今週の日曜日に千代田開発センターで「月一の舞・睦月の舞」が行われます。今年最初の月一の舞で、北広島町から琴庄神楽団、広島県内から八千代神楽団、島根県内から細谷社中のみなさんが上演されます。
琴庄神楽団の演目は「奥州平泉」で、源義経が奥州へ逃れ、そしてその一生を終えるまでの物語です。前半は「安宅関(あたかのせき)」を中心としたやり取り、後半は死を覚悟した武士たちの立ち合いなど、見どころたくさんです!八千代神楽団「戻り橋」と細谷社中「岩戸」は、まだ見たことがないのでしっかり見てきたいと思います。「戻り橋」はまずそのあらすじに注目したいですね。それから石見神楽の「岩戸」、一体どんな神楽なのか非常に楽しみです。
今のところ、日曜の天気は晴れ時々曇りで、雪の心配はなさそうです。ですが気温は低いので、あったかくしておいでください。
月一の舞 公演案内
上演プログラム
大会場所
(右側から千代田開発センターを選んでください)
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琴庄神楽団の演目は「奥州平泉」で、源義経が奥州へ逃れ、そしてその一生を終えるまでの物語です。前半は「安宅関(あたかのせき)」を中心としたやり取り、後半は死を覚悟した武士たちの立ち合いなど、見どころたくさんです!八千代神楽団「戻り橋」と細谷社中「岩戸」は、まだ見たことがないのでしっかり見てきたいと思います。「戻り橋」はまずそのあらすじに注目したいですね。それから石見神楽の「岩戸」、一体どんな神楽なのか非常に楽しみです。
今のところ、日曜の天気は晴れ時々曇りで、雪の心配はなさそうです。ですが気温は低いので、あったかくしておいでください。
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2007,01,11 Thu 19:00
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鬼女征伐の勅命を受けた平維茂は、兵を率いて戸隠山へと向かった。まず維茂は様子をさぐるために僧の姿に変装して山に入った。これを知った紅葉は、神楽でもおなじみの紅葉狩の酒宴を開いて維茂を誘い込んだ。そして毒酒を飲ませようとするも、維茂がこれを見破り、飲んだふりをしてその場を切り抜け、無事に下山した。
兵を整えた維茂は、ついに紅葉の住む岩屋へと進撃。しかし紅葉の妖術には歯が立たず、幾度攻めても負けを重ねるのみだった。そこで維茂はいったん兵を下げ、戸隠山から南へ約40キロ離れた北向観音(きたむきかんのん)へ参拝し、「降魔(ごうま)の剣」を授かる。軍を立て直した維茂は再び紅葉との戦いに挑む。ついに正体を現した紅葉は、空に舞い上がって妖術を使うが、山の麓にある戸隠奥院の上空から金色の光が飛び出した。その光で両目を貫かれた紅葉は地上に落ち、維茂によってとどめをさされた。こうして戸隠山の鬼女、紅葉は成敗された。
「紅葉狩」伝説については様々な説が残されているので、あくまでもその一つという事でご了承いただきたい。さて舞台となったこの戸隠山、実は意外な由来がある。その昔、天照大御神が岩戸にこもられた時、手力男命がその岩戸を開いて投げ捨てた。その岩戸が信州信濃国に落ちて山となったため、「戸隠山」という名がついたのだ。なかなかのトリビアではないかと思うが、いかがだろうか。
平安の中頃から末期にかけて、鬼や妖怪の伝説が数多く作られている。先に紹介した「大江山」もしかり。山に住み着いた盗賊たちが忌み嫌われて「鬼」に仕立て上げられたのは前に紹介した通りだが、この頃は女の盗賊も少なくなかったようだ。「今昔物語」にも女盗賊の話が載っており、それを考えると、戸隠山に女の頭を持つ盗賊団があったとしても良さそうだ。また、「紅葉狩」伝説とは少し違うが、源頼光の父である満仲が、戸隠山で鬼を切ったという話が「太平記」に収められており、やはり戸隠山になんらかの賊集団があった可能性は高いように思う。
