みなさん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。さて、さっそく特派員報告ですが、1月2、3日に広島市グリーンアリーナで行われた「新春神楽」。その模様を二日間にわけてお送りします。一日目は大森神楽団、筏津神楽団、宮乃木神楽団の上演でした。
まずは大森神楽団「四方祓い」。二人の舞手さんによるもので、じっくりと落ち着いた儀式舞。神様に来ていただくための大切な意味合いを持つ舞ですから、舞手さんの表情も真剣そのもの。神楽舞の基本的な所作、そして儀式舞ならではの神楽歌。新年早々に相応しい演目をまず見せていただきました。
筏津神楽団「塵倫」。先ほどに続いて六調子のゆったりしたお囃子で、神二人の舞がまず始まりました。一人は仲哀天皇でどっしりした舞、もう一人は竹麻呂で低い姿勢での舞。役柄による舞い分け、はっきりとした違いはみなさんもよくおわかりになったのではないでしょうか。それは鬼のほうも同じ。ファンの方に「神楽」をアピールする時に「わかりやすい」というのは絶対条件のように思いますが、今やいろんなイベントに引っ張りだこの筏津神楽団さん、その人気の要因の一つはそんなところにあるのかもしれません。
宮乃木神楽団「滝夜叉姫」。ファンのみなさんにお馴染みの演目ですが、宮乃木さん独特の演出でより物語性のあるものに仕上がっていると思います。最初に妖術を授かる場面でも、五月姫が頭にろうそくを差して貴船の社に参拝します。また、たいてい五月姫は化粧をしておられますが、こちらは面です。そして妖術を授かると不気味な面に。ちょっとした工夫で見る人をひきつけ、そして神楽の世界に入り込ませる。そうすれば舞台がただのステージではなく、貴船の社や相馬城などに見えてくるんでしょうね。
休憩をはさんだ後は大森神楽団「戻り橋」。こちらも凝りに凝った大森さんの演出がふんだんに見られます。画像をご覧いただければ、まず衣装が珍しいと思われるでしょう。そして渡辺綱が安倍清明の館に向かい、そして一条戻り橋へと舞台を移します。茨木童子が美しい姫に化け、綱に襲い掛かる機をうかがう場面、何回も面を変えてお客さんを魅了します。しかし何と言っても一番印象的なのは「式神」の登場。危機に陥った綱の加勢に登場するんですが、大道具の戻り橋の向こう側から、のっしのっしと力強く現れます。その姿、舞、すべてに注目して見てしまいますね。見どころ満載で、ぜひまた見てみたい演目です。
筏津神楽団「大江山」。上演前に、とってもお若い二人の団員さんの紹介がありました。それぞれ、団長の今田さん、そして中川戸神楽団の団長の能海さんの息子さんなんだそうです。大人の団員に混じってもヒケを取らないしっかりとした舞を披露されましたよ!そしてクライマックスは本性を現した酒呑童子が登場。二頭身?と思えるほどの大きな面、初めて見た方はさぞかし驚かれたことでしょう。そしてその面に負けず、迫力を感じさせる舞手さんの技量もしっかりご覧いただけたと思います。
最後は宮乃木神楽団「紅葉狩」。こちらも戸隠山の鬼女伝説に基づいたオリジナリティ溢れる演目です。最初の鬼女の舞、身体全体でやわらかさ、姫らしさを表現する姿に思わずうっとり。舞手さんもお若い方ばかりですから、きっと多くのファンの方が注目されたことでしょう。そんな姫らしさを完全に忘れさせる、後半の鬼の舞。酔い伏してしまった維茂たちに食いかかる姿は本当にリアルでしたね。しかしそんな鬼女たちも、最後は維茂たちに成敗されます。鬼女大王=紅葉(くれは)の最期は、はからずも鬼にされてしまった悲しさをたっぷりと感じさせてくれました。
上演後は福屋広島駅前店9階で開催中の「新春 広島の神楽展」に行ってきました。神楽の面や衣装がたくさん展示されており、シールやDVDなどのグッズも販売されています。そして、実際に衣装を着ることもできます。自分も着てみました!行かれる方、カメラをお忘れなく!!さぁそして、新春神楽二日目の報告は新人さんの担当です。お楽しみに!
