いよいよ正式運用開始が迫っていますが、無謀にも8月1日から、広島神楽の祭典のフル動画配信を計画しています。
すでに映像のコーデックも終了しテストしているところです。
配信形式も、http配信では、2人以上の方が同じ動画をご覧になると映像が止まってしまいますので、今回ストリーミングサーバー(容量をUpし)を用意し、既存の動画も500kbの配信は全てストリーミングサーバーからの配信としました。
しかし、ストリーミングサーバーでも、ある程度の人数の方が同じ動画をご覧になると映像配信が不安定なると思います。
これは、ストリーミングサーバーの回線容量に依存します。回線容量に比例して回線使用料も増加します。
NPOでは、ストリーミングサーバーレンタル会社の中からインプレスレンタルサーバー完全ガイド ストリーミング専有サーバーで1位を獲得している、
メディアイメージの共有WBタイプのサービスを利用しています。
http://www.mi-j.com/index.html
価格も他の業者の方と比較して低価格ですし、サポートも親切ですよ。
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しかし、ストリーミングサーバーでも、ある程度の人数の方が同じ動画をご覧になると映像配信が不安定なると思います。
これは、ストリーミングサーバーの回線容量に依存します。回線容量に比例して回線使用料も増加します。
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2006,07,22 Sat 10:00
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休憩の後は、芸北神楽の上演。備後神楽が、岡山県の備前、備中神楽の流れを汲むのに対し、芸北神楽は島根県の石見神楽が元になっています。
まず、北広島町の新庄保育所神楽団による「新・新・新紅葉狩」。芸北神楽の新舞「紅葉狩」をアレンジした演目で、鬼女が住む戸隠山を保育所近くの寒曳山に置き換えたり、神が飲むのは酒ではなく毒ミルクだったりと、子供たちにも親しみやすい内容に工夫されています。5月の舞ロード千代田の上演から約一ヵ月半、みなさんさらに上手になってましたよ。
続いて、北広島町の有田神楽団による「八岐大蛇」。有田神楽団はどの舞も昔からの形を大事に保存、伝承されていますが、特にこの演目は素晴らしいと思います。何より大蛇の演技が素晴らしいのです。じっくり観察したことがある方ならおわかりだと思いますが、ヘビはとぐろを巻いて呼吸するとき、それに合わせて微妙に胴体が伸縮するんです。この有田さんの大蛇はそんな動きまで再現しておられ、非常にリアルな大蛇になっています。
次は安芸高田市の原田神楽団による「天の岩戸」。以前、島根県にお住まいの神楽ファンの方から、「原田の岩戸見たことある?あれいいよ~!」と超オススメされたことがあるんですが、初めて見たときは本当にいい神楽だなと感動しましたね。登場する神様の個性がしっかりとしており、それが奏楽と見事に合わさった舞は何回観ても素晴らしいです。
最後は安芸高田市の上河内神楽団による「紅葉狩」。衣装の豪華さ、美しい鬼女が鬼へと変貌する場面、立ち合いのスピード感など、新舞の魅力たっぷりの演目です。鬼の大王が赤いガッソで登場するのですが、これは芸北神楽では珍しく、上河内神楽団「紅葉狩」の特徴の一つと言えます。あと、笛の方がプログラムの配役と違う方だったので、「もしやあの人の登場か!?」と思ったんですが、さすがに今回はなかったです(笑)。
会場は1階席から3階席までお客さんでいっぱいで、開場から約30分後には当日券が売り切れるほどでした。個人的には、普段なかなか見る機会のない神楽が見れて、本当にいろいろ勉強になった一日でした。
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まず、北広島町の新庄保育所神楽団による「新・新・新紅葉狩」。芸北神楽の新舞「紅葉狩」をアレンジした演目で、鬼女が住む戸隠山を保育所近くの寒曳山に置き換えたり、神が飲むのは酒ではなく毒ミルクだったりと、子供たちにも親しみやすい内容に工夫されています。5月の舞ロード千代田の上演から約一ヵ月半、みなさんさらに上手になってましたよ。