一般的な「紅葉狩」だと、ただの鬼女大王でしかないが、実はこういった伝説の上に作り上げられたものだったのである。クライマックスで、何度も神に切り付けられ、もがきながら死んでいく鬼の姿に、みなさんは何を思うだろうか。恵まれない環境で生まれ育ち、犯罪に手を染め、挙句の果てに処刑される。ちょっと大げさかもしれないが、私には現代にも共通するような物語に思えてならない。珍しくマジメな終わり方だが、これにてシリーズ「紅葉狩」を終了としたい。次回の予定はないが、リクエスト・ご意見などドシドシお寄せいただきたい。
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続き▽
兵を整えた維茂は、ついに紅葉の住む岩屋へと進撃。しかし紅葉の妖術には歯が立たず、幾度攻めても負けを重ねるのみだった。そこで維茂はいったん兵を下げ、戸隠山から南へ約40キロ離れた北向観音(きたむきかんのん)へ参拝し、「降魔(ごうま)の剣」を授かる。軍を立て直した維茂は再び紅葉との戦いに挑む。ついに正体を現した紅葉は、空に舞い上がって妖術を使うが、山の麓にある戸隠奥院の上空から金色の光が飛び出した。その光で両目を貫かれた紅葉は地上に落ち、維茂によってとどめをさされた。こうして戸隠山の鬼女、紅葉は成敗された。
「紅葉狩」伝説については様々な説が残されているので、あくまでもその一つという事でご了承いただきたい。さて舞台となったこの戸隠山、実は意外な由来がある。その昔、天照大御神が岩戸にこもられた時、手力男命がその岩戸を開いて投げ捨てた。その岩戸が信州信濃国に落ちて山となったため、「戸隠山」という名がついたのだ。なかなかのトリビアではないかと思うが、いかがだろうか。
平安の中頃から末期にかけて、鬼や妖怪の伝説が数多く作られている。先に紹介した「大江山」もしかり。山に住み着いた盗賊たちが忌み嫌われて「鬼」に仕立て上げられたのは前に紹介した通りだが、この頃は女の盗賊も少なくなかったようだ。「今昔物語」にも女盗賊の話が載っており、それを考えると、戸隠山に女の頭を持つ盗賊団があったとしても良さそうだ。また、「紅葉狩」伝説とは少し違うが、源頼光の父である満仲が、戸隠山で鬼を切ったという話が「太平記」に収められており、やはり戸隠山になんらかの賊集団があった可能性は高いように思う。
一般的な「紅葉狩」だと、ただの鬼女大王でしかないが、実はこういった伝説の上に作り上げられたものだったのである。クライマックスで、何度も神に切り付けられ、もがきながら死んでいく鬼の姿に、みなさんは何を思うだろうか。恵まれない環境で生まれ育ち、犯罪に手を染め、挙句の果てに処刑される。ちょっと大げさかもしれないが、私には現代にも共通するような物語に思えてならない。珍しくマジメな終わり方だが、これにてシリーズ「紅葉狩」を終了としたい。次回の予定はないが、リクエスト・ご意見などドシドシお寄せいただきたい。
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2007,01,09 Tue 00:00
新着コメント
榊凪さん、コメントありがとうございます。
今のところ、研究コラムを書くような余裕がないので、せっかくのリクエストなんですが、ご期待にそえることができないと思います。
また機会があればやってみたいので、どうぞよろしくお願いします。
今のところ、研究コラムを書くような余裕がないので、せっかくのリクエストなんですが、ご期待にそえることができないと思います。
また機会があればやってみたいので、どうぞよろしくお願いします。
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/02/25 21:56 | BFfnvy1Y |
はて?岩で山になったの葛城山ではなかったけ?
