先週の日曜日、千代田開発センターで月一の舞い サンクス創業20周年特別企画「平成の神楽新時代-広島-」が開催されました。今回は地元、旧千代田町にあるショッピングセンターサンクスさんが20周年記念ということで特別企画での公演でした。今回もたくさんのお客様が足を運んでくださり、会場は大変賑わっていました。それでは報告です。
中川戸神楽団「板蓋宮」
スーパー神楽の原点であり、出発点ともなった中川戸さんの代表的演目。神楽ブームの火付け役の一つとなった演目とも言えるでしょう。物語は、大化の改新の前夜乙巳の変(いっしのへん)において蘇我入鹿が中大兄皇子、中臣鎌足に討たれるお話です。また、この演目というとたくさんの仕掛けが施されているのが特徴。蘇我入鹿の手下、郎女(いらつめ)と中大兄皇子、中臣鎌足が立ち合う場面では、衣装が一枚めくれると小さな紙吹雪が綺麗に舞い始めます。また、蘇我入鹿との立ち合いでは、会場が薄暗くなったかと思うとボウッと薄気味悪く入鹿の顔が光りだします。激しい立ち合いの最中でも、どこか美しさを感じさせてくれる演出となっていました。そのなかでも特に盛り上がったのが、蘇我入鹿の首が中大兄皇子たちを襲ってくる一場面。火を噴きながら勢いよく首が舞台に飛び出してくると、会場からは「ぎゃぁぁぁ!!」という大きな悲鳴とどよめきが。本当に生きているようで、こちらまで襲ってきそうでしたね。とても恐ろしかったです。
後野神楽社中「鏡山」
江戸時代の中ごろ浜田藩邸で起こった鏡山事件を基にした作品。浜田藩のお局である岩藤は、事あるごとに中老の尾上(おのえ)に嫌がらせをしていました。その果てに尾上は自害することとなります。自分のみならず、家名までも侮辱された尾上さんはさぞかし悔しかったことでしょう。舞台で、はらりはらりと落ちる紙吹雪の中、自害していく尾上の姿は切なさや儚さを感じさせます。そして、尾上の女中お初は主の仇討ちへと乗り出します。お初と岩藤との立ち合いの時には既に岩藤の顔は鬼の相へと変わっています。激しい戦いの末、お初は主の仇を討ちますが岩藤はそのまま昇天することなく怨霊と化し再びお初を襲ってきます。片方だけ白骨化した手をぶらりと垂らし、ゆっくりと動く様子は恐ろしさを感じます。また、お初の一太刀を浴び、傷つけられた顔の下からさらに白い骨の顔が出た時には一瞬ドキリ。あの目で見つめられると夢に出てきそうですね。
大塚神楽団「道成寺」
現在の和歌山県が舞台となる演目。僧・安珍に恋い焦がれ、どこまでも安珍を追いかける亡者と化してしまった清姫。恐ろしくも切ないこの物語は、日高川で大きな見せ場を迎えます。しかし、その前に安珍さんと船頭さんのコミカルなやり取りが始まります。清姫から逃げようと船頭さんに船渡しをお願いする安珍さん。しかし、「あんたぁTPPについてどがぁ思う?」「人にものを頼むときは…」などと船頭さんワールド全開です。これには安珍さんもタジタジ(笑)また、清姫さんの時にも容赦はありません。ぐいぐいくる船頭さんに清姫さんもタジタジ。終いには船頭さんの勢いに呑まれ、口上をも噛んでしまいました(笑)しかし、船を渡してもらえず遂には安珍に恋焦がれるあまり、清姫は大蛇となってしまいます。口から火を吹き、釣鐘ごと安珍を焼き殺していく姿はまさに壮絶。しかし、我に返った時に待っていたのは深い絶望感。最後は愛する人と共に西方浄土へと昇天していきますが、その様子にしばらくは切なく胸が締め付けられるようでした。
琴庄神楽団「厳島」
来年の大河ドラマとしても有名になりつつある平清盛のお話。今や世界遺産でもある厳島神社。そして宮島が、どのようにして築き上げられてきたのか。その厳島縁起と厳島神社の設立をこの演目で深く理解することができ、また、楽しめる内容となっています。後に厳島に鎮まる三女神が登場するところはドライアイスの効果もあり、天から舞い降りてくるような印象を受けました。また、清盛が再び太陽を呼び戻すところでは、扇子のひと仰ぎに渾身の力が籠っているようで見る側にも力が入ってしまいます。その渾身のひと仰ぎにゆっくりと日が昇るように会場が明るくなると、客席からは拍手が沸き起こっていました。そしてクライマックス、やはりもっとも印象的だったのは怨霊が登場する場面でしょうか。「きぃよぉ~もりぃ~」という低い声とともにスモークの中からユラリと現れる怨霊たち。あの世へ引きずり込もうと清盛に襲い掛かるところは恐ろしさと迫力で身体が硬直してしまいそうでした。
また、神楽上演後にはサンクスさんから神楽面や商品券が当たる抽選会が行われました。神楽の面では人の顔の何倍もありそうな、大きな鬼の面がプレゼントされていましたよ。面や商品券が当たられました皆さまおめでとうございます。
中川戸神楽団「板蓋宮」
スーパー神楽の原点であり、出発点ともなった中川戸さんの代表的演目。神楽ブームの火付け役の一つとなった演目とも言えるでしょう。物語は、大化の改新の前夜乙巳の変(いっしのへん)において蘇我入鹿が中大兄皇子、中臣鎌足に討たれるお話です。また、この演目というとたくさんの仕掛けが施されているのが特徴。蘇我入鹿の手下、郎女(いらつめ)と中大兄皇子、中臣鎌足が立ち合う場面では、衣装が一枚めくれると小さな紙吹雪が綺麗に舞い始めます。また、蘇我入鹿との立ち合いでは、会場が薄暗くなったかと思うとボウッと薄気味悪く入鹿の顔が光りだします。激しい立ち合いの最中でも、どこか美しさを感じさせてくれる演出となっていました。そのなかでも特に盛り上がったのが、蘇我入鹿の首が中大兄皇子たちを襲ってくる一場面。火を噴きながら勢いよく首が舞台に飛び出してくると、会場からは「ぎゃぁぁぁ!!」という大きな悲鳴とどよめきが。本当に生きているようで、こちらまで襲ってきそうでしたね。とても恐ろしかったです。
後野神楽社中「鏡山」