まずは大森神楽団「四方祓い」。二人の舞手さんによるもので、じっくりと落ち着いた儀式舞。神様に来ていただくための大切な意味合いを持つ舞ですから、舞手さんの表情も真剣そのもの。神楽舞の基本的な所作、そして儀式舞ならではの神楽歌。新年早々に相応しい演目をまず見せていただきました。
筏津神楽団「塵倫」。先ほどに続いて六調子のゆったりしたお囃子で、神二人の舞がまず始まりました。一人は仲哀天皇でどっしりした舞、もう一人は竹麻呂で低い姿勢での舞。役柄による舞い分け、はっきりとした違いはみなさんもよくおわかりになったのではないでしょうか。それは鬼のほうも同じ。ファンの方に「神楽」をアピールする時に「わかりやすい」というのは絶対条件のように思いますが、今やいろんなイベントに引っ張りだこの筏津神楽団さん、その人気の要因の一つはそんなところにあるのかもしれません。
宮乃木神楽団「滝夜叉姫」。ファンのみなさんにお馴染みの演目ですが、宮乃木さん独特の演出でより物語性のあるものに仕上がっていると思います。最初に妖術を授かる場面でも、五月姫が頭にろうそくを差して貴船の社に参拝します。また、たいてい五月姫は化粧をしておられますが、こちらは面です。そして妖術を授かると不気味な面に。ちょっとした工夫で見る人をひきつけ、そして神楽の世界に入り込ませる。そうすれば舞台がただのステージではなく、貴船の社や相馬城などに見えてくるんでしょうね。
休憩をはさんだ後は大森神楽団「戻り橋」。こちらも凝りに凝った大森さんの演出がふんだんに見られます。画像をご覧いただければ、まず衣装が珍しいと思われるでしょう。そして渡辺綱が安倍清明の館に向かい、そして一条戻り橋へと舞台を移します。茨木童子が美しい姫に化け、綱に襲い掛かる機をうかがう場面、何回も面を変えてお客さんを魅了します。しかし何と言っても一番印象的なのは「式神」の登場。危機に陥った綱の加勢に登場するんですが、大道具の戻り橋の向こう側から、のっしのっしと力強く現れます。その姿、舞、すべてに注目して見てしまいますね。見どころ満載で、ぜひまた見てみたい演目です。
筏津神楽団「大江山」。上演前に、とってもお若い二人の団員さんの紹介がありました。それぞれ、団長の今田さん、そして中川戸神楽団の団長の能海さんの息子さんなんだそうです。大人の団員に混じってもヒケを取らないしっかりとした舞を披露されましたよ!そしてクライマックスは本性を現した酒呑童子が登場。二頭身?と思えるほどの大きな面、初めて見た方はさぞかし驚かれたことでしょう。そしてその面に負けず、迫力を感じさせる舞手さんの技量もしっかりご覧いただけたと思います。
最後は宮乃木神楽団「紅葉狩」。こちらも戸隠山の鬼女伝説に基づいたオリジナリティ溢れる演目です。最初の鬼女の舞、身体全体でやわらかさ、姫らしさを表現する姿に思わずうっとり。舞手さんもお若い方ばかりですから、きっと多くのファンの方が注目されたことでしょう。そんな姫らしさを完全に忘れさせる、後半の鬼の舞。酔い伏してしまった維茂たちに食いかかる姿は本当にリアルでしたね。しかしそんな鬼女たちも、最後は維茂たちに成敗されます。鬼女大王=紅葉(くれは)の最期は、はからずも鬼にされてしまった悲しさをたっぷりと感じさせてくれました。
上演後は福屋広島駅前店9階で開催中の「新春 広島の神楽展」に行ってきました。神楽の面や衣装がたくさん展示されており、シールやDVDなどのグッズも販売されています。そして、実際に衣装を着ることもできます。自分も着てみました!行かれる方、カメラをお忘れなく!!さぁそして、新春神楽二日目の報告は新人さんの担当です。お楽しみに!