あれなんかちがう。あ~わかんない
じぶんも日本武尊にさんせいでし
あれなんかちがう。あ~わかんない
じぶんも日本武尊にさんせいでし
| 榊凪 | EMAIL | URL | 08/02/25 13:18 | sDlCJhvw |
ジェラードさん、コメントありがとうございます。
今回の「紅葉狩」はいかがだったでしょうか。
「日本武尊」ですかぁ、検討してみます☆
またコメントお願いします。
今回の「紅葉狩」はいかがだったでしょうか。
「日本武尊」ですかぁ、検討してみます☆
またコメントお願いします。
| 特派員 | EMAIL | URL | 07/01/10 21:01 | BFfnvy1Y |
今回も全章見させて、頂きました。
次回は「日本武尊」について紹介して頂きたいです。
次回は「日本武尊」について紹介して頂きたいです。
| ジェラード | EMAIL | URL | 07/01/10 20:31 | qbFB6WTk |
では、戸隠山の鬼女伝説についてみてみよう。神楽の「紅葉狩」は謡曲「紅葉狩」が出典となっているが、「紅葉狩」伝説についてはいろいろなパターンが伝承されている。その中でも一般的なものを紹介したい。
今から千年以上昔のこと。奥州・会津に笹丸(ささまる)と菊世(きくよ)という夫婦がいた。しかしなかなか子供が生まれず、ついには第六天魔王(だいろくてんまおう)に祈願をする。そして937年、二人の間に娘が生まれ、「呉葉(くれは)」と名付けられた。呉葉はとても美しい外見を持ち、琴の名手でもあったという。しかし、第六天魔王の申し子である呉葉は、邪悪な心と妖術を持っていた。
この第六天魔王というのは、仏教において最大の悪とされる鬼である。旧舞の「八幡」に出てくる鬼がこの第六天魔王だが、なぜ夫婦がこのような魔王に祈願したかは不明だが、まずその出生こそが悲劇の始まりだったのだ。
成長した呉葉は、近くの豪族の息子に嫁ぐことになった。しかし彼女は「一人両身」という妖術を使って分身を作り出した。その分身を嫁がせ、自分は両親とともに婚礼支度金を持って都に逃げたという。いわば結婚詐欺か。
都に上った呉葉は「紅葉(くれは)」と改名し、四条通に化粧品や髪飾りを扱う店を開いた。やがてその美貌が源経基(みなもとのつねもと)の目に留まり、寵愛を受けるようになる。同じ頃、経基の正妻が奇妙な熱病にかかり、祈祷が行われた。すると紅葉が妖術を使って正妻を呪い殺そうとしていたことが判明する。普通ならば処刑されるところだが、紅葉は経基の子を宿していたため罪一等減ぜられ、信濃国戸隠山に追放という処分が下った。そして956年9月、紅葉は両親とともに戸隠にある荒倉山の岩屋に護送されたのである。
いったんは心を入れ替え、付近の住民の面倒を見たりしていた紅葉だったが、都に帰りたいという気持ちが募り、次第に鬼の本性が現れるようになる。山に住む無法者を集め、旅人を襲って金品を奪うなど悪行を重ね、ついには遠方の里にまで出没するようになった。それが都まで伝わり、969年、第63代冷泉帝は平維茂に戸隠山の鬼女征伐を命じた。
ここまでを前半とし、残りはまた次回。お気づきのファンもいらっしゃるだろうが、宮乃木神楽団と中川戸神楽団が、この伝説に忠実な「紅葉狩」を舞われている。上記した内容は最初の場面のセリフに登場するので、ご覧の際はよぉく聞いてみる事をオススメする。後半は、紅葉VS維茂の物語、そして紅葉狩伝説の舞台裏に迫ってみたい。
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今から千年以上昔のこと。奥州・会津に笹丸(ささまる)と菊世(きくよ)という夫婦がいた。しかしなかなか子供が生まれず、ついには第六天魔王(だいろくてんまおう)に祈願をする。そして937年、二人の間に娘が生まれ、「呉葉(くれは)」と名付けられた。呉葉はとても美しい外見を持ち、琴の名手でもあったという。しかし、第六天魔王の申し子である呉葉は、邪悪な心と妖術を持っていた。