江戸時代の中ごろ浜田藩邸で起こった鏡山事件を基にした作品。浜田藩のお局である岩藤は、事あるごとに中老の尾上(おのえ)に嫌がらせをしていました。その果てに尾上は自害することとなります。自分のみならず、家名までも侮辱された尾上さんはさぞかし悔しかったことでしょう。舞台で、はらりはらりと落ちる紙吹雪の中、自害していく尾上の姿は切なさや儚さを感じさせます。そして、尾上の女中お初は主の仇討ちへと乗り出します。お初と岩藤との立ち合いの時には既に岩藤の顔は鬼の相へと変わっています。激しい戦いの末、お初は主の仇を討ちますが岩藤はそのまま昇天することなく怨霊と化し再びお初を襲ってきます。片方だけ白骨化した手をぶらりと垂らし、ゆっくりと動く様子は恐ろしさを感じます。また、お初の一太刀を浴び、傷つけられた顔の下からさらに白い骨の顔が出た時には一瞬ドキリ。あの目で見つめられると夢に出てきそうですね。
大塚神楽団「道成寺」
現在の和歌山県が舞台となる演目。僧・安珍に恋い焦がれ、どこまでも安珍を追いかける亡者と化してしまった清姫。恐ろしくも切ないこの物語は、日高川で大きな見せ場を迎えます。しかし、その前に安珍さんと船頭さんのコミカルなやり取りが始まります。清姫から逃げようと船頭さんに船渡しをお願いする安珍さん。しかし、「あんたぁTPPについてどがぁ思う?」「人にものを頼むときは…」などと船頭さんワールド全開です。これには安珍さんもタジタジ(笑)また、清姫さんの時にも容赦はありません。ぐいぐいくる船頭さんに清姫さんもタジタジ。終いには船頭さんの勢いに呑まれ、口上をも噛んでしまいました(笑)しかし、船を渡してもらえず遂には安珍に恋焦がれるあまり、清姫は大蛇となってしまいます。口から火を吹き、釣鐘ごと安珍を焼き殺していく姿はまさに壮絶。しかし、我に返った時に待っていたのは深い絶望感。最後は愛する人と共に西方浄土へと昇天していきますが、その様子にしばらくは切なく胸が締め付けられるようでした。
琴庄神楽団「厳島」
来年の大河ドラマとしても有名になりつつある平清盛のお話。今や世界遺産でもある厳島神社。そして宮島が、どのようにして築き上げられてきたのか。その厳島縁起と厳島神社の設立をこの演目で深く理解することができ、また、楽しめる内容となっています。後に厳島に鎮まる三女神が登場するところはドライアイスの効果もあり、天から舞い降りてくるような印象を受けました。また、清盛が再び太陽を呼び戻すところでは、扇子のひと仰ぎに渾身の力が籠っているようで見る側にも力が入ってしまいます。その渾身のひと仰ぎにゆっくりと日が昇るように会場が明るくなると、客席からは拍手が沸き起こっていました。そしてクライマックス、やはりもっとも印象的だったのは怨霊が登場する場面でしょうか。「きぃよぉ~もりぃ~」という低い声とともにスモークの中からユラリと現れる怨霊たち。あの世へ引きずり込もうと清盛に襲い掛かるところは恐ろしさと迫力で身体が硬直してしまいそうでした。
また、神楽上演後にはサンクスさんから神楽面や商品券が当たる抽選会が行われました。神楽の面では人の顔の何倍もありそうな、大きな鬼の面がプレゼントされていましたよ。面や商品券が当たられました皆さまおめでとうございます。
2011,11,22 Tue 19:20
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9月24日、大阪市のイオン化粧品シアターBRAVA!において、「石見神楽・大阪公演」が開催されました。今回は浜田市の西村神楽社中さんの舞、そしてゲストに日本を代表する音楽家・福岡ユタカさん(浜田市出身)を迎えて、新たな試みも披露されました。大阪では、初となる石見神楽の自主公演とあって、関西に住まわれている島根県出身の方、また神楽ファンの方が多く訪れてらっしゃいました。今回の報告は、関西在住の特派員Wが当日の模様をお伝えします
「四神」
広島では、あまり舞われることのない演目ですが、石見神楽では、大切な儀式舞の一つです。石見神楽の中でもレベルの高い演目とされているようで、舞いを体全体で表現されていることが、観客の皆さんにも伝わったことでしょう。
「天神」
この演目・・まずは写真をご覧ください。対戦しているのは、みなさん御存じ菅原道真VS藤原時平です。刀と刀の距離が顔のすぐ近くということに気づかれましたか?そして、立ち合いのスピードの速いこと。当然お囃子も速いんですよ。そのスピードの中で一つの乱れなく演じられていて、練習は相当のものと想像できますね。
「塵輪」
こちらは、広島でもおなじみの演目・・ですが、鬼は女鬼(白)と男鬼(赤)の二人。ところ変われば出てくるものも違うということですね。神と鬼の2対2で、とても見ごたえのある立ち合いを披露されていました。『塵輪』というとどうしても鬼に注目が行ってしまいますが、個人的には、神も天皇の厳かな舞い、高麻呂のスピード感のある舞いというように違いも楽しみながら見ることができました。
「オタケビ神楽団」
こちらは、石見神楽と福岡ユタカさんをはじめとするミュージシャンの方とのコラボレーションで行われました。神楽と異文化との交わりということで、どうなるのかと見ていましたが、いざ始まると、福岡さんの歌詞がなく声だけで表現される独特のメロディと石見神楽の世界観がマッチしていました。コラボの中では、『黒塚』も演じられ、姫の妖艶な舞いがより一層深く感じられました。今回は、時間の関係上一部だけの上演でしたが、今度は全編を見てみたいですね。
「天の岩戸」
西村社中さんの『天の岩戸』では、他の団・社中さんではあまり出てこない「思兼命」が登場します。この思兼命、とても頭の良い神で「高天原の知恵袋」とも呼ばれるほどです。他の『天の岩戸』では、児屋根命・太玉命が中心となって、天照大神を岩戸から出てもらうように取り計らいますが、今回はこの思兼命が先頭に立ち、他の神々に指示を与えていました。
「恵比須」
大阪は昔から、「商人の町」とも呼ばれるほどの場所ですので、当然「恵比須」様とも切っても切れない縁があるようで、恵比須様が登場したときは、一際大きな拍手が起こりました。今回もたくさんの「福」を会場いっぱいに撒かれていました。
「大蛇」
今回のメインとも言えるでしょう。8頭の大蛇が舞台の袖から次々と現れると会場からもどよめきが起こりました。そして、大蛇と須佐之男命との戦いでは、大蛇たちの口から勢いよく火花が飛び、舞台の照明ともマッチして、大蛇の恐ろしさが一層アップしてました。
