3月20日は安佐北区民文化センターで「第2回あさきた神楽発表会」が開催されました。ファンのみなさんにお馴染みの芸北神楽から、この地域に古くから伝わる十二神祇系の神楽まで、様々な神楽の上演を見ることができました。
十二神祇の神楽の上演は三演目。一つ目は昨年と同じく上矢口郷土芸能保存会「大鬼子鬼」。たくさん登場した子鬼たちのほのぼのとした舞が印象的でした。3つの中では一番展開が多く、楽のリズムも前半と後半で違ったりしましたが、舞の基本は同じということは、みなさんにもお分かりいただけたかと思います。二つ目はくむら神楽保存会「世鬼の舞」。芸北地域では「荒平の舞」としてわずかに残っていると聞いたことがありますが、実際に上演されているのを見るのはもちろん今回が初めてでした。太夫と鬼(荒平)との問答が見どころの神楽ですが、残念ながら勉強不足の自分には、すべてのセリフの意味を理解することができませんでした。しかしわからないまでも、この演目の面白さは感じることができましたし、何より太夫を舞われた小さいお子さんがしっかりと最後まで役を務められたのは感動しました。三つ目は岩上八幡神社神楽保存会「なぎなた舞」。3つの中で一番シンプルな舞でした。基本の舞をそれぞれ四方で舞い、一巡するごとに新しい手が加わるという、まさに神楽の基本そのものを、じっくりと見せていただきました。そして芸北神楽にはない、かけ足での動きも興味深いものでしたね。一日に三回も十二神祇を見たので、かなり楽のリズムが頭に残りました。
お馴染みの芸北神楽では綾西神楽団「英彦山」が珍しいものでした。酒呑童子の妹、竜虎滝夜叉が、卜部季武から宝刀蜘蛛切丸を盗みだします。しかし季武は坂田金時とともに八幡大菩薩の御神徳によって宝刀を取り返します。いろんな演目の見どころを一つに集めたような、見せ場連続の豪華な神楽でした。
昨年と違い、上演の合間に車の移動を呼びかけるようなこともなく、また終了時間もほぼ予定通りでした。昨年の反省をしっかり生かした主催者、スタッフのみなさん。そしてファンのみなさんの協力の成果もしっかり表れていたと思います。第3回が今回以上のイベントになることを期待したいですね!
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十二神祇の神楽の上演は三演目。一つ目は昨年と同じく上矢口郷土芸能保存会「大鬼子鬼」。たくさん登場した子鬼たちのほのぼのとした舞が印象的でした。3つの中では一番展開が多く、楽のリズムも前半と後半で違ったりしましたが、舞の基本は同じということは、みなさんにもお分かりいただけたかと思います。二つ目はくむら神楽保存会「世鬼の舞」。芸北地域では「荒平の舞」としてわずかに残っていると聞いたことがありますが、実際に上演されているのを見るのはもちろん今回が初めてでした。太夫と鬼(荒平)との問答が見どころの神楽ですが、残念ながら勉強不足の自分には、すべてのセリフの意味を理解することができませんでした。しかしわからないまでも、この演目の面白さは感じることができましたし、何より太夫を舞われた小さいお子さんがしっかりと最後まで役を務められたのは感動しました。三つ目は岩上八幡神社神楽保存会「なぎなた舞」。3つの中で一番シンプルな舞でした。基本の舞をそれぞれ四方で舞い、一巡するごとに新しい手が加わるという、まさに神楽の基本そのものを、じっくりと見せていただきました。そして芸北神楽にはない、かけ足での動きも興味深いものでしたね。一日に三回も十二神祇を見たので、かなり楽のリズムが頭に残りました。
お馴染みの芸北神楽では綾西神楽団「英彦山」が珍しいものでした。酒呑童子の妹、竜虎滝夜叉が、卜部季武から宝刀蜘蛛切丸を盗みだします。しかし季武は坂田金時とともに八幡大菩薩の御神徳によって宝刀を取り返します。いろんな演目の見どころを一つに集めたような、見せ場連続の豪華な神楽でした。
昨年と違い、上演の合間に車の移動を呼びかけるようなこともなく、また終了時間もほぼ予定通りでした。昨年の反省をしっかり生かした主催者、スタッフのみなさん。そしてファンのみなさんの協力の成果もしっかり表れていたと思います。第3回が今回以上のイベントになることを期待したいですね!
