後半は大塚神楽団「羅生門」からスタート。おそらく今回のイベントの中で、一番面を変えた回数が多い上演だったのではないでしょうか。鬼から老婆へ、老婆から鬼へ、そして鬼から鬼へ。まさに変化自在の酒呑童子の化身さんの芸はお見事でした。そして取り返した腕を茨木童子にくっつける場面は、みなさんお楽しみいただけたでしょうか。また腕がもげてしまい、「童子どの!それワシの腕じゃ!」「すまんすまん!」というような会話が聞こえてきそうでしたね。
そして中川戸神楽団「青葉の笛」。人の業によって鬼にされてしまった官那羅(かんなら)と、美しい音色を持つ青葉の笛の物語です。神が六歌仙(ろっかせん)の一人として有名な在原業平(ありわらのなりひら)ということもあり、歌に始まり歌に終わるというのも面白い演出だと思います。また中盤で、業平が吹く青葉の笛と、神楽の笛との掛け合いも情緒溢れ、悲しい物語を忘れて聴き入ってしまいました。
最後は上河内神楽団「紅葉狩」。やはり鬼女と言えば「紅葉狩」でしょうか。鬼女たちの豪華で華やかな衣装は、そのまま秋の山々の美しさのようですね。平維茂らに酒をすすめ、一瞬だけ鬼の本性を見せるところは、上河内さんならではの演出。そしてまた鬼女の姿を現したときは、先ほどの面とは違うものなんですよね。見事な早変わりで客席を沸かせてくださいました。
どの演目も鬼女の恐ろしさ、はかなさを存分に生かした神楽で、しっかりと楽しむことができました。そしてやはり、このイベントを支えてくださったスタッフのみなさんの素晴らしい仕事ぶりに感謝したいですね。来年はどんな「スペシャル」になるのか、今から楽しみです!
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2007,12,18 Tue 20:40
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年末恒例のイベントとして、神楽ファンのみなさんにも定着しつつある「RCC神楽スペシャル」。今年は「鬼女伝説」をテーマに、12月16日、ALSOKホールで行われました。鬼女が出る演目ということで、やはりどこの団体も面の早変わりがすごかったですね!面だけではなく衣装も早変わりがあったりして、みなさん驚かれたことと思います。
最初は鬼女…ではなく、儀式舞がありました。石見神楽亀山社中「真榊」。今回初めて見た演目で、とても楽しみにしていました。儀式舞、というと優雅でゆったりとした舞というイメージがありますが、この演目は舞も楽も、かなり激しいところがあったりして、とても珍しく思いました。そして五方の神様に真榊を供えるという意味合いの神楽であることがわかりましたね。広島ではあまり見られない演目ですが、おそらく秋祭りでは、神楽の前に行われる祭典において、この真榊をお供えするという儀式があるのではないでしょうか。もし祭りに行かれた方、その辺も見てみると面白いかもしれません。
そして鬼女伝説の幕開けは琴庄神楽団「滝夜叉姫」。最初に五月姫が登場する場面は、照明が暗くなり、ドライアイスがステージいっぱいに広がりました。先ほどの儀式舞の余韻もあってか、全体的に神聖な雰囲気が漂います。その中で妖術を授かり、一気にテンションがあがるところで舞手の方の演技も「滝夜叉姫」へと変わりました。いろいろな効果によってさらに神楽が魅力的になるのがホール神楽の面白いところですね。また滝夜叉姫が「五月姫」へと戻る場面は、面を取って素顔になるのはよく見かけますが、琴庄さんはもう一工夫。衣装があっという間に変わったんですよね!しかもピンクに花柄の着物という衣装で、これはなかなか見られない演出でした。
そして再び亀山社中で「貴船」。先ほど五月姫が願を掛けた貴船神社も再び登場しました。夫に離縁された女が、その夫に復讐をせんと鬼女となって呪い殺そうとする怖い神楽です。ただでさえ陰惨な演目とされているのに、照明などの効果で不気味な鬼女の面がさらに恐ろしく見えます。また白い着物から赤い着物への早変わりも見事でしたね!しかし、怖さばかりを演出するのではなく、この演目の訴えるもの、これを最後にしっかりと考えさせられるものになっています。女の面へと戻り、ついには昇天する悲しい結末、そして「人の心に本当の鬼がいる」という言葉が心に響きました。
続いては原田神楽団「土蜘蛛」。いつも見慣れた演目も、いろいろな演出でさらに効果倍増となっているのがよくわかりました。土蜘蛛の精魂が頼光に毒薬を渡し、具合はどうかと尋ねる場面。暗くなってスポットライトが当たったのですが、月明かりに照らされたかのようでしたね。そして土蜘蛛が岩屋へと逃げ帰る場面、鬼棒をバシバシと叩いたりする姿は、いつもより気合が入っているように見えました。そして楽のみなさんもさらに盛り上げようとされていたのが伝わってきましたね。手打ち鐘の方はあの名人芸をしっかりと見せてくださいました!