最後には、西村社中さん・福岡さんをはじめ、舞台に関わった方々が挨拶をされ、西村社中代表の日高さんが団員のみなさんを一人一人紹介されました。大阪の地で、石見神楽の醍醐味を十分に披露されて、会場の熱気も終わるころには最高潮でした。
そしてみなさん、石見神楽と大阪という土地が深くかかわっていることをご存じでしたか。今から、40年前、大阪では、日本初の万国博覧会が開催され、メインステージでは、日本の郷土芸能も多く演じられたようです。その一つに「石見神楽」がありました。石見神楽を世界の方々に知ってもらえるように、とりわけ人気演目であった『大蛇』では、当時1~2頭だった大蛇を「八岐大蛇」だから、8頭登場させ、会場の人々を驚かせたようです。この万博を機に、現在では大蛇の頭数が増えたのはもとより、動きも飛躍的に進化し、現在では、「石見神楽」は、日本のみならず世界にも知られるようになりました。広島でも、戦後の新舞の誕生・平成のスーパー神楽の誕生と着々と進化を遂げています。その中にあって、島根・広島と共通して言えることは、「今までのものを大切にしながら、新しいものを作り上げていく」という信念があったことと思います。神楽に対する思いは人それぞれにあると思いますが、ただ一つ言えるのは、神楽に関わる人(演じる人・見る人)すべてが「神楽」が好きということではないでしょうか。これから、本格的な神楽シーズンとなります。このぶろぐを読んで下さる皆さんもあちこちに見に行かれることでしょう。しっかり大好きな「神楽」を楽しんでくださいね。今回の報告は、特派員Wがお伝えしました。
「四神」
広島では、あまり舞われることのない演目ですが、石見神楽では、大切な儀式舞の一つです。石見神楽の中でもレベルの高い演目とされているようで、舞いを体全体で表現されていることが、観客の皆さんにも伝わったことでしょう。
「天神」
この演目・・まずは写真をご覧ください。対戦しているのは、みなさん御存じ菅原道真VS藤原時平です。刀と刀の距離が顔のすぐ近くということに気づかれましたか?そして、立ち合いのスピードの速いこと。当然お囃子も速いんですよ。そのスピードの中で一つの乱れなく演じられていて、練習は相当のものと想像できますね。
「塵輪」
こちらは、広島でもおなじみの演目・・ですが、鬼は女鬼(白)と男鬼(赤)の二人。ところ変われば出てくるものも違うということですね。神と鬼の2対2で、とても見ごたえのある立ち合いを披露されていました。『塵輪』というとどうしても鬼に注目が行ってしまいますが、個人的には、神も天皇の厳かな舞い、高麻呂のスピード感のある舞いというように違いも楽しみながら見ることができました。
「オタケビ神楽団」
こちらは、石見神楽と福岡ユタカさんをはじめとするミュージシャンの方とのコラボレーションで行われました。神楽と異文化との交わりということで、どうなるのかと見ていましたが、いざ始まると、福岡さんの歌詞がなく声だけで表現される独特のメロディと石見神楽の世界観がマッチしていました。コラボの中では、『黒塚』も演じられ、姫の妖艶な舞いがより一層深く感じられました。今回は、時間の関係上一部だけの上演でしたが、今度は全編を見てみたいですね。
「天の岩戸」
西村社中さんの『天の岩戸』では、他の団・社中さんではあまり出てこない「思兼命」が登場します。この思兼命、とても頭の良い神で「高天原の知恵袋」とも呼ばれるほどです。他の『天の岩戸』では、児屋根命・太玉命が中心となって、天照大神を岩戸から出てもらうように取り計らいますが、今回はこの思兼命が先頭に立ち、他の神々に指示を与えていました。
「恵比須」
大阪は昔から、「商人の町」とも呼ばれるほどの場所ですので、当然「恵比須」様とも切っても切れない縁があるようで、恵比須様が登場したときは、一際大きな拍手が起こりました。今回もたくさんの「福」を会場いっぱいに撒かれていました。
「大蛇」
今回のメインとも言えるでしょう。8頭の大蛇が舞台の袖から次々と現れると会場からもどよめきが起こりました。そして、大蛇と須佐之男命との戦いでは、大蛇たちの口から勢いよく火花が飛び、舞台の照明ともマッチして、大蛇の恐ろしさが一層アップしてました。
最後には、西村社中さん・福岡さんをはじめ、舞台に関わった方々が挨拶をされ、西村社中代表の日高さんが団員のみなさんを一人一人紹介されました。大阪の地で、石見神楽の醍醐味を十分に披露されて、会場の熱気も終わるころには最高潮でした。
そしてみなさん、石見神楽と大阪という土地が深くかかわっていることをご存じでしたか。今から、40年前、大阪では、日本初の万国博覧会が開催され、メインステージでは、日本の郷土芸能も多く演じられたようです。その一つに「石見神楽」がありました。石見神楽を世界の方々に知ってもらえるように、とりわけ人気演目であった『大蛇』では、当時1~2頭だった大蛇を「八岐大蛇」だから、8頭登場させ、会場の人々を驚かせたようです。この万博を機に、現在では大蛇の頭数が増えたのはもとより、動きも飛躍的に進化し、現在では、「石見神楽」は、日本のみならず世界にも知られるようになりました。広島でも、戦後の新舞の誕生・平成のスーパー神楽の誕生と着々と進化を遂げています。その中にあって、島根・広島と共通して言えることは、「今までのものを大切にしながら、新しいものを作り上げていく」という信念があったことと思います。神楽に対する思いは人それぞれにあると思いますが、ただ一つ言えるのは、神楽に関わる人(演じる人・見る人)すべてが「神楽」が好きということではないでしょうか。これから、本格的な神楽シーズンとなります。このぶろぐを読んで下さる皆さんもあちこちに見に行かれることでしょう。しっかり大好きな「神楽」を楽しんでくださいね。今回の報告は、特派員Wがお伝えしました。
2011,10,01 Sat 00:03
新着コメント
僕は浜田市石見神楽周布鳶巣神楽保存会団員です西村神楽社中の指導で頑張っておりますこれからもよろしくお願いします来年の周布川祭りは黒塚をやる予\定又は道がえしです
| こんにちわ | EMAIL | URL | 11/11/05 14:53 | W0LtDlZ. |