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2008,03,24 Mon 20:29
新着コメント
uzumeさん、コメントありがとうございます。
本当にいろんな神楽があって、それぞれに魅力があるものですね。
飽きることがないわけです。
何より神楽に取り憑かれてる人間ですからね^^;
それこそ仕事になったらもう、大変ですよ(笑)
またコメントお願いします。
本当にいろんな神楽があって、それぞれに魅力があるものですね。
飽きることがないわけです。
何より神楽に取り憑かれてる人間ですからね^^;
それこそ仕事になったらもう、大変ですよ(笑)
またコメントお願いします。
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/03/26 23:01 | BFfnvy1Y |
特派員報告ありがとうございます。
神楽って、地域によっていろいろあるし、伝統をしっかり守られているもの、新しい事にチャレンジして、新しいファンを獲得しているもの、と幅が広く、奥が深いですよね。
その魅力をこれからも伝えて下さいね。
それが仕事になれば、いいのにね・・・。
神楽って、地域によっていろいろあるし、伝統をしっかり守られているもの、新しい事にチャレンジして、新しいファンを獲得しているもの、と幅が広く、奥が深いですよね。
その魅力をこれからも伝えて下さいね。
それが仕事になれば、いいのにね・・・。
| uzume | EMAIL | URL | 08/03/25 22:28 | S3rc.rf6 |
休憩の後は山王神楽団「八岐大蛇」。最近では島根県の団体の「大蛇」を見る機会のほうが多く、広島のものは久しぶりでしたね。しかし山王さんの大蛇も八匹出ますので、迫力は本場にもヒケを取りません。さらに手名椎おばあさんのパフォーマンス、みなさん楽しんでいただけましたか?涙が染み込んだ手ぬぐい?をギューっと絞ってみたり、宙返りをしたり、足名椎おじいさんもビックリの勢いで酒樽をかき混ぜてみたり…。今回のイベントの中ではこういった笑いの要素が一番強かった演目でしたね!またこの演目は、大蛇が豊作の田畑を飲み込む大洪水と例えられますが、須佐之男尊に襲い掛かる大蛇の迫力は、まさにそれを彷彿とさせるものだったと思います。
そして筏津神楽団「大江山」。あらすじはみなさんご存じの通りですが、やはり初めて見るということでどんな展開になるんだろうと、舞台から目が離せませんでしたね。まずは一枚目の写真にご注目。岩屋に辿り着いた頼光たちの前に現れたのは五匹の鬼たち。筏津ファンの方には「羅生門」でお馴染みの茨木童子も登場しましたが、初めてご覧になった方はおそらく酒呑童子と勘違いされたのではないでしょうか。では一体どんな親分が出てくるのかと思いきや、意外にも小さな面の酒呑童子。会場はみなさんのどよめきが止みませんでしたが、おそらくほとんどの方が「これで終わるわけがない」と思われたはず。案の定、最後には大きな面に変わった酒呑童子が現れたんですが、その面の大きさは予想以上!驚きと興奮でさらに盛り上がった立ち合いはこれまた凄まじいものでした。
最後は宮乃木神楽団「紅葉狩」。これまでの6演目、どれがトリでもおかしくないくらいの熱演が続いてきましたが、いよいよ真打ち登場!といった雰囲気で始まりました。鮮やかな紅葉が描かれた幕の前で舞われる鬼女たちの舞。その優雅な舞は、これから悲劇の物語が始まることを忘れてしまいますね。中盤、文字通り、鬼の形相で維茂たちに襲い掛かる鬼女たち。その迫真の演技からいつの間にか本当に鬼面に変わった瞬間の歓声と拍手はすごかったですね!そして最後、壮絶な最後を遂げる鬼女、紅葉の演技にはたくさんの方が胸を熱くされたことと思います。
上演後は宮乃木神楽団の団員さんがステージに勢ぞろいし、ファンのみなさんにお礼を述べられました。逆にこちらからも「素晴らしい上演をありがとう」とお礼を言いたいファンのみなさんもおられたことでしょう。それにしても今回の上演はどれも素晴らしかったのですが、それはなぜだろうと考えた時、やはりファンのみなさんの力であると思えました。上演する側、舞手と奏楽だけでここまでのものができるとは考えにくく、それをさらに盛り上げ、そして応援するファンの方がいるからこその素晴らしい上演であり、それがこの地域の神楽の魅力であると改めて強く感じました。しかし、最初に述べたように入場制限のため帰られたお客さんもおられました。またあまりにも人が多すぎたため、ずっと立ち見などしんどい体勢で長時間見られた方、あるいは落ち着いて見ることができなかった方もおられたかもしれません。自分は記録係として参加しましたが、あまりの人の多さに成り行きで帳場を手伝ったりもしました。あらかじめ混雑が予想できたのであれば、もう少しスタッフを増やしたり、休憩の間に会場整理をしたりなど、もっとファンのみなさんのために何かできたのではないかと、反省すべき点がいくらでも出てきます。来年度からの月一の舞の予定はまだ未定のようですが、今回の反省点をしっかり次に生かしたいと思います。
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2008,03,18 Tue 20:51
新着コメント
名無しさん、コメントありがとうございます。
まさにおっしゃるとおりです。
できれば複数人で特派員報告を書いてみたいのですが、なかなか志願してくださる方がおらず…。
またコメントお願いします。
きりんさん、コメントありがとうございます。
いつも楽しみにしていただいて嬉しいです。
DVDが届くまでまだまだですが、きっと満足される内容になっていると思いますよ!
機会がありましたら、ぜひ会場にもお越しください。
牙城君さん、コメントありがとうございます。
島根にお住まいなんですね。
広島で島根のものがなかなか見れないのと同じく、島根でも広島の神楽は見る機会が少ないんでしょうね。
宮乃木さんは保持演目がたくさんありますから、すべてを見るのも大変だと思いますが、ぜひ会場に足を運んでみてください!
まさにおっしゃるとおりです。
できれば複数人で特派員報告を書いてみたいのですが、なかなか志願してくださる方がおらず…。
またコメントお願いします。
きりんさん、コメントありがとうございます。
いつも楽しみにしていただいて嬉しいです。
DVDが届くまでまだまだですが、きっと満足される内容になっていると思いますよ!
機会がありましたら、ぜひ会場にもお越しください。
牙城君さん、コメントありがとうございます。
島根にお住まいなんですね。
広島で島根のものがなかなか見れないのと同じく、島根でも広島の神楽は見る機会が少ないんでしょうね。
宮乃木さんは保持演目がたくさんありますから、すべてを見るのも大変だと思いますが、ぜひ会場に足を運んでみてください!
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/03/22 10:56 | tTBCbx1A |
匿名希望さん、コメントありがとうございます。
お気遣いいただき重ねて感謝申し上げます。
どうぞこれからもよろしくお願いします。
猛さん、コメントありがとうございます。
残念ですが、三矢の大会は行くことができませんでした。
楽しみにしていただいたのに申し訳ないです。
八上姫さん、コメントありがとうございます。
今回はお客さんの盛り上がりも特にすごかったと思います。
まさにファンあっての神楽、なんでしょうね。
これからもよろしくお願いします。
お気遣いいただき重ねて感謝申し上げます。
どうぞこれからもよろしくお願いします。
猛さん、コメントありがとうございます。
残念ですが、三矢の大会は行くことができませんでした。
楽しみにしていただいたのに申し訳ないです。
八上姫さん、コメントありがとうございます。
今回はお客さんの盛り上がりも特にすごかったと思います。
まさにファンあっての神楽、なんでしょうね。
これからもよろしくお願いします。
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/03/22 10:50 | tTBCbx1A |
おはようございます。
宮乃木神楽団10周年記念大会おめでとうございました。自分自身も行きたかったのですが色々神楽大会などが重なって行けませんでしたがこのプログで行った気持ちになりました。
宮乃木神楽団さんと言えば最近は岩見重太郎や一条戻り橋が有名な演目ですが?最近では余り舞われ無い
那須野ケ原や大蛇のような演目が見たいです!