以上、ここまでを「その1」として後半はまた次回にご紹介します!
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最初は鬼女…ではなく、儀式舞がありました。石見神楽亀山社中「真榊」。今回初めて見た演目で、とても楽しみにしていました。儀式舞、というと優雅でゆったりとした舞というイメージがありますが、この演目は舞も楽も、かなり激しいところがあったりして、とても珍しく思いました。そして五方の神様に真榊を供えるという意味合いの神楽であることがわかりましたね。広島ではあまり見られない演目ですが、おそらく秋祭りでは、神楽の前に行われる祭典において、この真榊をお供えするという儀式があるのではないでしょうか。もし祭りに行かれた方、その辺も見てみると面白いかもしれません。
そして鬼女伝説の幕開けは琴庄神楽団「滝夜叉姫」。最初に五月姫が登場する場面は、照明が暗くなり、ドライアイスがステージいっぱいに広がりました。先ほどの儀式舞の余韻もあってか、全体的に神聖な雰囲気が漂います。その中で妖術を授かり、一気にテンションがあがるところで舞手の方の演技も「滝夜叉姫」へと変わりました。いろいろな効果によってさらに神楽が魅力的になるのがホール神楽の面白いところですね。また滝夜叉姫が「五月姫」へと戻る場面は、面を取って素顔になるのはよく見かけますが、琴庄さんはもう一工夫。衣装があっという間に変わったんですよね!しかもピンクに花柄の着物という衣装で、これはなかなか見られない演出でした。
そして再び亀山社中で「貴船」。先ほど五月姫が願を掛けた貴船神社も再び登場しました。夫に離縁された女が、その夫に復讐をせんと鬼女となって呪い殺そうとする怖い神楽です。ただでさえ陰惨な演目とされているのに、照明などの効果で不気味な鬼女の面がさらに恐ろしく見えます。また白い着物から赤い着物への早変わりも見事でしたね!しかし、怖さばかりを演出するのではなく、この演目の訴えるもの、これを最後にしっかりと考えさせられるものになっています。女の面へと戻り、ついには昇天する悲しい結末、そして「人の心に本当の鬼がいる」という言葉が心に響きました。
続いては原田神楽団「土蜘蛛」。いつも見慣れた演目も、いろいろな演出でさらに効果倍増となっているのがよくわかりました。土蜘蛛の精魂が頼光に毒薬を渡し、具合はどうかと尋ねる場面。暗くなってスポットライトが当たったのですが、月明かりに照らされたかのようでしたね。そして土蜘蛛が岩屋へと逃げ帰る場面、鬼棒をバシバシと叩いたりする姿は、いつもより気合が入っているように見えました。そして楽のみなさんもさらに盛り上げようとされていたのが伝わってきましたね。手打ち鐘の方はあの名人芸をしっかりと見せてくださいました!
以上、ここまでを「その1」として後半はまた次回にご紹介します!
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2007,12,17 Mon 21:41
新着コメント
スマイリーさん、コメントありがとうございます。
「ホール神楽」をしっかり楽しまれたようですね!
やはりいつもの大会やイベントとは一味違いますよね。
「貴船」の最後の言葉、わかっていただけてこちらも嬉しいです。
五月さん、コメントありがとうございます。
シーズンオフになると、あまり報告も書けませんが、できるだけファンのみなさんのために頑張ろうと思います。
2月にはまた市内で大きなイベントがありますので、ぜひお越しください!
「ホール神楽」をしっかり楽しまれたようですね!