2009,01,03 Sat 20:42
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今週末は広島市のグリーンアリーナで「新春神楽」が行われます。今週末…というより、新年明けて2日と3日と言ったほうがわかりやすいかもしれませんね。2年前から始まったこのイベント、今回は出演団体が一団体増えました。よりたくさんの神楽をお正月からたっぷり楽しむことができます。なんと言ってもこのイベントは、会場内で飲食が自由にできることが特徴でしょうね。もちろん他のイベントでも飲食可能なところはありますが、ここは場所によっては畳に机という形で、ゆっくりのんびりしながら神楽を鑑賞できます。会場の外には屋台もたくさんありますし、お正月気分も満喫できそうですね。
ということで、これで今年の最後の記事ということになります。この1年はしばらく活動休止したり、新人特派員さんが登場したりと、いろいろあった年でしたね。来年は新人さんの出番がもっと増えると思いますので、どうぞみなさんよろしくお願いします。ただ…いつまでも「新人さん」というわけにいかないので、どうにか言い方を変えないといけませんね…。特派員A・Bとか、一号二号とか…(笑) なにかよい案を思いつかれた方、ぜひコメントお願いします。
ということで、これで今年の最後の記事ということになります。この1年はしばらく活動休止したり、新人特派員さんが登場したりと、いろいろあった年でしたね。来年は新人さんの出番がもっと増えると思いますので、どうぞみなさんよろしくお願いします。ただ…いつまでも「新人さん」というわけにいかないので、どうにか言い方を変えないといけませんね…。特派員A・Bとか、一号二号とか…(笑) なにかよい案を思いつかれた方、ぜひコメントお願いします。
2008,12,31 Wed 13:17
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あけましておめでとうございます!特派員の皆さん今年もよろしくお願いします。新春神楽行きますよ!
| 神楽好き | EMAIL | URL | 09/01/01 08:38 | iV95cbPg |
後半はいよいよ大江山の酒呑童子退治の物語です。まずは広森神楽団「戻橋」。最初に酒呑童子の手下、茨木童子の化身が現れます。老婆となって都へと向かう場面、かなりゆっくりとしたテンポで舞っていきます。これから始まる激闘の物語を思えば、まさに嵐の前の静けさといったところでしょうか。そしてこの演目と言えば、傘売り善兵衛さん!会場の一番後ろから登場し、お客さんにクリスマスプレゼントをばらまいていました。舞台に上がると巧みな話術で会場を沸かせた善兵衛さんですが、そこへ茨木童子の化身が現れます。しかし善兵衛さんのペースに巻き込まれ、思わず化身さんもセリフを間違える始末…。さらに善兵衛さん、続いて登場した渡辺綱にもちょっかいを出してみたり…最後まで笑わせてもらいました。後半はついに酒呑童子が出現。その迫力ある姿が明らかになると、客席からは「おお~」という感嘆の声が。そして坂田金時も加わり、第一戦が始まりました。結果はみなさんご存知のように、茨木童子が左腕を切られるんですが、酒呑童子がその腕をいったん取り返すという演出がありました。お決まりの結果でも、ちょっとした工夫で見る人を引き付けることができるんですね。
続いて山王神楽団「羅生門」。最初にいきなり酒呑童子と茨木童子が登場します。あっという間に老婆へと変化した酒呑童子は、綱の乳母白妙を手にかけ、綱の館へと向かう…。冒頭からかなり激しい内容ですが、これも中盤の演目ならではの面白さ。続けて見ることによって、先の上演の興奮がそのまま持ち越されるように思います。そして綱をだまし、見事左腕を取り返した酒呑童子。白妙に化けた時と鬼の時、その演じ分けも見事で、特に声の変化が素晴らしかったように思います。舞手さんのこだわりを強く感じました。そして一命危うしの綱のもとへ源頼光が参上し、ついに頼光と酒呑童子、この二人が初めて対決。ファンのみなさんの中には、つい鬼のほうを応援したくなる方もおられるかと思います。しかし冒頭の残酷な場面を忘れてはいけません。あくまでも鬼は鬼、そして酒呑童子は絶対的な悪役であることを印象付ける、山王さんならではのこだわりの演出ではないでしょうか。そして鬼人たちは大江山へと逃げ去り、ついに物語はクライマックスを迎えます!