宮乃木神楽団さんは島根県では余り見れませんが今年は沢山見たいです!
来年も月一の舞をヤられるなら行きたいです!
宮乃木神楽団10周年記念大会おめでとうございました。自分自身も行きたかったのですが色々神楽大会などが重なって行けませんでしたがこのプログで行った気持ちになりました。
宮乃木神楽団さんと言えば最近は岩見重太郎や一条戻り橋が有名な演目ですが?最近では余り舞われ無い
那須野ケ原や大蛇のような演目が見たいです!
宮乃木神楽団さんは島根県では余り見れませんが今年は沢山見たいです!
来年も月一の舞をヤられるなら行きたいです!
| 牙城君 | EMAIL | URL | 08/03/22 07:44 | zu9D2WXg |
住まいが遠方なので数多くは神楽を観に行けず、特派員報告をいつも楽しみにしています。元々DVDは予約するつもりでいましたが、報告を読んで更に期待が膨らんでいます。納品はまだまだ先。。。
それまではせっせと仕事に励みたいと思います。
それまではせっせと仕事に励みたいと思います。
| きりん | EMAIL | URL | 08/03/21 00:22 | hOa1s8Zc |
猛さん
特派員でない私が言う事ではないと思いますが,
宮乃木10周年に行かれた特派員の方が
三矢の里の特派員報告を書く事は不可能だと思います。
もちろんこの特派員報告を何人かで書いていれば、
どちらの会場にも特派員の方が行かれて報告を書くという事が可能ですが、特派員報告は1人の方が書かれているのでどちらの報告も書くということは無理だと思います。
第三者の勝手なコメント失礼しました。
特派員でない私が言う事ではないと思いますが,
宮乃木10周年に行かれた特派員の方が
三矢の里の特派員報告を書く事は不可能だと思います。
もちろんこの特派員報告を何人かで書いていれば、
どちらの会場にも特派員の方が行かれて報告を書くという事が可能ですが、特派員報告は1人の方が書かれているのでどちらの報告も書くということは無理だと思います。
第三者の勝手なコメント失礼しました。
| 名無し | EMAIL | URL | 08/03/20 22:52 | qu15VZmY |
3月16日は千代田開発センターで「宮乃木神楽団創立10周年記念神楽公演」が行われました。入場は無料ということもあって、開場の1時間前からすでに300人ほどのお客さんが並んでおられ、イベントが始まる頃には入りきれないほどのファンのみなさんで会場がいっぱいになりました。中には立ち見となった段階で帰られた方もおられたようです。また同じ日には各地で神楽イベントがありましたので、見に行けなかった方に、少しでも雰囲気が伝わるよう今回の特派員報告をさせていただきます。
まずは今回の主役、宮乃木神楽団による「岩戸」。この演目は、登場する神様たちの舞い方や表現の違いがじっくり楽しめる演目です。例えば児屋根命と太玉命が一緒に舞うと、それぞれ老いた感じ、若い感じを受けますよね。地味な演目ではありますが、舞や所作など、ごく基本的な部分で神楽の面白さを見ることができます。そして最大の見所はついに岩戸が開かれる場面ですね。2枚目の写真でおわかりかと思いますが、大太鼓の方が凄まじい叩きっぷりで、激しすぎて烏帽子が脱げてしまうほどでした。さらに客席からも大きな掛け声が飛んだり、まさに舞台と一緒になって盛り上がって楽しめたと思います。
続いて梶矢神楽団「山伏」。初めてご覧になった方も多くおられたことでしょう。昔ながらの伝統を非常に大事にされている神楽団さんで、初めて見るのに何か懐かしさを感じられた方もいらっしゃったのではないでしょうか。最近の神楽は、競演などの影響で洗練されすぎたもの、わかりやすく言うなら舞と楽があまりにもそろいすぎたものが多い傾向にあると感じることがあります。確かに見栄えはしますが、全てが楽と合っていては逆に神楽の舞の味、間の取り方などといったものが失われる場合もあるかと思います。そういうのを批判するつもりはありませんが、梶矢さんの舞を見ていると、「神楽はこういうものなんだよ」と教えてもらっているような印象を受けました。そしてこの演目は掛け合いの神楽歌や長いセリフが見所。特に里人さんが那須野ヶ原の様子を語る、長い長~~~いセリフを言い終えられた瞬間の拍手は本当にすごくて、次のセリフが全く聴こえないほどでした!
次は亀山社中「頼政」。以前こちらで「この演目はいまだ成長途上とされているので、各団体でいろんな演出があったほうが面白いのでは」と書いたんですが、今回の亀山社中さんの演出も非常に印象的でした。頼政と猪早太、そして藤原頼長という人物も登場したんですが、セリフの後、三人がビシっと決めてるだけでかなりカッコよかったと思います(笑)。また例によってたくさんのお猿さんたちの登場。ほとんど歩くところがないほど、お客さんで一杯だった会場ですが、それでも後ろのほうまでしっかりやってきてファンサービスをしておられました。そして鵺の妖術で危機に陥った頼政が「八幡大菩薩!」と叫んで放った矢が見事命中して鵺が幕から出てくる場面、ここの迫力はすごかったですね!舞手、奏楽、そして客席のエネルギーが一点に集中したような感じでした!
そして宮乃木神楽団「羅城門」。一条戻り橋での事件から大江山の鬼人征伐へと向かう、中編の物語です。始まったとたんに渡辺綱と茨木童子が一戦交えるんですが、茨木童子の持っていた傘を容赦なく槍でズタズタにするという演出、迫真の演技で一気にテンションが上がりますね!そして中盤の見せ場はついに腕を取り返す場面。優しげな白妙の面が、いつの間にか恐ろしい鬼の面へと変わったのは驚きでしたね。舞手さんの執念によって変化したのではないかと思えるほどです。最後の立ち合いがこれまたスゴイ迫力。言葉で説明のしようがないくらいの大熱演で、もともとファンのみなさんの熱気で暑かった会場がさらに暑く熱くなったような感じでした。
以上、前半の4演目でした。明日は残りの3演目です。お楽しみに!