やはりいつもの大会やイベントとは一味違いますよね。
「貴船」の最後の言葉、わかっていただけてこちらも嬉しいです。
五月さん、コメントありがとうございます。
シーズンオフになると、あまり報告も書けませんが、できるだけファンのみなさんのために頑張ろうと思います。
2月にはまた市内で大きなイベントがありますので、ぜひお越しください!
| 特派員 | EMAIL | URL | 07/12/18 20:45 | BFfnvy1Y |
衣装の早変わり見てみたくなりました。私は神楽グランプリから冬眠状態になっているので、特派員報告や皆さんのコメントを楽しみしている毎日です。来年は多くの神楽団の舞いを見に行きたいと思ってます。
| 五月 | EMAIL | URL | 07/12/18 08:15 | MZc4TY.E |
鬼女伝説見に行きました~
石見神楽亀山社中の「貴船」、どんどん引き込まれていきました。
そして最後の言葉、ずーんと胸に響きました。
急に見に行くことを決めたので、2階席でしたが
ホールで見る神楽もいいものですね。
石見神楽亀山社中の「貴船」、どんどん引き込まれていきました。
そして最後の言葉、ずーんと胸に響きました。
急に見に行くことを決めたので、2階席でしたが
ホールで見る神楽もいいものですね。
| スマイリー | EMAIL | URL | 07/12/17 22:39 | rXdj1fng |
「神楽リレー」今回のランナーは、筏津神楽団の小田壮太郎(おだ そうたろう)さんです。マジメな雰囲気の方ですが、かなり笑わせていただきました(笑)。それに意外なところで意外な謎もとけたりして…。それではどうぞ!
―神楽団の中で何と呼ばれてますか?
“そうたろう”が多いですね。
―何を舞っていますか?
主には笛なんですけど、何でも舞います。
―鬼も神も?
鬼も神も…囃子だったら太鼓もやりますね。
―練習は好きですか?
いや、さほど…好きではないですね…(笑)
―目標としている方はいますか?
目標…ではないですけど、宮乃木の佐々木くんが、神楽の楽しさってのを表現しよるけ、そういうのでは一目置いてますね。
―神楽ってなんでしょう?
舞手に言わせたら、「自己満足」でしょうね(笑)
―好きな役や演目はありますか?
いやぁ、特にないですねぇ~。
―舞と楽ならどちらがいいですか?
楽のほうが見れるからいいですね(笑)
自分が参加しながら、神楽を見とれるけぇ!
―思い出の上演は?
一番最初ですかね…楽しかったです。
小学校6年生のときに大朝の競演に出て。
―緊張されました?
いや、緊張はなかったですね。
だいたい、緊張しないんで。
―神楽以外の休日は何をしてますか?
ボーっとしたり、遊びに行ったり。
―趣味は?
…人とおるのが楽しいですね。
高校のときしてたから野球しよったら楽しいかな…。
―好きな食べ物は?
…好きな食べ物は…?
…(沈黙)…まぁ…、『好きな食べ物は』??
小学校以来の質問ですね(笑)
ま、幅は広いです。
―嫌いな食べ物は?
クセのあるものですね。
ヘンな味のするチーズとか…。
―いま欲しいものは?
ゆとりが欲しいですね…。
―最近の悩みは?
お金に…困ります。
あと、今後の…未来の生活…。
―好きなスポーツは?
野球ですね!あとゴルフも多少。
―野球のポジションは?
ボクは内野が多かったですね。
―好きなテレビ番組は?
あんま見ないです。
―ケータイの待ち受けはどんな感じ?
サルです。
―サル!?
第2回神楽リレーで、泉田くんが出たじゃないですか?
彼は「サルの待ち受け画像を友達からもらった」と言ったんですけど、
その友達とはボクなんです…。
今現在も進行中のはずです!
神楽リレー vol.2
―(笑)なぜにその画像を!?
これはボクがある夜、寝れなくて起きてたら、ある(テレビ)番組をやってたんですね。
これにハマってしまって…。
それから…この「ゴメス・チェンバリン」というキャラクターが好きになってしまって…。
これは守ってくれる、と。だから「お前もしとけ」と(笑)
―お気に入りの着メロは?
使わないですね。
普通の、チリリンの音ですね。
―神楽でやってしまった失敗は?
