる熱く激しい演奏に観客席からは大きな拍手が沸き起こっていました。
そして、続いて三谷神楽団「大江山」
三谷神楽団さんの大江山とくれば皆さん、あの独特の声をお持ちの酒呑童子を楽しみにされていた方が多かったのではないでしょうか?今回も独特の言い回しに客席からは拍手が沸き起こっていましたね。そして、物語の後半では酒呑童子と頼光達の激しい立ち合い。酒呑童子の妖術も御神徳で打ち破り、そのままバサリと一撃を喰らわします。酒呑童子はグラッとふらつきますが、まだまだ~!!と渾身の力をみなぎらせ立ち向かおうとします。しかし、そのまま頼光達に立ち向うかと思いきや、なんと客席の方に降りてくるではありませんか。間近でみると大迫力。怖い酒呑童子に思わず後ずさっている子どももいらっしゃいましたね。
そして次は後野神楽社中「頼政」
こちらの演目は広島とはまた違い、鵺だけでなくたくさんのお猿さんたちが登場するのが特徴ですよね。頼政と従臣が舞っている最中も幕からこそこそっと顔を覗かせ様子を伺っていました。そして、お猿さんが勢いよく登場し、次々と会場へ。椅子の上に登ったり、観客を驚かしたりしていました。そして、お猿さんが登場した後は鵺の登場です。次第に怪しげな雲が立ち込め、そこにめがけて頼政が矢を放つと恐ろしい鵺が姿を現します。ギラギラ輝くしわの深い顔、恐ろしさがにじみ出ています。また、立ち合いでは、頼政に何度も切られようとも再び襲い掛かり、粘り強さをみせていました。
そして最後を飾るのは東山神楽団「戻り橋」
先ほど舞われました三谷神楽団の大江山に繋がっていく最初の演目ですね。最初に登場してくるのは茨木童子が化けた怪しい女性。そこに渡辺綱が現れ、正体を見破り立合いが始まります。激しい立ち合いが繰り広げられ、ついに綱は茨木童子の左の腕を切り落とします。そして後半、その左の腕を取り返そうと酒呑童子がありとあらゆる技を使い綱に迫っていきます。酒呑童子から白妙に変わる様子、また、妖術を使って腕を取り返す演出、そして一瞬にしてもとの鬼の姿に変わる様子。どれも素早く、一瞬の出来事。また、見ていて不思議な気持ちにさせてくれます。観客を魅了させてくれる演目でした。
さて、今回の月一の舞いはいかがだったでしょうか?それぞれの神楽団、社中の特徴ある笛の音色に耳を傾け、お囃子や舞に酔いしれることができたでしょうか?そして、神楽の上演の後は、恒例の神楽団との記念撮影です。今回の記念撮影では東山神楽団の団員の方々とでした。酒呑童子、茨木童子、渡辺綱、源頼光さんと一緒にたくさんの子どもたちが記念に写真を撮られていらっしゃいました。
さて、来月の月一の舞は8月25日です。テーマは「神楽に描かれる美女たち」 次回もとても楽しそうな催しとなっておりますので、ぜひ足をお運びください!