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まずは今回の主役、宮乃木神楽団による「岩戸」。この演目は、登場する神様たちの舞い方や表現の違いがじっくり楽しめる演目です。例えば児屋根命と太玉命が一緒に舞うと、それぞれ老いた感じ、若い感じを受けますよね。地味な演目ではありますが、舞や所作など、ごく基本的な部分で神楽の面白さを見ることができます。そして最大の見所はついに岩戸が開かれる場面ですね。2枚目の写真でおわかりかと思いますが、大太鼓の方が凄まじい叩きっぷりで、激しすぎて烏帽子が脱げてしまうほどでした。さらに客席からも大きな掛け声が飛んだり、まさに舞台と一緒になって盛り上がって楽しめたと思います。
続いて梶矢神楽団「山伏」。初めてご覧になった方も多くおられたことでしょう。昔ながらの伝統を非常に大事にされている神楽団さんで、初めて見るのに何か懐かしさを感じられた方もいらっしゃったのではないでしょうか。最近の神楽は、競演などの影響で洗練されすぎたもの、わかりやすく言うなら舞と楽があまりにもそろいすぎたものが多い傾向にあると感じることがあります。確かに見栄えはしますが、全てが楽と合っていては逆に神楽の舞の味、間の取り方などといったものが失われる場合もあるかと思います。そういうのを批判するつもりはありませんが、梶矢さんの舞を見ていると、「神楽はこういうものなんだよ」と教えてもらっているような印象を受けました。そしてこの演目は掛け合いの神楽歌や長いセリフが見所。特に里人さんが那須野ヶ原の様子を語る、長い長~~~いセリフを言い終えられた瞬間の拍手は本当にすごくて、次のセリフが全く聴こえないほどでした!
次は亀山社中「頼政」。以前こちらで「この演目はいまだ成長途上とされているので、各団体でいろんな演出があったほうが面白いのでは」と書いたんですが、今回の亀山社中さんの演出も非常に印象的でした。頼政と猪早太、そして藤原頼長という人物も登場したんですが、セリフの後、三人がビシっと決めてるだけでかなりカッコよかったと思います(笑)。また例によってたくさんのお猿さんたちの登場。ほとんど歩くところがないほど、お客さんで一杯だった会場ですが、それでも後ろのほうまでしっかりやってきてファンサービスをしておられました。そして鵺の妖術で危機に陥った頼政が「八幡大菩薩!」と叫んで放った矢が見事命中して鵺が幕から出てくる場面、ここの迫力はすごかったですね!舞手、奏楽、そして客席のエネルギーが一点に集中したような感じでした!
そして宮乃木神楽団「羅城門」。一条戻り橋での事件から大江山の鬼人征伐へと向かう、中編の物語です。始まったとたんに渡辺綱と茨木童子が一戦交えるんですが、茨木童子の持っていた傘を容赦なく槍でズタズタにするという演出、迫真の演技で一気にテンションが上がりますね!そして中盤の見せ場はついに腕を取り返す場面。優しげな白妙の面が、いつの間にか恐ろしい鬼の面へと変わったのは驚きでしたね。舞手さんの執念によって変化したのではないかと思えるほどです。最後の立ち合いがこれまたスゴイ迫力。言葉で説明のしようがないくらいの大熱演で、もともとファンのみなさんの熱気で暑かった会場がさらに暑く熱くなったような感じでした。
以上、前半の4演目でした。明日は残りの3演目です。お楽しみに!
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2008,03,17 Mon 22:29
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こんばんは
27日楽しみにしています
午前9時ぐらいから、場所取りに行きます
27日は、頑張ってください
ビデオや写真をたくさん撮っちゃおうと思います
27日楽しみにしています
午前9時ぐらいから、場所取りに行きます
27日は、頑張ってください
ビデオや写真をたくさん撮っちゃおうと思います
| HIYORI | EMAIL | URL | 13/10/25 21:45 | 3au9sOhI |
佐々木崇志さん、ごきげんよう。今度また、コムズに来た時、会えることを楽しみにしています。いつか、悪こ伝をしてくれたら嬉しいなぁー
| ぴよ | EMAIL | URL | 13/10/12 14:55 | 3au9sOhI |
宮乃木最高ー
応援しています
佐々木崇志さん大好きでーす
Ⅰ LOVE TAKASI
応援しています
佐々木崇志さん大好きでーす
Ⅰ LOVE TAKASI
| ぴより | EMAIL | URL | 13/10/09 20:10 | 3au9sOhI |
なっちゃんさん、コメントありがとうございます。
「岩戸」であのように盛り上がるのはなかなかないでしょうから、しっかり楽しまれたことと思います。
八百万の神様たちと一緒になって、手力男命を応援する感じでしたね!
これで他の「岩戸」も、もっと面白く見れると思いますよ。
Chocolate Cakeさん、コメントありがとうございます。
記事にも書きましたが、本当にどれもよかったですね。
すべてが見応え十分の熱演で、さらにファンのみなさんの声援が暖かく感じられました。
またコメントお願いします。
「岩戸」であのように盛り上がるのはなかなかないでしょうから、しっかり楽しまれたことと思います。
八百万の神様たちと一緒になって、手力男命を応援する感じでしたね!
これで他の「岩戸」も、もっと面白く見れると思いますよ。
Chocolate Cakeさん、コメントありがとうございます。
記事にも書きましたが、本当にどれもよかったですね。
すべてが見応え十分の熱演で、さらにファンのみなさんの声援が暖かく感じられました。
またコメントお願いします。
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/03/22 10:41 | tTBCbx1A |
どれも良かったですね!!