続いて、北広島町の有田神楽団による「八岐大蛇」。有田神楽団はどの舞も昔からの形を大事に保存、伝承されていますが、特にこの演目は素晴らしいと思います。何より大蛇の演技が素晴らしいのです。じっくり観察したことがある方ならおわかりだと思いますが、ヘビはとぐろを巻いて呼吸するとき、それに合わせて微妙に胴体が伸縮するんです。この有田さんの大蛇はそんな動きまで再現しておられ、非常にリアルな大蛇になっています。
次は安芸高田市の原田神楽団による「天の岩戸」。以前、島根県にお住まいの神楽ファンの方から、「原田の岩戸見たことある?あれいいよ~!」と超オススメされたことがあるんですが、初めて見たときは本当にいい神楽だなと感動しましたね。登場する神様の個性がしっかりとしており、それが奏楽と見事に合わさった舞は何回観ても素晴らしいです。
最後は安芸高田市の上河内神楽団による「紅葉狩」。衣装の豪華さ、美しい鬼女が鬼へと変貌する場面、立ち合いのスピード感など、新舞の魅力たっぷりの演目です。鬼の大王が赤いガッソで登場するのですが、これは芸北神楽では珍しく、上河内神楽団「紅葉狩」の特徴の一つと言えます。あと、笛の方がプログラムの配役と違う方だったので、「もしやあの人の登場か!?」と思ったんですが、さすがに今回はなかったです(笑)。
会場は1階席から3階席までお客さんでいっぱいで、開場から約30分後には当日券が売り切れるほどでした。個人的には、普段なかなか見る機会のない神楽が見れて、本当にいろいろ勉強になった一日でした。
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2006,07,13 Thu 20:52
新着コメント
あい様さん、コメントありがとうございます。
返事が遅くなってすみません!
今は一応シーズンオフ?でイベントが少ないため、なかなかブログも更新できませんが、8月からの本運用に向けて、新しい企画を考えています。
これからもよろしくお願いします。
返事が遅くなってすみません!
今は一応シーズンオフ?でイベントが少ないため、なかなかブログも更新できませんが、8月からの本運用に向けて、新しい企画を考えています。
これからもよろしくお願いします。
| 特派員 | EMAIL | URL | 06/07/22 12:01 | tTBCbx1A |
広島国際会議場のフェニックスホールで行われた「ひろしま神楽の祭典」。現在、広島県に伝わる備後神楽、比婆荒神神楽、安芸十二神祇、芸北神楽の4つの神楽を一度に見ることができる、とても素晴らしい企画でした。そこで今回の報告は、二部にわたって、上演された7演目すべてを紹介しようと思います。
まずは尾道市の山波(さんば)神楽団による備後神楽「剣舞」。4人の舞手はそれぞれ東西南北の四方を意味し、またそれぞれが持つ刀にも由来があります。東は雨蝿切(あめはいきり)の剣、南は草薙(くさなぎ)の剣、西は頭槌(こうづち)の剣、北は十握(とつか)の剣で、口上でその由来を語る場面がとても興味深かったです。備後神楽は広島県南東部を中心に伝わっている神楽で、芸北地方とはちょうど対角線の位置関係になります。神楽においてもやはり違いが見られ、奏楽を見てみると大太鼓が2つ、手打鐘が2つで、笛はありません。芸北神楽のように複雑な楽ではなく、非常にシンプルで、同じリズムを淡々と繰り返すような感じの楽でした。
次は庄原市の比婆荒神神楽社による比婆荒神神楽「茣蓙(ござ)舞・猿田彦の舞」。茣蓙舞は文字通り、茣蓙を使った舞で、前半は手に持って舞われていましたが、後半では広げた茣蓙をまるでなわとびのように使って飛び跳ねるといった感じの舞でした。茣蓙は御座の意味もあり、座を清めて神様を導くという意味合いの舞です。そして座を祓い清められた後に、2人の猿田彦が登場。テンポの速い奏楽に合わせ、リズミカルに扇子や刀を操る舞を披露しました。そして凄かったのが、猿田彦が1人になり、薙刀を使った舞。両腕で、肩で、腰で、手のひらで、とにかく薙刀が回る回る!しかも面を外して舞われており、ひたすら薙刀を回される姿は見ているこちらまで腕がだるくなるような感じでした。