待ちに待った合同演目「大江山」。待ちわびたお客さんの気持ちが溢れ返るような雰囲気の中で始まりました。最初は姫の舞…しかし、会場が何やら騒がしい…どうしてだろうとよく見てみれば、なんと二匹の鬼が客席に現れているではありませんか。そして舞台の上の姫を見つけた鬼は、一気に襲い掛かります。なす術もなく捕らわれてしまった姫、それに追い討ちをかけるように幕からさらに二匹の鬼が出現。この豪華な演出に会場からは大きな歓声と拍手が。ますます興奮が高まる場内、そこへ続いて登場したのは主役の源頼光と四天王の面々。五人の神が勢ぞろいした場面に、これまた大きな歓声と拍手が。今までたくさんの神楽を見てきましたが、神が登場しただけでこんなに大きな拍手が上がったのは記憶にありません。その声援に応えるかのように、勇ましく舞う五人の神たち。その表情からも、大江山へ向かう決意が見てとれるようです。
次は姫の舞。高ぶった気持ちを静めてくれる、寂しさを感じさせる丁寧な舞でした。そして再び五人の神が山伏姿で登場。そしていよいよ鬼の岩屋へと舞台を移します。「童子さん童子さん」。姫の呼びかけに対し、地の底から湧き上がるかのような酒呑童子の声が会場に響きます。さぁ出てくるぞ…と待ち構えた瞬間、七匹もの鬼が一斉に登場。その迫力の前に、今まで勇ましく見えた頼光たちも小さくなったかのようです。広かったはずのステージも埋め尽くされ、一体どこを見ていいものかという豪華な舞台。神が五人、鬼が七匹、姫が三人。今まで見たこともないスケールの大きさで、酒宴が始まりました。黒髪を振り乱し、身体全体で味わうように豪快に酒を飲む童子たち。「ドドンドドン!」と連続する大太鼓の音は、好物の酒を味わう鬼たちの喉が鳴っているかのようです。酒を飲み干した酒呑童子、大声で「酔うたれし、酔うたれしぃ~!」 ファンのみなさんの間でお馴染みのセリフ。しかし酔ったのは鬼だけではありません。会場のみなさんも神楽に酔いしれている状態。
そんな興奮の中、最後の一戦が始まりました。ここで一番興奮していたのはお客さんでも舞手でもなく、おそらくあの方でしょう。見に行かれた方はすぐおわかりかと思いますが、そう、原田神楽団の団長さん。今回も見事なチャンチキの名人芸を披露されました!座っているだけでは足らず、思わず立ち上がりながら鐘を打ち鳴らしたりと大活躍。もうこれ以上やったら会場全体、いや空間自体が壊れてしまうんじゃないかというほどの盛り上がり。舞と楽、そして見る人が一体となり、合同演目「大江山」、そして頼光武勇伝が幕を閉じました。
上演後は神楽団のみなさんがステージに勢ぞろい。それぞれの上演、そして合同演目を見事に成功させた団員さんの努力、それは十分すぎるほどファンの方に伝わったはずです。この合同演目がこれからの「神楽スペシャル」の定番となって欲しい…と思ったのは自分だけではないでしょう。神楽団のみなさん、スタッフのみなさん、本当にお疲れ様でした。そして神楽ファンのみなさん、これからも神楽の応援よろしくお願いします。
2008,12,24 Wed 22:58
新着コメント
DVDは、キャビネットさんのHPに情報があります。
現在予約受付中です。
キャビネットさんのHP
http://www.kagurajp.com/
です。よ!!