もちろん、いつも良いのですが、今回は特に良かったです。
岩戸を開ける時は、興奮しました。
「羅城門」の最初の戦いも面白かったですね。
凄く充実した1日でした。
もちろん、いつも良いのですが、今回は特に良かったです。
岩戸を開ける時は、興奮しました。
「羅城門」の最初の戦いも面白かったですね。
凄く充実した1日でした。
| Chocolate Cake | EMAIL | URL | 08/03/20 20:48 | wq20eHNU |
では今大会の番外編をご紹介します。
一枚目の写真は、開場直後のロビーの風景。毎年のことではありますが、やはり今年はいつになくお客さんが多かったようです。神楽人気の高さを実感して少し嬉しくなりましたね!
さて続いて、上演開始直前のステージの写真。天蓋の飾りに、それぞれ五色のライトが当てられているところです。神楽の基本を成す大事な要素に、陰陽五行思想がありますが、これを天蓋や飾りで方位を示すことによってさらに意味が深まると思います。とりあえず上に何か飾っておけば、というものではないのです。他にもただあらすじを述べるだけではなく、その演目の核心をついてより深い意味に迫っているナレーションが、それぞれの上演の最初に入るのもこのイベントの特徴。神楽の上演を楽しむだけでなく、神楽についての勉強もできるわけです。
今回のプログラム、みなさんはどれがよかったと思われましたか?もちろん全部!という方がほとんどだと思いますが、客席の反応を見ていて、特に好評と感じたのはやはり都治社中「大江山」でしょうか。当然、初めて見られた方が多かったということもあると思います。頼光たちが最初に舞って、いったん幕内に下がるところでは大きな拍手があったんですよね。神が退場するときにこんな大きな反応があったのは、かなり珍しいことではないかと思いました。まるでファンのみなさんが、大江山に向かう頼光一行を拍手で送り出す都人になられたかのような感じさえ受けました。
そして、イベント終了後の一枚。先ほどまで素晴らしい熱演の数々が繰り広げられたステージも、ものの30分と経たないうちにご覧の通り。スタッフのみなさん、実に見事な仕事ぶりで撤収作業をしておられました。そんな中、「ケーブルがない!」という騒ぎもありましたが(笑)。本当にスタッフのみなさん、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした!
最後にこのイベントを通して個人的に感じたことをまとめてみます。昨年、ある競演大会の総評で審査員の方が「神楽は神秘性のあるものがよいのではないか」ということを言われました。それ以来、ずっとその言葉を頭に浮かべているんですが、ファンのみなさんの中には「神楽の神秘性」と言われても、ピンと来ないという方もおられるかと思います。そこで自分が今まで勉強してきたうちの一つの例をご紹介します。
島根県で伝承されている「大元神楽(おおもとかぐら)」というものがあります。数年に一度、神職の方、近隣の神楽団・社中のみなさんが集まり、夕方からあくる朝までという長い時間をかけて行う神楽です。その大元神楽の目的というのが「神託(しんたく)」なんだそうです。神楽の最中、ある人が神がかりになり、今年の神楽の出来や、来年の豊凶、地域に起こるできごとなどのお告げがあるということです。神様が人の口を借りて話をする、ということなんですが、おそらくみなさんにわかには信じがたいと思います。もちろん自分も大元神楽すら見たことがなければ、神がかりの瞬間に立ち会ったこともありません。しかし実際にあることで、平成に入ってからも神がかりがあったことが記録されています。まさにこれこそ「神楽の神秘」ではないでしょうか。
さてそこで今回のイベントなんですが、ご覧になったみなさんが家に帰られて、ご家族や友人の方に「今日はこんなのを見たよ!」と感想を言われた際、その時思い浮かべるのはどんな場面でしょうか。幕内から光を浴びて、神々しい雰囲気の中現れた鈿女命。酒呑童子の妖術で絶体絶命の危機に陥った源頼光。稲妻が光る黒雲の中を自在に飛び回る塵倫。雷鳴が轟く真っ暗なステージの中、赤くらんらんと光っていた八岐大蛇の目。悲劇の物語の最後に救いを見た「道成寺」のエンディング。まるで何かに憑かれたかのように囃す手打ち鐘の方に、舞手が応え見る人も熱狂し、会場全体が揺れるようだった原田神楽団「紅葉狩」。ちょっと大げさですが、これらはみな神秘的な要素を持っているとは言えないでしょうか。
「神がかり」を起こす大元神楽と、まだ10年ほどの歴史しかないホール神楽を比べるというのは馬鹿げた話でしょう。「ホール神楽で神楽の神秘を語れるものか!」「あなたの言う神楽の神秘はその程度?」という声もあると思います。ですが、ホール神楽で神がかりが起こせないのと同じく、今回来られた千人を超すファンのみなさんが、お宮に行って神楽の神秘を見るのも無理な話。所(ところ)違えば舞も変わる、舞が違えば見る人も変わる。ただ、神楽の持つ神秘というものは、どこへ行っても変わらぬものであると思いたいのです。この「神秘性」こそ、芝居や演劇など他の芸能にはない、神楽の大きな特徴であり、神楽に関わる人全員が大事にしていかなければなりません。
また小難しいことを偉そうに書いてしまいましたが、これをきっかけに読まれた方が少しでも神楽について興味を深めていただければ幸いに思います。そしてファンのみなさん、いつまでもこの地域の神楽が伝承されるよう、応援をよろしくお願いします。
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一枚目の写真は、開場直後のロビーの風景。毎年のことではありますが、やはり今年はいつになくお客さんが多かったようです。神楽人気の高さを実感して少し嬉しくなりましたね!