まず初めに上演されたのは雲月女性神楽同好会「胴の口開け」
この演目は、舞手はおらず奏楽のみで繰り広げられていく神楽です。大太鼓、小太鼓、手打鉦、笛の四つで、神楽歌に合わせ神囃子、鬼囃子といったすべての神楽囃子が奏でられていくのが特徴です。始め、胴打ちの一人が大太鼓を叩くのを合図に一斉に大太鼓が鳴り響き始めました。初めは緩やかなお囃子に美しい神楽歌が重なり心地よい感じの奏楽。しかし、後になるに従い、お囃子は激しくなっていき徐々に熱のこもっていく奏楽に変わっていきました。大太鼓の振動が体全体に響き渡ってくる熱く激しい演奏に観客席からは大きな拍手が沸き起こっていました。
そして、続いて三谷神楽団「大江山」
三谷神楽団さんの大江山とくれば皆さん、あの独特の声をお持ちの酒呑童子を楽しみにされていた方が多かったのではないでしょうか?今回も独特の言い回しに客席からは拍手が沸き起こっていましたね。そして、物語の後半では酒呑童子と頼光達の激しい立ち合い。酒呑童子の妖術も御神徳で打ち破り、そのままバサリと一撃を喰らわします。酒呑童子はグラッとふらつきますが、まだまだ~!!と渾身の力をみなぎらせ立ち向かおうとします。しかし、そのまま頼光達に立ち向うかと思いきや、なんと客席の方に降りてくるではありませんか。間近でみると大迫力。怖い酒呑童子に思わず後ずさっている子どももいらっしゃいましたね。
そして次は後野神楽社中「頼政」
こちらの演目は広島とはまた違い、鵺だけでなくたくさんのお猿さんたちが登場するのが特徴ですよね。頼政と従臣が舞っている最中も幕からこそこそっと顔を覗かせ様子を伺っていました。そして、お猿さんが勢いよく登場し、次々と会場へ。椅子の上に登ったり、観客を驚かしたりしていました。そして、お猿さんが登場した後は鵺の登場です。次第に怪しげな雲が立ち込め、そこにめがけて頼政が矢を放つと恐ろしい鵺が姿を現します。ギラギラ輝くしわの深い顔、恐ろしさがにじみ出ています。また、立ち合いでは、頼政に何度も切られようとも再び襲い掛かり、粘り強さをみせていました。
そして最後を飾るのは東山神楽団「戻り橋」
先ほど舞われました三谷神楽団の大江山に繋がっていく最初の演目ですね。最初に登場してくるのは茨木童子が化けた怪しい女性。そこに渡辺綱が現れ、正体を見破り立合いが始まります。激しい立ち合いが繰り広げられ、ついに綱は茨木童子の左の腕を切り落とします。そして後半、その左の腕を取り返そうと酒呑童子がありとあらゆる技を使い綱に迫っていきます。酒呑童子から白妙に変わる様子、また、妖術を使って腕を取り返す演出、そして一瞬にしてもとの鬼の姿に変わる様子。どれも素早く、一瞬の出来事。また、見ていて不思議な気持ちにさせてくれます。観客を魅了させてくれる演目でした。
さて、今回の月一の舞いはいかがだったでしょうか?それぞれの神楽団、社中の特徴ある笛の音色に耳を傾け、お囃子や舞に酔いしれることができたでしょうか?そして、神楽の上演の後は、恒例の神楽団との記念撮影です。今回の記念撮影では東山神楽団の団員の方々とでした。酒呑童子、茨木童子、渡辺綱、源頼光さんと一緒にたくさんの子どもたちが記念に写真を撮られていらっしゃいました。
さて、来月の月一の舞は8月25日です。テーマは「神楽に描かれる美女たち」 次回もとても楽しそうな催しとなっておりますので、ぜひ足をお運びください!