そして佐伯区の水内(みのち)神楽保存会による安芸十二神祇「五龍王」。これは中国から伝わった、陰陽五行思想が色濃く感じられる舞です。5人の舞手が登場し、それぞれが領地を主張して戦いになりますが、最後には和解し協力して穏やかな国づくりを目指すという物語です。登場する5人は五行思想に基づいた色分けがされ、それぞれ、東=青、西=白、南=赤、北=黒、中央=黄を表すものでした。舞い方を見てみると、東西南北の4人が刀を使うところでは、備後神楽の剣舞を髣髴させる舞があり、中央の五郎王子が薙刀を使うところは、先ほどの比婆荒神神楽と似ていたりと、共通するものを感じました。また口上ではなく、舞で物語を進めていくのも興味深いところだったと思います。
上記の3つは、芸北神楽に比べて地味な神楽ですが、伝統というものを強く感じる神楽で非常に見応えがありました。神楽歌も、民謡のような印象を受けるところもあり、地域に密着した伝統芸能というものをより一層感じることができました。こういったホール、ステージで上演することに違和感さえ覚えるほど、伝統と神聖さを感じ、見ていて神社での奉納されている風景が浮かんでくるようでした。
残りの4演目については、次回の報告で紹介したいと思います。
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まずは尾道市の山波(さんば)神楽団による備後神楽「剣舞」。4人の舞手はそれぞれ東西南北の四方を意味し、またそれぞれが持つ刀にも由来があります。東は雨蝿切(あめはいきり)の剣、南は草薙(くさなぎ)の剣、西は頭槌(こうづち)の剣、北は十握(とつか)の剣で、口上でその由来を語る場面がとても興味深かったです。備後神楽は広島県南東部を中心に伝わっている神楽で、芸北地方とはちょうど対角線の位置関係になります。神楽においてもやはり違いが見られ、奏楽を見てみると大太鼓が2つ、手打鐘が2つで、笛はありません。芸北神楽のように複雑な楽ではなく、非常にシンプルで、同じリズムを淡々と繰り返すような感じの楽でした。
次は庄原市の比婆荒神神楽社による比婆荒神神楽「茣蓙(ござ)舞・猿田彦の舞」。茣蓙舞は文字通り、茣蓙を使った舞で、前半は手に持って舞われていましたが、後半では広げた茣蓙をまるでなわとびのように使って飛び跳ねるといった感じの舞でした。茣蓙は御座の意味もあり、座を清めて神様を導くという意味合いの舞です。そして座を祓い清められた後に、2人の猿田彦が登場。テンポの速い奏楽に合わせ、リズミカルに扇子や刀を操る舞を披露しました。そして凄かったのが、猿田彦が1人になり、薙刀を使った舞。両腕で、肩で、腰で、手のひらで、とにかく薙刀が回る回る!しかも面を外して舞われており、ひたすら薙刀を回される姿は見ているこちらまで腕がだるくなるような感じでした。
そして佐伯区の水内(みのち)神楽保存会による安芸十二神祇「五龍王」。これは中国から伝わった、陰陽五行思想が色濃く感じられる舞です。5人の舞手が登場し、それぞれが領地を主張して戦いになりますが、最後には和解し協力して穏やかな国づくりを目指すという物語です。登場する5人は五行思想に基づいた色分けがされ、それぞれ、東=青、西=白、南=赤、北=黒、中央=黄を表すものでした。舞い方を見てみると、東西南北の4人が刀を使うところでは、備後神楽の剣舞を髣髴させる舞があり、中央の五郎王子が薙刀を使うところは、先ほどの比婆荒神神楽と似ていたりと、共通するものを感じました。また口上ではなく、舞で物語を進めていくのも興味深いところだったと思います。
上記の3つは、芸北神楽に比べて地味な神楽ですが、伝統というものを強く感じる神楽で非常に見応えがありました。神楽歌も、民謡のような印象を受けるところもあり、地域に密着した伝統芸能というものをより一層感じることができました。こういったホール、ステージで上演することに違和感さえ覚えるほど、伝統と神聖さを感じ、見ていて神社での奉納されている風景が浮かんでくるようでした。
残りの4演目については、次回の報告で紹介したいと思います。
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2006,07,10 Mon 22:47
新着コメント
えt さん、コメントありがとうございます。
猿田彦の舞をされているんですか!