さて続いて、上演開始直前のステージの写真。天蓋の飾りに、それぞれ五色のライトが当てられているところです。神楽の基本を成す大事な要素に、陰陽五行思想がありますが、これを天蓋や飾りで方位を示すことによってさらに意味が深まると思います。とりあえず上に何か飾っておけば、というものではないのです。他にもただあらすじを述べるだけではなく、その演目の核心をついてより深い意味に迫っているナレーションが、それぞれの上演の最初に入るのもこのイベントの特徴。神楽の上演を楽しむだけでなく、神楽についての勉強もできるわけです。
今回のプログラム、みなさんはどれがよかったと思われましたか?もちろん全部!という方がほとんどだと思いますが、客席の反応を見ていて、特に好評と感じたのはやはり都治社中「大江山」でしょうか。当然、初めて見られた方が多かったということもあると思います。頼光たちが最初に舞って、いったん幕内に下がるところでは大きな拍手があったんですよね。神が退場するときにこんな大きな反応があったのは、かなり珍しいことではないかと思いました。まるでファンのみなさんが、大江山に向かう頼光一行を拍手で送り出す都人になられたかのような感じさえ受けました。
そして、イベント終了後の一枚。先ほどまで素晴らしい熱演の数々が繰り広げられたステージも、ものの30分と経たないうちにご覧の通り。スタッフのみなさん、実に見事な仕事ぶりで撤収作業をしておられました。そんな中、「ケーブルがない!」という騒ぎもありましたが(笑)。本当にスタッフのみなさん、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした!
最後にこのイベントを通して個人的に感じたことをまとめてみます。昨年、ある競演大会の総評で審査員の方が「神楽は神秘性のあるものがよいのではないか」ということを言われました。それ以来、ずっとその言葉を頭に浮かべているんですが、ファンのみなさんの中には「神楽の神秘性」と言われても、ピンと来ないという方もおられるかと思います。そこで自分が今まで勉強してきたうちの一つの例をご紹介します。
島根県で伝承されている「大元神楽(おおもとかぐら)」というものがあります。数年に一度、神職の方、近隣の神楽団・社中のみなさんが集まり、夕方からあくる朝までという長い時間をかけて行う神楽です。その大元神楽の目的というのが「神託(しんたく)」なんだそうです。神楽の最中、ある人が神がかりになり、今年の神楽の出来や、来年の豊凶、地域に起こるできごとなどのお告げがあるということです。神様が人の口を借りて話をする、ということなんですが、おそらくみなさんにわかには信じがたいと思います。もちろん自分も大元神楽すら見たことがなければ、神がかりの瞬間に立ち会ったこともありません。しかし実際にあることで、平成に入ってからも神がかりがあったことが記録されています。まさにこれこそ「神楽の神秘」ではないでしょうか。
さてそこで今回のイベントなんですが、ご覧になったみなさんが家に帰られて、ご家族や友人の方に「今日はこんなのを見たよ!」と感想を言われた際、その時思い浮かべるのはどんな場面でしょうか。幕内から光を浴びて、神々しい雰囲気の中現れた鈿女命。酒呑童子の妖術で絶体絶命の危機に陥った源頼光。稲妻が光る黒雲の中を自在に飛び回る塵倫。雷鳴が轟く真っ暗なステージの中、赤くらんらんと光っていた八岐大蛇の目。悲劇の物語の最後に救いを見た「道成寺」のエンディング。まるで何かに憑かれたかのように囃す手打ち鐘の方に、舞手が応え見る人も熱狂し、会場全体が揺れるようだった原田神楽団「紅葉狩」。ちょっと大げさですが、これらはみな神秘的な要素を持っているとは言えないでしょうか。
「神がかり」を起こす大元神楽と、まだ10年ほどの歴史しかないホール神楽を比べるというのは馬鹿げた話でしょう。「ホール神楽で神楽の神秘を語れるものか!」「あなたの言う神楽の神秘はその程度?」という声もあると思います。ですが、ホール神楽で神がかりが起こせないのと同じく、今回来られた千人を超すファンのみなさんが、お宮に行って神楽の神秘を見るのも無理な話。所(ところ)違えば舞も変わる、舞が違えば見る人も変わる。ただ、神楽の持つ神秘というものは、どこへ行っても変わらぬものであると思いたいのです。この「神秘性」こそ、芝居や演劇など他の芸能にはない、神楽の大きな特徴であり、神楽に関わる人全員が大事にしていかなければなりません。
また小難しいことを偉そうに書いてしまいましたが、これをきっかけに読まれた方が少しでも神楽について興味を深めていただければ幸いに思います。そしてファンのみなさん、いつまでもこの地域の神楽が伝承されるよう、応援をよろしくお願いします。
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2008,02,27 Wed 20:43
新着コメント
きりんさん、コメントありがとうございます。
難しいことを書いてしまったので、あまりコメントがつかないかな…と思っていたのですが、とてもありがたいお言葉を頂いて嬉しく思います。
渾身のレポートになったのは、やはりそれだけこのイベントが素晴らしかったんでしょうね。
ぜひ来年は厚生年金会館にもお越しください!
難しいことを書いてしまったので、あまりコメントがつかないかな…と思っていたのですが、とてもありがたいお言葉を頂いて嬉しく思います。
渾身のレポートになったのは、やはりそれだけこのイベントが素晴らしかったんでしょうね。
ぜひ来年は厚生年金会館にもお越しください!
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/03/04 19:18 | BFfnvy1Y |
初めまして。
里神楽としてその発展を大衆の手に委ねた瞬間から、密室で行う神事とは別なものに神楽はなってしまったのかもしれません。しかし大衆の力によってこそ、今なお廃れることなく神楽そのものが伝承されていることも事実で、誰にも分かりやすい形となって発展を続けていることにも大きな意義があると思います。
時代の大きな転換点にある、とされる今の時代に神楽人気が沸騰しているのは決して偶然ではないと思います。人智を超えた世界、まさしく神秘性に皆が無意識のうちに惹かれているのではないでしょうか。ホールという手段でその神秘性をより一層強く演出できているとすればそれもまた素晴らしいことだと思います。
このたびのRCCに行けなかったことがかなり悔やまれる渾身のレポートでした。次回のイベントを楽しみにしています。
里神楽としてその発展を大衆の手に委ねた瞬間から、密室で行う神事とは別なものに神楽はなってしまったのかもしれません。しかし大衆の力によってこそ、今なお廃れることなく神楽そのものが伝承されていることも事実で、誰にも分かりやすい形となって発展を続けていることにも大きな意義があると思います。
時代の大きな転換点にある、とされる今の時代に神楽人気が沸騰しているのは決して偶然ではないと思います。人智を超えた世界、まさしく神秘性に皆が無意識のうちに惹かれているのではないでしょうか。ホールという手段でその神秘性をより一層強く演出できているとすればそれもまた素晴らしいことだと思います。
このたびのRCCに行けなかったことがかなり悔やまれる渾身のレポートでした。次回のイベントを楽しみにしています。
| きりん | EMAIL | URL | 08/03/03 22:46 | MKTl4t5Q |
牙城君さん、コメントありがとうございます。
どれも素晴らしい上演でしたよ!!