僕は浜田市石見神楽周布鳶巣神楽保存会団員です西村神楽社中の指導で頑張っておりますこれからもよろしくお願いします来年の周布川祭りは黒塚をやる予\定又は道がえしです
| こんにちわ | EMAIL | URL | 11/11/05 14:52 | W0LtDlZ. |
がんばれ
| ゆ | EMAIL | URL | 11/10/26 22:11 | mZq6GGkM |
がんばれ
| ゆっちー | EMAIL | URL | 11/10/26 22:07 | mZq6GGkM |
9月25日は呉市文化ホールで「RCC神楽呉公演」が行われました。上演前に司会の方からお話がありましたが、神楽の呉公演は5年ぶりで、その時もこの会場でした。当時はこの特派員報告もスタートしたばかりだったのですが、会場に着くとその頃を思い出して懐かしかったですね。それでは5演目の報告です。
まずは宮乃木神楽団「神迎え」。4人の舞手が登場し、それぞれ季節や方角などを表して舞います。舞手さんが順に舞殿をめぐる様子も、春から夏へ、夏から秋、そして冬へ…というような見方をすると、この演目ならではの楽しみ方にもなると思います。派手さはないかもしれませんが、演技や演出のない、言わばニュートラルの状態の素朴な舞がしっかりと味わえる上演でした。
続いては中川戸神楽団「瀧夜叉姫」。5年前、この会場で「板蓋宮」を上演された中川戸さん。クライマックスの入鹿の首が宙を舞う場面で、会場が揺れんばかりの大歓声が上がったことをよく覚えていますが、今回はどんな演出を見せてくれるのか、期待されていた方もおられたことでしょう。やはり面の早変わりでは会場が大きく沸きましたね。演出だけでなく、演技や奏楽でさらに場面が盛り上がるように、上手く流れを作っておられたように感じました。
次は宮乃木神楽団「紅葉狩」。見所はやはり変化自在の鬼女たちで、前半の優雅な舞、鬼女になっての激しい舞、そして鬼となっての迫力ある舞。しかし神の舞も見応えありでしたよ。鬼女征伐の勅命を受けた平維茂と相良蔵人の二人。ゆったりとして重みがありながらも、楽にのってリズムよく舞い進んで行く姿に、見ていてとても安定感を覚えました。前半のしっかりした舞を見ているからこそ、後半の激しい合戦がより見応えのあるものになると思います。
次は原田神楽団「土蜘蛛」。こちらも初めから終わりまで見応えのある舞でした。同じ神の舞も、源頼光とその家来である四天王たちの舞ぶりには違いが見られます。また四天王でも、最初の場面と、土蜘蛛を退治に向かう場面では違いがあります。ちょっとしたことですが、神楽がより面白く感じられる要素ですので、ぜひみなさんも注目してみてください。そしてこの演目と言えば、胡蝶が片足で歩く場面が見所。今回は舞台の端から端まで、さらにもう半周するというもので、これには大きな拍手が起こりました。
最後は山王神楽団「八岐大蛇」。さてこれまでは個人の舞や演出に注目してみましたが、この上演で特筆すべきは、舞台の使い方。八匹の大蛇が登場するこの演目ならではの見所です。左右の花道から登場する大蛇たちに、客席からはどよめきも。舞台いっぱいに暴れる大蛇の迫力に圧倒されましたね。その中でいわゆる舞殿のスペースにとらわれない、自由な空間の使い方で、真ん中だけでなくサイドにも上手く見せ場を展開されていたように見えました。大蛇を得意とされ、なおかつホールでの上演に慣れている山王さんならではの上演だったように思います。
以上5演目の紹介でした。さていよいよ本格的な神楽シーズンの到来ですね。みなさんしっかり楽しんでください!
まずは宮乃木神楽団「神迎え」。4人の舞手が登場し、それぞれ季節や方角などを表して舞います。舞手さんが順に舞殿をめぐる様子も、春から夏へ、夏から秋、そして冬へ…というような見方をすると、この演目ならではの楽しみ方にもなると思います。派手さはないかもしれませんが、演技や演出のない、言わばニュートラルの状態の素朴な舞がしっかりと味わえる上演でした。
続いては中川戸神楽団「瀧夜叉姫」。5年前、この会場で「板蓋宮」を上演された中川戸さん。クライマックスの入鹿の首が宙を舞う場面で、会場が揺れんばかりの大歓声が上がったことをよく覚えていますが、今回はどんな演出を見せてくれるのか、期待されていた方もおられたことでしょう。やはり面の早変わりでは会場が大きく沸きましたね。演出だけでなく、演技や奏楽でさらに場面が盛り上がるように、上手く流れを作っておられたように感じました。
次は宮乃木神楽団「紅葉狩」。見所はやはり変化自在の鬼女たちで、前半の優雅な舞、鬼女になっての激しい舞、そして鬼となっての迫力ある舞。しかし神の舞も見応えありでしたよ。鬼女征伐の勅命を受けた平維茂と相良蔵人の二人。ゆったりとして重みがありながらも、楽にのってリズムよく舞い進んで行く姿に、見ていてとても安定感を覚えました。前半のしっかりした舞を見ているからこそ、後半の激しい合戦がより見応えのあるものになると思います。
次は原田神楽団「土蜘蛛」。こちらも初めから終わりまで見応えのある舞でした。同じ神の舞も、源頼光とその家来である四天王たちの舞ぶりには違いが見られます。また四天王でも、最初の場面と、土蜘蛛を退治に向かう場面では違いがあります。ちょっとしたことですが、神楽がより面白く感じられる要素ですので、ぜひみなさんも注目してみてください。そしてこの演目と言えば、胡蝶が片足で歩く場面が見所。今回は舞台の端から端まで、さらにもう半周するというもので、これには大きな拍手が起こりました。
最後は山王神楽団「八岐大蛇」。さてこれまでは個人の舞や演出に注目してみましたが、この上演で特筆すべきは、舞台の使い方。八匹の大蛇が登場するこの演目ならではの見所です。左右の花道から登場する大蛇たちに、客席からはどよめきも。舞台いっぱいに暴れる大蛇の迫力に圧倒されましたね。その中でいわゆる舞殿のスペースにとらわれない、自由な空間の使い方で、真ん中だけでなくサイドにも上手く見せ場を展開されていたように見えました。大蛇を得意とされ、なおかつホールでの上演に慣れている山王さんならではの上演だったように思います。
以上5演目の紹介でした。さていよいよ本格的な神楽シーズンの到来ですね。みなさんしっかり楽しんでください!