素晴らしい伝統だと思います。
これからも伝統芸能の伝承を頑張っていただきたいと思います☆
猿田彦の舞をされているんですか!
素晴らしい伝統だと思います。
これからも伝統芸能の伝承を頑張っていただきたいと思います☆
| 特派員 | EMAIL | URL | 07/06/14 19:11 | BFfnvy1Y |
サッチモさん、コメントありがとうございます。
当日は見に行けなかったんですか、それは残念ですね~。
動画配信はボク自身も楽しみです!
当日は見に行けなかったんですか、それは残念ですね~。
動画配信はボク自身も楽しみです!
| 特派員 | EMAIL | URL | 06/07/11 20:58 | BFfnvy1Y |
ひろしま神楽の祭典、行きたかったのですが所用?があり、見に行くことができませんでした。
しかし、このブログや動画配信で当日の様子が観られるので、うれしいです。
他の④演目の記事も期待しております。
しかし、このブログや動画配信で当日の様子が観られるので、うれしいです。
他の④演目の記事も期待しております。
| サッチモ | EMAIL | URL | 06/07/11 18:04 | Ow5MnHpc |
あいにくの雨にもかかわらず、会場は1階、2階席ともにたくさんのお客さんでいっぱいに。呉での、こういった本格的な神楽公演は初めてということで、やはり地元の方が多かったように思います。上演したのは、北広島町の山王神楽団と中川戸神楽団です。
そしてまずは神降し…と思いきや、緞帳(どんちょう)が上がってステージに現れたのは、赤いライトに照らされた、八岐大蛇!
ドライアイスと赤い照明の効果は抜群で、見る人を一気に神楽の世界へと引きずりこんでくれました。
司会の方のあいさつがあって、山王神楽団の「神降し」。この舞は、楽や舞など神楽の基本中の基本ですので、見た目は地味ですが、本来の神楽の意味が存分に込められていると思います。神楽歌も特徴的で、個人的に好きなのは「幣(へい)立つる ここも高天原(たかまがはら)なれば 集まりたまえや 四方(よも)の神々」の歌です。意味は、「幣が立てば、神様が住まわれる高天原と同じですから、どうぞ四方の神々様、ここにお集まりください」という感じで、いかにも「神降し」らしい歌ではないでしょうか。
続いて、中川戸神楽団の「板蓋宮」。初めてこの神楽を見られた方も多くいらっしゃったと思いますが、さぞかし驚かれたことでしょう。やはりというか、クライマックスで入鹿の首が宙を舞う場面では、大きなどよめきと拍手が沸き上がりました。衣装の豪華さ、鬼面の迫力、立ち合いのスピード感、様々な仕掛けなど、スーパー神楽の魅力がたくさんつまった演目でした。
山王神楽団「鈴鹿」。もともと芸北神楽にある「鈴鹿山」に、中国に伝わる伝説などを盛り込まれたこの演目、初めて見る人には少し難しいところもあったかもしれません。
あらすじは、初めは日本を滅ぼしにやってきた立烏帽子(たてえぼし)が、毘沙門天(びしゃもんてん)の言葉によって改心し、坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)と、鈴鹿山に鬼神征伐に向かうというもの。なかなか倒せない鬼神との立ち合いはすごい迫力でした。
休憩を挟んで、中川戸神楽団「紅葉狩」。最近は「瀧夜叉姫」を続けて見ていたので、個人的に久しぶりの「紅葉狩」でしたが、セリフが少し変わっていたところにはすぐ気づきました。この神楽も、一般的な「紅葉狩」ではなく、中川戸神楽団独自の演目となっており、時代の流れによってはからずも鬼にされてしまった者のはかなさが込められていると思います。
最後は山王神楽団の「八岐大蛇」。ステージだけでなく、客席の両サイドからも大蛇が現れ、それに気づいたお客さんから大きな歓声と拍手が起こっていました。重たい大蛇を操り、なおかつ周りと動きを合わせることは、並大抵ではできないと思いますが、8頭の大蛇が見事にそろった舞は素晴らしいの一言に尽きます。個人的には、手名椎おばあさんのネタ披露がなかったのが少しさみしかったですね(笑)。初めての呉だったのでお行儀よくされたのでしょうか。
上演終了後は、山王、中川戸の両神楽団の方がステージに集まり、代表として中川戸神楽団の能海団長からあいさつがありました。その中で「芸北に足を運んでいただければ、まだまだ他にもたくさんの神楽があります」との言葉があり、自分たちだけでなく芸北の神楽全体を想われていらっしゃるんだなと感動しました。また、終了後はロビー出口で団員の方数名がお客さんのお見送りをしておられ、最後までファンサービスをされていました。
これで6月も終わりです。戸河内、瑞穂、千代田、呉といろいろ忙しく動き回りましたが、これからもいろんな場所でいろんな神楽を見て、もっと勉強したいと思います。
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そしてまずは神降し…と思いきや、緞帳(どんちょう)が上がってステージに現れたのは、赤いライトに照らされた、八岐大蛇!