DVDでしか見られないのは残念ですが、来年はぜひお越しください。
これからもどうぞよろしくお願いします。
どれも素晴らしい上演でしたよ!!
DVDでしか見られないのは残念ですが、来年はぜひお越しください。
これからもどうぞよろしくお願いします。
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/03/01 11:51 | tTBCbx1A |
今晩はお疲れさまです!
今回はRCC早春神楽10周年おめでとうございます今回は行けなかったのですが、大塚さんの道明寺や
都治さんの大江山は楽しみだったんですが凄く残念でしたが、DVDを楽しみにしてます。これから広島も神楽大会が多くなりますが頑張ってください!
今回はRCC早春神楽10周年おめでとうございます今回は行けなかったのですが、大塚さんの道明寺や
都治さんの大江山は楽しみだったんですが凄く残念でしたが、DVDを楽しみにしてます。これから広島も神楽大会が多くなりますが頑張ってください!
| 牙城君 | EMAIL | URL | 08/02/27 23:24 | MZc4TY.E |
第三部 新たなる神楽への挑戦
吉田神楽団「元就公」。神楽という伝統芸能が、地域の活性化に役立っていることはみなさんもよくご存知かと思います。近年、地元に伝わる物語を神楽化したものをよく見かけるようになったと感じますが、この演目もその一つです。広島を代表する戦国武将である毛利元就ゆかりの地、吉田町の神楽団ならではの演目です。やはり合戦が中心となっていますので、刀での立ち合いが見応えありました。神二人悪二人の四人が刀をクルクル回す場面は一気にテンションが上がるところですね!さらに舞手さんの演技がよく、表情にもそれぞれの役柄がしっかり出ていたと思います。
大塚神楽団「道成寺」。なかなか川を渡してくれない船頭さんに、安珍さんが差し出したものが一枚目の写真です。小判、中判(?)と出てきたのでなんとなく予想はできましたが、ここまで大きいものが出てくるとは…。そして何と言ってもクライマックスが見どころ。蛇体へと身を変えた清姫が、釣鐘ごと安珍を焼き殺してしまう場面。ステージ全体が赤く染まり、こちらまで蛇の吐く炎の熱が伝わってくるようでした。さらに最後、終わったと思ったところで、西方浄土へと清姫が昇天する場面があり、こちらも見事な演出で感動的なラストでした。
琴庄神楽団「羅生門」。まるで酒呑童子が本当に乗り移ったかのような化身の方の演技に、思わず釘付けになった方も多くいらっしゃったことでしょう。面の変え方もお見事で、さらに物語性をアップさせていたと思います。また腕を取り返す場面は、酒呑童子が全身全霊で封を解くような演出で、見ている方も力が入りましたね。頼光たちが完敗の演目ですが「大江山」へと続く物語なので、こういう形のほうがより次に気持ちがつながるのかもしれません。
宮乃木神楽団「岩見重太郎」。まずは重太郎の仇役である広瀬軍蔵らが登場するのですが、その衣装に引き付けられました。重厚感たっぷりの衣装で、より舞に迫力が加わっていたと思います。そして白狒々の登場はそれまでの空気をガラっと変えるもので、こちらも迫力十分。そしてもちろん、これら悪役をバッタバッタと切り倒していく重太郎さんの強さ、勇ましさも見応えあり。奏楽のみなさんの気合もいつに増していて、「今週の見どころ」で期待していたように、まさに一つの集大成のようでした。
上河内神楽団「新編伊吹山」。悲劇の英雄、日本武尊の最後の物語です。前半は后である弟橘姫が自ら海神のいけにえとなる場面がありますが、ここも照明とドライアイスの効果で、より一層悲しさが引き立っていました。この場面でもそうですが、ところどころで歌われる神楽歌も、この演目の見どころの一つですね。ただ単に強さだけでない、日本武尊の人気の高さがこういうところでも感じられます。最後に歌われる「大和は国のまほろば たたなづく青垣山隠れる 倭しうるわし」が何とも感動的でした。
中川戸神楽団「瀧夜叉姫」。新舞で人気演目と言えばこの他に「紅葉狩」「土蜘蛛」などがありますが、登場人物の違いはあるにせよ、ともすれば全て同じような鬼女もの、と見られてしまうこともあるかと思います。中川戸さんはこれらの物語に深く迫り、そして上手く演出を使うことでより神楽を面白くされています。五月姫の心情を表す上で重要な場面に、あっと驚く面の早変わりで見る人の気持ちをつかみます。上演後、しばらく会場の興奮も冷めやらぬといったざわめきが続いていました。
原田神楽団「紅葉狩」。ここまでいろいろ記事を書いてきましたが、この演目は逆にみなさんの感想を聞いてみたいですね!前半、鬼女三人の舞があるんですが、これが素晴らしかった!息がそろう舞のお手本というような出来栄えで、思わず見とれてしまいましたね。これで気を良くされたのか、手打ち鐘の方が一気にテンションアップ。今回は自分が座っていた座布団を後ろに蹴り飛ばして、片膝をついての大熱演。自分は幸運なことに三週連続で名人芸を見せていただきましたが、今回が一番!まさに神業でしたね。
「今週の見どころ」において、この大会を見に行ったことが自慢となるような素晴らしいイベントになることを期待したい、という記事を書いたんですが、見に行かれた方、いかがでしたでしょうか。また、昨年のこの大会の特派員報告で「来年は今年以上に素晴らしい大会になるように」という文章も書きました。正直、昨年の第9回大会が終わった直後は、それ以上のイベントがどんなものか想像できないくらい、素晴らしい大会だったと思っていました。ところがやはり、この10周年大会はさらにその上を行くものでしたね。ということで、久しぶりに神楽の上演以外の報告をまとめたものを、また明日公開しようと思います!どうぞお楽しみに。
この記事が面白い・勉強になったと思われたら迷わずクリック