現在予約受付中です。
キャビネットさんのHP
http://www.kagurajp.com/
です。よ!!
| 神楽好き | EMAIL | URL | 08/12/30 21:36 | bRN13JE2 |
DVDはいつ頃販売されますか?
| 神楽ファン | EMAIL | URL | 08/12/26 23:16 | iV95cbPg |
ジェラードさん、コメントありがとうございます。
合同演目で楽しむことができるのも、この地域の特徴かもしれませんね!
それにしても豪華な演目でした☆
神楽大好きさん、コメントありがとうございます。
ぜひ、来年も見てみたいですよね!
本当に団員のみなさん、お疲れ様でした。
お正月も神楽イベントがたくさんですね!
合同演目で楽しむことができるのも、この地域の特徴かもしれませんね!
それにしても豪華な演目でした☆
神楽大好きさん、コメントありがとうございます。
ぜひ、来年も見てみたいですよね!
本当に団員のみなさん、お疲れ様でした。
お正月も神楽イベントがたくさんですね!
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/12/25 20:07 | qi6UEqak |
いやーすごかったですね!解説も丁寧で分かりやすかったですよ!!
合同の練習も大変だと思いますが、定番になればいいですね!!
神楽団のみなさん本当にありがとうございました。
おっと特派員さんも新人さんと一緒に頑張ってくださいね!
お正月の神楽も見に行く予定です。
合同の練習も大変だと思いますが、定番になればいいですね!!
神楽団のみなさん本当にありがとうございました。
おっと特派員さんも新人さんと一緒に頑張ってくださいね!
お正月の神楽も見に行く予定です。
| 神楽大好き | EMAIL | URL | 08/12/25 18:24 | pgrtCzf. |
なんと、頼光主従は豪華な面々ですね~
いつもは競演で舞を競いあっている者同士が一緒に一つの演目に挑むのも大事かもしれませんね。
いつもは競演で舞を競いあっている者同士が一緒に一つの演目に挑むのも大事かもしれませんね。
| ジェラード | EMAIL | URL | 08/12/25 15:58 | IuiyJ9B2 |
12月23日は広島市のALSOKホールで「RCC神楽スペシャル 頼光武勇伝」が行われました。以前お伝えしたように今回が五周年記念となるこの「神楽スペシャル」。最後は合同演目の「大江山」が上演され、見に行かれたファンのみなさんにとって、本当に「スペシャルな」イベントになったのではないでしょうか。それでは報告です。
まずは神楽の始まり、原田神楽団の「天の岩戸」。この後に組まれた、五演目からなる頼光武勇伝に負けない、壮大な物語がこの演目で語られます。天照大神をはじめ、六人の神様が舞うのですから、これほど豪華な演目もありません。それぞれの個性ある舞、そしてそれを盛り上げるお囃子もこの演目ならではの面白さ。そして岩屋の前での鈿女命の舞。ゆっくりと静かに始まりますが、舞が繰り返されるとだんだんとテンポが上がっていき、お囃子も激しくなっていきます。太鼓の「ドン!」が打ち鳴らされるたびに、身体を動かしてしまいたくなりますね。そんな見る側の気持ちを代弁するかのように、ついに手力男命が立ち上がり、岩戸を開きます。こういう流れによって、見る方もいつの間にか神楽の世界に入り込んだような感覚にとらわれます。そして最後の喜びの舞。「神楽」の別名は「神遊び」だそうですが、五人の神様が入り乱れての舞はまさに「神遊び」に相応しいものだったと思います。