失敗を、失敗と思わないんで…。いかにごまかすかと(笑)
笛ではいっぱいありますね。
―お友達を紹介してください。
大塚神楽団の藤田好美さん。
―その方に一言。
これから「大塚の笛吹きの主役」になれるように頑張ってもらいたいですね!
―最後に神楽ファンのみなさんへ。
えっと、子どもさんに向けて。
神楽をしたいと思ってもらえるように頑張るんで、それを見て後継者的な存在になってもらいたいです!
いかがでしたか??小田さんへのコメントも大歓迎です。
次回は大塚神楽団の藤田好美(ふじた よしみ)さんです。お楽しみに!
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―神楽団の中で何と呼ばれてますか?
“そうたろう”が多いですね。
―何を舞っていますか?
主には笛なんですけど、何でも舞います。
―鬼も神も?
鬼も神も…囃子だったら太鼓もやりますね。
―練習は好きですか?
いや、さほど…好きではないですね…(笑)
―目標としている方はいますか?
目標…ではないですけど、宮乃木の佐々木くんが、神楽の楽しさってのを表現しよるけ、そういうのでは一目置いてますね。
―神楽ってなんでしょう?
舞手に言わせたら、「自己満足」でしょうね(笑)
―好きな役や演目はありますか?
いやぁ、特にないですねぇ~。
―舞と楽ならどちらがいいですか?
楽のほうが見れるからいいですね(笑)
自分が参加しながら、神楽を見とれるけぇ!
―思い出の上演は?
一番最初ですかね…楽しかったです。
小学校6年生のときに大朝の競演に出て。
―緊張されました?
いや、緊張はなかったですね。
だいたい、緊張しないんで。
―神楽以外の休日は何をしてますか?
ボーっとしたり、遊びに行ったり。
―趣味は?
…人とおるのが楽しいですね。
高校のときしてたから野球しよったら楽しいかな…。
―好きな食べ物は?
…好きな食べ物は…?
…(沈黙)…まぁ…、『好きな食べ物は』??
小学校以来の質問ですね(笑)
ま、幅は広いです。
―嫌いな食べ物は?
クセのあるものですね。
ヘンな味のするチーズとか…。
―いま欲しいものは?
ゆとりが欲しいですね…。
―最近の悩みは?
お金に…困ります。
あと、今後の…未来の生活…。
―好きなスポーツは?
野球ですね!あとゴルフも多少。
―野球のポジションは?
ボクは内野が多かったですね。
―好きなテレビ番組は?
あんま見ないです。
―ケータイの待ち受けはどんな感じ?
サルです。
―サル!?
第2回神楽リレーで、泉田くんが出たじゃないですか?
彼は「サルの待ち受け画像を友達からもらった」と言ったんですけど、
その友達とはボクなんです…。
今現在も進行中のはずです!
神楽リレー vol.2
―(笑)なぜにその画像を!?
これはボクがある夜、寝れなくて起きてたら、ある(テレビ)番組をやってたんですね。
これにハマってしまって…。
それから…この「ゴメス・チェンバリン」というキャラクターが好きになってしまって…。
これは守ってくれる、と。だから「お前もしとけ」と(笑)
―お気に入りの着メロは?
使わないですね。
普通の、チリリンの音ですね。
―神楽でやってしまった失敗は?
失敗を、失敗と思わないんで…。いかにごまかすかと(笑)
笛ではいっぱいありますね。
―お友達を紹介してください。
大塚神楽団の藤田好美さん。
―その方に一言。
これから「大塚の笛吹きの主役」になれるように頑張ってもらいたいですね!
―最後に神楽ファンのみなさんへ。
えっと、子どもさんに向けて。
神楽をしたいと思ってもらえるように頑張るんで、それを見て後継者的な存在になってもらいたいです!
いかがでしたか??小田さんへのコメントも大歓迎です。
次回は大塚神楽団の藤田好美(ふじた よしみ)さんです。お楽しみに!
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2007,12,13 Thu 23:44
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大朝の競演で個人賞受賞されてましたね♪
とっても上手でした。
これからも頑張っていただきたいモノです☆★
応援してますッ!!