2009,07,28 Tue 20:18
新着コメント
日々お世話様です。いつもホームページ拝見させてもらってます。今回念願叶って自費出版の運びとなりました。10月中旬より各書店にて販売してます。若き日の神楽師の物語でタイトルは「お神楽初恋巡演記」です。いち早く岩手県立美術館ライブラリー&書庫で配架になりました。また情報誌悠悠そしてFM岩手「岩手の本棚」でも紹介されました。詳しくはblogとりら(http://torira.exblog.jp/)神楽民族芸術見聞(http://okuderazeki.at.webry.info/)参照願います。是非お手に取り昭和の郷愁を蘇えらせて欲しいと思います。
| 神楽童子 | EMAIL | URL | 09/11/20 22:46 | zo1o9Mdk |
ulyssesさんコメントありがとうございます。
いつも特派員報告楽しみにしていただきありがとうございます。
今回、月一にいらっしゃることができなかったみたいですが、今回の報告、動画で楽しんでいただけたようでとてもよかったです。(´∀`)
「胴の口開け」は舞がなくお囃子だけのシンプルな演目ですがとても深みがあり趣のある演目だと思います。
これからも楽しんでいただけるような特派員報告を皆様にお届けできるよう頑張りたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。
いつも特派員報告楽しみにしていただきありがとうございます。
今回、月一にいらっしゃることができなかったみたいですが、今回の報告、動画で楽しんでいただけたようでとてもよかったです。(´∀`)
「胴の口開け」は舞がなくお囃子だけのシンプルな演目ですがとても深みがあり趣のある演目だと思います。
これからも楽しんでいただけるような特派員報告を皆様にお届けできるよう頑張りたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。
| 特派員N | EMAIL | URL | 09/07/29 22:55 | rnKQm9Cw |
報告ありがとうございました
所要により今回見に行くことができなかったんで
すっごく特派員報告を楽しみにしてました(^^)
どの演目も見たかったんですよ~
特に『雲月女性神楽同好会「胴の口開け」』は
まだ実際に見たことがなかったので、
感想を読んでいるとすごくよくわかりました(^^)
報告読んでから動画配信見よると、すごく理解できて
楽しく見ることとができました!良かったです♪
雨の中大変じゃったかと思いますが、
とても良い報告をありがとうございました(^^)
所要により今回見に行くことができなかったんで
すっごく特派員報告を楽しみにしてました(^^)
どの演目も見たかったんですよ~
特に『雲月女性神楽同好会「胴の口開け」』は
まだ実際に見たことがなかったので、
感想を読んでいるとすごくよくわかりました(^^)
報告読んでから動画配信見よると、すごく理解できて
楽しく見ることとができました!良かったです♪
雨の中大変じゃったかと思いますが、
とても良い報告をありがとうございました(^^)
| ulysses | EMAIL | URL | 09/07/29 18:06 | BgG.n3TM |
大塚神楽団「土蜘蛛」。平安時代、権力争いに敗れ、行き所を無くした人々は、北方に都を一望できる大和国(奈良県)葛城山にこもり、世を恨みながらも密かに復讐の機会を待っていたのです。そういった人々は卑しみを込めて「土蜘蛛」などと呼ばれて忌み嫌われていました。この演目では土蜘蛛という妖怪が、都の守り、源頼光に襲い掛かってきます。登場する鬼は一人だけですが、頼光に毒薬を渡して様子を伺ったり、返り討ちにあって怒りをあらわにするなど、存在感たっぷり。そんな土蜘蛛も、追ってきた四天王と蜘蛛切丸の威徳によってついに退治されます。戦いを前に「汝ら両名、我が命までも取ろうとやぁ~!?」と叫ぶ土蜘蛛。二人の四天王に切り付けられ、その最期も他の演目にはない独特の演出。鬼にされてしまった者のはかなさを感じることができたのではないでしょうか。
続いて東山神楽団「伊服岐山」は日本武尊の最後の物語。近江国(滋賀県)にある伊服岐山の大鬼神がその相手となります。しかし鬼たちは最初に登場したときはまだ人の姿です。しかし白い髪を振り乱して実に勢いのある舞。そして細かく機敏に動く頭の動作は、それだけで迫力たっぷりです。ついに始まった合戦、その途中でようやく鬼へと変化。さらにテンポが激しくなっていき、最後に待ちに待った大鬼が登場。大きな面はあの大江山の鬼人、酒呑童子を思い起こさせるようです。諸説によると、酒呑童子の住処が実は伊吹山だったり、伊吹童子と呼ばれる酒好きの鬼がいたというものもあります。おまけに酒呑童子も伊吹童子も、伝教大師によって比叡山を追い出されていたり…。なにかとつながりがあるこの二人、いろいろ伝説を調べてみると面白いかもしれません。