いよいよ頼光武勇伝の始まり。琴庄神楽団の「山姥」です。四天王の一人、坂田金時誕生の物語です。都を追われ、世を呪い人を憎み、山賊と成り果てた山姥と、その子、怪童丸。落ち着きのある山姥と荒々しい怪童丸、その対照的な舞は息ピタリで、まさに親子のようと思わせるもの。そして後半の頼光らとの立ち合い、一瞬にして山姥は鬼と化します。怪童丸もその怪力を持って襲い掛かります。刃を合わせての押し合いは非常に力が入りました。しかし頼光の武勇の前に敗れ、山姥は自分の命と引き換えに怪童丸の命乞いをします。頼光は山姥を許し、怪童丸を坂田金時と改めて四天王に加えます。そして悲しい親子の別れ。「いかに母上」と呼びかける息子に対し、「いかに坂田金時さま」と返す母。その場面が本当に感動的だったのは、舞手の方の迫真の演技はもちろん、最初の息の合った舞があったからこそではないでしょうか。
続いて中川戸神楽団「土蜘蛛」。最初に頼光と四天王二人、そして侍女胡蝶の四人の舞。ここで早くも坂田金時が立派な武士となって登場しましたが、きっと山姥もこれを見て喜んでいることでしょう!この演目の敵役は、葛城山に年古くより住む土蜘蛛。典薬守からあっという間に鬼へと変化するあたり、実に中川戸さんらしい演出ですね。そして胡蝶と成り変わり、源頼光を取り食らおうとします。今度は優しくおだやかな侍女から一変、恐ろしく不気味な鬼女となって頼光に蜘蛛を投げ掛けます。宝刀の威徳で難を逃れた頼光は、四天王にバトンタッチ。蜘蛛切丸を授かった二人は、ついに土蜘蛛を追い詰めます。ど派手に打ち上げられた大量の蜘蛛の糸が、立ち合いをさらに盛り上げ、舞手も若さ溢れるスピード感たっぷりの舞を披露。思わず会場から湧き上がった拍手がとても暖かく感じられました。
以上、前半の三演目でした。「その2」では後半の大江山への物語をお届けします。
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まずは神楽の始まり、原田神楽団の「天の岩戸」。この後に組まれた、五演目からなる頼光武勇伝に負けない、壮大な物語がこの演目で語られます。天照大神をはじめ、六人の神様が舞うのですから、これほど豪華な演目もありません。それぞれの個性ある舞、そしてそれを盛り上げるお囃子もこの演目ならではの面白さ。そして岩屋の前での鈿女命の舞。ゆっくりと静かに始まりますが、舞が繰り返されるとだんだんとテンポが上がっていき、お囃子も激しくなっていきます。太鼓の「ドン!」が打ち鳴らされるたびに、身体を動かしてしまいたくなりますね。そんな見る側の気持ちを代弁するかのように、ついに手力男命が立ち上がり、岩戸を開きます。こういう流れによって、見る方もいつの間にか神楽の世界に入り込んだような感覚にとらわれます。そして最後の喜びの舞。「神楽」の別名は「神遊び」だそうですが、五人の神様が入り乱れての舞はまさに「神遊び」に相応しいものだったと思います。