とっても上手でした。
これからも頑張っていただきたいモノです☆★
応援してますッ!!
| 神楽好き☆ | EMAIL | URL | 07/12/14 18:38 | rAiIKMHA |
3演目の上演の後はお楽しみの抽選会でした。今回上演された6つの神楽団からそれぞれ神楽グッズが、そして菅沢さんから神楽面のプレゼント。当選された方、おめでとうございます!画像は中川戸神楽団団長の能海さんがお祝いの言葉を述べられているところです。出番が近いので、メイクも出来上がった状態での登場だったのですが、「変な格好ですみません」という一言には思わず笑ってしまいました。ご存知のファンの方もおられると思いますが、菅沢さんはしばらくの間、中川戸神楽団に在籍されていました。そして当時の団員さんとともに、「板蓋宮」などの新作を発表されたのです。そして「スーパー神楽」として広島市内のホールで公演し、現在の神楽ブームをよんだのはみなさんご周知の通りです。「今の中川戸の神楽、そして今の自分があるのは菅沢さんのおかげです」という能海さんの言葉が、菅沢さんがいかに広島の神楽において影響を与えてきたかがわかると思います。
休憩の後は松原神楽社中「頼政」。この演目において初めて見たことをまずご紹介します。まず源頼政が一人で出てきた点。普通は猪早太という家来を連れていると思っていたので、ちょっと意外でした。それと、時の帝である堀河天皇が登場し、鵺に悩まされるという場面がありました。この「頼政」という演目は石見神楽の中でもいまだ成長途上の演目とされていますから、各団体においていろいろな演出があったほうが面白いのかもしれません。そしてファンのみなさんお待ちかね、たくさんのお猿さんの登場。可愛い子猿さんたちが相撲をしていると、どこかで見たようなヒヒ面をつけて、私服の方が飛び入り参加!さらにスーツ姿の菅沢さんまで登場し、お猿さんの真似をして相撲をとるので、場内爆笑、拍手喝采でした(笑)。そんな猿たちも頼政に退治されてしまうのですが、小さいお猿さんが必死で命乞いをして助けてもらう場面もあって、とても可愛かったですね!
続いて中川戸神楽団「紅葉狩」。スーパー神楽の原点とも言える「板蓋宮」を見てきた、若い団員さんの手による演目です。ただ単に見栄えのする派手な神楽ではなく、戸隠山の鬼女、呉葉(くれは)にスポットを当てた演出が随所に光ります。後は北向観音(きたむきかんのん)より降魔の剣(ごうまのつるぎ)を授かる場面、これも中川戸さんらしい演出で、客席からは驚きの声が。今年、新たに「大江山」を発表されましたが、これからもスーパー神楽の本家本元として、面白い神楽を見せていただきたいですね!
最後は都治神楽社中「大蛇」。自分は一番後ろで見ていたのですが、前の席にいらした方、大丈夫でしたでしょうか(笑)。八匹の大蛇が火を吹きながらの大暴れで、前で見られている方がやけどしたり、尻尾に当たったりしないか、と心配するほどでした。もちろん実際にはそんなことはないのですが、とんでもない怪物たちの暴れっぷり、これもまさに大熱演でした。最後に残った大蛇と須佐之男尊の一騎打ちも見応えアリ。奇稲田姫と一緒に見ているこちらも応援したくなりますね!記念イベントの最後をしっかりと飾っていただきました。
熱演に次ぐ熱演、みなさん気合入りまくりで、見に来られた方も大満足だったのではないでしょうか。また、千代田のショッピングセンターサンクスの2階では、菅沢さんの記念展が開催されています。たくさんの神楽面が展示してあり、「あ、これは紅葉狩の鬼面だな」など、面を見て演目を当てたりするのも面白いと思いますよ!時間は10時から18時まで、入場は無料ですので、ファンのみなさん、ぜひ行ってみてください。
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休憩の後は松原神楽社中「頼政」。この演目において初めて見たことをまずご紹介します。まず源頼政が一人で出てきた点。普通は猪早太という家来を連れていると思っていたので、ちょっと意外でした。それと、時の帝である堀河天皇が登場し、鵺に悩まされるという場面がありました。この「頼政」という演目は石見神楽の中でもいまだ成長途上の演目とされていますから、各団体においていろいろな演出があったほうが面白いのかもしれません。そしてファンのみなさんお待ちかね、たくさんのお猿さんの登場。可愛い子猿さんたちが相撲をしていると、どこかで見たようなヒヒ面をつけて、私服の方が飛び入り参加!さらにスーツ姿の菅沢さんまで登場し、お猿さんの真似をして相撲をとるので、場内爆笑、拍手喝采でした(笑)。そんな猿たちも頼政に退治されてしまうのですが、小さいお猿さんが必死で命乞いをして助けてもらう場面もあって、とても可愛かったですね!