2011,09,26 Mon 19:34
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がんば
| ゆっちー | EMAIL | URL | 11/10/27 22:21 | mZq6GGkM |
神楽すきです
| ゆっちー | EMAIL | URL | 11/10/27 21:59 | mZq6GGkM |
8月21日、千代田開発センターにおいて、「月一の舞い 特別公演 神楽新時代」が開催されました。今週の見どころでもふれましたが、今回は初演演目が4つもあり、前例のない企画となりました。各神楽団の皆さんが様々な思いを込めて創作され、前日から綿密な打ち合わせ・セッティングをされた団体もいらっしゃいました。会場でご覧になったお客様にも、その熱心な気持ちが届いたことと思います。それでは報告です。
東山神楽団「紅葉狩」
今や、広島の神楽を代表する演目に成長した「紅葉狩」。三人の姫の織りなす優美な舞、姫から鬼へと正体をあらわす場面など見どころも盛りだくさんですね。紅葉を表すような赤い扇子を持ち、ゆっくりと舞う姿。また、やわらかい動作を繰り返す姫たちの様子はまさに雅で華やかでした。しかし、鬼へと姿を変えるとその動きは一変します。先程までの優雅さは一瞬にして消え、荒々しさと俊敏な動きで姫は鬼であるということを私たちに思い出させてくれます。そして維茂と鬼女の対決では、勢いのある舞は勿論、奏楽のみなさんもヒートアップしていきます。会場も一演目目にして、熱気に包まれていきました。
大都神楽団「土 蜘(つちぐも)」
広島で生まれた「葛城山(土蜘蛛)」を大都神楽団さんの世界観で演じていただきました。広島では、土蜘蛛は姫の姿で頼光に近づきますが、出てきたのは怪しげなお坊さんでした。いつもなら、毒薬で頼光を亡き者にしようとしますが、今回は祈祷によって呪い殺そうとしました。しかし、そこは百戦錬磨の頼光ですので、太刀を抜き、間一髪で追い払います。そして、頼光は四天王に土蜘蛛征伐を命じ、四天王は松明の薄明かりの中、岩屋へとたどり着きます。四天王が岩屋へ火を放つと、大きな蜘蛛の巣から土蜘蛛が正体を現します。正体を現した土蜘蛛、その強さは半端ではなく、妖術で四天王たちを追い詰めます。しかし、渡辺綱の持つ「蜘蛛切丸」により、形勢は逆転し、妖術にかかった仲間を救い出します。しかし、ここで妖術を解いても眠りっぱなしの方がお一人・・まさかりを担いだあの方です(次の演目に出てくるお母さんが泣いてしまいますよ)。先輩たちにみっちり絞られた金時さん。最後は、全員で土蜘蛛にトドメをさしました。するとどうでしょう。四方八方から土蜘蛛の断末魔のごとく蜘蛛が飛び交い、ついには上から舞台を覆うごとく蜘蛛が降ってきました。とても興味深い内容でしたね。
大塚神楽団「山姥」
先ほどの演目でも大活躍だった坂田金時と源頼光主従の出会いの物語。金時がまだ怪童丸と呼ばれ、母の八重桐とともに山賊を生業としていたころ、山賊征伐の勅命を受けた頼光主従が怪童丸たちの住処に一夜の宿を求めにやってきます。八重桐と怪童丸は、寝静まる頃頼光たちに一気に襲いかかります。しかし、勝負は頼光たちに軍配は上がります。そして、山姥といえばここが一番のみどころ。怪童丸が坂田金時と名を変え頼光の下臣となり、母と別れるシーン。怪童丸が名残惜しそうにすがるも母がそれをゆっくりと手で妨げます。母自身も名残惜しいはずなのに、その様子に次第にこちらの目頭が熱くなります。別れ際の最後、「されど怪童丸、必ず人様に山姥が一人子、怪童丸と笑われ給うな。」という言葉に母の全ての気持ちが入っていたように思います。観客席からは涙を拭う方もいらっしゃいました。
宮乃木神楽団「女狐退治」
こちらも、初演の演目。大会前から話題の多い演目で楽しみにされていた方も多かったことと思います。まず、最初は悲しい場面からスタートしていきます。狐が猟師に追われ、子狐は矢を受けて死んでしまいます。そして親狐は、人間に恨み辛みを抱き、何百年と生き長らえるうちに人間に姿を変えることを覚え、人々を悩ませていくのです。 時は移り、岩見重太郎・重蔵兄弟は、父の仇を討つため諸国を遍歴していました。そして、大願成就の祈願のため防府天満宮に立ち寄ったところ、父の仇を討つためには、3つの難を乗り越える必要があると御告げを受け、第一の難である「女狐退治」へと向かいます。山に分け入った重太郎たちは、およしという女に出会い、行動をともにします。そう、この女の正体こそ母狐です。あたりが真っ暗になると怪しい火の玉(狐火)が現れ、女狐が正体を現します。何百年も生きた女狐ですが、動きも俊敏で重太郎たちを翻弄します。妖術を駆使して重太郎たちを追い詰め、ついには重蔵を取り喰らってしまいます。重太郎は妖術を破り女狐を退治し、重蔵を失った悲しみをしまい込みながら、次の難(狒々退治・広瀬軍蔵との対決)に向かいます。
石見神楽亀山社中「月一の舞いのための戸隠山雅鬼揃(とがくしやまみやびおにぞろい)
この演目名前を聞いて気づかれた方も多いと思いますが、広島の神楽の代表演目「紅葉狩」の物語です。亀山社中さんが広島と島根の交流に敬意をはらい、今回の月一の舞いのためだけに創作されました。 冒頭から戸隠山に住む鬼女たちが登場し、能を思わせる舞いぶりで、会場を魅力しました。続いて登場したのは、平維茂。鹿狩りを楽しむも、錦彩なす紅葉に見とれてしまい道に迷ってしまったようです。その様子を遠くから見ていた鬼女たちは、偽りの宴を開き、維茂をおびき寄せます。この罠にまんまと引っかかった維茂は、酒に酔ったところを、鬼女たちの妖術にかかり正気を失います。いつもなら、紙蜘蛛だけの演出ですが、今回は、天井から大量の紅葉が降り注いできて、まるで物語の世界へと引き込まれるようでした。そしてクライマックス、岩屋から現れたのは、先ほどの美しさとはかけ離れた恐ろしい顔をした鬼女たち。持っているものは打杖といい、能などでも使われる採物です。また、最後の大王にトドメをさす場面では、周りが真っ赤に染まるほどの紙蜘蛛が飛び交い、島根と広島の神楽の交流を通してこその演出をみることができました。今回の演目では、能「紅葉狩」を意識されて、口上・舞を構成されており、普段の神楽とは、少し違ったものに見えた方もおられるかもしれません。しかし、神楽も能・歌舞伎などの要素を取り入れながら、現在の神楽に変わってきました。今回の演目は、創作という形でしたが、神楽の原点と創造への挑戦という見方もできるのではないでしょうか。
中川戸神楽団「茨木」