いよいよ頼光武勇伝の始まり。琴庄神楽団の「山姥」です。四天王の一人、坂田金時誕生の物語です。都を追われ、世を呪い人を憎み、山賊と成り果てた山姥と、その子、怪童丸。落ち着きのある山姥と荒々しい怪童丸、その対照的な舞は息ピタリで、まさに親子のようと思わせるもの。そして後半の頼光らとの立ち合い、一瞬にして山姥は鬼と化します。怪童丸もその怪力を持って襲い掛かります。刃を合わせての押し合いは非常に力が入りました。しかし頼光の武勇の前に敗れ、山姥は自分の命と引き換えに怪童丸の命乞いをします。頼光は山姥を許し、怪童丸を坂田金時と改めて四天王に加えます。そして悲しい親子の別れ。「いかに母上」と呼びかける息子に対し、「いかに坂田金時さま」と返す母。その場面が本当に感動的だったのは、舞手の方の迫真の演技はもちろん、最初の息の合った舞があったからこそではないでしょうか。
続いて中川戸神楽団「土蜘蛛」。最初に頼光と四天王二人、そして侍女胡蝶の四人の舞。ここで早くも坂田金時が立派な武士となって登場しましたが、きっと山姥もこれを見て喜んでいることでしょう!この演目の敵役は、葛城山に年古くより住む土蜘蛛。典薬守からあっという間に鬼へと変化するあたり、実に中川戸さんらしい演出ですね。そして胡蝶と成り変わり、源頼光を取り食らおうとします。今度は優しくおだやかな侍女から一変、恐ろしく不気味な鬼女となって頼光に蜘蛛を投げ掛けます。宝刀の威徳で難を逃れた頼光は、四天王にバトンタッチ。蜘蛛切丸を授かった二人は、ついに土蜘蛛を追い詰めます。ど派手に打ち上げられた大量の蜘蛛の糸が、立ち合いをさらに盛り上げ、舞手も若さ溢れるスピード感たっぷりの舞を披露。思わず会場から湧き上がった拍手がとても暖かく感じられました。
以上、前半の三演目でした。「その2」では後半の大江山への物語をお届けします。
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2008,12,23 Tue 22:41
新着コメント
中川戸神楽ファンさん、コメントありがとうございます。
見に行けなかった方に、少しでも当日の様子がお伝えできればと思っています。
その2もぜひご覧ください!
ジェラードさん、コメントありがとうございます。
会場を巻き込んでの舞、神楽ならではの魅力たっぷりですよね!
自分も個人的に「岩戸」は好きな演目の一つです。
またコメントお願いします。
見に行けなかった方に、少しでも当日の様子がお伝えできればと思っています。
その2もぜひご覧ください!
ジェラードさん、コメントありがとうございます。
会場を巻き込んでの舞、神楽ならではの魅力たっぷりですよね!
自分も個人的に「岩戸」は好きな演目の一つです。
またコメントお願いします。
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/12/24 23:05 | qi6UEqak |
原田さんの「天の岩戸」は大好きです。
ホント、「神遊び」です。
手力男命が扇子を持って舞うところは鳥肌がたつほど、興奮します。
ホント、「神遊び」です。
手力男命が扇子を持って舞うところは鳥肌がたつほど、興奮します。
| ジェラード | EMAIL | URL | 08/12/24 11:36 | IuiyJ9B2 |
間違えた?
その2を楽しみにしてぃます??
その2を楽しみにしてぃます??
| 中川戸神楽ファン | EMAIL | URL | 08/12/24 01:07 | iV95cbPg |
行きたかったです?
その2を楽しみにしてぃます??
その2を楽しみにしてぃます??