続いて中川戸神楽団「紅葉狩」。スーパー神楽の原点とも言える「板蓋宮」を見てきた、若い団員さんの手による演目です。ただ単に見栄えのする派手な神楽ではなく、戸隠山の鬼女、呉葉(くれは)にスポットを当てた演出が随所に光ります。後は北向観音(きたむきかんのん)より降魔の剣(ごうまのつるぎ)を授かる場面、これも中川戸さんらしい演出で、客席からは驚きの声が。今年、新たに「大江山」を発表されましたが、これからもスーパー神楽の本家本元として、面白い神楽を見せていただきたいですね!
最後は都治神楽社中「大蛇」。自分は一番後ろで見ていたのですが、前の席にいらした方、大丈夫でしたでしょうか(笑)。八匹の大蛇が火を吹きながらの大暴れで、前で見られている方がやけどしたり、尻尾に当たったりしないか、と心配するほどでした。もちろん実際にはそんなことはないのですが、とんでもない怪物たちの暴れっぷり、これもまさに大熱演でした。最後に残った大蛇と須佐之男尊の一騎打ちも見応えアリ。奇稲田姫と一緒に見ているこちらも応援したくなりますね!記念イベントの最後をしっかりと飾っていただきました。
熱演に次ぐ熱演、みなさん気合入りまくりで、見に来られた方も大満足だったのではないでしょうか。また、千代田のショッピングセンターサンクスの2階では、菅沢さんの記念展が開催されています。たくさんの神楽面が展示してあり、「あ、これは紅葉狩の鬼面だな」など、面を見て演目を当てたりするのも面白いと思いますよ!時間は10時から18時まで、入場は無料ですので、ファンのみなさん、ぜひ行ってみてください。
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2007,12,11 Tue 20:21
新着コメント
頼政さん、コメントありがとうございます。
神楽を舞っているみなさん全員が「伝統を守る」と言っているとは限りませんよね。
中川戸さんは「創造的伝承」を合言葉に活動されているようです。
確かに本来の神楽からいえば、まったく違う方向かもしれませんが、これが広島の神楽として、一つの文化として根付いていることを、どうかご理解ください。
もちろん、伝統的な神楽を大事にされている地域もありますから、それは本当に素晴らしいことと思います。
こういった大会やイベントでは、見栄えがして洗練された神楽が中心になってしまいますが、個人的には伝統的な神楽をもっとアピールしてもいいのでは、という気持ちです。
またコメントお願いします。
神楽を舞っているみなさん全員が「伝統を守る」と言っているとは限りませんよね。
中川戸さんは「創造的伝承」を合言葉に活動されているようです。
確かに本来の神楽からいえば、まったく違う方向かもしれませんが、これが広島の神楽として、一つの文化として根付いていることを、どうかご理解ください。
もちろん、伝統的な神楽を大事にされている地域もありますから、それは本当に素晴らしいことと思います。
こういった大会やイベントでは、見栄えがして洗練された神楽が中心になってしまいますが、個人的には伝統的な神楽をもっとアピールしてもいいのでは、という気持ちです。
またコメントお願いします。
| 特派員 | EMAIL | URL | 07/12/22 11:15 | BFfnvy1Y |
めでたいことですが
スーパー神楽と言うだけであって今神楽をしている人たちはどう考えているのでしょうか はっきりいってみんな伝統を守るとかいいながらただ色々な小道具を使って派手な演出をしたりまたは大会用に時間を減らすために大事な場面をはぶいたりしています
これが本当に伝統を守っていると言えるのでしょうか もっと原点を見直してほしいです
スーパー神楽と言うだけであって今神楽をしている人たちはどう考えているのでしょうか はっきりいってみんな伝統を守るとかいいながらただ色々な小道具を使って派手な演出をしたりまたは大会用に時間を減らすために大事な場面をはぶいたりしています
これが本当に伝統を守っていると言えるのでしょうか もっと原点を見直してほしいです
| 頼政 | EMAIL | URL | 07/12/22 10:58 | xCcGjHf6 |
故郷の島根県を離れ、家族を連れて千代田に移り住んでこられた、菅沢良典さん。神楽面師として成功するという保障はなく、当時どのような思いを持って工房を開かれたことでしょうか。それから20年の月日が流れました。神楽面師としては言うまでもなく、現在の神楽ブームの立役者としても広島、島根の神楽に多大な貢献をされてきました。現在は広島市内の宮乃木神楽団の顧問として、神楽の指導にあたられているのも、みなさんよくご存知かと思います。今回の月一の舞は、そんな菅沢さんの千代田工房開設20周年をお祝いする、記念公演として開かれました。いつにもまして充実した内容、そして抽選会もあるということで、本当にたくさんのお客さんに来ていただきました。月一史上初、立ち見のお客さんがおられたほどです!