最後は原田神楽団「紅葉狩」。その舞台はもちろん、信州信濃国(長野県)の戸隠山。その昔、手力男命が岩戸を開いた時に投げ捨てた大岩がこの戸隠山となったというエピソードをはじめ、鬼女紅葉の物語などとにかく伝説には事欠かない、まさに今大会の絶好の舞台といえるでしょう。山を彩るたくさんの紅葉を連想させる、艶やかな衣装と鬼女たちの舞。ゆったりと流れる舞から一転、扇子をたたみ辺りをうかがうように低い姿勢で構える動作などはまさにこの演目ならではの面白さ。他にも風情を感じる場面や言葉などが随所に見られます。そして今回もチャンチキの神様が大活躍。舞が白熱してくるとドンドン前に出てこられ、最後に大鬼が退治された瞬間は、自分もやられたかのように後ろにひっくり返るという神業を披露。大いに会場を沸かせてくださいました。
以上「魔境の鬼伝説」の報告でした。こうして見てみると同じ「山を舞台にした鬼」の物語でも様々なものがありますね!みなさんはどの演目が印象に残ったでしょうか。来年も何かテーマにそってこの「神楽スペシャル」が開催されると思いますが、今からその内容が楽しみですね。
2009,07,14 Tue 21:33
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7月12日は広島市のALSOKホールで「RCC神楽スペシャル 魔境の鬼伝説」が行われました。昨年12月に5周年を迎えた「RCC神楽スペシャル」ですが、今年からこの7月に移行して再スタートという形になったようです。今回は魔境の鬼伝説、その伝説の山々が舞台となって熱演が繰り広げられました。それでは報告です。
まず初めは清めの舞ということで中川戸神楽団「神迎へ」。神楽を上演するにあたり、必要不可欠な神様のご降臨を賜る重要な演目です。四人の舞手による儀式舞、落ち着きがあり軽やかな印象を受けました。舞手が縦横へと飛び跳ねる時に袖がフワっと浮いてみたり、あるいは御幣の祓いや返しといった所作、神を意識したものや四季を感じられる神楽歌もあり、儀式舞ならではの良さをじっくり見せていただきました。
いよいよ魔境の鬼伝説の始まり。トップは筏津神楽団「鈴鹿山」。三重県(伊勢国)の鈴鹿山が舞台となり、登場する英雄は坂上田村麻呂です。鈴鹿山の鬼神征伐のため鈴鹿山へと向かった田村麻呂は、途中で翁から宝剣を授かります。そのおかげで、鬼に次々に武器を取られても最後に退治することができるわけです。やはりその鬼神を舞われた方の豊かな表現力に注目してしまいましたね。幕から出てくるところ、神の姿を探すところ、武器を奪って喜ぶところ。最後は宝剣が欲しくて仕方がない!というような感情がしっかり伝わってきました。わかりやすい身振り手振りだけでなく、ちょっとした動きや間の取り方など、とにかく鬼神になりきっての舞だったように思います。
続いて中川戸神楽団「青葉の笛」。「紅葉狩」で有名な戸隠山のすぐ近く、信州信濃国の荒倉山が舞台です。青葉の笛をめぐる、人と鬼の物語。この世にまつろわぬ者を鬼として仕立て上げた都人の汚れた心。勧善懲悪ではない、この中川戸神楽団の創作演目は、見ているみなさんにいろんな思いを抱かせてくれたことと思います。舞だけでなく、実際にその青葉の笛を吹く場面も見応えありで、悲しい物語を少しだけ忘れるようでした。それでもやはり、鬼にされてしまった官那羅(かんなら)の最期はやはり胸に迫るものがありました。また諏訪明神の舞が印象的でしたね。在原業平の加勢をする時と、諏訪明神の姿の時の舞い方や言葉のトーンが実にはっきり分かれていたように思います。
そして琴庄神楽団「大江山」。みなさんもよくご存知の丹波国大江山が舞台となっています。見どころたっぷりのこの演目、もちろん悪役は酒呑童子ですが、今回は合計五匹の鬼が登場しました。その鬼たちが豪華な衣装をまとい、大いに盛り立てる奏楽に合わせて、豪快に酒を飲む場面は実に見応えあり。しかし迫力では源頼光も負けてはいません。童子との問答では、問いに対して間髪入れず自信あふれる表情でハッキリと答えていきます。テンポのよい問答は聞いてて心地よいものですね!そしてついに合戦の場面、怒り狂った鬼たちを前に一歩も下がることなく堂々とした姿。酒呑童子も最後までしぶとさを見せ、鬼退治の神楽の醍醐味をしっかり堪能させていただきました。
以上前半4演目をお届けしました。「その2」で残りの3演目をご紹介します!