ドライアイスと赤い照明の効果は抜群で、見る人を一気に神楽の世界へと引きずりこんでくれました。
司会の方のあいさつがあって、山王神楽団の「神降し」。この舞は、楽や舞など神楽の基本中の基本ですので、見た目は地味ですが、本来の神楽の意味が存分に込められていると思います。神楽歌も特徴的で、個人的に好きなのは「幣(へい)立つる ここも高天原(たかまがはら)なれば 集まりたまえや 四方(よも)の神々」の歌です。意味は、「幣が立てば、神様が住まわれる高天原と同じですから、どうぞ四方の神々様、ここにお集まりください」という感じで、いかにも「神降し」らしい歌ではないでしょうか。
続いて、中川戸神楽団の「板蓋宮」。初めてこの神楽を見られた方も多くいらっしゃったと思いますが、さぞかし驚かれたことでしょう。やはりというか、クライマックスで入鹿の首が宙を舞う場面では、大きなどよめきと拍手が沸き上がりました。衣装の豪華さ、鬼面の迫力、立ち合いのスピード感、様々な仕掛けなど、スーパー神楽の魅力がたくさんつまった演目でした。
山王神楽団「鈴鹿」。もともと芸北神楽にある「鈴鹿山」に、中国に伝わる伝説などを盛り込まれたこの演目、初めて見る人には少し難しいところもあったかもしれません。
あらすじは、初めは日本を滅ぼしにやってきた立烏帽子(たてえぼし)が、毘沙門天(びしゃもんてん)の言葉によって改心し、坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)と、鈴鹿山に鬼神征伐に向かうというもの。なかなか倒せない鬼神との立ち合いはすごい迫力でした。
休憩を挟んで、中川戸神楽団「紅葉狩」。最近は「瀧夜叉姫」を続けて見ていたので、個人的に久しぶりの「紅葉狩」でしたが、セリフが少し変わっていたところにはすぐ気づきました。この神楽も、一般的な「紅葉狩」ではなく、中川戸神楽団独自の演目となっており、時代の流れによってはからずも鬼にされてしまった者のはかなさが込められていると思います。
最後は山王神楽団の「八岐大蛇」。ステージだけでなく、客席の両サイドからも大蛇が現れ、それに気づいたお客さんから大きな歓声と拍手が起こっていました。重たい大蛇を操り、なおかつ周りと動きを合わせることは、並大抵ではできないと思いますが、8頭の大蛇が見事にそろった舞は素晴らしいの一言に尽きます。個人的には、手名椎おばあさんのネタ披露がなかったのが少しさみしかったですね(笑)。初めての呉だったのでお行儀よくされたのでしょうか。
上演終了後は、山王、中川戸の両神楽団の方がステージに集まり、代表として中川戸神楽団の能海団長からあいさつがありました。その中で「芸北に足を運んでいただければ、まだまだ他にもたくさんの神楽があります」との言葉があり、自分たちだけでなく芸北の神楽全体を想われていらっしゃるんだなと感動しました。また、終了後はロビー出口で団員の方数名がお客さんのお見送りをしておられ、最後までファンサービスをされていました。
これで6月も終わりです。戸河内、瑞穂、千代田、呉といろいろ忙しく動き回りましたが、これからもいろんな場所でいろんな神楽を見て、もっと勉強したいと思います。
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2006,06,26 Mon 21:40
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フローさん、コメントありがとうございます。
最初はどなただろうと思ったんですが、アドレス見たらわかりました。
見に行けなかった方のためにも、なるべく雰囲気を伝えようと努力しているつもりです。