最初は津浪神楽団「塵倫」。各地の競演大会で優勝されているように、やはり洗練された舞という印象ですね。全体的に落ち着いた雰囲気の旧舞ですが、見どころはしっかりと魅せるという演出もあります。鬼が空を飛ぶ場面はもちろんですが、鬼が幕から出てくるところも見どころの一つです。辺りを探るように出てきた鬼が、神を見つけ、そして一気に近づこうとするも、御幣を怖がってまた幕に入ってしまう、この場面の表現や演技が実によくできていると思います。また神に退治される場面でも、最後まで必死に抵抗する鬼の演技、これがまた大熱演でしたね。
そして菅沢さんが小太鼓で出演された宮乃木神楽団「岩見重太郎」。小太鼓の役割といえばいわゆるペースメーカーで、ここに大ベテランの菅沢さんがおられることは、奏楽の方はもちろん舞手の方にとっても心強いのではないでしょうか。そして今回は菅沢さんの記念公演ですから、みなさんいつも以上に気合が入ってましたね。中でも前半はヒヒ、後半は父の仇役と、一つの演目の中で二回も立ち合いをされた重太郎さん、本当にお疲れ様でした。最後のセリフでは思わず言葉に詰まる一幕もありましたが、最後まで役になりきられての大熱演でしたね。
続いて琴庄神楽団「羅生門」。まず注目したのは、鬼の腕が切り取られたのは一条戻り橋であるということ。以前神楽研究コラムでも書きましたが、戻り橋と羅生門は5キロくらい離れた場所にあり、それぞれに鬼の伝説が残されていますので、この演目を見るときはどちらで腕が切り取られたのか、常に注意するようにしてるんです。ではなぜ演目名が「羅生門」か。ここが琴庄さんの上手いところで、渡辺綱の乳母である白妙が、酒呑童子に襲われる場所が羅生門なんですね。そして童子さんと白妙さんの絶妙なコンビネーションと演出によって、あたかも白妙に童子の魂が乗り移ったかのような場面は実によくできていましたね!しかも最後は再び童子が現れ、用なしになった白妙の身柄が力なく倒れるところまであり、特に白妙役の方の演技は本当にお見事でした。
ここまでの前半を「その1」として報告します。次回の後半もお楽しみに!
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2007,12,10 Mon 20:15
新着コメント
サッチモさん、コメントありがとうございます。
ご無沙汰しております。
いつもお褒めの言葉をいただいて恐縮です。
神楽団、スタッフのみなさん、本当に今回は気合がいつもと違いましたね!
そんな気持ちがこの記事につながったと思います。
またコメントお願いします☆
ご無沙汰しております。
いつもお褒めの言葉をいただいて恐縮です。
神楽団、スタッフのみなさん、本当に今回は気合がいつもと違いましたね!
そんな気持ちがこの記事につながったと思います。
またコメントお願いします☆
| 特派員 | EMAIL | URL | 07/12/10 22:37 | BFfnvy1Y |
菅沢さんの記念公演行きたかったんですが、この記事が読めてよかったです。
そして、特派員さんはさすがといいますか、やはり神楽を見るときの視点が違いますね!大変勉強になります。
次回も期待してます。
そして、特派員さんはさすがといいますか、やはり神楽を見るときの視点が違いますね!大変勉強になります。
次回も期待してます。
| サッチモ | EMAIL | URL | 07/12/10 22:13 | oNzXAc8s |