吉田神楽団「元就公」。神楽という伝統芸能が、地域の活性化に役立っていることはみなさんもよくご存知かと思います。近年、地元に伝わる物語を神楽化したものをよく見かけるようになったと感じますが、この演目もその一つです。広島を代表する戦国武将である毛利元就ゆかりの地、吉田町の神楽団ならではの演目です。やはり合戦が中心となっていますので、刀での立ち合いが見応えありました。神二人悪二人の四人が刀をクルクル回す場面は一気にテンションが上がるところですね!さらに舞手さんの演技がよく、表情にもそれぞれの役柄がしっかり出ていたと思います。
大塚神楽団「道成寺」。なかなか川を渡してくれない船頭さんに、安珍さんが差し出したものが一枚目の写真です。小判、中判(?)と出てきたのでなんとなく予想はできましたが、ここまで大きいものが出てくるとは…。そして何と言ってもクライマックスが見どころ。蛇体へと身を変えた清姫が、釣鐘ごと安珍を焼き殺してしまう場面。ステージ全体が赤く染まり、こちらまで蛇の吐く炎の熱が伝わってくるようでした。さらに最後、終わったと思ったところで、西方浄土へと清姫が昇天する場面があり、こちらも見事な演出で感動的なラストでした。
琴庄神楽団「羅生門」。まるで酒呑童子が本当に乗り移ったかのような化身の方の演技に、思わず釘付けになった方も多くいらっしゃったことでしょう。面の変え方もお見事で、さらに物語性をアップさせていたと思います。また腕を取り返す場面は、酒呑童子が全身全霊で封を解くような演出で、見ている方も力が入りましたね。頼光たちが完敗の演目ですが「大江山」へと続く物語なので、こういう形のほうがより次に気持ちがつながるのかもしれません。
宮乃木神楽団「岩見重太郎」。まずは重太郎の仇役である広瀬軍蔵らが登場するのですが、その衣装に引き付けられました。重厚感たっぷりの衣装で、より舞に迫力が加わっていたと思います。そして白狒々の登場はそれまでの空気をガラっと変えるもので、こちらも迫力十分。そしてもちろん、これら悪役をバッタバッタと切り倒していく重太郎さんの強さ、勇ましさも見応えあり。奏楽のみなさんの気合もいつに増していて、「今週の見どころ」で期待していたように、まさに一つの集大成のようでした。
上河内神楽団「新編伊吹山」。悲劇の英雄、日本武尊の最後の物語です。前半は后である弟橘姫が自ら海神のいけにえとなる場面がありますが、ここも照明とドライアイスの効果で、より一層悲しさが引き立っていました。この場面でもそうですが、ところどころで歌われる神楽歌も、この演目の見どころの一つですね。ただ単に強さだけでない、日本武尊の人気の高さがこういうところでも感じられます。最後に歌われる「大和は国のまほろば たたなづく青垣山隠れる 倭しうるわし」が何とも感動的でした。
中川戸神楽団「瀧夜叉姫」。新舞で人気演目と言えばこの他に「紅葉狩」「土蜘蛛」などがありますが、登場人物の違いはあるにせよ、ともすれば全て同じような鬼女もの、と見られてしまうこともあるかと思います。中川戸さんはこれらの物語に深く迫り、そして上手く演出を使うことでより神楽を面白くされています。五月姫の心情を表す上で重要な場面に、あっと驚く面の早変わりで見る人の気持ちをつかみます。上演後、しばらく会場の興奮も冷めやらぬといったざわめきが続いていました。
原田神楽団「紅葉狩」。ここまでいろいろ記事を書いてきましたが、この演目は逆にみなさんの感想を聞いてみたいですね!前半、鬼女三人の舞があるんですが、これが素晴らしかった!息がそろう舞のお手本というような出来栄えで、思わず見とれてしまいましたね。これで気を良くされたのか、手打ち鐘の方が一気にテンションアップ。今回は自分が座っていた座布団を後ろに蹴り飛ばして、片膝をついての大熱演。自分は幸運なことに三週連続で名人芸を見せていただきましたが、今回が一番!まさに神業でしたね。
「今週の見どころ」において、この大会を見に行ったことが自慢となるような素晴らしいイベントになることを期待したい、という記事を書いたんですが、見に行かれた方、いかがでしたでしょうか。また、昨年のこの大会の特派員報告で「来年は今年以上に素晴らしい大会になるように」という文章も書きました。正直、昨年の第9回大会が終わった直後は、それ以上のイベントがどんなものか想像できないくらい、素晴らしい大会だったと思っていました。ところがやはり、この10周年大会はさらにその上を行くものでしたね。ということで、久しぶりに神楽の上演以外の報告をまとめたものを、また明日公開しようと思います!どうぞお楽しみに。
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2008,02,26 Tue 22:11
新着コメント
寿パパさん、コメントありがとうございます。
熱演の数々、本当に素晴らしかったですね!
しばらく余韻に浸ってくださいね☆
これからもご声援よろしくお願いします。
熱演の数々、本当に素晴らしかったですね!
しばらく余韻に浸ってくださいね☆
これからもご声援よろしくお願いします。
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/02/27 20:49 | BFfnvy1Y |
日曜日のことを思い出すと、まだまだ興奮冷めやらぬ・・・と言ったカンジの今日この頃です。
神楽と言う芸能の「伝統・進化」がシッカリと見ることができた一日でした。それと同時にこれからもたくさんの神楽を「見る側」としてシッカリ見守って行きたいと思いました。
関係者の皆様、お疲れ様でした。
神楽と言う芸能の「伝統・進化」がシッカリと見ることができた一日でした。それと同時にこれからもたくさんの神楽を「見る側」としてシッカリ見守って行きたいと思いました。
関係者の皆様、お疲れ様でした。
| 寿パパ | EMAIL | URL | 08/02/27 10:58 | sV6TgaS2 |