今週のみどころでもあったように、「茨木」と聞けば茨木童子を思い浮かべ、あらすじは「羅生門」や「戻り橋(後編)」のお話かなぁ?と思われた方が多かったことでしょう。一般的な内容としては皆さんご存知の通り、渡辺綱によって切り落とされた茨木童子の片腕を酒呑童子が取り返すお話。しかし、今回中川戸さんが舞う「茨木」には、その腕を取り返すはずの酒呑童子は登場してきません。じゃぁ、誰が取りに行くの?とお思いでしょうが、誰が取り返しに行くかというと…そうです!! 茨木童子本人が行くのです。茨木童子は酒呑童子の右腕とされ、抜群の知恵を持ち合わせていたことから、「茨木」の演目では茨木童子自らが腕を取りに行くんですね。なので茨木童子は、渡辺綱の乳母にと姿を変え綱の館へと向かいます。この時、良く見てみると綱の乳母に化けていても左の腕がないことから、茨木童子本人という事がうかがえます。また、中川戸さんの茨木童子と言えば、第三の目をもつ特徴のある面が印象的。自分の腕を取り返した後、茨木童子へと徐々に正体を現しますが、その鬼の面にも第三の目がしっかりとありました。中川戸さんのこだわりが感じられますね。そして、なんといっても中川戸さんといえば、スーパー神楽の代名詞。今回の演目でもどんな事がおこるのか皆さんワクワクしていたと思います。このお話は最後、茨木童子は虚空飛天の妖術で大江山へと飛び去って行ってしまうのですが、なんと!!! 茨木童子、虚空飛天の妖術を使って本当に宙に浮き飛び去ってしまうのです。この時の観客のざわめきは本当にすごかったと思います。まだ直接見られてない方は、あっと驚きますよ。
さて今回、月一の舞い「高校生神楽の共演」の報告では、三月の月一でも登場した特派員Wさんが手がけてくださいました。また、特別公演・神楽新世代の報告では特派員Wさんとわたくし、特派員Nがコラボしております。皆さまどこを誰が書いたかわかるでしょうか~?(笑)そして、お知らせですが、月一の舞いは約三か月ほどお休み致します。また11月にお会いしましょうね★
東山神楽団「紅葉狩」
今や、広島の神楽を代表する演目に成長した「紅葉狩」。三人の姫の織りなす優美な舞、姫から鬼へと正体をあらわす場面など見どころも盛りだくさんですね。紅葉を表すような赤い扇子を持ち、ゆっくりと舞う姿。また、やわらかい動作を繰り返す姫たちの様子はまさに雅で華やかでした。しかし、鬼へと姿を変えるとその動きは一変します。先程までの優雅さは一瞬にして消え、荒々しさと俊敏な動きで姫は鬼であるということを私たちに思い出させてくれます。そして維茂と鬼女の対決では、勢いのある舞は勿論、奏楽のみなさんもヒートアップしていきます。会場も一演目目にして、熱気に包まれていきました。
大都神楽団「土 蜘(つちぐも)」
広島で生まれた「葛城山(土蜘蛛)」を大都神楽団さんの世界観で演じていただきました。広島では、土蜘蛛は姫の姿で頼光に近づきますが、出てきたのは怪しげなお坊さんでした。いつもなら、毒薬で頼光を亡き者にしようとしますが、今回は祈祷によって呪い殺そうとしました。しかし、そこは百戦錬磨の頼光ですので、太刀を抜き、間一髪で追い払います。そして、頼光は四天王に土蜘蛛征伐を命じ、四天王は松明の薄明かりの中、岩屋へとたどり着きます。四天王が岩屋へ火を放つと、大きな蜘蛛の巣から土蜘蛛が正体を現します。正体を現した土蜘蛛、その強さは半端ではなく、妖術で四天王たちを追い詰めます。しかし、渡辺綱の持つ「蜘蛛切丸」により、形勢は逆転し、妖術にかかった仲間を救い出します。しかし、ここで妖術を解いても眠りっぱなしの方がお一人・・まさかりを担いだあの方です(次の演目に出てくるお母さんが泣いてしまいますよ)。先輩たちにみっちり絞られた金時さん。最後は、全員で土蜘蛛にトドメをさしました。するとどうでしょう。四方八方から土蜘蛛の断末魔のごとく蜘蛛が飛び交い、ついには上から舞台を覆うごとく蜘蛛が降ってきました。とても興味深い内容でしたね。
大塚神楽団「山姥」
先ほどの演目でも大活躍だった坂田金時と源頼光主従の出会いの物語。金時がまだ怪童丸と呼ばれ、母の八重桐とともに山賊を生業としていたころ、山賊征伐の勅命を受けた頼光主従が怪童丸たちの住処に一夜の宿を求めにやってきます。八重桐と怪童丸は、寝静まる頃頼光たちに一気に襲いかかります。しかし、勝負は頼光たちに軍配は上がります。そして、山姥といえばここが一番のみどころ。怪童丸が坂田金時と名を変え頼光の下臣となり、母と別れるシーン。怪童丸が名残惜しそうにすがるも母がそれをゆっくりと手で妨げます。母自身も名残惜しいはずなのに、その様子に次第にこちらの目頭が熱くなります。別れ際の最後、「されど怪童丸、必ず人様に山姥が一人子、怪童丸と笑われ給うな。」という言葉に母の全ての気持ちが入っていたように思います。観客席からは涙を拭う方もいらっしゃいました。
宮乃木神楽団「女狐退治」
こちらも、初演の演目。大会前から話題の多い演目で楽しみにされていた方も多かったことと思います。まず、最初は悲しい場面からスタートしていきます。狐が猟師に追われ、子狐は矢を受けて死んでしまいます。そして親狐は、人間に恨み辛みを抱き、何百年と生き長らえるうちに人間に姿を変えることを覚え、人々を悩ませていくのです。 時は移り、岩見重太郎・重蔵兄弟は、父の仇を討つため諸国を遍歴していました。そして、大願成就の祈願のため防府天満宮に立ち寄ったところ、父の仇を討つためには、3つの難を乗り越える必要があると御告げを受け、第一の難である「女狐退治」へと向かいます。山に分け入った重太郎たちは、およしという女に出会い、行動をともにします。そう、この女の正体こそ母狐です。あたりが真っ暗になると怪しい火の玉(狐火)が現れ、女狐が正体を現します。何百年も生きた女狐ですが、動きも俊敏で重太郎たちを翻弄します。妖術を駆使して重太郎たちを追い詰め、ついには重蔵を取り喰らってしまいます。重太郎は妖術を破り女狐を退治し、重蔵を失った悲しみをしまい込みながら、次の難(狒々退治・広瀬軍蔵との対決)に向かいます。
石見神楽亀山社中「月一の舞いのための戸隠山雅鬼揃(とがくしやまみやびおにぞろい)