まず初めは清めの舞ということで中川戸神楽団「神迎へ」。神楽を上演するにあたり、必要不可欠な神様のご降臨を賜る重要な演目です。四人の舞手による儀式舞、落ち着きがあり軽やかな印象を受けました。舞手が縦横へと飛び跳ねる時に袖がフワっと浮いてみたり、あるいは御幣の祓いや返しといった所作、神を意識したものや四季を感じられる神楽歌もあり、儀式舞ならではの良さをじっくり見せていただきました。
いよいよ魔境の鬼伝説の始まり。トップは筏津神楽団「鈴鹿山」。三重県(伊勢国)の鈴鹿山が舞台となり、登場する英雄は坂上田村麻呂です。鈴鹿山の鬼神征伐のため鈴鹿山へと向かった田村麻呂は、途中で翁から宝剣を授かります。そのおかげで、鬼に次々に武器を取られても最後に退治することができるわけです。やはりその鬼神を舞われた方の豊かな表現力に注目してしまいましたね。幕から出てくるところ、神の姿を探すところ、武器を奪って喜ぶところ。最後は宝剣が欲しくて仕方がない!というような感情がしっかり伝わってきました。わかりやすい身振り手振りだけでなく、ちょっとした動きや間の取り方など、とにかく鬼神になりきっての舞だったように思います。
続いて中川戸神楽団「青葉の笛」。「紅葉狩」で有名な戸隠山のすぐ近く、信州信濃国の荒倉山が舞台です。青葉の笛をめぐる、人と鬼の物語。この世にまつろわぬ者を鬼として仕立て上げた都人の汚れた心。勧善懲悪ではない、この中川戸神楽団の創作演目は、見ているみなさんにいろんな思いを抱かせてくれたことと思います。舞だけでなく、実際にその青葉の笛を吹く場面も見応えありで、悲しい物語を少しだけ忘れるようでした。それでもやはり、鬼にされてしまった官那羅(かんなら)の最期はやはり胸に迫るものがありました。また諏訪明神の舞が印象的でしたね。在原業平の加勢をする時と、諏訪明神の姿の時の舞い方や言葉のトーンが実にはっきり分かれていたように思います。
そして琴庄神楽団「大江山」。みなさんもよくご存知の丹波国大江山が舞台となっています。見どころたっぷりのこの演目、もちろん悪役は酒呑童子ですが、今回は合計五匹の鬼が登場しました。その鬼たちが豪華な衣装をまとい、大いに盛り立てる奏楽に合わせて、豪快に酒を飲む場面は実に見応えあり。しかし迫力では源頼光も負けてはいません。童子との問答では、問いに対して間髪入れず自信あふれる表情でハッキリと答えていきます。テンポのよい問答は聞いてて心地よいものですね!そしてついに合戦の場面、怒り狂った鬼たちを前に一歩も下がることなく堂々とした姿。酒呑童子も最後までしぶとさを見せ、鬼退治の神楽の醍醐味をしっかり堪能させていただきました。
以上前半4演目をお届けしました。「その2」で残りの3演目をご紹介します!
2009,07,13 Mon 19:21
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