この第六天魔王というのは、仏教において最大の悪とされる鬼である。旧舞の「八幡」に出てくる鬼がこの第六天魔王だが、なぜ夫婦がこのような魔王に祈願したかは不明だが、まずその出生こそが悲劇の始まりだったのだ。
成長した呉葉は、近くの豪族の息子に嫁ぐことになった。しかし彼女は「一人両身」という妖術を使って分身を作り出した。その分身を嫁がせ、自分は両親とともに婚礼支度金を持って都に逃げたという。いわば結婚詐欺か。
都に上った呉葉は「紅葉(くれは)」と改名し、四条通に化粧品や髪飾りを扱う店を開いた。やがてその美貌が源経基(みなもとのつねもと)の目に留まり、寵愛を受けるようになる。同じ頃、経基の正妻が奇妙な熱病にかかり、祈祷が行われた。すると紅葉が妖術を使って正妻を呪い殺そうとしていたことが判明する。普通ならば処刑されるところだが、紅葉は経基の子を宿していたため罪一等減ぜられ、信濃国戸隠山に追放という処分が下った。そして956年9月、紅葉は両親とともに戸隠にある荒倉山の岩屋に護送されたのである。
いったんは心を入れ替え、付近の住民の面倒を見たりしていた紅葉だったが、都に帰りたいという気持ちが募り、次第に鬼の本性が現れるようになる。山に住む無法者を集め、旅人を襲って金品を奪うなど悪行を重ね、ついには遠方の里にまで出没するようになった。それが都まで伝わり、969年、第63代冷泉帝は平維茂に戸隠山の鬼女征伐を命じた。
ここまでを前半とし、残りはまた次回。お気づきのファンもいらっしゃるだろうが、宮乃木神楽団と中川戸神楽団が、この伝説に忠実な「紅葉狩」を舞われている。上記した内容は最初の場面のセリフに登場するので、ご覧の際はよぉく聞いてみる事をオススメする。後半は、紅葉VS維茂の物語、そして紅葉狩伝説の舞台裏に迫ってみたい。
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2007,01,07 Sun 00:00
新着コメント
こんにちは。
私はFrancesco Baldessariと申します。
妖怪について本を書きました。
可能であればこのサイトに載ってる写真 1枚を使わせていただきたいのですが、可能でしょうか?
私はFrancesco Baldessariと申します。
妖怪について本を書きました。
可能であればこのサイトに載ってる写真 1枚を使わせていただきたいのですが、可能でしょうか?
| Francesco Baldessari | EMAIL | URL | 18/09/12 07:57 | kTuA19zI |
毎年盛り上がり続ける神楽人気ですが、お正月早々にまた一つ、神楽のイベントが新しく登場しました。広島市のグリーンアリーナで行われたニューイヤーイベントで、「新春神楽」がありました。1日目は東山神楽団と三谷神楽団の上演で、今回は2日目に行ってきました。
まず宮乃木神楽団「紅葉狩」。ちょうど神楽研究コラムで特集しているので、いろいろと興味を持って見ることができたように思います。宮乃木神楽団の「紅葉狩」は、大会やイベントでよく見かけるものと少し違った内容になっています。戸隠山近辺に伝わる伝説により近いものなので、まだ見たことのない方、ぜひ見てみてください。
次は大塚神楽団「悪狐伝」。とにかく珍斉和尚さんの面白いこと!客席から現れたり、司会の人を呼び出したり、役をチェンジしたり、しまいにはみそをするすり鉢を壊す始末(笑)。しかも神と狐の立ち合いが始まろうかという時に、壊れたすり鉢を片付けに再び現れると、たまらずセリフの途中に神の方も吹き出してしまったり…。本当に笑わせていただきました!