この演目名前を聞いて気づかれた方も多いと思いますが、広島の神楽の代表演目「紅葉狩」の物語です。亀山社中さんが広島と島根の交流に敬意をはらい、今回の月一の舞いのためだけに創作されました。 冒頭から戸隠山に住む鬼女たちが登場し、能を思わせる舞いぶりで、会場を魅力しました。続いて登場したのは、平維茂。鹿狩りを楽しむも、錦彩なす紅葉に見とれてしまい道に迷ってしまったようです。その様子を遠くから見ていた鬼女たちは、偽りの宴を開き、維茂をおびき寄せます。この罠にまんまと引っかかった維茂は、酒に酔ったところを、鬼女たちの妖術にかかり正気を失います。いつもなら、紙蜘蛛だけの演出ですが、今回は、天井から大量の紅葉が降り注いできて、まるで物語の世界へと引き込まれるようでした。そしてクライマックス、岩屋から現れたのは、先ほどの美しさとはかけ離れた恐ろしい顔をした鬼女たち。持っているものは打杖といい、能などでも使われる採物です。また、最後の大王にトドメをさす場面では、周りが真っ赤に染まるほどの紙蜘蛛が飛び交い、島根と広島の神楽の交流を通してこその演出をみることができました。今回の演目では、能「紅葉狩」を意識されて、口上・舞を構成されており、普段の神楽とは、少し違ったものに見えた方もおられるかもしれません。しかし、神楽も能・歌舞伎などの要素を取り入れながら、現在の神楽に変わってきました。今回の演目は、創作という形でしたが、神楽の原点と創造への挑戦という見方もできるのではないでしょうか。
中川戸神楽団「茨木」
今週のみどころでもあったように、「茨木」と聞けば茨木童子を思い浮かべ、あらすじは「羅生門」や「戻り橋(後編)」のお話かなぁ?と思われた方が多かったことでしょう。一般的な内容としては皆さんご存知の通り、渡辺綱によって切り落とされた茨木童子の片腕を酒呑童子が取り返すお話。しかし、今回中川戸さんが舞う「茨木」には、その腕を取り返すはずの酒呑童子は登場してきません。じゃぁ、誰が取りに行くの?とお思いでしょうが、誰が取り返しに行くかというと…そうです!! 茨木童子本人が行くのです。茨木童子は酒呑童子の右腕とされ、抜群の知恵を持ち合わせていたことから、「茨木」の演目では茨木童子自らが腕を取りに行くんですね。なので茨木童子は、渡辺綱の乳母にと姿を変え綱の館へと向かいます。この時、良く見てみると綱の乳母に化けていても左の腕がないことから、茨木童子本人という事がうかがえます。また、中川戸さんの茨木童子と言えば、第三の目をもつ特徴のある面が印象的。自分の腕を取り返した後、茨木童子へと徐々に正体を現しますが、その鬼の面にも第三の目がしっかりとありました。中川戸さんのこだわりが感じられますね。そして、なんといっても中川戸さんといえば、スーパー神楽の代名詞。今回の演目でもどんな事がおこるのか皆さんワクワクしていたと思います。このお話は最後、茨木童子は虚空飛天の妖術で大江山へと飛び去って行ってしまうのですが、なんと!!! 茨木童子、虚空飛天の妖術を使って本当に宙に浮き飛び去ってしまうのです。この時の観客のざわめきは本当にすごかったと思います。まだ直接見られてない方は、あっと驚きますよ。
さて今回、月一の舞い「高校生神楽の共演」の報告では、三月の月一でも登場した特派員Wさんが手がけてくださいました。また、特別公演・神楽新世代の報告では特派員Wさんとわたくし、特派員Nがコラボしております。皆さまどこを誰が書いたかわかるでしょうか~?(笑)そして、お知らせですが、月一の舞いは約三か月ほどお休み致します。また11月にお会いしましょうね★
2011,08,24 Wed 23:32
新着コメント
応援するよ!
| ゆっちー | EMAIL | URL | 12/09/19 20:27 | n8yG4XXE |
頑張って下さい。
応援する
応援する
| ゆっちー | EMAIL | URL | 12/09/01 09:17 | Wwlg.00I |
頑張ってくださいね
| ゆっちー | EMAIL | URL | 12/08/29 00:26 | q2PsK31Y |
応援してますよ
| ゆっちー | EMAIL | URL | 12/08/06 22:21 | pCeDQEHM |
頑張ってよ
| ゆっちー | EMAIL | URL | 12/08/06 20:34 | pCeDQEHM |
8月20日、千代田開発センターにおいて、「月一の舞いー高校生神楽の共演」が開催されました。神楽の未来を担い、未来のリーダーとなる、高校生たちに熱い声援が送られました。
各高校のOB・OGの方々も多く駆けつけられたようで、後輩たちの舞を見守ってくださっていたようです。
それでは、報告です。
神迎え 広島新庄学園 郷土芸能同好会
四人の舞子が、東西南北を払い清め、神様をお招きするこの演目。決して見せ場の多い演目ではありませんが、神楽の基本動作が多く盛り込まれていて、各神楽団・社中でも大切にされてますよね。舞の動作もさることながら、御幣の振り方、鈴のならしかた一つにでも注目してみてもらうと、舞の奥深さを感じ取ってもらえると思います。
岩戸 島根県立浜田商業高校 郷土芸能部
今週の見どころでも紹介しましたが、数ある神楽の演目のなかでも、格式のあるものとして多くの皆さんに認知されていると思います。それもそのはず、天の岩戸に籠もられた天照大神をお招きするために、天細女命の舞ったものが、「芸能」の始まり、神楽の始まりだったのです。最後の天照大神をお迎えして、奏楽・舞子が神楽唄に合わせての場面では、おもわず唄いだしてしまいそうな方もいたのではないでしょうか。
滝夜叉姫 広島県立千代田高校 神楽愛好会
五月姫が、貴船の社に願をかけ、父・平将門の最期を語る場面から、物語は始まります。まだこのあたりでは、あどけなさの残る五月姫ですが、名を滝夜叉姫に変え、物語が進むにつれて、妖しさと力強さを見せていきます。ついには、鬼と化して、大宅中将光圀たちに最後の戦いに挑みますが、最期は光圀の霊術に敗れ、悪しき力を失い昇天していきます。
舞手さんの場面一つ一つでの心情の変化にも注目してもらえると、神楽の世界観に浸っていけると思います。
塵 倫 広島県立吉田高校 神楽部
あいさつのときに部員の方が話されていましたが、今回の塵倫は原田神楽団さんの塵倫に近づけるように頑張りたいと抱負を述べられていました。その中でも、先輩たちから受け継いだことや、自分たちの気持ちを織り交ぜながら、吉田高校の「塵倫」の世界を見せてくれたことと思います。神二人の揃った舞、鬼三匹の相手を震え上がらすような舞ぶり、舞手の舞を活かす四人の奏楽を見ていて、日頃の練習の成果を十分に出されていたように感じました。
天慶記・将門 広島新庄学園 郷土芸能同好会
郷土芸能同好会のオリジナル演目であり、毎年部員のみなさんがそれぞれの思いを持って舞われています。ストーリーは、あの「滝夜叉姫」以前の物語。滝夜叉姫の父・平将門が新皇となるも、一族の平貞盛に討たれるというもので、これが皆さんご存知の「滝夜叉姫」へとつながっていきます。神楽は、将門・将平兄弟が叔父である国香を討ち取る場面から始まります。そして、父・国香を討たれた貞盛は、藤原秀郷の助勢をうけ、将門追討に向かいます。貞盛にしてみれば、従兄弟であり、父の仇でもある将門を討つということは、さぞかし辛かったことでしょうね。最後の場面で、弟を討たれた将門が鬼人と化して、貞盛たちに襲いかかったところでは、迫力ある立ち合いを見せてくれました。