これからもよろしくお願いします。
最初はどなただろうと思ったんですが、アドレス見たらわかりました。
見に行けなかった方のためにも、なるべく雰囲気を伝えようと努力しているつもりです。
これからもよろしくお願いします。
| 特派員 | EMAIL | URL | 06/06/27 21:04 | BFfnvy1Y |
2週間ぶりの開発センターでしたが、やはり競演大会のためか前回ではあまり感じられなかった緊張感を味わってきました。入賞を果たしたのは、各地の大会でも実績のある神楽団でしたが、他にも「神楽の里」の神楽をじっくりと見てきたので、いくつか紹介したいと思います。
優勝は東山神楽団「天神記」。
実は大会直前に、まわりの方から「今日はどこが優勝かね?」と聞かれて、「ボクは東山さんじゃないかと思います」なんて会話をしてたんですよね。まさかこの予想がホントに当たるとは…将来、審査員になれるかな!?(笑)
感想としては、舞と奏楽どちらにおいても安定感と勢いがあり、非常に調和の取れた神楽だったと思います。久しぶりの「天神記」でしたが、やはりよかったです。
準優勝は中川戸神楽団「瀧夜叉姫」。
やはり何度見ても、あの面変わりは「すごいなぁ~」とうなってしまいます。会場のどよめきもすごかったですね~。
第3位は山王神楽団「鈴鹿」。
この演目の内容については、また別の機会でじっくり研究してみたいと思います。3匹の鬼たちの舞はとても迫力あるものでした。また、笛の方が個人賞を受賞されました。
他では、八重西神楽団「鬼同丸退治」。何年か前に見たのと少し変わってたところがありました。これは八重西さんのオリジナル神楽ですので、あまり見る機会はないですが、個人的に好きな演目の一つです。
初めて見て、「なるほど~」と思ったのが上本地神楽団「前編・壇ノ浦」。どこで感心したかというと、史実に基づいた点をうまく神楽に取り入れておられたところです。例えば、はじめは攻め込まれていた源氏が、潮の流れが変わったのを機に逆転したり、三種の神器のうち、実際に源氏が持ち帰ったのは八咫鏡(やたのかがみ)と八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)の2つだけだったなどです。また水龍の登場も興味深かったです。
曙神楽団「紅葉狩」は、3人の鬼女の息の合った舞が印象的でした。また、鬼女から大きな鬼に変わるのが、最後の立会いが始まってからだったので、意表を突かれましたね。
有田神楽団「鐘馗」、これはじっくりと旧舞を堪能できました。個人的には、いつも有田さんを見るときに、一番最初の笛の音を聴いた瞬間に「あぁ、有田さんだ~」と実感したりしてます(笑)。鬼を舞われた方が個人賞を受賞されました。
それと表彰式で、他の団の入賞や個人の受賞をまるで自分のことのように喜んでおられた方を見て、すごく感動しました。そこで改めて、この「神楽」という郷土芸能の良さを感じました。特にいま自分が住んでいるところは、このように神楽が盛んではないので、羨ましいという思いも沸いてきました。「神楽」を通じて、他地域との交流が深まり、そして会場には町内外からたくさんの人が来られるということ。当たり前の光景のようですが、実はそれこそが神楽を通じて私達に与えられた貴重な「財産」ではないかと感じました。
競演結果
優勝 東山神楽団「天神記」
準優勝 中川戸神楽団「瀧夜叉姫」
第3位 山王神楽団「鈴鹿」
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2006,06,19 Mon 18:43
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