休憩のあとは、宮乃木神楽団「八岐大蛇」。普段はあまり舞われないということで、滅多にお目にかかれない貴重な演目でした。石見神楽の大蛇をもとにして、「どろどろとした大蛇の舞」という紹介でしたが、確かに石見神楽の雰囲気がありましたね。また客席の後ろからも二頭の大蛇が現れ、お客さんを喜ばせていました。
最後は大塚神楽団「山姥」。前半の山姥と怪童丸が舞う場面では、2人の息の合った舞がとても印象に残りました。山姥の落ち着きがあって不気味さを感じさせる舞と、怪童丸の元気の良さ、力強さの舞。ピッタリと動きがそろう、という意味ではなく見ていて安定感がありました。また、親子の別れの場面は、ややマイクが不調だったにも関わらず、客席から大きな拍手が起こりました。
自分にとって2007年初神楽でした。みなさんはどんな初神楽を迎えられたでしょうか?本年もよろしくお願いします。
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2007,01,04 Thu 14:07
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では次は「紅葉狩」のヒーロー、平維茂についてみてみよう。神楽の中では従者を引き連れて狩野の旅に出るなど、どちらかというと優雅な暮らしをおくっているようなイメージがある。しかし実際は、あの源頼光らと肩を並べられるほどの武勇者として知られていた。ただ、その他のことについては謎が多く、いろいろな書物に登場するも、その内容が一致しないのだ。
桓武平氏の血筋であるのは確かだが、武蔵権守繁盛(むさしのかみしげもり)の子であるという説と、その繁盛の子である兼忠(かねただ)を父とするという説とがある。まぁどちらにしても、「滝夜叉姫」に登場する平貞盛(さだもり)と親戚にあたる。また生没年についてもハッキリとせず、約80歳まで生きたとされるが、これは当時としては異例である。また、神楽のセリフでも登場する「余五将軍(よごのしょうぐん)」だが、これは維茂の別称である。が、これについてもなぜそう呼ばれたのか様々な説があり、ハッキリしない。
本当に謎だらけだが、神楽に関してはもう一つ謎がある。それは維茂が連れている従者だ。これは神楽団によってかなりバラバラである。藤原三成、長谷兼忠(はせのかねただ)、相良蔵人、日南友親(ひなのともちか)、清原成時、小松高正、ざっと調べただけでもこんなにいた。ただ単に従者、随臣(ずいしん)などとしているところもあれば、なんとビックリ、坂田金時が出てくる団もあった。こうなればなぜこんなにもバラバラなのか、調べてみないわけにはいかない。
そもそも、もともとは誰なんだ?ってことで、佐々木順三先生が書かれた台本を開いてみる。これがまた予想外の展開。なんと維茂さん、従者を連れずに一人で戸隠山に向かっているのだ…。ちなみに、勅命を受けてではなく、道に迷って山に入っている。もとは一人だったが、やはり見た目を考えれば二人のほうがよい。が、正式な人物がいないため、このように神楽団ごとでバラつきが出てしまったのだろう。この辺は神楽団の方からコメントいただけるとありがたい(笑)。
というわけで、謎ばかりでいまいちスッキリしないが、紅葉狩のヒーロー「平維茂」についての章を終わりとする。次回は、紅葉狩伝説についてみていきたい。
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桓武平氏の血筋であるのは確かだが、武蔵権守繁盛(むさしのかみしげもり)の子であるという説と、その繁盛の子である兼忠(かねただ)を父とするという説とがある。まぁどちらにしても、「滝夜叉姫」に登場する平貞盛(さだもり)と親戚にあたる。また生没年についてもハッキリとせず、約80歳まで生きたとされるが、これは当時としては異例である。また、神楽のセリフでも登場する「余五将軍(よごのしょうぐん)」だが、これは維茂の別称である。が、これについてもなぜそう呼ばれたのか様々な説があり、ハッキリしない。