| 中川戸神楽ファン | EMAIL | URL | 08/12/24 01:05 | iV95cbPg |
12月23日に、広島市のALSOKホールで「RCC神楽スペシャル 頼光武勇伝」が行われます。2004年の12月23日、平和公園内のフェニックスホールからスタートした、この「神楽スペシャル」。今年で5回目となり、すっかりファンのみなさんの間で、年末の一大イベントとして定着したのではないでしょうか。その記念すべき第一回のテーマは「大江山への道」。以来「平安の悲劇」「ヤマトタケル伝説」「鬼女伝説」と続き、今回のテーマは「頼光武勇伝」。主役はあの源頼光、神楽の中でもっとも登場回数の多いヒーローでしょうね。そしてその四天王を含めた数々の武勇伝が一挙に繰り広げられます。
中でも注目はやはり、最後の「大江山」。今回出演の五団体の合同で、今までにないスケールの上演が期待できますよ!主役の頼光を筆頭に、茨木童子との因縁がある渡辺綱、「山姥」の怪童丸が成長した坂田金時。そしてここまでの上演でそれぞれ活躍した卜部末武、碓井定光。テーマ通り、頼光と四天王が勢ぞろい。この顔ぶれが一同に舞い、大江山へと攻め上るのですから、これだけでワクワクしますね。もちろん、待ち受ける大江山の鬼たちもヒケをとりません。まさに最後の大一番が、千丈ヶ岳の岩屋で始まります。合同演目ならではの迫力をたっぷりお楽しみください。それと、前の方の席のお客様…、ステージばかりに気を取られていると、近くに現れた鬼にさらわれるかもしれませんよ!?(笑)
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中でも注目はやはり、最後の「大江山」。今回出演の五団体の合同で、今までにないスケールの上演が期待できますよ!主役の頼光を筆頭に、茨木童子との因縁がある渡辺綱、「山姥」の怪童丸が成長した坂田金時。そしてここまでの上演でそれぞれ活躍した卜部末武、碓井定光。テーマ通り、頼光と四天王が勢ぞろい。この顔ぶれが一同に舞い、大江山へと攻め上るのですから、これだけでワクワクしますね。もちろん、待ち受ける大江山の鬼たちもヒケをとりません。まさに最後の大一番が、千丈ヶ岳の岩屋で始まります。合同演目ならではの迫力をたっぷりお楽しみください。それと、前の方の席のお客様…、ステージばかりに気を取られていると、近くに現れた鬼にさらわれるかもしれませんよ!?(笑)
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2008,12,19 Fri 22:16
新着コメント
神楽大好きさん、コメントありがとうございます。
合同演目「大江山」の配役ですが、当日のパンフレットを参照させていただきます。
源頼光…河野英利
渡辺綱…舛田洋
碓井貞光…大田学
卜部李武…山根陵
坂田金時…上野将
酒呑童子…水重剛
鬼…中川克也
鬼…高下雅史
鬼…東成憲
鬼…秋山邦昭
鬼…前長直哉
鬼…仁井正宏
紅葉姫…野上正宏
姫…前翔太
姫…八重尾直都
素晴らしい上演でしたよ!
合同演目「大江山」の配役ですが、当日のパンフレットを参照させていただきます。
源頼光…河野英利
渡辺綱…舛田洋
碓井貞光…大田学
卜部李武…山根陵
坂田金時…上野将
酒呑童子…水重剛
鬼…中川克也
鬼…高下雅史
鬼…東成憲
鬼…秋山邦昭
鬼…前長直哉
鬼…仁井正宏
紅葉姫…野上正宏
姫…前翔太
姫…八重尾直都
素晴らしい上演でしたよ!
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/12/23 22:49 | qi6UEqak |
お願いです?当日見にいけないので大江山の配役聞かしてもらえませんか?
| 神楽大好き | EMAIL | URL | 08/12/21 20:54 | y900sSBE |
匿名さん、コメントありがとうございます。
2枚目は千代田開発センターで行われた、合同練習の模様です。
客席に座られているのは団員さんなので、一般の方はおられませんでした。
告知も特にないので…見学はできないんじゃないでしょうか。
2枚目は千代田開発センターで行われた、合同練習の模様です。
客席に座られているのは団員さんなので、一般の方はおられませんでした。
告知も特にないので…見学はできないんじゃないでしょうか。
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/12/20 21:18 | kn59W76M |
2枚目の写真は千代田開発センターでしょうか。
見学などもできるんですか?
見学などもできるんですか?
| 匿名 | EMAIL | URL | 08/12/20 12:16 | mLXQLu2M |