八岐大蛇 広島県立加計高校芸北分校
まずは、大蛇が七人目の姫を取り喰らう場面から始まりますが、大蛇が姫に気づかれずに近づくところでは、他の神楽団さんの大蛇ではないような妖しさを感じられた方もおられることでしょう。老夫婦と姫の別れの場面でも、奏楽との息の合った舞で情緒たっぷりに演じられ、会場では涙を流された方もいたのではないでしょうか。最後の須佐之男命との対決でも、迫力ある大蛇たちが所狭しと演じてくれました。「俺たちをなめんなよ」とばかりに威嚇したり、蛇胴で須佐之男命を囲んだりと、最後まで須佐之男命を苦しめました。しかし、須佐之男命さんも負けてはいられません。8対1の劣勢の中、見事な太刀捌きで大蛇たちを退治し、大団円を迎えました。
各高校の演目終了後のインタビューでは、部員のみなさんにに今後の抱負を語ってもらい、「大学で地元を離れても、帰ってきて神楽をやりたい」 「地元で就職して、神楽をやる」という頼もしい声や、中には「休団している神楽団を復活させる」と意気込んでいる方もおられ、自分たちの「神楽」に対する熱い気持ちを語ってくださいました。
以前は「神楽しかない町」と考えられていたこの地域ですが、時を重ね若者たちが神楽に打ち込んだ結果、「神楽がある町」という地域の誇りに変わってきました。今回、出演していただいた部員のみなさんが将来、神楽を引っ張ってくれることはもちろん、それぞれの地域を引っ張るリーダーとなってくれると期待させてくれた1日となりました。さて次回は、「月一の舞い 特別公演 神楽新時代」の報告です。お楽しみに。
各高校のOB・OGの方々も多く駆けつけられたようで、後輩たちの舞を見守ってくださっていたようです。
それでは、報告です。
神迎え 広島新庄学園 郷土芸能同好会
四人の舞子が、東西南北を払い清め、神様をお招きするこの演目。決して見せ場の多い演目ではありませんが、神楽の基本動作が多く盛り込まれていて、各神楽団・社中でも大切にされてますよね。舞の動作もさることながら、御幣の振り方、鈴のならしかた一つにでも注目してみてもらうと、舞の奥深さを感じ取ってもらえると思います。
岩戸 島根県立浜田商業高校 郷土芸能部
今週の見どころでも紹介しましたが、数ある神楽の演目のなかでも、格式のあるものとして多くの皆さんに認知されていると思います。それもそのはず、天の岩戸に籠もられた天照大神をお招きするために、天細女命の舞ったものが、「芸能」の始まり、神楽の始まりだったのです。最後の天照大神をお迎えして、奏楽・舞子が神楽唄に合わせての場面では、おもわず唄いだしてしまいそうな方もいたのではないでしょうか。
滝夜叉姫 広島県立千代田高校 神楽愛好会
五月姫が、貴船の社に願をかけ、父・平将門の最期を語る場面から、物語は始まります。まだこのあたりでは、あどけなさの残る五月姫ですが、名を滝夜叉姫に変え、物語が進むにつれて、妖しさと力強さを見せていきます。ついには、鬼と化して、大宅中将光圀たちに最後の戦いに挑みますが、最期は光圀の霊術に敗れ、悪しき力を失い昇天していきます。
舞手さんの場面一つ一つでの心情の変化にも注目してもらえると、神楽の世界観に浸っていけると思います。
塵 倫 広島県立吉田高校 神楽部
あいさつのときに部員の方が話されていましたが、今回の塵倫は原田神楽団さんの塵倫に近づけるように頑張りたいと抱負を述べられていました。その中でも、先輩たちから受け継いだことや、自分たちの気持ちを織り交ぜながら、吉田高校の「塵倫」の世界を見せてくれたことと思います。神二人の揃った舞、鬼三匹の相手を震え上がらすような舞ぶり、舞手の舞を活かす四人の奏楽を見ていて、日頃の練習の成果を十分に出されていたように感じました。
天慶記・将門 広島新庄学園 郷土芸能同好会
郷土芸能同好会のオリジナル演目であり、毎年部員のみなさんがそれぞれの思いを持って舞われています。ストーリーは、あの「滝夜叉姫」以前の物語。滝夜叉姫の父・平将門が新皇となるも、一族の平貞盛に討たれるというもので、これが皆さんご存知の「滝夜叉姫」へとつながっていきます。神楽は、将門・将平兄弟が叔父である国香を討ち取る場面から始まります。そして、父・国香を討たれた貞盛は、藤原秀郷の助勢をうけ、将門追討に向かいます。貞盛にしてみれば、従兄弟であり、父の仇でもある将門を討つということは、さぞかし辛かったことでしょうね。最後の場面で、弟を討たれた将門が鬼人と化して、貞盛たちに襲いかかったところでは、迫力ある立ち合いを見せてくれました。
八岐大蛇 広島県立加計高校芸北分校
まずは、大蛇が七人目の姫を取り喰らう場面から始まりますが、大蛇が姫に気づかれずに近づくところでは、他の神楽団さんの大蛇ではないような妖しさを感じられた方もおられることでしょう。老夫婦と姫の別れの場面でも、奏楽との息の合った舞で情緒たっぷりに演じられ、会場では涙を流された方もいたのではないでしょうか。最後の須佐之男命との対決でも、迫力ある大蛇たちが所狭しと演じてくれました。「俺たちをなめんなよ」とばかりに威嚇したり、蛇胴で須佐之男命を囲んだりと、最後まで須佐之男命を苦しめました。しかし、須佐之男命さんも負けてはいられません。8対1の劣勢の中、見事な太刀捌きで大蛇たちを退治し、大団円を迎えました。
各高校の演目終了後のインタビューでは、部員のみなさんにに今後の抱負を語ってもらい、「大学で地元を離れても、帰ってきて神楽をやりたい」 「地元で就職して、神楽をやる」という頼もしい声や、中には「休団している神楽団を復活させる」と意気込んでいる方もおられ、自分たちの「神楽」に対する熱い気持ちを語ってくださいました。
以前は「神楽しかない町」と考えられていたこの地域ですが、時を重ね若者たちが神楽に打ち込んだ結果、「神楽がある町」という地域の誇りに変わってきました。今回、出演していただいた部員のみなさんが将来、神楽を引っ張ってくれることはもちろん、それぞれの地域を引っ張るリーダーとなってくれると期待させてくれた1日となりました。さて次回は、「月一の舞い 特別公演 神楽新時代」の報告です。お楽しみに。
2011,08,24 Wed 21:35
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