本当に謎だらけだが、神楽に関してはもう一つ謎がある。それは維茂が連れている従者だ。これは神楽団によってかなりバラバラである。藤原三成、長谷兼忠(はせのかねただ)、相良蔵人、日南友親(ひなのともちか)、清原成時、小松高正、ざっと調べただけでもこんなにいた。ただ単に従者、随臣(ずいしん)などとしているところもあれば、なんとビックリ、坂田金時が出てくる団もあった。こうなればなぜこんなにもバラバラなのか、調べてみないわけにはいかない。
そもそも、もともとは誰なんだ?ってことで、佐々木順三先生が書かれた台本を開いてみる。これがまた予想外の展開。なんと維茂さん、従者を連れずに一人で戸隠山に向かっているのだ…。ちなみに、勅命を受けてではなく、道に迷って山に入っている。もとは一人だったが、やはり見た目を考えれば二人のほうがよい。が、正式な人物がいないため、このように神楽団ごとでバラつきが出てしまったのだろう。この辺は神楽団の方からコメントいただけるとありがたい(笑)。
というわけで、謎ばかりでいまいちスッキリしないが、紅葉狩のヒーロー「平維茂」についての章を終わりとする。次回は、紅葉狩伝説についてみていきたい。
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2007,01,03 Wed 00:00
新着コメント
榊凪さん、コメントありがとうございます。
キコリさんが出るのは自分も一回しか見たことがありません。
やはりイベントや大会では省略されてしまうことが多いようですね。
今年はキコリさんが出る上演に立ち会えたらいいなと思います。
キコリさんが出るのは自分も一回しか見たことがありません。
やはりイベントや大会では省略されてしまうことが多いようですね。
今年はキコリさんが出る上演に立ち会えたらいいなと思います。
| 特派員 | EMAIL | URL | 08/02/25 21:57 | BFfnvy1Y |
はぁ最近はキコリが出てくるとこありませんな
| 榊凪 | EMAIL | URL | 08/02/25 13:29 | sDlCJhvw |
神楽団員さん、コメントありがとうございます。
確かにその通りですね。
神楽が史実に沿ったものではない事は十分に承知しているつもりです。
ただ、あくまでも「もっと中身に興味を持ってもらいたい」という気持ちから、このシリーズをやらせていただいております。
「魅力が無くなる」とまでは考えていなかったので、これからはそういう事も念頭に置きたいと思います。
またコメントお願いします☆
確かにその通りですね。
神楽が史実に沿ったものではない事は十分に承知しているつもりです。
ただ、あくまでも「もっと中身に興味を持ってもらいたい」という気持ちから、このシリーズをやらせていただいております。
「魅力が無くなる」とまでは考えていなかったので、これからはそういう事も念頭に置きたいと思います。
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| 特派員 | EMAIL | URL | 07/01/03 22:48 | BFfnvy1Y |
神楽、歌舞伎、謡曲等殆どの演劇には実在の史実に基いた内容に沿って作られた作品は殆ど無い。登場人物に関しての僅かな伝承、所伝の神秘性を帯びた話等を基に作られていると思います。
だからどの作品も史実に添ったものと考えるべきでは無いと考えます。
佐々木先生の作品も謡曲が原典と思うが中身は神楽として変えてあるし供人は誰か名前が伝わっていないし平維茂一人が狩りに行く事も無く供は多く居たと思われる。とにかく中身に信憑性を伴うのも神楽等の特性。
中身を裸にしたら魅力が無くなる。似た様な伝説は各地に伝わっており内容も差異が有るのではないでしょうか。
だからどの作品も史実に添ったものと考えるべきでは無いと考えます。
佐々木先生の作品も謡曲が原典と思うが中身は神楽として変えてあるし供人は誰か名前が伝わっていないし平維茂一人が狩りに行く事も無く供は多く居たと思われる。とにかく中身に信憑性を伴うのも神楽等の特性。
中身を裸にしたら魅力が無くなる。似た様な伝説は各地に伝わっており内容も差異が有るのではないでしょうか。
| 神楽団員 | EMAIL | URL | 07/01/03 10:42 | ga0U8LoY |